[小法師岳登山レポ]
六林班峠から逆走する袈裟丸連峰最高峰&小法師岳登山 足尾登山その3
庚申山荘 ~ 袈裟丸連峰最高峰 ~ 小法師岳 ~ 巣神山 ~ 原向
- 袈裟丸連峰(けさまるれんぽう)
- 袈裟丸連峰とは前袈裟丸山・後袈裟丸山・中袈裟丸山・奥袈裟丸山・法師岳の総称。最高地点は、標高は1,961m。
- 小法師岳(こぼうしだけ)
- 栃木県日光市足尾町にある1,593mの山。
- 巣神山(すがみやま)
- 栃木県日光市足尾町にある1,226mの山。
小法師岳のコース
巣神山を経由して、小法師岳に登るのが一般的なコース。巣神山までであれば、国土地理院の地図にコースとして掲載されている。それ以外では、自分が歩いたコースのように、袈裟丸連峰の尾根から下山途中に登頂されている。
小法師岳のコースは山と高原地図にはコースとして紹介されていないため、山と高原地図 + 国土地理院の地図も持参が必要。小法師岳の登山計画
- プラン
- 昨年のシルバーウィークに袈裟丸山から足尾山塊に抜けようとして敗退したため、今回はそのリベンジ登山。昨年敗退したコースを逆走する形で、六林班峠から袈裟丸連峰最高峰を目指し、小法師尾根から小法師岳・巣神山を経由して下山を予定。
- コース
- 小法師尾根の小法師岳と巣神山は山と高原地図には載っていないバリエーションルートとなる。バリエーションルートとは、一般のルートとは異なる、より困難な道のこと。ただしココでは、山と高原地図に載っていない道という程度の意味で使っているので、困難かどうかは歩いてみないとわからない。
関連レポート
小法師岳コースレポート
庚申山荘 ~ 六林班峠
【04:20】庚申山荘を出発。
本日はバリエーションルートを歩くため、時間に余裕を持って出発。この時期だとこの時間でも、ヘッドランプを使わずに歩ける。昨日歩いた六林班峠への道を登る。
昨日下山で利用した際も感じたが、斜面をトラバースしているだけで、あまり標高が上がっているイメージが沸かない道だった。
六林班峠 ~ 男山
【06:33】六林班峠を出発。
ココから先は藪漕ぎに備え、レインコートに手袋を装着してゆく。なお、袈裟丸山へ向かう道には、道標すら出ていない。最初の中間目的地は男山。
正規ルートに戻ったのも束の間、再び道は消失。そして目の前に小ピークが出現。笹藪がなければなんてことのない小ピークだが、かなり笹が深い。必死だったので、この斜面を登る際の写真は残っていなかったが、傾斜がある上に笹藪が深いと前が全く見えない。倒木に躓いて転倒したりとこのピークを越えるのには相当苦労した。
ピークを越えたあとは、男山まで細い尾根が続く。尾根の上やや右側に正規ルートを発見。正規ルートに出てから道を遮る笹薮も少なくなり歩きやすい。六林班峠から男山まで30分ほどで到着しているが、この区間は相当厄介だった。ちなみに山名標識は下に落ちていたので、自分が木の間に挟んでおいた。あの感じだと、いつか山名標識は失くなるかも。
男山 ~ 法師岳
次なる中間目的地は法師岳。男山から下ると見覚えのある風景。そう!ココが前回撤退した最終地点。男山から下ってココから目の前のピークを登る。
しかしこのピークは、道が殆どわからない樹林帯で、かなり厄介。笹藪なら掻き分けて進めるが、樹林帯はそうはいかない。また平坦ならともかく、斜面の道なき道を登るのって結構大変。前回の記憶で、最後のピンクリボンは西側(右)にあった筈なので西側から道を探りながら登る。西側に道があった筈だが、見付けられず。仕方ないので、道なき道の斜面を強引に登る。狭すぎて物理的に通れない場所や、足場がなく登れないような場所もあるので、進める場所を探すだけでも相当大変。前回、緊急ビバークした地点などもあった筈だが、見付けられなかった。後にGPSのルートで確認すると、意識しすぎて西側に行き過ぎていたようだ..。
ピークを登り切った後は、法師岳まで笹薮も低く、道もはっきりとした平和な道に。男山から法師岳手前にあるピークを越えるまでは大変だったが、越えてしまえば後は楽。
法師岳 ~ 袈裟丸連峰最高峰
法師岳から袈裟丸連峰最高峰までの道に笹薮はないが、尾根が広がり踏み跡も散見しており、登山道がわかりにくい。道を見つけようとすると返って時間がかかるので、方角を頼りに進む。目印もあることはあるが、数は少ない。
この区間の途中で、東側の崖ギリギリをコースが通っているので、法師岳以降は東の崖から離れすぎない位置を歩くと道に迷いにくい。逆に西方向に進んでしまうと迷うので要注意。ココで本日最初で最後の登山者と遭遇。まさかこのコースで登山者と遭遇するとは思わなかったのでなんか嬉しい。少し会話したが、袈裟丸山から足尾山塊に抜けるようだ。
袈裟丸連峰最高峰 ~ 小法師尾根分岐
小法師尾根分岐まで一緒に歩こうかと思い、同じタイミングで出発するも、一人で歩きたかったのか、すぐに撒かれてしまった。この袈裟連峰最高峰を急いで出発した時に、地図とコンパスを入れた袋のチャックを閉め忘れて出発してしまう。
【9:19】小法師尾根分岐に到着。
前回もそうだったが、この道標は反対方向からくると見付けるのは至難。
小法師尾根分岐 ~ 小法師岳
【10:30】1,690mピーク山頂に到着。
てっきりココが小法師岳だと思い登ったが、山頂には1,690mとだけ書かれている。地図で調べると、小法師岳への中間地点よりさらに手前に1,690mのピークが記されている。コレには愕然。緊張と不安で、地図の距離と自分の歩くスピード、それに時間間隔も完全に失っていた。そもそも、小法師尾根分岐から1時間で着くわけないし。
小法師岳に到着したことで、精神的にはかなり楽になった。しかし、まだまだ先は長いので、パンを食べながらしばし休憩。
小法師岳 ~ 巣神山
【11:57】小法師岳を出発。
次なる目的地は巣神山。国土地理院の地図によれば、小法師岳と巣神山の途中まで登山道が描かれている。懸念点は、これまでのわかりやすい尾根歩きに比べて、尾根が広がり道が蛇行している点。
【13:05】巣神山に到着。
巣神山はピークになっておらず、山名標識がなければ100%わからない。しかも山名標識は道横の石に、外側を向いて設置されているため、意識して歩いていないとスルーしてしまうだろう。
巣神山 ~ 原向駅
登山口といっても標識も何もないけど..。
15時22分の電車に乗車。それなりに本数はあるだろうと思い、特に電車の時間を調べていなかったが、次の電車は16時43分だったようで。15時22分の電車逃したら、こんな何もない駅で、1時間30分も待つところだった。危なかった..。
関連レポート
小法師岳コースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
04:30 | 04:20 | 庚申山荘 |
05:05 | - | 天下の見晴 |
07:15 | 06:24 | 六林班峠 |
- | 07:01 | 男山 |
- | 07:45 | 法師岳 |
10:30 | 08:40~08:43 | 袈裟丸連峰最高峰 |
- | 09:19 | 小法師尾根分岐 |
- | 10:30 | 1,690mピーク |
13:30 | 11:46~11:57 | 小法師岳 |
15:30 | 13:05 | 巣神山 |
17:30 | 14:44 | 登山口 |
18:00 | 15:21 | 原向駅 |
小法師岳の難易度

22/30
総合難易度必要体力 | ![]() |
コース距離 | ![]() |
所要時間 | ![]() |
危険度 | ![]() |
登山難易度 | ![]() |
小屋・水場 | ![]() |
アクセス | ![]() |
総合難易度 | ![]() |
登山DATE
- 歩行距離:24.78km
- 登山歩数:38,814歩
- 高度上昇:0,936m
- 高度下降:1,853m
- 出発高度:1,593m
- 最高高度:1,961m
- 最低高度:0,577m
- 標高の差:1,384m
- 活動時間:10:47
- 休憩時間:00:14
- 合計時間:11:01
お気軽にどうぞ!
前回敗退した法師岳以降の道だが、あの時引き返したのは正しい判断だった。当時の目印を頼りに歩く程度の技術や装備では、男山まで辿りつけたとしても、その先進めなかっただろう。六林班峠から法師岳手前のピークまで目印は殆どない笹薮が生い茂る道のため、地図読みやルートファイティングの技術が必須。特に六林班峠から男山までの道はヒドく、もはや登山道の体を成していない。山と高原地図でも難路の破線ルートで描かれているが、コース自体を地図から消した方が良いレベル。藪漕ぎの練習をしたいなら、良いコースだと思うけど。
また、法師岳~袈裟丸連峰最高峰の道も、わかりにくい。笹薮はないので、目印の数を増やした方が良い。それと山頂直前のシャクナゲに覆われた道もなんとかならんかね..。わかりにくいし、シャクナゲの枝で腕痛いし。
袈裟丸山の尾根とは対照的に、バリエーションルートであった小法師尾根は、想定以上に歩きやすかった。山と高原地図には掲載されていないが、確実に登山道は存在している。一部笹薮に覆われてわかりにくい場所はあるので、地図読みやルートファイティングの技術は必要だが、袈裟丸連峰の尾根に比べれば断然歩きやすい。目印もたまに設置されているし。
水場は六林班峠以前を除けば、巣神山手前の水場のみ。ただし、水の量は少なく枯れる可能性がある点と、終盤の水場なので利用価値としては低い。小法師岳以降はさらに道がわかりやすくなるので、登山口から巣神山を経由して小法師岳まで登るなら、特別な技術がなくても平気。
全体を通して、息切れするような激しい登りはなかったが、標高グラフがギザギザな点からも分かる通り、小・中規模のアップダウンが連続する。普段からアップダウンのある縦走に慣れていないと、このルートは厳しい。
それと、やはり小法師尾根が長大なため距離が長い。小法師尾根分岐から下山まで、下りにも関わらず約6時間も費やしており、庚申山荘から袈裟丸連峰も含めると合計11時間。小法師尾根を歩くなら、余裕のある十分な時間設定と、長い時間歩ける体力が必要となる。