爺ヶ岳

爺ヶ岳登山

爺ヶ岳

Jiigatake

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[爺ヶ岳登山レポ]
赤岩尾根から登る爺ヶ岳登山 鹿島槍ヶ岳・五竜岳縦走登山その1

2020年10月1日(木)~ 2020年10月2日(金)天候:雨のち晴れ
大谷原 ~ 赤岩尾根登山口 ~ 高千穂平 ~ 冷池山荘 ~ 爺ヶ岳(中峰)~ 冷池山荘 まで
  • 爺ヶ岳(じいがたけ)日本三百名山花の百名山
  • 富山県と長野県にまたがる、飛騨山脈(北アルプス)の後立山連峰南部に位置する標高2,670mの山。爺ヶ岳は、北峰(標高2,630 m)・中央峰(標高2,670m)・南峰(標高2,660m)の3峰からなる。山名の由来は、春に南峰と中央峰の間にある白沢の上部に、種蒔きをする老爺の雪形が現れるため。

爺ヶ岳のコース

登山口は、扇沢、大谷原の2つのみ。利用者は圧倒的に扇沢の方が多い。
また、夏山登山であれば、単独ではなく鹿島槍ヶ岳とセットで登られることが多い。
  • 柏原新道人気コース!
  • 扇沢登山口から種池山荘を経て爺ヶ岳を目指すコース。扇沢登山口には信濃大町駅から路線バスや、都市部からの高速バスも出ている。ちなみにコース名は、開拓者である種池山荘の運営管理をしていた柏原正泰氏の名前が付けられている。
  • 赤岩尾根登り利用
  • 大谷原から赤岩尾根登山口(西俣出合)まで林道を歩き、赤岩尾根沿いを登り、爺ヶ岳を目指すコース。大谷原へバスは出ていないため、タクシーかマイカー利用となる。
山と高原地図
爺ヶ岳のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「鹿島槍・五竜岳」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

爺ヶ岳の登山計画

プラン

かねてより計画していた、鹿島槍ヶ岳・五竜岳縦走登山。今シーズンは新型コロナ感染症の影響で山小屋の予約がとりにくく、天候との兼ね合いもあり、伸び伸びになっていたが、10月初旬に晴れマークが連続していたため、有給休暇を無理やりねじこんで決行した。

スケジュールだが、タイトにはなるがキレット小屋に宿泊して1泊2日で白馬五竜に下山することも可能。(2020年度は9月30日でキレット小屋の営業は終了していたので、今回はそもそも無理だったが)しかしその場合、鹿島槍ヶ岳も五竜岳も早くて正午前後の通過となり、ガスっている可能性が高まる。反面、冷池山荘と五竜山荘に宿泊すれば、鹿島槍ヶ岳は早朝に通過でき、五竜岳は午後以降の通過となるが、翌日の朝にもう一度登ればリカバリーが可能。また、2泊3日にすれば唐松岳まで足を伸ばせるメリットもある。とうことで、今回は2泊3日のスケジュールに固執した。
コース
当初は、扇沢登山口から柏原新道を登る予定だったが、平日に東京から扇沢に出ている深夜の高速バスはないため、急遽計画していなかった大谷原登山口から赤岩尾根を登ることに。前日に高速バスで松本に入り、松本駅近くの漫画喫茶で仮眠。松本駅から大糸線の始発で簗場駅(やなばえき)に向かい、配車予約をしていたタクシーで大谷原にアクセスする。なお、後に気づいたが、信濃大町駅から扇沢まで路線バスが出ているので、路線バスを利用すれば扇沢にアクセスもできた。そのほうが、交通費も安くアクセス方法としては一般的。
天気
当初10月1日は晴れ予報だったが、直前で雨予報に変わる。しかし、昼以降は天候も回復傾向とのこと。スケジュールでは、冷池山荘にザックをデポして1日に爺ヶ岳に登る予定だったが、天候次第で2日早朝のスケジュールに組み込むことにした。ちなみに、10月2日は終日快晴の予報だった。

関連レポート

爺ヶ岳コースレポート

大谷原 ~ 赤岩尾根登山口(西俣出合)

【7:56】大谷原に到着。
ちなみに、簗場駅からのタクシー料金は3,140円でした。大谷原には車が1台駐車していたが、登山者の車か工事関係者の車なのか不明。登山ポストあり。沢に下りられば給水も可能。(たぶん下りられたかと)
【8:05】大谷原を出発。
林道を歩き、赤岩尾根登山口(西俣出合)を目指す。途中に3箇所ほど分岐があったが、道標がきちんと設置されていた。ただし、見落とすと誤った道に進んでしまいそうな分岐もあったので、道標を見落とさないように注意。まあ、気づくと思うが。
この林道歩きで標高250m登ることになるが、目で見た感じ、道の傾斜は緩やかで、250mも獲得するようには思えない。ただ、ゴロゴロした岩が落ちているなど、歩きにくさもあり、体力はやや消費する。
赤岩尾根登山口周辺地図 赤岩尾根登山口周辺地図。

【8:59】赤岩尾根登山口(西俣出合)に到着。
本日は時間に余裕のある登山なので、ココで10分ほど休憩。

さてココで問題となったのは水場。山と高原地図には西俣出合付近に水場マークが付いている。しかしどう見ても水場はない。砂防ダムに下りられないか確認したが、コンクリートの段差が2~3mほどあるため、下りることはできても上がれない。登山口から先は山の斜面を登る道で、沢から外れていくので、この先に水場があるとは思えない。少し悩んだが、水は2L持参しているし、冷池山荘で購入もできるので、そのまま進むことにした。
ポイント西俣出合の水場について
水場がわからなかったという他登山者の記録も見かけたので、真相を解明をしておく。おそらく、山と高原地図(2020年度版)の西俣出合の地点が間違っている。根拠は、沢を渡る地点は登山口手前のトンネルしかなかったこと、地図では西俣出合以降も林道が続いている点など。では、西俣出合の地点が間違っていると仮定して、じゃあ水場マークはどうなのかと記憶をさぐると、そういえば、林道の側道から水が流れている地点がありました。特に案内板などはなかったと思うが、場所も林道歩きの終盤だった記憶があり、この区間で水がとれそうな地点はそこだけだったし、そこしかないかと。

赤岩尾根登山口 ~ 高千穂平

【9:10】赤岩尾根登山口(西俣出合)を出発。
登山口出発直後から、斜面をジグザグにトラバースしながらグングン高度を上げていく。
登山道の特徴として、地中に埋まって動かない大石が多く、それ以外でも比較的地面の固い場所が多いため、足場がしっかりしていて登りやすい。こういうタイプの道は得意で相性が良い。硬度もグングン上がっている感じがするので、登りがいもある。
30分ほど登るとはしご場が連続しはじめる。ただ、このはしご場も楽に高度を稼げる感じがして、苦になるようなはしご場ではない。ただ、木のはしごは木が腐りかけているようなものもあったので要注意。あと、下り利用だとちょっと厄介そう。
【11:06】高千穂平に到着。
コースタイムは短縮しているが、登山口から高千穂平まで、感覚的には長かった..。晴れていれば展望がきく地点のようだが、このときは真っ白。標高が上がるにつれ、霧がますます濃くなっていく感じ。

高千穂平 ~ 冷池山荘

【11:20】高千穂平を出発。
高千穂平以降は、紅葉真っ盛りです。展望・眺望は期待できないので、紅葉を楽しみながら登る。

【12:02】白穂平に到着。
山と高原地図に標高2,278mと記載されている地点。晴れていれば、鹿島槍ヶ岳も見えるようだが、高千穂平同様に真っ白。

白穂平以降は、少し道も険しくなり、終盤は尾根名の由来にもなたっと思われる赤岩が出現。鎖場もあるので、赤岩尾根の中でも注意が必要な区間。雨もパラパラと振り始めてきたので、先を急ぐ。
【12:36】冷乗越(つべたのっこし)に到着。
思っていたより早く到着できた。雨が降ってきており、一刻も早く冷池山荘に避難したいので先を急ぐ。
【12:45】冷池山荘(つめたいけさんそう)に到着。
宿泊手続きを済ませて、展望台で昼食。午後から天候は回復する予報だったが、結局この日は夜まで回復せず。爺ヶ岳の登頂は明日に持ち越すことにした。
ポイント種池山荘名物のピザ
種池山荘名物の焼きたてピザが、2020年度に限って冷池山荘でも販売中。しかも、注文可能な時間は10:00~13:00のみ。ギリギリ間に合う時間だったので、注文して見たが、美味しかったです。山で食べるピザもオツ。[ピザ
ポイント 冷池山荘の感想や評判はブログにまとめているので、興味のある方はそちらもご参照ください。
■ 北アルプス鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳の山小屋「冷池山荘」の評判と感想

冷池山荘 ~ 爺ヶ岳(中峰) ~ 冷池山荘

【4:15】冷池山荘を出発。
夜明け前に出発したが、この日は中秋の名月で、満月の月明かりだけで歩けるほど明るかった。冷池山荘から鹿島槍ヶ岳に向かう登山者は数組いたが、爺ヶ岳に向かうのは自分だけだった。なお、種池山荘から登ったと思われる登山者が、爺ヶ岳の南峰に1名だけ確認できた。
【5:41】日の出。
雲がないので、きれいに地平線から出てくる素晴らしいご来光。
【5:47】爺ヶ岳山頂を出発。
本日の工程は長いため、日の出後は早々に出発。
爺ヶ岳から冷池山荘までの道中、モルゲンロートで周辺が赤く染まる。
ポイント爺ヶ岳の北峰
爺ヶ岳の北峰のみ、登山道が通っておらず登ることはできない。登山道外を歩けば別だが..。

【6:14】冷池山荘に到着。
デポしていたザックを回収して、鹿島槍ヶ岳に向け出発。

To be continued...

関連レポート

爺ヶ岳コースタイム

1日目

予定 実際 場所
07:51~08:01 07:56~08:05 大谷原
09:11 08:51~09:10 赤岩尾根登山口(西俣出合)
12:01 11:06~11:20 高千穂平
14:11 12:36 冷乗越
14:21 12:45 冷池山荘

2日目

予定 実際 場所
- 04:15 冷地山荘出発
- 05:19~05:47 爺ヶ岳(中峰)
- 06:14~06:32 冷池山荘

爺ヶ岳の難易度

難易度

12/30

総合難易度
必要体力 体力難易度2
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度5
小屋・水場 小屋・水場難易度1
アクセス アクセス難易度2

総合難易度 総合難易度4

登山DATE 1日目

  • 歩行距離:7.83km
  • 高度上昇:1,392m
  • 高度下降:0,097m
  • 出発高度:1,080m
  • 最高高度:2,420m

  • 標高の差:1,340m
  • 活動時間:04:07
  • 休憩時間:00:42

  • 合計時間:04:49
必要体力・時間
大谷原から冷池山荘までだとしても標高差1,340m。しかし時間も約5時間で余裕のあるスケジュールだったことや、登りやすい登山道だったこともあり、標高差ほど苦に感じなかった。無駄に歩かされることが少なく、歩いた分がそのまま獲得標高に反映されるようで、登りがいのあるコースだったし。
危険度
道迷いの危険性はない。危険度は高くないが、冷乗越手前に岩場や鎖場があるので、滑落注意。なお、赤岩尾根ははしごが多いので、下りではあまり使いたくないコース。
山小屋・水場

山小屋は種池山荘に冷池山荘と近接した距離に2つも山小屋があるので、大変助かる。ただし、北アルプスの中でも人気の山小屋なので、予約がとりづらい。(特に冷池山荘は)さらに、2020年度は新型コロナウイルスの影響で、宿泊人数を限定していたので、予約がめちゃくちゃ取りにくかった。特に週末は予約受付開始後、即効で埋まってました。

大谷原から赤岩尾根登山口(西俣出合)までの林道歩きは、沢沿いを歩くが沢に近づくポイントがないので、最低でも冷池山荘までに必要な水の量は大谷原までに調達しておいた方が良い。西俣出合の水場も不確かだし。登山道に入ると、自然の水場は一切ないが、冷池山荘で水を購入したり、年度によって宿泊者限定で給水も可能なようなので、事前に確認しておくことをオススメします。
※2020年度においては、水道の蛇口を通しての給水や販売は一切行っておらず、山荘宿泊者にはペットボトル1本(500ml)が無料で配布されていた。
アクセス
大谷原までバスは出ていないが、大糸線の簗場駅からタクシー3,000円前後でアクセスできる。ただし、簗場駅は無人駅で付け待ちしているタクシーはないため、配車予約は必須。扇沢なら、路線バスも出ているので、なおアクセスが良い。北アルプスの中でもアクセス難易度は低い。
総括
冷池山荘か種池山荘に宿泊すれば、容易に登れる山。爺ヶ岳単独なら、朝早くから登れば日帰りも可能だろう。近くに山小屋が2つもあるので、山小屋の観点からも恵まれており、総体的に北アルプスの中でも登りやすい山と言える。
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