五竜岳

五竜岳登山

五竜岳

Goryudake

白

[五竜岳登山レポ]
鹿島槍ヶ岳から縦走する鹿島槍ヶ岳・五竜岳縦走登山その3

2020年10月2日(金)天気:晴れ
キレット小屋 ~ 北尾根の頭 ~ G5・G4 ~ 五竜岳 ~ 五竜山荘
  • 五竜岳(ごりゅうだけ)日本百名山
  • 飛騨山脈(北アルプス)の北部、富山県と長野県の県境に位置する標高2,814mの山。旧字体の「五龍岳」と表記されることもある。後立山連峰の中央部に位置し、鹿島槍ヶ岳と並んで、後立山連峰を代表する山の1つ。五竜岳から鹿島槍ヶ岳にかけては鋸歯状の稜線で、日本三大キレットの一つでもある八峰キレットもあるなど、北アルプス縦走の人気コースの1つとなっている。

五竜岳のコース

登山口は、白馬五竜スキー場のゴンドラやリフトを利用してアクセスする遠見尾根登山口と、同じく白馬八方スキー場のゴンドラやリフトを利用してアクセスする八方尾根登山口の2つのみ。縦走路を除けばコースは2つのみで、それぞれのコースを利用する以下いずれかのパターンで大半の登山者が登っている。

・八方尾根から登って遠見尾根で下る
・遠見尾根から登って八方尾根で下る
  • 遠見尾根
  • 白馬五竜スキー場のゴンドラやリフトを利用してアルプス平駅まで登り、そこから遠見尾根沿いを登り、五竜山荘を経由して五竜岳の山頂を目指すコース。
  • 八方尾根下り利用
  • 白馬八方スキー場のリフトやゴンドラを利用して八方尾根沿いを登り、唐松岳頂上山荘と五竜山荘を経由して、五竜岳を目指すコース。
  • 鹿島槍ヶ岳縦走路登り利用
  • 鹿島槍ヶ岳から八峰キレットを越え、稜線上を歩き五竜岳を目指すコース。
山と高原地図
爺ヶ岳のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「鹿島槍・五竜岳」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

五竜岳の登山計画

プラン

かねてより計画していた、鹿島槍ヶ岳・五竜岳縦走登山。今シーズンは新型コロナ感染症の影響で山小屋の予約がとりにくく、天候との兼ね合いもあり、伸び伸びになっていたが、10月初旬に晴れマークが連続していたため、有給休暇を無理やりねじこんで決行した。

スケジュールだが、タイトにはなるがキレット小屋に宿泊して1泊2日で白馬五竜に下山することも可能。(2020年度は9月30日でキレット小屋の営業は終了していたので、今回はそもそも無理だったが)しかしその場合、鹿島槍ヶ岳も五竜岳も早くて正午前後の通過となり、ガスっている可能性が高まる。反面、冷池山荘と五竜山荘に宿泊すれば、鹿島槍ヶ岳は早朝に通過でき、五竜岳は午後以降の通過となるが、翌日の朝にもう一度登ればリカバリーが可能。また、2泊3日にすれば唐松岳まで足を伸ばせるメリットもある。とうことで、今回は2泊3日のスケジュールに固執した。
天気
10月1日の天気は雨だったが、幸いにも行動時間が最も長い2日目、10月2日の天気は終日晴れ予報。2日目に爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、五竜岳と一気に3つの山を縦走する。

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五竜岳コースレポート

キレット小屋 ~ 口ノ沢のコル

【10:16】キレット小屋を出発。
八峰キレットを通過したので、キレット小屋でストックをザックから取り出す。しかし、ストックを出すには少し早くて、次の口ノ沢のコルまでストックはしまっておいた方が良かった。
キレット小屋以降、五竜岳直下までは、なだらかな起伏の稜線歩きかと思いきや、はしごに両手を使って登るような岩登りと、意外と険しい場所が続く。
口ノ沢のコルまでは、小さなピークを、巻いたり登ったりしながら1つ1つ越えていく感じ。
上の2枚の写真の鎖場が、山と高原地図に「2段のクサリ」と書かれている鎖場かと。
【11:03】口ノ沢のコルに到着。
鎖場や岩場が多くてストックがジャマだったので、本来ならココでストックを出した方が良かった。口の沢のコルで5分ほど休憩。ちなみに、岩にペンキで「テント禁止」と書かれているが、こんなところに張る人いる?

口ノ沢のコル ~ 北尾根の頭

次なる中間目的地は、北尾根の頭。地図にも「ゆるい坂道」と書かれているとおり、この区間は鎖場や岩場もなく、道は緩やかなので、稜線歩きが楽しめる区間。
北尾根の頭で休んでいると、鹿島槍ヶ岳方面から歩いてくるソロ登山者が..。自分の後ろを歩いているのは、八峰キレット手前で追い越した中高年の夫婦だけのはず。一体どこから現れたのかと思い尋ねたところ、今日の朝に大谷原から登ってきたらしく、日帰りで鹿島槍ヶ岳と五竜岳を縦走して、白馬五竜スキー場に下山するらしい。服装や装備からトレランではなく登山のようだが、たまにこういう化け物じみた体力の人がいます。

北尾根の頭 ~ G5・G4

北尾根の頭を越えれば、五竜岳も目前。しかし、大ボス五竜岳の前に立ちはだかるのが、中ボスのG5。
ポイント 「G」とは
「G」とは山岳用語のグラードの頭文字で、痩せ尾根という意味。五竜岳の北側の山頂に至る岩尾根のピークにG0、G1、G2があり、五竜岳の山頂はG3。山頂を南側に下るとG4、G5がある。
G5への登り前半は、足場の不安定なガレ場の急斜面を登る。岩はグラグラと動くので足場が不安定。自分が最も苦手なタイプの上りで、登るのが憂鬱..。
ガレ場の急斜面を登り切ったら、ストックはザックに収納することをおススメします。以降は五竜岳の山頂手前まで、岩場を登攀するような場所が続くため、ストックはジャマ。
G5への登り後半は、急峻な岩稜を登る。恐怖を感じるような場面はなかったが、横や下を見ると結構な高度感。

【12:33】G5のピークに到着。
平坦なスペースはないが、岩に座って2~3人が休憩するスペースぐらいはある。G5のピークでおじさんが1人休憩していたので、会話しながら自分も少し休憩。ちなみにG5でようやく冷池山荘の先行組に追いついたようで、五竜岳方面に向かう登山者をちらほら見かけるようになった。

G5の次はG4です。
G5・G4を抜けると、あとは五竜岳へ取り付く地点まで、渡り廊下のような道になっている。

G5・G4 ~ 五竜岳の山頂

G5・G4を過ぎれば、いよいよ五竜岳直下の登り。
上の写真を見ても、どの辺が登山道がわからないと思うが、ど真ん中の岩場を直登していきます。
岩場を抜けて、ガレ場の急斜面に道が変化したら、山頂まであと少し。
【13:31】五竜岳の山頂に到着。
出発時間は1時間遅れたが、結局予定時間より2時間ほど早く到着できました。鹿島槍ヶ岳同様に五竜岳山頂からの展望も360度の大パノラマ。
五竜岳山頂からは、これまで五竜岳に隠れて見えなかった、白馬鑓ヶ岳(やりがたけ)や唐松岳が見えるようになる。
少々風はあるが、山頂で少し遅めの昼食。登山者はポツポツとやってくるが、平日ということもあってか、山頂が人で混みあうことはなかった。

五竜岳の山頂 ~ 五竜山荘

【15:35】五竜岳の山頂を出発。
天気が良かったので、結局2時間ほど山頂に滞在していた。五竜山荘で宿泊手続きを済ませていないので、ぼちぼち出発することに。

【16:06】五竜山荘に到着。
本日の工程はこれにて終了。明日は朝一で唐松岳によって八方に下山します。

To be continued...
ポイント 五竜山荘の感想や評判はブログにまとめているので、興味のある方はそちらもご参照ください。
■ 北アルプス五竜岳の山小屋「五竜山荘」の評判と感想

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五竜岳コースタイム

1日目

予定 実際 場所
07:51~08:01 07:56~08:05 大谷原
09:11 08:51~09:10 赤岩尾根登山口(西俣出合)
12:01 11:06~11:20 高千穂平
14:11 12:36 冷乗越
14:21 12:45 冷池山荘

2日目

予定 実際 場所
- 04:15 冷地山荘出発
- 05:19~05:47 爺ヶ岳(中峰)
- 06:14~06:32 冷池山荘
06:50 07:18 布引山
07:40~07:55 07:56~08:21 鹿島槍ヶ岳(南峰)
08:35~08:50 08:45~09:15 鹿島槍ヶ岳(北峰)
10:50~11:20 10:05~10:16 キレット小屋
12:20 11:03 口ノ沢のコル
12:50 11:39 北尾根の頭
15:20~15:50 13:31~15:35 五竜岳
16:30 16:06 五竜山荘

五竜岳の難易度

難易度4

18/30

総合難易度
必要体力 体力難易度3
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度3

登山難易度 登山難易度6
小屋・水場 小屋・水場難易度1
アクセス アクセス難易度6

総合難易度 総合難易度5

登山DATE 2日目

  • 歩行距離:13.96km
  • 高度上昇:1,322m
  • 高度下降:1,195m
  • 出発高度:2,420m
  • 最高高度:2,889m

  • 標高の差:0,469m
  • 活動時間:07:55
  • 休憩時間:03:56

  • 合計時間:11:51
必要体力
鹿島槍ヶ岳北峰(2,842m)からキレット小屋(2,470m)まで下った後は、G5の手前まで2,500mを起点に上下100m前後の標高を維持して歩く。そのため、アップダウンはそれほど激しくなく体力的にキツくはない。ただ、終盤のG5と五竜岳の上りは、体力が必要。
時間・距離
早朝に爺ヶ岳に寄ったにも関わらず、距離は約14km、活動時間も約8時間に収まった。ちなみに、爺ヶ岳を除けば、距離は約10km、時間は6時間30分。時間と距離の観点では、さほどでもなかった。
危険度
八峰キレットさえ越えればあとは大したことはないと踏んでいたが、その後も意外と険しい場所が多かった。G5・G4あたりは危険度こそ高くはないが、高度感や険しさは八峰キレットより断然上。ただし、極端に危険な箇所や、特別な技術が必要なケースはなかった。ちなみに今回、ヘルメットを持参するか悩んだが、どちらかと言うとあった方が良い。特に週末など、人が多い時は必須。
山小屋・水場
さすが北アルプスだけあって、縦走路でも山小屋が充実している。今回は、キレット小屋が営業を終了していたので、途中で水の調達はできなかったが、10月で気温も上がらず、体力もそれほど消耗しなかったので、水もあまり消費しなかった。
総括
少し危険な箇所は多いが、山小屋が充実していて、距離も時間も長くはなく、アップダウンも少ないので、縦走登山の難易度としては、高くはない。むしろ、危険度さえ許容できれば、楽しいコースと言える。今回は特に、天気が良かったので、登山のキツさよりも楽しさの方が上回った山行でした。
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