[高妻山登山レポ]
戸隠連峰最高峰の高妻山を縦走!戸隠連峰縦走登山その2
一不動 ~ 五地蔵山 ~ 高妻山 ~ 五地蔵山 ~ 戸隠牧場 ~ 戸隠神社奥社入口
- 戸隠連峰(とがくしれんぽう)
- 信越国境近く、戸隠地方にそびえる山脈の総称。一夜山から八方睨までを西岳、八方睨から一不動までを表山、一不動から高妻山を含む北端の乙妻山までを裏山と呼ぶ。
- 高妻山(たかつまやま)日本百名山
- 戸隠連峰の最高峰で、新潟県妙高市と長野県長野市に跨る標高2,353mの山。別名「戸隠富士」。一不動から高妻山までアップダウンが多く体力的にキツイため、上級者向けの山とされている。一不動避難小屋のある一不動から高妻山を含む乙妻山の山頂まで十三の石祠(せきし)が祀られている。なお、この高妻山の十三の石祠と、飯縄山南登山道の十三体の神仏とは名前がリンクしており、関係性が窺える。
- 乙妻山(おとつまやま)
- 高妻山の北に位置する、標高2,044mの山。乙妻山に登頂する道は、南の高妻山をから伸びる1本道のみ。その後、登山道は行き止まりとなっている。乙妻山の山頂には最後の石祠となる十三虚空蔵(こくうぞう)が祀られている。
高妻山のコース
- 表参道登り利用
- 古くから使われている一不動を経由し、戸隠連峰の稜線を歩き、山頂を目指すコース。
一不動から高妻山の山頂まで十阿弥陀と呼ばれる石祠が祀られている。
- 弥勒尾根下り利用
- 読み方は「みろくおね」。2001年10月に新たに開拓されたコース。
戸隠牧場から一不動を経由せず五地蔵山を経て高妻山へ至る。コースは五地蔵山まで直登である。
高妻山の登山計画
- プラン
- 今シーズンの集大成として、上信越の戸隠山・高妻山の縦走登山を計画。前入りして、前日に飯縄山に登り、翌日に戸隠山・高妻山を一日で縦走する。11月で陽は短く、高妻山まで縦走するとコース距離は長くなるため、朝早いうちから出発することに。宿泊先は戸隠神社奥社に近い樅の木山荘。
- その他
- なお、ヤマレコなどを参考に、戸隠山・高妻山の縦走を計画したが、樅の木山荘の奥さんから、11月は登る人も少ない上に、この2つの山を同時に縦走する登山者は殆どいないと言われ、事前に綿密な下調べをしているとは言え、ちょっと不安になってしまった。
関連レポート
高妻山コースレポート
一不動 ~ 五地蔵山
【8:51】一不動。
戸隠山も含め、本日初となる登山者と遭遇。嬉しさのあまり話しかけようかと思ったが、挨拶の返答から話しかけるなオーラを感じたので、会話は交わさなかった。暫くすると、自分より先に高妻山へ向け出発していった。
一不動から高妻山の山頂まで、十阿弥陀と呼ばれる石祠が祀られている。
次なる中間目的地は五地蔵山。一不動から先の小ピークを登り切ったあたりに二番目となる石祠、二釈迦の祠がある。二釈迦以降、東側の景色が開ける。この景色が開けたあたりで、シニアソロ登山者を見かけたが、この登山者は高妻山の山頂まで登ってこなかった。たまに、山頂を目指さないシニア登山者がいるので、そのタイプだと思う。まあ、この稜線だけでも十分景色は良いし。
三文殊には石祠はなく、標識のみ。ネットで調べると標識右横に石祠があったようだが、失くなっていた。次の四普賢は、五地蔵山の上り手前にあったようだが、見落としてしまう。
【9:42】五地蔵山の山頂に到着。
ちょっと開けた場所になっているが、展望はきかない。よく見ると空に月が出ているので、石祠と一緒に撮影。五地蔵山まで上りが続いたので、ココで中休憩。さすがに五地蔵山あたりまで来ると、戸隠山から縦走してきている疲れが出てきた。
五地蔵山 ~ 九勢至
【9:54】六弥勒(ろくみろく)に到着。
ココは、弥勒尾根との合流地点。地図で弥勒尾根は、五地蔵山の山頂を通過しているが、五地蔵山の山頂は通過しない。ただし距離は近いので、五地蔵山の山頂にこだわるなら、寄り道するのもあり。
六弥勒で本日3組目となる男女ペアの登山者と遭遇。弥勒尾根から登ってきたらしく、かなりの直登だったらしい。結局、高妻山で遭遇したのは、3組の登山者のみ。11月の平日だし、百名山とは言え、もともと人気がある山ではないようなので、こんなものかな。まあ、3組とは言え、他登山者がいてくれて良かった。人が多いのも嫌だが、誰もいないのも寂しすぎるし。
これまで北に向かって歩いていたが、六弥勒以降は目の前の高妻山を目指し、北西に向かって歩くことになる。六弥勒から小さなアップダウンがあり、次のピークに七薬師。このアップダウンは小さいため、大したことはない。次なる目的地は八観音。この七薬師から八観音までのアップダウンはやや大きい。この道は下山でも歩くため、高妻山の体力的難易度を上げている区間とも言える。
次なる目的地は九勢至(きゅうせいし)。八観音から九勢至までにアップダウンは殆どなく、容易に辿り着ける。なお、九勢至手前で中休憩をとり、最後の上りに備え、魚肉ソーセージで腹ごしらえ。
九勢至 ~ 高妻山山頂
なお、高妻山の上空は飛行機のコースになっているのか、頻繁に飛行機を見かけた。
【11:38】高妻山の山頂に到着。
戸隠山から約7時間の道のり。疲れた~。高妻山の山頂は3組のみ。コースが限られているので、後にも先にもこの3組だけだろう。途中で見かけたシニア登山者は、山頂に姿を見せなかったし。
高妻山山頂 ~ 六弥勒
一先ず、九勢至までは下り一辺倒。十阿弥陀から積雪があるため、さすがにこの積雪の急登を、アイゼンなしで下るのは危険なので、九勢至までアイゼンを装着。安全に歩けたのは良いが、雪が溶けヘドロになっている場所もあるため、アイゼンがドロまみれとなりザックへの収納に苦慮した。
ココからは弥勒尾根沿いに戸隠牧場に下山する。
六弥勒 ~ 戸隠牧場
登山口から戸隠牧場内を歩いて、バス停「戸隠キャンプ場」を目指す。本来ならば下山後に戸隠牧場のソフトクリームを食べたいところだが、戸隠牧場は10月末で今シーズンの営業を終えている。
【16:35】バス停「戸隠キャンプ場」に到着。
次のバスは17時3分。あと30分ココで待っても良かったが、どうしてもソフトクリームが食べたくなってきたので、戸隠神社奥社入口にある茶屋を目指すことにした。戸隠キャンプ場から、さかさ川歩道を歩けば、標準時間30分で戸隠神社奥社入口まで到着できる。まあ、時間は多少短縮できるだろうと、足速に戸隠神社奥社に向かう。
しかし、ちょうど茶屋は店じまいしており、結局ソフトクリームを食べることはできなかった。最後は、まったくの歩き損で無駄に疲れた..。
関連レポート
高妻山のコースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
04:10 | 04:15 | 樅の木山荘出発 |
05:00 | - | 戸隠神社奥社入口 |
05:40 | 05:02 | 戸隠神社奥社登山口 |
- | 06:05 | 百間長屋 |
07:50 | 06:41 | 蟻の塔渡 |
- | 06:59 | 八方睨 |
- | 07:04~07:23 | 戸隠山山頂 |
08:40 | 08:10 | 九頭龍山 |
09:40 | 08:51 | 一不動 |
10:30 | 09:42 | 五地蔵山 |
- | 10:22 | 八観音 |
- | 10:42 | 九勢至 |
12:20~13:00 | 11:38~13:00 | 高妻山山頂 |
- | 13:50 | 九勢至 |
14:20 | 14:30 | 六弥勒 |
16:10 | 16:07 | 弥勒尾根登山口 |
16:35 | 16:35 | 戸隠キャンプ場 |
- | 16:53 | 戸隠神社奥社入口 |
高妻山の難易度
19/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:17.9km
- 登山歩数:33,077歩
- 高度上昇:1,456m
- 高度下降:1,485m
- 出発高度:1,215m
- 最高高度:2,353m
- 標高の差:1,138m
- 活動時間:10:57
- 休憩時間:01:41
- 合計時間:12:38
お気軽にどうぞ!
ただし、部分的に見ると際立った難所は限られているが、小刻みなアップダウンが頻繁にある上、戸隠山から縦走してきているので、ボディーブローのように体力を徐々に消耗し、全体的に考えるとやはりしんどかった。
同じ戸隠連峰の戸隠山に比べて危険箇所はほとんどないが、水場や山小屋の環境には恵まれていない。高妻山レベルの山なら有人・無人問わず山小屋があってもおかしくないが、避難小屋が1つのみ。その避難小屋も緊急時以外は使用不可。そのため、体力的難易度が高いにも関わらず、日帰り前提という縛りが難易度を上げている。
水場は一不動から戸隠牧場に下った場所にあるだけ。弥勒尾根や戸隠山から縦走してくる場合、下山するまで水の調達はできない。なんとか予定タイムスケジュール通りに行動もできたし、ギリギリ想定の範囲内だったかな。弥勒尾根コースができたことで、一不動から五地蔵山を往復する必要がなくなったため、昔よりかは登りやすくなっていると思う。
高妻山は戸隠連峰の最高峰で、ポコッと頭一つ分高く、特に展望が良いので、見晴らしの良い晴れた日に登りたい山。今回は、文句のつけようのない快晴だったので、天候にはかなり恵まれた。