[皇海山登山レポ]
庚申山から鋸十一峰を越えて登る皇海山登山 足尾登山その2
庚申山 ~ 鋸山 ~ 皇海山 ~ 鋸山 ~ 六林班峠 ~ 庚申山荘
- 皇海山(すかいさん)日本百名山ぐんま百名山
- 群馬県沼田市と栃木県日光市の県境にある標高2,144mの山。庚申山から鋸山まで伸びる鋸尾根は、鋸十一峰と呼ばれ11のピークが連続する。江戸時代には庚申山~鋸山~皇海山の尾根を歩く「三山駆け」をする信仰登山が行われていた。
- 鋸山(のこぎりやま)
- 皇海山の南に位置する標高1,998mの山。切り立った山肌がむき出しの山体は、険しい様相を呈している。庚申山から鋸山まで伸びる鋸尾根上には、庚申山、御岳山、駒掛山、浮雲山、地蔵岳、薬師岳、白山、蔵王岳、熊野岳、剣ノ山、鋸山と11のピークが連続し、鋸十一峰と呼ばれている。
皇海山のコース
- 不動沢コース人気コース!
- 西の栗原川林道の皇海橋から不動沢のコルを経由して登るコース。皇海山に登る最短コースでもあり、利用者も多い。
- 鋸尾根コース登り利用難コース
- かじか荘のある銀山平から庚申山や鋸山を経由して、皇海山を目指すコース。伝統的なクラシックコースだが、山と高原地図では破線表示されている難コース。
- 六林班峠コース下り利用
- かじか荘のある銀山平から庚申山荘や六林班峠、鋸山を経由して皇海山を目指すコース。鋸尾根から登った下山で利用されることが多い。
皇海山の登山計画
- プラン
- 昨年のシルバーウィークに袈裟丸山から足尾山塊に抜けようとして敗退したため、今回はそのリベンジ登山。5月5日に庚申山荘を起終点として皇海山に登る。5月6日は昨年敗退したコースを逆走する形で、六林班峠から袈裟丸連峰最高峰を目指し、小法師尾根から小法師岳・巣神山を経由して下山を予定。
- コース
- 皇海山は、庚申山荘を起終点として庚申山経由のクラシックコースから皇海山に登る。下りは六林班峠を経由する周回コースを予定。
関連レポート
皇海山コースレポート
庚申山 ~ 薬師岳
地形図を見ると、駒掛山の手前まで下り道。しかし、途中に2つ目のピーク御岳山があった筈。御岳山は隠れピーク(地形図に反映されない程度のピーク)のため、見つけるのは至難。駒掛山の鞍部までの区間に一枚だけピークっぽい写真があったので、そこが御岳山だったのかも。
【7:49】駒掛山に到着。
コースは微妙に山頂を巻いているため、わざわざ周辺を探して山名標識を発見。樹林帯で薄暗いので、標識も目立たずちょっとわかりにくい。
薬師岳の山頂でコースは左(西)に曲がっている。真っ直ぐ続く踏み跡もあったので、間違わないように要注意。
薬師岳 ~ 鋸山
蔵王岳に到着。鋸山と皇海山の全容を捉えることのできるピーク。山名標識はない。
鋸山を見て、多くの人が感じる印象として「コレ登れるの?」って感じ。茶色い岩肌が露出した斜面は、崩落などで山体が崩壊しているように見える。反面、このようなスリリングな山は嫌いではないので、少しワクワクもする。広義にはこの山全体が鋸山だと思うが、鋸十一峰で残る3つのピーク、熊野岳、剣ノ山、鋸山がこの大きな山体に存在する。途中に小スペースがあったので、おそらくココが熊野岳。山名標識はない。そして熊野岳から、歩いてきた鋸尾根の全容が見渡せる。
熊野岳から剣ノ山までは3分ぐらいの距離だった。【9:08】鋸山に到着。
後に登る皇海山の景色とは対象的に、鋸山からの景色は格別。360度とはいかないまでも、南を基点に270度ほどの角度で景色が開けている。皇海山を正面に見据えて、そのはるか後方には日光白根山と武尊山(ほたかやま)。
鋸山 ~ 皇海山
鋸山から不動沢のコルまでの道は、ガチャガチャした感じの登山道。倒木、ぬかるんだ地面、むき出しの木の根など、登山道が荒れている。樹林帯に入ってから、一部道のわかりにくい箇所もあったので、登山道から外れないよう注意しながら進む。
【9:43】不動沢のコルに到着。
不動沢のコルから不動沢コースと合流するため、登山者も増える。ただし、日光白根山などと比べても、人気のある山ではないため、登山道が混むほど激的に増える訳ではない。
【10:22】皇海山の山頂に到着。
不動沢のコルから正味30分ほどだった。前情報通りだが、山頂からの展望はきかず。不動沢のコルからの道中も殆ど展望はきかなかったので、最も地味な百名山と呼ばれる所以はこの展望に恵まれていない点にある。おまけに山頂スペースも狭いため、早々に下山していく登山者もちらほらと。
皇海山 ~ 鋸山
下山するときも、登山者とすれ違うことは少なかった。この登山者の数なら、ランチタイムでも山頂はそれほど混まないかも。
【11:03】不動沢のコルを通過。
鋸山への登山道には、不動沢のコルを起点に、皇海山を登って物足りない登山者が数組、ピストンしている。皇海山は展望がきかないので、皇海橋から登る場合でも、鋸山は寄っておくのがベスト。
【11:34】鋸山に到着。
鋸山には誰も滞留していないため、ココで静かに昼食。定番のスパゲティ(ポモドーロ風)を作って食べる。
鋸山 ~ 六林班峠
鋸山から六林班峠への標準コースタイムは1時間10分。下り主体という事もあり、体力的難所はない。六林班峠の手前で女山(おんなやま)という小ピークを通過する。
六林班峠に目立った標識はないため、鉄のポールが目印。地図でコースを確認していれば問題ない筈だが、コースは六林班峠でV字に曲がっているので、直進して袈裟丸連峰の尾根に入ってしまわないように。ちなみに、かじか荘のフロントから聞いた情報では、六林班峠周辺の登山道は荒れ気味とのこと。
六林班峠 ~ 庚申山荘
六林班峠から庚申山荘への標準コースタイムは約2時間。標高差は約300m。
情報通り、出発直後の地点で笹藪で道が消失している箇所もあり、道は荒れ気味。目印があったので迷うことはなかったが、進むには軽い藪漕ぎが必要。
山の斜面に作られた細い道を横切るようにして進む。次の日に歩いた時も感じたが、明確に下っているという箇所はなく、平坦移動が多い。
また、道の左側(斜面上側)の笹藪が登山道に出張っているため、登山者の踏み跡は道の右側に集中。そのため、道の右側が崩落している箇所多数。崩落で道が斜めっている箇所もあって、とにかく歩きにくい!特に六林班峠出発直後の序盤にその傾向が顕著。天下の見晴は昨日寄っているが、時間があるのでもう一度寄ってみた。詳しくは前日の「庚申山の記事」を参照。
庚申山荘に到着すると人の気配を感じたため、小屋に入ってみると数人の登山者がチェックインしていた。今日は一人でないことにホッと一安心。さすがにこの広い山小屋に2日連続で1人は勘弁。結局この日の宿泊者は、自分を含めて5組6名。全員男性でした。
ワインを分けてもらったこともあり、共有スペースで登山者同士の山談義が結構盛り上がった。明日の予定は、自分以外の全員が庚申山経由の皇海山。まあ、そりゃそうか..。寝始める人も出てきたため、20時前には解散。明日の袈裟丸連峰と小法師尾根登山に備えて21時前には寝床に入った。
To be continued...関連レポート
皇海山のコースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
06:00 | 06:00 | 庚申山荘出発 |
06:50 | 07:21 | 庚申山 |
08:20 | 08:20 | 薬師岳 |
09:05 | 09:08~09:14 | 鋸山 |
09:35 | 09:43 | 不動沢のコル |
10:35~11:30 | 10:22~10:40 | 皇海山 |
12:10 | 11:03 | 不動沢のコル |
12:50 | 11:34~12:26 | 鋸山 |
14:00 | 13:05 | 六林班峠 |
16:00 | 15:27 | 庚申山荘 |
皇海山の難易度
18/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:26.12km
- 登山歩数:30,696歩※
- 高度上昇:2,281m
- 高度下降:1,638m
- 出発高度:0,827m
- 最高高度:2,144m
- 標高の差:1,317m
- 活動時間:08:09※
- 休憩時間:01:18※
- 合計時間:09:27※
- ※は5/5のみのデータ
お気軽にどうぞ!
大きなアップダウンとしては、鋸山から皇海山の間。この区間は往復しなければならないので、余計にツライ。皇海山への上りは遠くから見るとすごい傾斜に見えたが、登ってみたらそれほどでもなかった。
危険で険しいという意味では、庚申山への上りもそうだが、なんと言っても蔵王岳から鋸山への間が最も危険で険しい。このコースは、シニアや女性は、脚力、体力、身のこなしなどに自信がなければ、厳しいだろう。
良くも悪くも庚申山荘以降に山小屋やテントを張れるような場所はないため、日帰りもしくは庚申山荘宿泊が前提。いずれの場合も、日帰りの軽装備で登れる点は、重い荷物を持って登らなければならない他の山に比べて便利。個人的には、自分の得意なタイプのコースだったので、相性の良さから「キツイ・ツライ」と感じることは少なかったが、ヤマレコなどを確認すると敗退記録も見受けられるので、基本的には難易度が高いコースと思った方が良い。そもそも山と高原地図では、破線で表示される難路指定されているコースだし。
不動沢コースから登ると、展望もきかず史跡もないため、魅力は激減するだろう。体力と技量に問題なければ、庚申山を経由して鋸尾根から登るコースがおすすめ。「最も地味な百名山」と揶揄されることのある皇海山だが、クラシックコースから登ると、とても魅力に溢れた山です。