大峰山の稲村ヶ岳

稲村ヶ岳登山

稲村ヶ岳

Inamuragatake

白

[稲村ヶ岳登山レポ]
稲村ヶ岳・大日山から観音峰へ縦走登山! 大峰山縦走登山その4

2015年11月22日(日)~23日(月)天候:曇り
レンゲ辻 ~ 山上辻 ~ 稲村ヶ岳 ~ 大日山 ~ 稲村ヶ岳山荘 ~ 法力峠 ~ 観音峰 ~ 観音峰展望台 ~ 観音平 ~ 観音峰登山口
  • 大峰山日本百名山
  • 大峰山は大和アルプスの異名をもつ、北は奈良県吉野から南は和歌山県の熊野まで、紀伊山地の中央を南北にのびる全長50Kmほどの山脈。大峰山とは、広義には大峰山脈を指すが、狭義には山上ヶ岳をさす。しかし、山上ヶ岳は日本三百名山に、南部にある釈迦ヶ岳は日本二百名山に選定されているため、日本百名山の大峰山に登る場合、八経ヶ岳に登る登山者が多い。本サイトでは「日本百名山」の大峰山は、大峰山北部(八経ヶ岳以北)を日本百名山として捉え、北部の大峰山を形成する代表的な山、大普賢岳、稲村ヶ岳も百名山の扱いとしている。
  • 稲村ヶ岳
  • 大峰山脈を形成する一峰で、標高1,726mの山。山上ヶ岳の南西に位置する。山上ヶ岳では女人禁制が敷かれているが、稲村ヶ岳では女性信者の為の修行の場とされており、「女人大峯」とも呼ばれる。
  • 大日山(だいにちざん)
  • 稲村ヶ岳の北に従属するような形でそびえ立つ標高1,695mの山。槍の様に空に突き出た特異な山容が特徴的。
  • 観音峰
  • 山上ヶ岳から西にのびる支脈の末端に位置する標高1,347mの山。山頂手前に大峰山北部を一望できる観音峰展望台がある。

稲村ヶ岳・大日山
のコース

稲村ヶ岳の主な登山口は、北西の洞川、西のみたらい渓谷にある観音峰登山口の2つ。
  • 洞川コース
  • 北西の洞川から法力峠、山上辻を経由して登るコース。最も一般的で利用者も多い。
  • 観音峰コース下り利用
  • みたらい渓谷近くの観音峰登山口から観音峰、法力峠、山上辻を経由して登るコース。
  • レンゲ坂谷コース登り利用
  • 洞川の西側、北のレンゲ坂谷からレンゲ辻を経由して登るコース。
※コース名に厳密な名称はありません。
地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

大峰山縦走登山の計画

たまたま、仕事の関西出張と11月の3連休が重なったため、計画。3連休の天候は21日は晴れ、22日は晴れのち曇り、23日は雨。そのため、21日のスケジュールを長めにとり、23日は下山するだけの予定を立てた。大峰山を逆時計回りで縦走するため、21日観音峰登山口(10時の方角)から行者還避難小屋(3時の方角)まで移動し、行者還避難小屋に宿泊。22日は、行者還避難小屋から行者還岳、七曜岳、国見岳、稲村ヶ岳、山上ヶ岳、を経由して稲村ヶ岳山荘(12時の方角)に泊まる計画。

22日は、山上辻の稲村ヶ岳山荘に宿泊予定。稲村ヶ岳と大日山は23日の早朝に登り、そのまま観音峰経由でスタート地点と同じ観音峰登山口に下山する。

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稲村ヶ岳・大日山
コースレポート

レンゲ辻 ~ 山上辻

【14:06】レンゲ辻の女人結界門を出発。
レンゲ辻は鞍部となっているため、ココから少し登り返す。出発してすぐにソロシニア登山者と遭遇。この登山者がすれ違いざまに一言発した言葉が「この道危ないわ」。ちなみにこの登山者は、レンゲ坂谷から清浄大橋(洞川)に下山するようだ。

さて、少し進むと道は斜面右側をトラバースし始める。先ほどの登山者の発言を裏付けるように、登山道の右側は急斜面となっており、万が一足を踏み外して下まで滑り落ちたら、死ぬ可能性あり。生きていたとしても、この傾斜を下まで滑り落ちたら、まず登山道までは戻ってこれないだろう。ただし、右側が切れ落ちていなければ道自体は普通の登山道なので、一定の注意を払いながら歩いていれば問題はない。この危うい道だが、翌日歩く山上辻から法力峠も同じような道。
【14:43】山上辻の稲村ヶ岳山荘に到着。
到着したとき、ちょうど管理人さんが外に。「明日は天候崩れるみたいだから、時間もまだあるし、今日のうちに稲村ヶ岳登っとく?」と聞かれる。当初は明日の朝に登る予定だったが、確かに明日の天候は期待できないので、予定を変更して今日のうちに登っておくことにした。稲村ヶ岳山荘にザックをデポし、身軽な状態で稲村ヶ岳に向かう。

山上辻 ~ 稲村ヶ岳 ~ 大日山

山上辻の案内板

【14:52】山上辻を出発。
稲村ヶ岳までの道は、危険箇所もなく道迷いの心配もない。道を間違えやすい場所には、きちんとトラロープが張られている。なお、山上辻出発直後の地点にみたらい渓谷に抜ける分岐がある。しかし、殆ど使われていないらしくココの分岐にもトラロープが張られていた。歩き始めて数分で大日山が見えるようになる。

【15:18】稲村ヶ岳山頂に到着。
稲村ヶ岳の山頂には展望台が設置されている。しかし、残念ながら登頂したとき周りは濃霧。ごく一部だけ霧の隙間から眺望があるのみ。途中まで山頂が見えていたので、あと数十分早く着いていればと悔やまれる。
【15:30】稲村ヶ岳山頂を出発。大日山へ向かう。
【15:45】大日山の山頂に到着。
周囲は完全に真っ白で展望・眺望はゼロ。山頂には大小2つの祠が祀られている。空に突き出たような山容なので、当然ながら山頂スペースは狭い。正真正銘、本日最後の山なので、ゆっくり休憩してから出発することにした。
【16:15】山上辻の稲村ヶ岳山荘まで戻ってくる。

稲村ヶ岳山荘

稲村ヶ岳山荘は、シーズン中でも主に土日のみの営業。ただし、平日でも2名以上の予約があれば営業するそうだ。管理人さんは60歳前後の男性1名のみ。洞川にお住まいのようで、営業日のみ洞川から稲村ヶ岳山荘のある山上辻まで登ってこられるそうで。

稲村ヶ岳山荘は、この日の宿泊を最後に今シーズンの営業は終了。その最終営業日の稲村ヶ岳山荘だが、なんと貸し切り!明日の天気が雨予報のため、数名あった予約は全てキャンセルになったそうで。なお、テント場にはソロ登山者が2名テントを張っている。

稲村ヶ岳山荘に戻ってくると、既に夕食の鍋の支度ができていた。最終日だから奮発してくれたと思いきや、いつも鍋らしい。ただ、普段は味噌仕立ての鍋だが、本日は醤油。宿泊客は自分一人なので、管理人さんと2人で鍋を囲む。これまでの山小屋ではなかった夕食のパターンだが、ナイスな夕食だと思う。山の夜なら夏場の鍋でも問題なさそうで、登山者同士の会話も弾みそうだし。現に管理人さんとの会話は弾んだ(苦笑)。食べるのを勧めてくれるのは嬉しいが、キャンセルが出たせいか量が多い。最後は、中華そばまで出てきて、もうお腹いっぱい。今日で営業も終了なので、食材が残っても仕方ないという背景もあったと思うが、サービス精神旺盛。
ポイント 稲村ヶ岳山荘の感想や評判はブログにまとめているので、興味のある方はそちらもご参照ください。
■ 大峰山の山小屋「稲村ヶ岳山荘」の評判と感想

食事の後も珈琲を頂き、1時間ほど会話。稲村ヶ岳山荘のトイレは30年ほど前にふるさと創生事業で、当時は画期的だったバイオトイレを建てた話や、地元の中学生は遠足で女性は稲村ヶ岳、男性は山上ヶ岳に登るといった話など、登山関係から大峰山の歴史的な事、その他雑談まで色々と話を聞くことができた。夕食が早かった事もあり、8時頃には就寝...。毛布もたくさん用意されており、朝まで安眠できた。

【6:00】起床。宿泊者は1人なので、朝食の時間は朝食の準備が出来次第というアバウトな感じだった。準備を整え外に出ると一面真っ白。これは朝一で稲村ヶ岳登っても何も見えんわ・・・。管理人さんは今日一日小屋閉めの作業をするらしいので、お礼をしてから出発。

山上辻 ~ 法力峠

【7:18】稲村ヶ岳山荘を出発。
本日は下山するだけなので、時間に余裕はあるが、天気予報では昼前から雨予報になっている事と、今日中に実家のある京都まで戻り、そのまま新幹線で東京まで戻らなければならないので、ゆっくりもしていられない。
また、下山のみといっても、途中にある観音峰を越えなければならない。まずは中間目的地として、北の法力峠を目指す。

昨日歩いた、レンゲ辻から山上辻間の道もそうだったが、稲村ヶ岳周辺の登山道は片方が切れ落ちていて、めっちゃ危ない。道は斜面をトラバースしているのでアップダウンは殆どなく、注意して歩いていれば問題はないのだが、万が一足を踏み外そうものなら、崖下まで垂直落下となり命の保証はない。現に2015年8月8日、62歳の男性会社員が稲村ヶ岳山荘まであと少しの地点で、同行女性の目の前で崖下へ落下する死亡事故が起きている。
【8:10】法力峠に到着。
法力峠までの道で出会った登山者は、若い3名の男性グループ1組のみ。さすがにこの天気なので、登る人も少ない。
右側が洞川に抜ける道。左側の観音峰方面へ進む。上りに備え上着を脱ぐなど準備を整える。

法力峠 ~ 観音峰

観音峰の前に三ツ塚という小ピークを通過するため、一先ず中間目的地は三ツ塚。
法力峠出発直後の道は右に軽く迂回しているため注意が必要。一瞬だがコースから外れた道を歩いていた。出発直後は急登の上りで、体力的には問題ないが、下山が目的なのに登るのは精神的にすごく嫌。駆け上がるように一気に登る。しかし、その後も予想に反して、ダラダラと上りが続く。結局、法力峠から三ツ塚まで45分で到着しているが、この区間は時間以上に長く感じた。

【9:00】三ツ塚を通過。
地図を読みながら進んでいた予想では、とっくに通り越していると思っていたので、なんかガックリきた。

三ツ塚から観音峰までは、2カ所ほど中規模のアップダウンが待ち構えている。
【9:18】観音峰に到着。
しかしこの時、道標の「観音平」が「観音峰」に見えたため、写真撮影だけしてすぐに通過してしまう。少し進んだ場所で、コースが左に曲がっていたので、その地点で先ほど通過した場所が観音峰だったことに気付く。観音峰手前に何度かアップダウンがある上に、わかりにくいピーク、小さな山頂表記、眺望なし、などちょっと気付きにくい要素が揃っているので要注意。一応写真は残っているし、戻るほどではないので、そのまま先を急ぐことにした。

観音峰 ~ 観音平

観音峰から先、今度こそ本当の下山。後はひたすら下るのみ。一先ず、下り道の途中にある観音平を目指す。
観音峰展望台あたりから、雨がパラパラ降り始めてきたので、ゆっくり休憩も取らず早々に出発。
【9:54】観音平に到着。
観音平は休憩所のようになっている。この休憩所の近くで、少しコースから外れた場所に「観音の岩屋」と呼ばれる岩の空洞を利用した祠がある。しかし、雨も降ってきているのでパス。

観音平 ~ 観音峰登山口

観音平を過ぎたあたりで、ソロ登山者とすれ違う。「この天気の中、今から登るのか・・」と思ったが軽装だったので、観音峰展望台が目的かもしれない。

【10:08】展望台に到着。
登りなら良いが下山してくる場合、高度が下がりどんどん景色が悪くなるので、あまり寄っても意味がない展望台だった。そもそも曇っていて何も見えないし。

展望台の近くに観音の水と呼ばれる水場がある。ココでペットボトルを満タンにし、お土産用の水として持ち帰った。

【10:26】観音峰登山口駐車場に到着。
出発時は数台停まっていた車は全てなく、自分の車だけがポツンと残っていた。

3日かけた大峰山縦走登山もこれで無事終了し、なんだか感無量。それにしても山での2泊3日は長かった~。

関連レポート

稲村ヶ岳・大日山の
コースタイム

予定 実際 場所
14:20 14:03 レンゲ辻
15:30 14:43~14:52 山上辻
- 15:18~15:30 稲村ヶ岳
- 15:45 大日山
15:30 16:15 稲村ヶ岳山荘
- - -
06:40 07:18 稲村ヶ岳山荘出発
07:30~07:40 - 稲村ヶ岳
08:20~08:30 - 稲村ヶ岳山荘
09:20 08:10 法力峠
10:20 09:00 三ツ塚
10:50 09:18 観音峰
11:20 09:54 観音平
12:00 10:26 観音峰登山口

稲村ヶ岳・大日山の
難易度

難易度

10/30

総合難易度
必要体力 体力難易度1
コース距離 コース距離難易度2
所要時間 所要時間難易度2
危険度 危険度難易度4

登山難易度 登山難易度5
小屋・水場 小屋・水場難易度0
アクセス アクセス難易度2

総合難易度 総合難易度4
※ 14,510歩(11/23の登山口までの歩数)
※ アクセスは京都基点
評価基準の詳細はこちら。
必要体力・距離
体力的な難所は、法力峠から観音峰の間のみ。レンゲ辻から山上辻を含む法力峠までの道は、斜面をトラバースしているので、体力的には余裕。稲村ヶ岳・大日山はザックをデポして登れるし、登山道にも体力的難所はない。
危険度・水場

しかし、危険度になると真逆で、法力峠から観音峰登山口までの区間に危険箇所はないが、レンゲ辻から法力峠までの道は、危険箇所だらけ。道の片側が切れ落ちているので、滑落したら死ぬ可能性は十分あるし、現に死亡事故も起きている。切れ落ちているといってもキレットのような岩場ではないが、それでも落ちたら斜面を滑走するように谷に落ちていくだろう。まあ、注意しながら普通に歩けば問題はないのだが、鎖場やキレットの区間が大抵短いことに対して、大峰山のこの区間は結構長く、長時間一定の注意を払いながら歩かなければならないので、不注意や油断が一番危ない。よそ見などして、転倒でもしようものなら命の危機に繋がる。
それ以外では、大日山山頂付近の脚立も、ちょっと危なかった。道迷いでは、観音峰周辺で道がわかりにくい場所があるので、少しだけ注意が必要。

山上辻の稲村ヶ岳山荘を含め、水場は豊富。特に稲村ヶ岳山荘のある山上辻周辺の水は美味しいので、下山する前に水を持ち帰り、家で珈琲など飲むのも良いと思う。

大峰山縦走の難易度

難易度

23/30

総合難易度
必要体力 体力難易度4
コース距離 コース距離難易度5
所要時間 所要時間難易度5
危険度 危険度難易度3

登山難易度 登山難易度9
小屋・水場 小屋・水場難易度2
アクセス アクセス難易度2

総合難易度 総合難易度8
※ アクセスは京都基点
評価基準の詳細はこちら。
必要体力・距離
とにかく距離が長いので、距離に比例して体力も時間も必要になる。特に体力的にキツかったのは双門コースのカナビキ尾根。あの足場の緩い急登の道を登るのは相当キツい。カナビキ尾根以外では、アップダウンの多い行者還岳から大普賢岳までの区間が、体力的にも危険度的にも難所だった。
危険度・水場

南西の八経ヶ岳周辺に危険箇所は殆どないが、反面北東の行者還岳、大普賢岳、山上ヶ岳周辺は細い尾根、切り立った岩場など危険箇所が多い。でも、死に直結という意味で最も危険なのは、レンゲ辻から法力峠の道かもしれない。

稜線歩きでも水場は要所にあるので、山小屋を含めうまく計画すれば問題はない。今回は、弥山小屋が営業を終了していた事と、狼平避難小屋を経由しなかった関係で、西のカナビキ尾根から東の行者還避難小屋まで水の補給ができなかった。
総括

当初、1泊2日のスケジュールを検討したが、どうしても無理が生じてしまうので、2泊3日にした経緯があるのだが、今から考えると正解だった。もし1泊2日なら、日が暮れかけた時間に法力峠までの危ない道を、先を急いで歩かなければならず、非常に危ない。あと、1泊2日なら稲村ヶ岳や大日山に登る余裕もなかっただろうし。

突出して難易度が高い山ではないが、なんといっても大山脈なので、縦走するには危険度的にも体力的にも登り応え十分。一部がユネスコの世界遺産に登録されるなど、歴史的・文化的にも意義深く、醍醐味のある山だった。
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