[北岳登山レポ]
大樺沢コースから登る北岳登山! 白峰三山縦走登山その1
広河原 ~ 八本歯のコル ~ 北岳山頂 ~ 北岳山荘 ~ 北岳山頂 まで
- 白峰三山(しらねさんざん)
- 南アルプス国立公園内の南アルプスにある山、北岳、間ノ岳、農鳥岳3つの山の総称。読み方は「しらみね」ではなく「しらねさんざん」。
- 北岳(きただけ)日本百名山新花の百名山山梨百名山白峰三山
- 山梨県南アルプス市にある標高3,193mの山。富士山に次いで日本で2番目に高い山として有名。山の東側斜面に北岳バットレスと呼ばれる岩壁があり、クライミングの対象となっている。
北岳のコース
- 大樺沢コース登り利用人気コース!
- 北岳の北東、広河原から登るコース。最も利用者が多く一般的。なお、詳細にはこのコースでも2パターン存在する。
【左俣コース】広河原 ~ 大樺沢 ~ 二俣 ~ 八本歯のコル ~ 北岳
【右俣コース】広河原 ~ 大樺沢 ~ 二俣 ~ 小太郎尾根分岐 ~ 北岳肩ノ小屋 ~ 北岳
- 白根御池・草スベリコース人気コース!
- 大樺沢コース同様に広河原から登るコース。出発直後の分岐を白根御池方面へ進み、草すべり(地名)、北岳肩の小屋を経て山頂を目指す。
広河原 ~ 白根御池 ~ 小太郎尾根分岐 ~ 北岳肩ノ小屋 ~ 北岳
- 池山吊尾根コース
- 北岳の東側、池山吊尾根から登るコース。東側、鷲ノ住山から池山御池小屋、ボーコン沢ノ頭、八本歯のコルを経て北岳山頂に至る。
- 両俣コース
- 北岳の西側から登るコース。北側の野呂川出合から北岳西側の両俣小屋まで林道を歩く。両俣小屋からは左俣沢沿いに左俣大滝を経由して北岳山頂を目指す。
白峰三山縦走の登山計画
- コース
- 白峰三山縦走は、北岳、間ノ岳の百名山2つに加え、二百名山の農鳥岳も含めて縦走する贅沢なコース。おまけに、北岳、間ノ岳は日本で2番目、3番目に高い山というプレミアムのおまけ付き。
- 日程
- 白峰三山縦走は、1泊2日では時間に余裕がなく、2泊3日では時間に余裕がありすぎる。しかし、仕事の関係で2泊3日のスケジュールは確保できないため、1泊2日のスケジュールに。下山の奈良田温泉から最終バスは、広河原経由甲府行きが15時30分、身延駅行が16時20分のため、できれば15時30分、遅くても16時20分までに奈良田温泉バス停に到着しなければならない。
- 宿泊先
- 問題となったのが、宿泊先。農鳥岳直後の大門沢分岐から奈良田まで標準コースタイムが約6時間もかかるため、この区間がもっともボトルネック。そのため、初日に農鳥小屋に宿泊すれば、翌日のスケジュールが楽になる。しかし初日に農鳥小屋まで行くには、標準コースタイムで15時を超えてしまうが、15時を超えて農鳥小屋に到着すると管理人からどやされるらしい。結局、農鳥小屋の評判の悪さもあり、無難に北岳山荘に泊まることにした。
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甲府 ~ 広河原
前回の八ヶ岳同様、前日入りの際のホテルが取れず。ネットで調べると、甲府駅近くの舞鶴城公園で野宿している人もいたため、自分もそれに習い野宿を選択。
最舞鶴城公園のどこで寝ようか迷ったが、自由広場を選択。芝が良いクッションとなって寝心地は最高に良い。特に虫の襲来もなく安眠できたが、難点と言えば、たまに酔っぱらいやカップルがやってくるので、少し気になること。
前日入りする場合、この広河原山荘に泊まる方法もある。この時は、特に用事もないのでそのままスルーし、登山スタート。
広河原 ~ 白根御池分岐点
白根御池分岐点 ~ 二俣
なお、この日は低気圧の影響で午前中こそ天候不良の予報だが、午後以降は回復傾向とのこと。二俣までの大樺沢沿いを登っている時に雨が降り始める。ザックカバーや雨具はあるものの、カメラの防雨対策を忘れていたため、ちょっと焦る。仕方なくカメラにタオルを巻いて登ることにした。
【8:50】二俣に到着。
二俣までの登山道、雨は想定外だったが、コース自体は比較的苦もなく登ることができた。二俣あたりから下山者が増加。前日は土曜日で天気も良かったが、この日は天候が崩れる予報だったので、やや足早に下山してくる登山者が目立つ。
二俣以降、左俣と右俣のどちらから登るのか決めていなかったが、下山者が圧倒的に多い左俣を選択。10分ほどの中休憩をとってから出発した。
二俣 ~ 八本歯のコル
上部二俣は道が分かれているように見えるが、左側にしか進めない。上部二俣にきた頃には雨も止み、時折日差しが差し込むなど、天候回復の兆しが感じられるようになる。
ココは池山吊尾根コースとの合流地点でもある。低気圧は完全に通り過ぎたようで、気付けば青空が広がっていた。八本歯のコルから、北岳山荘、間ノ岳、農鳥岳を一望できる。
八本歯のコル ~ 吊尾根分岐点
吊尾根分岐点は風の通り道になっているようで、立っていられないぐらいの、激風が吹き荒れている。吊尾根分岐点から山頂までは約20分。明らかに山頂は霧に包まれており、展望は期待できないが、山頂に着いたら晴れていたなんて奇跡があるかもしれないので、山頂に向かう。北岳山荘に向かうには早すぎる時間帯だし。
吊尾根分岐点 ~ 北岳山頂
愛媛からきているというおじさんに先導・鼓舞され、山頂へ向かう。吊尾根分岐点ほどではないが、風が強く場合によっては低姿勢で進まないと突風でヨロケてしまう。
【12:09】北岳の山頂に到着。予想はしていたが、あたり一面真っ白け。時間はたっぷりあるので、昼食のそばめしを作りながら、霧が晴れるのを待つことに。
なお、先導してくれたおじさんも早々に北岳肩の小屋に向けて出発してしまう。山頂に1人ポツンと残されるが、すぐ後ろを歩いていた団体さんや、その他の登山者が登ってくると思い待っていたが、誰一人登ってこない。後に、北岳山荘に到着して確認すると、皆「吊尾根分岐点」の強風で、本日の登頂は諦め、北岳山荘に駆け込んだらしい。明日の天気は良好なため、無理して登頂せずとも明日登れば良いという、しごく真っ当な判断。それにしても、北岳肩の小屋方面からも誰も登ってこず、結局12時30分~13時30分までの1時間は山頂にポツンと1人で寂しかった。
【14:00】14時まで粘ってみたが、一向に霧が晴れる気配がないため、北岳山荘へ向けて出発することに。北岳山頂 ~ 北岳山荘
北岳山荘
【14:47】北岳山荘に到着。
北岳山荘だが、9人以下は予約不要の山小屋。緊急時に備えて電話回線を空けておくためとの名目だが、管理面での負担軽減といった理由もあるかもしれない。なお、そのため混雑状況は行ってみないとわからず、繁忙期は2人で布団1枚となる。この日は日曜日ということもあり、1人1枚の布団だったのでホッと一安心。シュラフを持参しようか迷ったが持ってこなくて正解だった。
17時30分を過ぎたあたりから、あたりの霧が晴れ、夕焼けで空が赤く染まり始めたので、多くの宿泊者が夕焼けを見に外に出てきていた。
消灯は20時だが、北岳山荘は談話室がないため、食事をとってから消灯まで行く場所がない。多くは寝床で時間を潰しているが、そのうちウトウトと寝てしまっている人も多数。そのため寝床での会話も憚られ、起きている人にとっては余計に行き場がなくなる。自分は、自炊室に登山道で何度か接触した年配の女性が1人自炊をしていたので少し話をしたが、その方もすぐテントに戻っていったので、1人おつまみを食べながら明日のスケジュールを再設定。
明日のスケジュールだが、本来は夜明け前に出発し、間ノ岳でのご来光を予定していたが、どうしても北岳への未練が捨てきれない。朝一に北岳でご来光を見てからでも間に合うか、もう一度スケジュールを組んでみたところ、なんとか間に合いそうなので、明日は夜明け前に、山荘にザックをデポして北岳に向かうことにした。
20時の消灯時間には寝床につき就寝。の筈だったが、周辺のイビキがうるさ過ぎて、なかなか寝付けなかった。北岳山荘 ~ 北岳山頂
【4:00】北岳山荘を出発。
出発時にご来光を見に行く人も数名いたが、殆どが間ノ岳で、北岳に向かうのは自分だけだった。白峰三山を縦走せずに間ノ岳と北岳だけに登る場合、間ノ岳でご来光を見て、北岳山荘に戻り、北岳を通って広河原に下山というのが無駄のないスムーズな動きとなるからだろう。
山頂には2組3名のみ。北岳山荘の従業員曰く、日の出は5時15~30分が目安らしいので、しばし待つ。待っている間に、北岳肩の小屋方面からドンドン人が登ってきて最終的に20人弱ぐらいにはなったと思う。
【5:56】完全に夜が明ける。地平線に雲がかかっていたせいもあって、予定時間を30分もオーバー。北岳山荘に急いで戻る。
【6:14】北岳山荘に到着。
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北岳のコースタイム
1日目
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
06:28 | 06:28 | 広河原 |
06:50 | 06:57 | 広河原山荘 |
07:15 | 07:13 | 白根御池分岐点 |
09:15 | 08:50 | 二俣 |
11:45 | 10:58 | 八本歯のコル |
12:45~14:00 | 12:09~14:00 | 北岳山頂 |
15:00 | 14:47 | 北岳山荘 |
2日目
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
04:00 | 04:00 | 北岳山荘出発 |
05:00~05:30 | 05:01~05:56 | 北岳山頂 |
06:00 | 06:14 | 北岳山荘 |
北岳の難易度
13/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE(1日目)
- 歩行距離:6.07km
- 登山歩数:22,450歩
- 高度上昇:1,626m
- 高度下降:0,279m
- 出発高度:1,510m
- 最高高度:3,193m
- 標高の差:1,683m
- 活動時間:06:28
- 休憩時間:01:51
- 合計時間:08:19
お気軽にどうぞ!
峻険な山のイメージのある北岳だが、意外にも危険箇所は殆どない。危険度を1にしたが、これは山頂近くの激風による危険度。本格的な鎖場などもなく、滑落注意ポイントもない。ただし、高度が高い分、天候が荒れると山頂付近の稜線は危険度が増すので、天候によって注意が必要。
大樺沢コースで何よりも助かるのは、水に困らないこと。本文にも書いたが、空のペットボトル3~4本持参して、上俣から連続するはしご場の間で満タンにすれば、大樺沢沿いの上りは水の重量分楽に登ることができる。あの水量なら枯れることもないだろうし。大樺沢コース以外でも、白根御池小屋や、北岳肩の小屋など有人山小屋が充実しているので、山小屋の環境においては恵まれている。