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奥多摩三大急登とは?

奥多摩三大急登の候補と検証

奥多摩三大急登とは、その名の通り奥多摩山域でベスト3に挙げられる急登コース。しかし、この奥多摩三大急登は、なんらかの団体が命名したものでもなく、明確な認定基準もない。いわゆる日本人の三大好きがこうじてネットなどから自然発生的に生まれたもの。そのため明確にコレと決まったコースがある訳ではない。 しかし、一般的に奥多摩三大急登の三大は、下記3つのコースと認識されている。

鷹ノ巣山の稲村岩尾根

鷹ノ巣山の稲村岩尾根

特に「鷹ノ巣山の稲村岩尾根」は必ず三大急登に名前が挙がるため、皆が認める急登コースと言って良いだろう。

上記3つのコースに対して「いやいやあのコースの方がもっと急登だ!」など、ネット上で意見が交わされている。そのような中、上記三大急登の対抗馬として名前の挙がっているのが、下記7つのコース。

蕎麦粒山の鳥屋戸尾根

蕎麦粒山の鳥屋戸尾根

自分は、2015~2017年にかけて、この急登コースをすべて実際に登って検証してみた。検証にあたって、ストックを使わず荷物も日帰り仕様となるべく同じ条件になるよう努めたが、日帰り困難な「雲取山の野陣尾根(富田新道)」と、積雪のあった「本仁田山の大休場尾根」だけは、他コースと異なる条件になってしまった。

まず、急登を定義する。急登という言葉から「傾斜が急」という定義は異論がないと思う。つまり、アップダウンが多い、コース距離が長いという意味で難易度が高いコースは除外される。その定義から考察すると、アップダウンの多さに泣かされるが決して急登ではない「大岳山の馬頭刈尾根」は落選。

そして、残ったコースをデータで比較してみる。

鷹ノ巣山
稲村岩尾根
六ツ石山
水根ルート
本仁田山
大休場尾根
鋸山
鋸尾根
三頭山
ヌカザス尾根
御前山
大ブナ尾根
天祖山
表参道
蕎麦粒山
鳥屋戸尾根
雲取山
野陣尾根
標高差 1,115m 843m 710m 776m 980m 870m 1,038m 1,040m 1,017m
距離 4.2km 3.5km 2.0km 4.0km 5.7km 4.3km 4.7km 5.7km 6.5km
標準タイム 3時間 2時間40分 1時間40分 2時間30分 3時間30分 2時間30分 2時間45分 3時間30分 4時間30分
平均勾配 26.5% 24.0% 35.5% 19.4% 17.1% 20.2% 22.0% 18.2% 15.6%
※ 標高差や距離は実際に歩いたGPSログから算出し、標準タイムは山と高原地図から引用。数値は全て、登山口から山頂までの区間であり、林道歩きは除いている。また、標高差にアップダウンは考慮されていない。

平均勾配とは水平方向の距離に対して、標高がどれくらい変わるかを表した数値。計算式は「(標高差 ÷ 距離) × 100」となり、例えば水平に100m進んだとき、10m上る坂道なら10%となる。つまりは数値が高いほど急登であるといえる。

※ ただし、平均勾配はあくまで平均であるため、傾斜が急な区間があっても傾斜の緩やかな区間も多いと平均勾配は低下してしまう。

奥多摩三大急登の検証結果

平均勾配の数値を比較して導き出した三大急登こそ、「鷹ノ巣山の稲村岩尾根」「六ツ石山の水根ルート」「本仁田山の大休場尾根」と見事に3つの定番コース!しかし意外にも一番平均勾配が高いのは「本仁田山の大休場尾根」。これは距離が2kmと短いことが影響している。

逆に距離が長いと急登にはなりにくいという事。そのため、距離はあるが平均勾配が15.6%の「雲取山の野陣尾根(富田新道)」は急登とは言えないことが判明。これは登った実感とも一致する。逆に標高差が1,000m以上で距離が4km以上あるのに、平均勾配が20%を超えている「鷹ノ巣山の稲村岩尾根」「天祖山の表参道」は難易度が高いコースであることもわかる。

また「御前山の大ブナ尾根」の平均勾配は20.2%だが、御前山手前の惣岳山(そうがくやま)以降は傾斜が緩やかになるため平均値が押し下げられている。惣岳山までなら平均勾配22.5%と「六ツ石山の水根ルート」に次ぐ急登となる。

御前山の大ブナ尾根

御前山の大ブナ尾根

その「六ツ石山の水根ルート」も六ツ石山手前のトオノクボ以降は傾斜も緩やかになるため、平均値が押し下げられている。トオノクボまでの平均勾配は31.3%と「本仁田山の大休場尾根」に次ぐ急登となる。

ともあれ、急登という意味において、奥多摩三大急登とは下記3つのコースと言って良いだろう。

※平均勾配的に筆頭は「本仁田山の大休場尾根」だが、事実上筆頭として認知されているのは「鷹ノ巣山の稲村岩尾根」のため。

奥多摩裏三大急登

しかし、平均勾配がコースの難易度に比例しているとは言えない。主観的なものだが、8つのコースで最も楽だったのが「本仁田山の大休場尾根」、最もキツかったのは「天祖山の表参道」か「鷹ノ巣山の稲村岩尾根」。例えば、数値だけ見ると大したことなさそうな「三頭山のヌカザス尾根」など、登りにくさに加えアップダウンもあり、かなりキツかった。ちなみに、選出したコースの中で、唯一中規模のアップダウンがあったのは「三頭山のヌカザス尾根」なので、標高差と平均勾配の数値は過小気味に見るべき。

つまり、難易度は平均勾配以外の標高差、距離の長さ、登りやすさ、なども影響するということ。そこで、難易度も考慮した新しい切り口で奥多摩の急登を定義してみた。それが、下記の「奥多摩三大急登」。

■ 奥多摩裏三大急登

天祖山の表参道

天祖山の表参道

「奥多摩三大急登」に対して難易度も考慮した、モノ好きでないと登らないようなマニアックなコース。そのため登山者が少なく、踏み固められていない緩い登山道など登りにくさも加わる。標高差も距離もあり、且つそれなりに急登で登りにくく難易度が高いというのが、この「奥多摩裏三大急登」。

平均勾配が22.0%と高く、個人的にも一番キツかった天祖山の表参道を「奥多摩裏三大急登」の筆頭に位置づけた。

自分なりに、奥多摩の急登を定義してみました。この奥多摩裏三大急登もスタンダードとして認知されると嬉しいんだけど。

ということで、奥多摩三大急登に関する記事でした。
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コメント

 投稿されたコメント

  • やまみほさん
    コメントありがとうございます。

    普通、急登は嫌ですよね。
    自分はブログのネタ目的に登り始めて、後半は意地になって登ってましたので、もうどのコースも基本登りたくないですね(苦笑)
    なので、この記事は苦労して登った急登コースの集大成なので、感慨深いものがありました。

    春までは秩父の伊豆ヶ岳、熊倉山あたりを登ろうかと思ってますので、
    またサイトを覗いて頂ければ幸いです。m(_ _)m

  • こんにちは。
    やまみほと申します。
    今年もよろしくお願いします。
    奥多摩三大急登の検証、興味深かったです。
    とても参考になりました!
    と言うのも、私の場合は登るためではなく、「登る山から削除するため」なのですが(涙)
    急登と聞いただけで、気持ちが暗くなります。
    たけさんが四苦八苦して登られた記録を読むのは大好きなのですが(笑)
    次は伊豆ヶ岳ですよね。
    どんな旅になるのか、楽しみにしています。
    どうぞお気をつけてお出かけください。

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