岩木山

岩木山登山

岩木山

Iwakisan

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[岩木山登山レポ]
午後から大荒れ!弥生登山道から登る岩木山登山

2016年9月29日(木) 天候:曇りのち雨
弥生登山口 ~ 姥石(六合目) ~ 岩木山頂 ~ 岩木山神社
  • 岩木山(いわきさん)日本百名山
  • 別名「津軽富士」と呼ばれている、青森県のにある標高1,625 mの火山。青森県の最高峰。古くから山岳信仰の対象とされている山で、南側の麓には岩木山神社、山頂には岩木山神社奥宮が鎮座している。有料道路である津軽岩木スカイラインが八合目まで開通しており、乗り合いバスも運行している。さらに八合目から九合目まではリフトが運行しているため、登山しない人でも登頂が可能な山。

岩木山のコース

登山口は弥生、新弥生(弥生いこいの広場)、岩木山神社、岳温泉前、赤倉神社、大石神社の6つ。なお、弥生いこいの広場が登山口の弥生新道は、2016年8月11日(山の日)に開通した新ルート。
  • 百沢登山道下り利用
  • 南の岩木山神社奥にある百沢スキー場にある登山口から登るコース。麓の岩木山神社から登るため、表参道的な位置づけとされている。
  • 弥生登山道登り利用
  • 西の弥生または、新弥生(弥生いこいの広場)から登るコース。
    弥生と新弥生は3合目で合流する。弥生から登った場合、最も標高差のあるコースとなる。コース上に合目案内の標柱が設置されている。
  • 岳登山道
  • 南西の岳温泉前から津軽岩木スカイラインと並行する形で登るコース。標高差が最も少なく、登山道の中では難易度の低いコース。
  • 赤倉登山道
  • 北東の赤倉神社から登るコース。登山口まで公共交通機関が出ていない。八合目付近の登山道まで、33体の観音さま『三十三観音』が一定間隔で祀られている。
  • 長平登山道難コース
  • 北西の青森スプリング・スキーリゾート(ナクア白神スキーリゾート)から登るコース。
    山と高原地図では破線表示されており、登山口まで公共交通機関も出ていないため、おそらく最も登山者が少ないコース。
山と高原地図
岩木山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「八甲田・岩木山」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

岩木山の登山計画

プラン
9/28の夜から高速バスで、新宿から弘前に移動。弘前到着後すぐに、朝一の路線バスで岩木山登山口にアクセスする。9/29に岩木山に登り、その日のうちに青森市内に移動。9/30は八甲田山。10/1は市内観光の予備日に設定し、同日の夜に深夜バスで東京に戻る計画。9/29の天気予報だが午前中は曇りで昼から晴れる、曇りのち晴れの予報のはずだった..。
コース
当初、岩木山神社のある百沢登山道から登り、弥生に下山する予定だった。しかし、山と高原地図の弥生登山道に「登りに使うとよい」と書かれていたため、『登りのオススメは弥生登山道』と解釈してしまい、直前で弥生登山道から登り、百沢登山道に下山する逆回りに変更。なお、この変更には、深夜バスの到着時間と岩木山神社行きの路線バス出発時刻の時間差が15分しかなかったため、バスの時間に余裕のある弥生にしたという背景もある。

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岩木山コースレポート

岩木山神社 ~ 白雲橋登山口

【06:30】予定より30分早く、弘前バスターミナルに到着。
カバンから登山に必要なものだけを取り出し、あとは大型ロッカーに荷物を預ける。トイレに行って、食事して、コンビニで水買ってなどしたが、それでも時間に余裕があったので、これなら岩木山神社行きのバスでも余裕で間に合っていた。

さて、弘前バスターミナルに登山者は3人いたが、全員が枯木平線(岩木山神社や岳温泉前に行くバス)に乗車。岳温泉前で津軽岩木スカイラインのバスに接続しているため、岩木山神社か岳温泉前から登ったか、バスで八合目まで乗り継いだかのいずれかだろう。

弥生行きのバスに乗車した登山者は自分1人。弘前駅で、多数の学生が乗り込んできて居心地が悪かった。そう言えば自分は夏季休暇中だが、この日は平日だし。

バスの中から見える岩木山だが、5合目付近から上は雲をかぶっている。天気は昼から晴れる予報なので、午後以降の天気に期待。

【08:12】弥生バス停に到着。
登山者以外も含め、弥生で降車したのは自分1人。今日も孤独な登山になりそう..。

まずは、弥生から舗装道路を歩き登山口を目指す。林道の途中にあるリンゴ農園を抜けていく。なんか青森にきた実感が湧いてくる。登山口まで一本道なので、道に迷う心配はないが、実際の時間以上に長く感じた。
【08:37】弥生登山口に到着。
空は曇っているので、樹林帯に入ると薄暗い。登山口で少し休憩してから出発。

弥生登山道一合目 ~ 弥生登山道三合目

岩木山は成層火山で円錐形をしているため、登り始めの麓付近は傾斜が緩やか。これは、弥生登山道だけではなく、百沢登山道、岳登山道でも同じで、スロースターターの人にとっては登りやすい。ただし、この日は前日まで雨が降っていたこともあり、地面は濡れたり湿ったりしているため、腰をおろして休憩出来る場所が殆どない。そのため、序盤はきちんとした休憩をとれなかったので結構しんどかった。

体にまとわりつくような嫌な感じではないが、かなり湿度が高い。登山道に多数のきのこが生え、川もない場所にカエルもいたので、それぐらい森全体が湿った空気に覆われている。

【09:28】弥生登山道三合目に到着。
疲れたので、ココで湿った地面に座り込んで休憩。三合目は新弥生登山道との合流地点。三合目で合流するならどちらから登っても変わらない気がする。

三合目で休憩しているとき、ブッシュの中から木の葉がこすれる「ガサガサ音」や、木の枝が折れる「パキ音」がやたらと聞こえてくる。最初、雨の音か下山者がいるのだろうと思っていたが、雨が降っているような感じではないし、下山者にしては一向に姿を現さない。特におかしいと感じたのは、木の枝を足で踏みつけた時の「パキ音」が、あんな頻繁に聞こえるのはおかしい。

岩木山には、熊がいるらしいので、恐くなり早々に休憩を切り上げ、その地点から離れることにした。姿を見たわけではないので、熊だという確証はないが、自然に聞こえる音にしては不自然すぎる。

弥生登山道三合目 ~ 弥生登山道六合目

三合目を過ぎたあたりから、傾斜も急になり始め、本格的な上りとなる。とは言っても道自体はこれまでと変わらず引き続き樹林帯で、景色が開ける場所もない。三合目から六合目は、体力を使うにも関わらず、トピックスは皆無なので、ある意味最もツライ区間。早く次の標柱が出てこないかだけを楽しみにひたすら登る。

また、これまでそれほど気にならなかったぬかるんだ地面だが、傾斜が出てきたことで、足がズルっと滑る場面が増える。この状況は進むごとに悪化していく。

四合目付近で一時的に雨が降り、木陰で少し待機。今回は買ったばかりのカメラを持参しているので、雨に降られるとヤバイのでちょっと焦った..。

四合目を過ぎたあたりから、座れる岩なども出てくる。ただし、座って休憩していると、ハエが寄ってきて鬱陶しい。前回登った、滋賀の武奈ヶ岳と同じパターン。ただし、岩木山の場合、山頂に近づくにつれハエも少なくなっていった。

弥生登山道六合目 ~ 弥生登山道八合目

【11:07】弥生登山道六合目を出発。
六合目以降は道幅も狭くなり、軽い藪漕ぎをしなければならない悪路に変貌。道に迷うことはないが、足元がゆるくこれまで以上に登りにくい。何回ズルっと滑ったことか..。おかげで手足は泥だらけ。
六合目を10分ほど登った先で振り返ると、弘前市内の街並みが広がる本日初の展望。そして正面には紅葉で色づき始めた木々。晴れていれば最高のロケーションだと思うが、空は引き続きどんより曇り空。山頂に着く頃には晴れてくれることを期待し、引き続き登る。
七合目から15分ほど斜面を登ると、少し平らになった開けた場所に出る。ココからようやく岩木山の山頂を捉えることができる。後半戦の中で、このあたりだけは唯一歩きやすかった。
【12:10】弥生登山道八合目に到着。
ココから、岩木山最後の上りとなるため、少し休憩。休憩中に小さなキノコを見つけてマクロ撮影している間に、霧が濃くなり雨が降り始めたため、笹の影に隠れて少し待機。幸い雨は10分ほどで止んでくれたため、その後出発。

弥生登山道八合目 ~ 岩木山頂

【12:24】弥生登山道八合目を出発。
山と高原地図には「八合目~九合目 道が荒れている」と書かれている。この記載のとおり、八合目から九合目の道は最悪。傾斜のある斜面を横切りながら登るが、道がズルズルな上、笹の刈り取りも甘いため、斜面下側に引っ張られる力が強く、うまく前に進めない。近くに、掴むような木もないため、強引に斜面上側の笹を掴み下に引っ張られる力に対抗。斜面下側の笹に倒れこむような場面もあったが、なんとか踏ん張りながら進む。

【12:49】弥生登山道九合目に到着。
九合目で道は左に曲がっているため注意。直感だと真っすぐ進んでしまいそうになる。

山と高原地図には「九合目~山頂 道がわかりにくいので注意」と書かれている。周りは濃霧で視界がないため、一応注意して歩いたが、特に道で悩むようなことはなかった。

【12:57】岩木山の山頂に到着。
濃霧で視界がきかなかったせいもあると思うが、唐突に到着した感じ。それもそのはずで、九合目から山頂までの所要時間は8分と、他の区間と比較しても極端に短い。この区間写真も1枚しか残っていなかった。

山頂に到着すると同時に、再び雨が降り始めたため、急いで岩木山奥宮神社事務所に駆け込む。名前が「岩木山奥宮神社事務所」となっているため、関係者以外立入禁止かと思いきや、登山者でも利用可能。雨の場合、雨除けとしてこの建物の存在は有難い。ただし、一時的な避難小屋としては使えるが宿泊は厳しい。

山頂には、岩木山神社奥宮事務所で休憩していた8人の学生グループと2人1組の登山者のみ。その後は、津軽岩木スカイラインとリフトを乗り継いで登ってくる登山者がちらほらいる程度。

また、岩木山神社で小さなオコジョを見かけた。写真を撮影する前に逃げてしまったが、初めて見たのでちょっと感動。

昼食後、雨も激しくなり回復の兆しもない。岩木山の山頂は電波が入るため、改めて天気予報を確認したところ、昼からの晴れ予報が一転して雨に。ふと予備日に設定していた、10/1(土)の天気予報を確認したところ、雨予報から晴れ予報に変わっていた。そういえば、岩木山には津軽岩木山スカイラインとリフトがある。もう1回登る気にはなれないが、10/1(土)にそれを使い九合目までショートカットして、日を改めて再登頂すれば良いのでは..。

思い立ったらすぐに行動。写真撮影も困難なほど雨も強くなってきたので、とっとと下山することに。なお、天候次第でリフトと津軽岩木山スカイラインを使い下山しようかとも思ったが、リフト乗り場近くまできたところ、雨が弱くなり始めたので、予定通り岩木山神社に下山することに。しかし、その後も断続的に雨は降り続き、下山後の岩木山神社近くや、弘前市内に到着してからも、局地的なスコールに見舞われるなど、散々な下山となった。

To be continued...

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岩木山コースタイム

予定 実際 場所
08:15 08:12 弥生バス停
09:00 08:37 弥生登山道一合目
- 09:04 弥生登山道二合目
- 09:28~09:36 弥生登山道三合目
- 10:03 弥生登山道四合目
- 10:27 弥生登山道五合目
11:00 10:54~11:07 弥生登山道六合目
- 11:41 弥生登山道七合目
- 12:10~12:24 弥生登山道八合目
- 12:49 弥生登山道九合目
12:30~13:20 12:57~13:45 岩木山頂
16:35 16:30 岩木山神社

岩木山の難易度

難易度

15/30

総合難易度
必要体力 体力難易度4
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度6
小屋・水場 小屋・水場難易度1
アクセス アクセス難易度3

総合難易度 総合難易度5

登山DATE

  • 歩行距離:15.82km
  • 高度上昇:1,471m
  • 高度下降:1,424m
  • 出発高度:0,134m
  • 最高高度:1,625m

  • 標高の差:1,491m
  • 活動時間:06:55
  • 休憩時間:01:23

  • 合計時間:08:18
必要体力・距離

六合目以降は軽い藪漕ぎが必要で、八合目から九合目は道が廃れているので、難易度的には中級者向け。前日まで降った雨により足元はズルズルで、滑って滑って登りにくさは最悪級。翌日同じズボンで八甲田山に登るのに、ズボンの裾は泥だらけ。後に気付いたが標高差が最もあるのもこの弥生登山道。また、弥生コースの難易度を上げている原因は水場がないこと。全コース中で水場が1カ所もないのはこの弥生登山道のみ。水場が豊富な百沢登山道とは対照的。

山と高原地図の標準コースタイムだが、かなり厳しめに設定されている。特に弥生登山道六合目から山頂までの1時間30分は、結構頑張らないと厳しいコースタイム。また、地図に「登りに使うと良い」と書かれていた真意はわからないが、正しくは「下りに使うと危険」ではないかと思う。百沢登山道の場合、山頂直下が岩場のため、足元は安定していたが、弥生登山道は足元ズルズル。あのズルズルさ加減は、下りで使うと危ない。
危険度・水場
足元がズルズル滑るため、危険度1にしたが、鎖場はなく道迷いの可能性も殆どないため、危険度的には殆どない山。ただし、熊には注意が必要。特に登山者が少ない弥生登山道を通る場合、鈴は持参したほうが良い。
アクセス
岩木山へのアクセスは、主要な登山口に弘前駅からバスも出ている上、地域住民の足も兼ねているため本数も少なくない。弘前市内に入りさえすれば、登山口へのアクセスは容易。
総括
平日とはいえ、登山道では誰にも会うことはなかったので、道の廃れ具合などから見てもあまり利用されていないコースだろう。翌々日に山頂にいた時も、弥生登山道に下山していくグループは1組だけいたが、弥生登山道から登ってくる登山者は見かけなかった。公共交通機関を使って登るなら、やはり岳登山道か百沢登山道が無難。
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