唐松岳

唐松岳登山

唐松岳

Karamatsudake

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[唐松岳登山レポ]
五竜岳から縦走する唐松岳 鹿島槍ヶ岳・五竜岳縦走登山その4

2020年10月3日(土)天候:くもり
五竜山荘 ~ 唐松岳 ~ 八方尾根登山口 ~ 黒菱平
  • 唐松岳(からまつだけ)日本三百名山
  • 富山県と長野県にまたがる、飛騨山脈(北アルプス)の後立山連峰に属する標高2,696mの山。唐松岳北方の稜線は、両側面からの浸食によって険しいやせ尾根となり、不帰ノ嶮(かえらずのけん)と呼ばれ、日本三大キレットの1つに数えられる難所となっている。また、日本では数少ない氷河の現存する山でもある。

唐松岳のコース

登山口は、白馬五竜スキー場のゴンドラやリフトを利用してアクセスする遠見尾根登山口と、同じく白馬八方スキー場のゴンドラやリフトを利用してアクセスする八方尾根登山口の2つのみ。縦走路を除けばコースは2つのみで、それぞれのコースを利用する以下いずれかのパターンで大半の登山者が登っている。

・八方尾根から登って遠見尾根で下る
・遠見尾根から登って八方尾根で下る

なお、唐松岳は大半の登山者が五竜岳とセットで登っている。
  • 遠見尾根
  • 白馬五竜スキー場のゴンドラやリフトを利用してアルプス平駅まで登り、そこから遠見尾根沿いを登り、五竜山荘や五竜岳を経由して唐松岳の山頂を目指すコース。
  • 八方尾根下り利用
  • 白馬八方スキー場のリフトやゴンドラを利用して八方尾根沿いを登り、唐松岳頂上山荘を経由して、唐松岳を目指すコース。
  • 天狗尾根縦走路難コース
  • 白馬鑓ヶ岳から天狗尾根沿いを歩き、不帰(かえらず)キレットを越え、唐松岳を目指すコース。
山と高原地図
唐松岳のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「鹿島槍・五竜岳」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

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五竜山荘

【5:43】五竜山荘からのご来光。
前日の天気が悪ければ、この日の早朝に五竜岳にもう一度登る予定だったが、前日の天気が良かったため、本日は五竜岳に寄らない予定に変更。そのためご来光は五竜山荘からです。
上空は雲が多かったので、ご来光は期待していなかったが、東の空だけ雲がなく、きれいなご来光となりました。

五竜山荘 ~ 唐松岳

【5:57】五竜山荘を出発。
本日は唐松岳経由で八方に下山予定。まずは、五竜山荘の背後にある白岳のピークを越え、そこから唐松岳と五竜岳の鞍部まで下る。ちなみにこれから歩く稜線は県境に伸びており、長野県と富山県の県境を歩くことなる。
五竜岳から唐松岳までの区間、要所で葉が色づいていたので、紅葉を楽しみながら歩く。
鞍部から、大黒岳まで登り返す。なお、登山道は大黒岳の山頂を巻いており、登っている道の途中に大黒岳の山名標識が設置されている。
「これより岩場」の標識が設置されている地点から、牛首と呼ばれる岩場の難所を通過する。この地点から唐松岳頂上山荘まで、ストックや水筒はザックに収納したほうが良い。
ポイント 牛首
唐松岳南側の岩稜地帯は牛首と呼ばれている。切れ落ちた岩場が、くびれた牛の首に見えることから名づけられた。
牛首の序盤は危険度低めだが、下の写真のあたりから危険度アップ。
注意箇所としては、壁面に設置された鎖場。足を踏み外して、その勢いで鎖も離してしまうと、滑落する可能性大。ただ、足を踏み外さないように真っすぐ歩くだけなので、技術力よりも精神力の方が重要。

最後に越える尖った岩稜は高度感あり。反面スリルがあり楽しいです。

なお、牛首周辺は道が細いので、登山者がすれ違う場合は要注意。幸いにもこのときは、最後の岩稜を越えるときに1組すれ違っただけだったが、壁面の鎖場あたりで登山者同士でかちあってしまうと、ちょっと厄介。

【8:00】唐松岳山頂に到着。
唐松岳からは360度の大パノラマが楽しめる。しかしこのときは、ガスこそ出ていないが、見てのとおりのどんより曇り空。南は五竜岳、北は天狗の頭、白馬鑓ヶ岳、西は立山、剱岳の眺望がある。

山頂スペースはそれなりに広くて平ら。腰を掛けられる岩もあるため、休憩はしやすい。
唐松岳の北側には、日本三大キレットの1つ、不帰キレットがあるはずだが、核心部は岩稜の影に隠れて見えなかった。

唐松岳 ~ 八方尾根登山口

30分ほど唐松岳の山頂に滞在していたが、この日は天気も下り坂で天候回復も見込めないため、ボチボチ出発することに。
早朝、五竜岳に登らなかったため、かなり時間に余裕がある。唐松岳頂上山荘で携帯の電波が入ったため、帰りの高速バスを2本早めた便に変更しておいた。

【8:55】唐松岳頂上山荘を出発。
八方尾根沿いを下り、リフトのある黒菱平を目指す。
八方尾根だが、とても見晴らしが良くて、道自体も下りやすい。特に下山利用は眺めが最高なので、歩いていて楽しい道。
ポイント 唐松岳の氷河
2019年に唐松沢雪渓が氷河であると確認された。日本国内で確認された氷河としては7カ所目で、剱岳、立山、鹿島槍ヶ岳と並んで氷河が存在する4つ目の山となった。
ちなみに、雪渓と氷河の違いは、夏になっても高山の山頂付近や谷などで雪が解けずに残ったものが雪渓で、氷河は残雪が圧縮されて氷になり、自らの重みで標高の低い方へと流動する氷の塊をいう。この流れていく様から氷河と呼ばれているが、氷河の流れは非常にゆっくりとしている。日本での氷河は珍しい。
丸山あたりから登山者が急増。本日は紅葉真っ盛りの土曜日のためか、ぞくぞくと登山者が登ってくる。どおりで本日土曜日の五竜山荘や唐松岳頂上山荘の予約がとれなかった訳だ..。八方尾根の登山道は道幅の広い箇所が多いが、道幅の狭い箇所では登りと下りで渋滞が発生。登山は登り優先なので、要所で結構な待ち時間が発生しました。まあ、時間には余裕があるのでいいんですが。
八方池に近づくにつれ樹木が増え、紅葉で色づいていた。
八方尾根の植生

バスは14時15分発で、まだまだ時間に余裕があるため、八方池で少し休憩。

第3ケルンの少し先にトイレあり。また、トイレから道は分岐しているが、少し先で合流しているので、どちらに進んでも良い。
【12:01】八方池山荘に到着。
八方池山荘からリフトに乗ることもできるが、時間もあるので徒歩で黒菱平に向かう。
黒菱平のリフト乗り場が見えてから、振り幅の大きい九十九折りの道になっており、無駄に歩かされます。このぐらいの傾斜なら直登にしてくれた方が早いと思うが..。

黒菱平からのリフトですが、安全バーなしで乗っていたので、ちょっとドキドキでした。(終盤で気付きました)係員が安全バーを下ろし忘れたのか、はたまた自分で下ろすものなのか不明ですが..。雪のない季節のリフトって結構スリルあります。

山麓の八方駅からは、八方バスターミナルまで徒歩約15分。八方バスターミナルの近くにある温泉「八方の湯」で3日間の疲れを癒す予定でしたが、意外と時間がなくて寄れませんでした。ちょっとゆっくりし過ぎました..(汗)

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唐松岳コースタイム

1日目

予定 実際 場所
08:01 07:56~08:05 大谷原
09:11 08:51~09:10 赤岩尾根登山口
12:01 11:06~11:20 高千穂平
14:11 12:36 冷乗越
14:21 12:45 冷池山荘

2日目

予定 実際 場所
- 04:15 冷地山荘出発
- 05:19~05:47 爺ヶ岳(中峰)
- 06:14~06:32 冷池山荘
06:50 07:18 布引山
07:40~07:55 07:56~08:21 鹿島槍ヶ岳(南峰)
08:35~08:50 08:45~09:15 鹿島槍ヶ岳(北峰)
10:50~11:20 10:05~10:16 キレット小屋
12:20 11:03 口ノ沢のコル
12:50 11:39 北尾根の頭
15:20~15:50 13:31~15:35 五竜岳
16:30 16:06 五竜山荘

3日目

予定 実際 場所
04:00 - 五竜山荘
05:00~06:00 - 五竜岳
06:40 05:43 五竜山荘
09:20 07:43 唐松岳頂上山荘
09:40~10:00 08:00~08:30 唐松岳
10:15~10:45 08:35~08:55 唐松岳頂上山荘
12:45 11:01~11:15 八方池
13:45 12:01 八方池山荘
14:05 12:20 黒菱平
14:35 - 八方駅
14:45 - 八方バスターミナル

唐松岳の難易度

難易度

12/30

総合難易度
必要体力 体力難易度1
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度2
危険度 危険度難易度3

登山難易度 登山難易度5
小屋・水場 小屋・水場難易度1
アクセス アクセス難易度2

総合難易度 総合難易度4
※ アクセスは東京基点 
評価基準の詳細はこちら。

登山DATE 3日目

  • 歩行距離:11.36km
  • 高度上昇:0,484m
  • 高度下降:1,297m
  • 出発高度:2,490m
  • 最高高度:2,696m

  • 標高の差:0,206m
  • 活動時間:05:33
  • 休憩時間:01:04

  • 合計時間:06:37
※DATEは黒菱平まで
必要体力・距離・時間

五竜山荘からの縦走だったので累積標高は484m。しかも唐松岳直下の牛首は岩場が中心で、体力を必要とするような道ではなかったし。

距離は下り中心だったので、苦にならなかった。時間には余裕があったのでゆっくり歩いたことや、また八方尾根では、登り登山者のすれ違いで足を止める場面も多かったので、ゆとりのある5時間33分(活動時間)だった。
危険度

特筆すべきはやはり牛首の危険度。五竜山荘において登山者同士の会話でよく耳にしたのが「牛首が大変だった」というフレーズ。鹿島槍ヶ岳~五竜岳の間も含めて、危険度が最も高くスリルがあったのは牛首。五竜山荘に宿泊したのは平日で、シニア登山者が多かったので、鎖場に慣れていないシニアにとっては、難所に感じただろう。ちなみに個人的には、恐怖を感じる場面もなく、アスレチック感覚で楽しめました。

なお、今回は五竜岳から唐松岳(南→北)に向かって歩いたが、牛首は唐松岳から五竜岳(北→南)に向かうほうが下りになっているので、危険度も難易度も上がるだろう。
山小屋・水場
稜線上には五竜山荘に唐松岳頂上山荘、八方尾根を下れば八方池山荘もある。北アルプスの中でも人気のコースだけあって、山小屋は充実している。反面、自然の水場は遠見尾根含めて一切ないため、水の補給は山小屋頼みとなる。
アクセス
八方尾根登山口も遠見尾根登山口もリフトやゴンドラを利用できる上、大糸線の駅からも近く、首都圏から高速バスも出ているので、北アルプスの中でもアクセスしやすい山。
総括

驚いたのは、八方尾根を人気の高さ。500人以上は登っていたと思うが、都内近郊の山を除いて、山中であれだけの人を見かけたのは、屋久島の縄文杉以来。しかも若い人たちが異常に多かった。八方尾根は標高1,830mまでゴンドラとリフトで登れる上、道中は見晴らしがよく、登山道もよく整備されており、山小屋も充実していることが、人気の要因なのだろう。

ただ、唐松岳のピストンならともかく、五竜岳まで行くなら牛首を通過しなければならず、それなりの登山経験か必要。若い人なら敏捷性やバランス感覚が優れているので、登山経験がなくても問題ないかもしれないが。
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