[荒船山登山レポ]
相沢登山口から登り、立岩まで縦走する荒船山登山
三ツ瀬バス停 ~ 相沢登山口 ~ 艫岩展望台 ~ 経塚山 ~ 立岩分岐 まで
- 荒船山(あらふねやま)日本二百名山ぐんま百名山
- 群馬県甘楽郡下仁田町と長野県佐久市の県境に位置する標高1,423mの山。山頂付近は、長い間の侵食によって形成されたテーブル状の台地(メサ)となっている。山頂台地の北端に艫岩(ともいわ)展望台が、南端に弘法大師が経文を埋めたと伝えられている、最高点の経塚山(きょうづかやま)がある。山名の由来は、平坦な頂上部と切り立った崖のある山容が、船を連想させるため。妙義荒船佐久高原国定公園に指定されている。余談だが、クレヨンしんちゃんの作者が滑落死した山としても知られている。
荒船山のコース
- 内山峠コース人気コース!
- 北西の内山峠から艫岩を経て経塚山を目指すコース。登山口からの標高差は約350mで、大半の登山者がこのコースのピストンで登っている。
- 荒船不動から荒船山
- 東の荒船不動から経塚山を目指すコース。登山口からの標高差は約380mで、経塚山まで1時間30分ほどで登頂可能な最短コース。
- 相沢コース登り利用
- 北東の相沢から中ノ宮や艫岩を経て経塚山を目指すコース。登山口からの標高差は約830m。公共交通機関でアクセスする場合、現実的に利用可能なのは相沢コースのみ。
- 南牧村から荒船山下り利用
- 南の南牧村から登るコース。立岩を経由するコースなど細かなコースパターンは4種類ほどあり、いずれのコースも距離が長く利用者は極端に少ない。
荒船山の登山計画
- 復路のコース・交通手段
-
公共交通機関でのアクセスは厳しいとされている荒船山。当初は、前日入りして南牧村の宿に宿泊するプランを検討していたが、よくよく調べると公共交通機関だけで日帰り可能なことが判明し、日帰りプランに切り替えた。まずコースは、日帰りでの公共交通機関利用の場合、相沢登山口から登る相沢コースのみとなる。上信電鉄のしもにた駅から、しもにたバスの市野萱線に乗り、三ツ瀬バス停で下車し、相沢登山口まで歩く。
- 往路のコースと交通手段
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下山は効率性の観点から、南牧村に下山する。ただし、最寄バス停「羽根沢」の土日祝の最終バスは16時4分。このバスを逃すと、1時間ほど歩いた先にある雨沢バス停まで行くと18時15分のバスがある。問題となったのは、下山で立岩を経由するかどうか。立岩を経由すると標準コースタイムのスケジュールでは16時4分のバスには間に合わない。しかし、どうしても立岩に寄っておきたかったため、雨沢バス停まで歩くか、タクシー利用も視野に入れた計画を立てた。
※しもにたバスも南牧バスも土日祝より平日の方が便数も多く、登山口に早着できる便もあるため、公共交通機関でアクセスするなら平日のほうが便利。 - その他
- なお、今回は時間のない登山のため、ガスバーナーは持参せず、要所でおにぎりを食べながら歩くことにした。
関連レポート
荒船山コースレポート
三ツ瀬バス停 ~ 相沢登山口
いつものことだが、バスは貸し切りでした。入口に標識があるのでわかると思うが、相沢登山口は橋を渡らずまっすぐ進む。三ツ瀬バス停から相沢登山口までだが、傾斜が緩やかなので体力を消耗する林道歩きではない。
2台の車が停車しているが人影はなし。そのまま登山開始。なお、登山口のすぐ横を川が流れており、河原に降りられるので、登山口で水の調達が可能。
相沢登山口 ~ 中ノ宮
大岩の傍らに小さな祠が佇んでいる。ちなみに、中ノ宮付近で本日初となる2人組の登山者と遭遇。登山口に車を駐めていた方だと思うが、相沢コースで遭遇したのは上り下り含めてこの登山者だけだった。
中ノ宮 ~ 艫岩展望台
中ノ宮から艫岩下部の尾根に出るまで、トラバース道が続く。傾斜は緩やかだが、意外と体力を奪われる。
噂通りだが、艫岩は切れ落ちている。普通にしていれば問題ないが、過去に滑落死亡事故も起きているので、崖際に近付く際は要注意。この高さだと落ちたらまず助からない。

荒船山の艫岩では、たびたび登山者が落下し死亡する事故が起こっています。実はこの前日の5月3日にも、艫岩から足を滑らせ滑落したとみられる遺体が、崖下で発見されていたようです。また、クレヨンしんちゃんの作者「臼井儀人」氏が滑落死したのもこの艫岩。現場から発見されたデジタルカメラには、崖の下を覗き込むように撮影された画像が残っていたため、崖際に近付きすぎて誤って滑落したと推測されています。
艫岩展望台 ~ 経塚山(行塚山)
平坦な道を歩いて、まずは経塚山の手前にある「経塚入口」を目指す。船の船首から船尾に移動するイメージ。

「皇朝最古修武之地」の石碑は、日本神話に関する言い伝えを、地元の人達が石に記したものらしい。石碑自体は昭和初期に設置されたものなので、格別古い訳ではない。
その他、クリンソウの群生地もあるが、5月下旬から6月にかけて満開になるようだ。このときは、蕾すらつけておらず。
展望はきかず、小さな祠と山名標識があるのみの小スペース。一応ココが荒船山の山頂だが、展望はきかないので「一応登りましたよ」という形式的な感じ。ピークを踏んだら、早々に引き返していく登山者も多い。
経塚山(行塚山) ~ 立岩分岐
ほとんどの登山者が内山峠コースのピストンなので、南牧村方面へ進む登山者は皆無。ココから再び貸切り登山。まず経塚山から大きく下り、その後は緩やかなアップダウンが続く。
【13:09】立岩分岐に到着。
立岩分岐という地名だが、そもそも分岐にはなっていない。後に知ったが、かつてココから隣の毛無岩、さらにはその向こうの黒滝山まで縦走するコースが存在していたようだ。先程の「黒滝山不動寺」と書かれた道標はその時の名残。上の写真をよく見ると、かつてコースのあった左側には、枝による行くなサインが確認できる。
また、「立岩ヤブ道」と書かれた標識が設置されているが、この先の道で特に藪があるような箇所はなかった。謎です。この先、最終目的地、立岩に登り南牧村へ下山する。
To be continued...関連レポート
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荒船山のコースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
09:14 | 09:15 | 三ツ瀬 |
09:59 | 09:55 | 相沢登山口 |
10:59 | 10:45 | 中ノ宮 |
11:59 | 11:36~11:58 | 艫岩展望台 |
12:34~13:04 | 12:34~12:41 | 経塚山 |
13:49 | 13:09 | 立岩分岐 |
荒船山の難易度

11/30
総合難易度必要体力 | ![]() |
コース距離 | ![]() |
所要時間 | ![]() |
危険度 | ![]() |
登山難易度 | ![]() |
小屋・水場 | ![]() |
アクセス | ![]() |
総合難易度 | ![]() |
登山DATE
- 歩行距離:9.41km
- 高度上昇:1,138m
- 高度下降:0,300m
- 出発高度:0,466m
- 最高高度:1,423m
- 標高の差:0,957m
- 活動時間:03:25
- 休憩時間:00:29
- 合計時間:03:54
お気軽にどうぞ!
艫岩直前の急登はともかく、序盤でも「なんかしんどいなぁ」と思いながら登っていたが、それもそのはずGPSログから算出した登山口から艫岩までの平均勾配は25%と、「奥多摩三大急登」と同等レベル。あとで知ったが、内山峠からの標高差約350mに対して、相沢コースは約830mと倍以上の標高差。どおりでこのコースが敬遠される訳だ...。でも前半はトラバース道も多かったので、そんなにきついタイプの登山道には見えなかったが、意外と傾斜があったってことか。なお、このタイプの登山道はストックがあった方が絶対登りやすい。
経塚山までの片道距離は約8km、所要時間は2時間半。距離はともかく、2時間半で登れる時間の短さが登りやすさに繋がっている。