[蛭ヶ岳登山レポ]表尾根から神奈川最高峰の蛭ヶ岳を目指す! 丹沢縦走登山その2
ヤビツ峠 ~ 塔ノ岳 ~ 丹沢山 ~ 蛭ヶ岳 まで
- 丹沢山地(たんざわさんち)日本百名山
- 神奈川県北西部に広がる山地。中央の蛭ヶ岳を境に、東側を東丹沢、西側を西丹沢と呼ばれ、塔ノ岳以から南側を表丹沢、丹沢主稜から北側は裏丹沢と呼ばれている。中央にある丹沢山は日本百名山に選定されているが、深田久弥が日本百名山に選んだ丹沢山とは、丹沢山一峰ではなく、丹沢中央部に連なる山々(蛭ヶ岳、丹沢山、塔ノ岳、鍋割山など)の総称とされている。
- 塔ノ岳(とうのだけ)
- 丹沢山地南部にある標高1,491mの山で、山頂からの展望がよく人気が高い。表丹沢の代表格でもあり、裏丹沢へ抜ける玄関口にもなっている。山頂には尊仏山荘がある。
- 丹沢山(たんざわやま)
- 丹沢主脈にある標高1,567mの山。山頂にはみやま山荘がある。
- 蛭ヶ岳(ひるがたけ)
- 丹沢山地中央部にある標高1,673mの山。丹沢山地および神奈川県の最高峰。山頂からの展望がよく、山頂には蛭ヶ岳山荘がある。
丹沢のコース
裏丹沢(北丹沢)から登れば、宮ヶ瀬、焼山、神ノ川ヒュッテ、釜立沢、ヨモギ平 などもあるが、今回は塔ノ岳は表丹沢、蛭ヶ岳は西丹沢に限定し、メジャーなルートのみに絞った。
ちなみに、表丹沢だけでいうと、秦野市観光協会のHPに『表丹沢のコース』がいくつか紹介されている。
- 塔ノ岳のコース
- 表尾根登り利用人気コース!
- ヤビツ峠から、塔ノ岳、丹沢山を経て登るコース。途中の二ノ塔からは尾根づたいに歩くため、眺望がきくため景観が良く人気のコース。
- 大倉コース
- 大倉から塔ノ岳山頂を一直線に目指すコース。通称"バカ尾根"と呼ばれており、展望のきかない単調で急な登りがいつまでも続く。
※本来は「馬鹿にできない尾根」という意味だったようだが、現在は揶揄する言葉として使われている。
- 鍋割山稜
- 鍋割山を経由し塔ノ岳を目指すコース。鍋割山までは、寄から北に向かって登るコースが一般的。なお、西の玄倉から雨山峠経由でも登れるが、利用者は少ない。
- 蛭ヶ岳のコース
- ツツジ新道人気コース!
- 丹沢湖の北側、西丹沢ビジターセンターから、ツツジ新道を歩き、檜洞丸を経て蛭ヶ岳に至るコース。
- 石棚山稜
- 西丹沢ビジターセンターの少し南にある大石キャンプ場から、石棚山稜を歩き、石棚山・檜洞丸を経て蛭ヶ岳に至るコース。
- 同角山稜下り利用
- ユーシンから同角山稜を歩き、大石山・同角ノ頭・檜洞丸を経て蛭ヶ岳を目指すコース。利用者も少なく一般的ではないが、今回このルートで下山したためコースの中に加えた。
なおユーシンには、車やバスでアクセス可能な最寄りの玄倉(くろくら)から、徒歩で約3時間かかるため、玄倉に車を駐車し自転車でユーシンに向かう登山者もいる。
丹沢の登山計画
- アクセス
- 11月30日から12月1日の2日間をかけて丹沢縦走登山を計画。11月30日早朝に大山を登り、ヤビツ峠を経由して塔ノ岳に登る。塔ノ岳から丹沢山を経由して蛭ヶ岳山頂の蛭ヶ岳山荘で宿泊。12月1日は蛭ヶ岳から檜洞丸に登り、同角ノ頭、大石山を経由してユーシンに下山。さらにそこから雨山峠経由で鍋割山に登り、大倉へ下山するルートを予定。
- 目的
- 今回の目的は、蛭ヶ岳山頂から夜景や富士山を撮る事。そのため、一眼レフカメラは勿論のこと、デフォルトの広角レンズ意外に望遠レンズに三脚も持参。撮影機材だけでも3kgほどになる(汗)。重量を減らしたかったので、何か他の用品を減らすことに。そこで、ガスバーナー、カトラリー、コッヘルは持参しないことにした。理由は、丹沢には有人山小屋がたくさんあり、そこで食事がとれるため。その分、行動食を多めに持っていくことにした。
- アイゼン
- 12月の登山ということで、六本爪のアイゼンを購入。アイゼンも持って行こうか迷ったが、せっかく買ったのでと持参したが、全く使う機会なし。改めて感じたが、アイゼンは持参する・しないの判断が難しいアイテム。少なくとも12月上旬で晴れている日の丹沢では不要だった。
関連レポート
丹沢コースレポート
ヤビツ峠 ~ ニノ塔
ヤビツ峠に自販機があったので、ここで水を調達。ヤビツ峠から表尾根の登山口までは車道を歩く。登山口まで20分ぐらいとヤビツ峠の売店で聞いていたが一向に現れないので「登山口を見落としたのでは?」と、途中不安になってしまった。
【11:00】ようやく表尾根の登山口に到着。時間が遅いためだろう、周りには誰もいない。なお、かつて表尾根登山口にあった富士見山荘は、2012年7月3日火災により焼失している。
ニノ塔 ~ 三ノ塔
必死だったせいか、登山口からそれほど、苦もなく三ノ塔まで辿り着けた印象。このあたりから、遭遇する登山者は倍増。ニノ塔からは、次の目的地三ノ塔が見え、目測でもそれほど遠くない事がわかる。なお、パラグライダーが飛んでいたので写真に収めた。どこから飛んでるのかな?
【12:04】三ノ塔に到着。
ニノ塔より山頂スペースは広く避難小屋もある。時間的に食事をしている人が多い。塔ノ岳で昼食予定だったので、ほとんど休まず三ノ塔を出発。
三ノ塔 ~ 塔ノ岳
ニノ塔からへは下り中心の道のため、20分ほどで到着できた。鳥尾山からは360℃の展望で、開放感が高い。三ノ塔同様に人も多く賑わっている。
行者岳から1時間弱かかった、しんど..(汗)。ちなみに写真の建物、新大日茶屋は現在閉鎖中。
この区間(三ノ塔~塔ノ岳)の予定コースタイムを1時間30分と計算していたので、2時間以上かかるとは大きな誤算。
塔ノ岳
昼食を食べ終わり、ゆっくりしている暇もないため、早々に丹沢山に向け出発。この時の道標で、丹沢まで2.6キロ、蛭ヶ岳まで6.0キロと書かれていた。「この距離はヤバい…」とちょっと焦る。2時間以上かかった三ノ塔~塔ノ岳の距離ですら4.0キロ。距離計算だけだと18時を超える計算となり、日没までに蛭ヶ岳山荘に辿り着けない可能性が頭をよぎる。
【14:39】急いで塔ノ岳を出発。塔ノ岳 ~ 丹沢山 ~ 蛭ヶ岳
塔ノ岳から丹沢山は傾斜のゆるやかな平坦な道が多く、表尾根に比べるとかなり楽。景色はそれほどでもないが、感覚的にはハイキングコースに近く、体力を使わず楽しく歩ける。
【15:22】丹沢山に到着。急いで歩いたこともあり、予定コースタイム1時間を少し短縮できた。尊仏山荘で腹ごしらえし、スタミナが少し回復した事もプラスに影響したかな。当初はこの丹沢山のみやま山荘での宿泊を考えていたが、景色がほとんど見えず夜景の撮影もできないとのことで、蛭ヶ岳山荘にした経緯がある。「やはり距離的な中間地点としては丹沢山が適切だったな」と思ったが、そんなこと考えても仕方ないので、トイレだけ済ませ、次の蛭ヶ岳を目指し出発。
時間は16時7分。目測で蛭ヶ岳まであと少しってところで夕日が富士山にかかり始める。ここまでくれば17時までに蛭ヶ岳山荘に到着するのはほぼ確実なので、夕日の写真を撮影しながらゆっくり歩くことにした。
夕日が沈みかけると、辺り一面が真っ赤に染まり幻想的な空間に様変わりする。この幻想的な空間に1人だけってのが、なんとも言えない情緒的な感情に浸れる。
蛭ヶ岳
山荘には20~30人ぐらいの登山者。季節外れだし正直もっと少ないと思っていた。夕食はカレーかおでんと聞いていたが、この日はおでん。おでんにご飯と漬け物、ヒジキ、パイナップルなどのおつまみとデザート類。ご飯とおつまみはおかわり自由。
夕食後、山小屋内は山談議で盛り上がりをみせていたが、自分は夜景を撮りに小屋の外へ。外は防寒着を着ても半端なく寒い。星空も撮る予定だったが、あまりの寒さと、時間もなくなってきたので断念。就寝は20時なので、それまでは食事が向かい合わせだった同い年ぐらいの夫婦と談話して過ごす。
丹沢は山荘によってそれぞれ特徴があり、蛭ヶ岳山荘は景色と布団、丹沢山のみやま山荘は食事と接遇、景色、料理ともにそこそこなのは尊仏山荘。確かに蛭ヶ岳山荘の布団はフカフカで景色は抜群だった。山小屋として食事は充分だと思うが、他2つの山荘と比較すると見劣りしてしまう。
ちなみに寝場所がロフトへのはしご下近くだったため、真夜中にハシゴを踏み外した人が上から落ちてきて、起こされた。
To be continued...■ 丹沢蛭ヶ岳の山小屋「蛭ヶ岳山荘」の評判と感想
関連レポート
丹沢コースタイム
1日目
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
07:10 | 07:05 | 大山バス停 |
09:00~09:30 | 09:15~9:53 | 大山山頂 |
10:00~10:10 | 10:31~10:45 | ヤビツ峠 |
11:10 | 11:45 | ニノ塔 |
11:30 | 12:04 | 三ノ塔 |
13:00~13:45 | 14:18~14:39 | 塔ノ岳 |
14:45~15:00 | 15:22~15:38 | 丹沢山 |
16:00 | 16:52 | 蛭ヶ岳 |
丹沢の難易度
11/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:18.7km
- 登山歩数:37,708歩
- 高度上昇:2,186m
- 高度下降:0,881m
- 出発高度:0,310m
- 最高高度:1,673m
- 標高の差:1,363m
- 活動時間:08:18
- 休憩時間:01:29
- 合計時間:09:47
お気軽にどうぞ!
表尾根コースは尾根伝いを歩くので、それほどアップダウンは激しくないと想定していたが甘かった。またコース距離も長いし、余計しんどかった。特に体力的にキツかったのは行者岳~新大日間で、予定コースタイムを大幅オーバー。なんとか誤差の範囲に収めることはできたが、道中かなりしんどい思いをしたので、真摯に反省。
表尾根から蛭ヶ岳に登る場合、歩行距離は嫌でも長くなるので、時間と体力はそれなりに必要。ただ、尾根を歩く割には危険箇所も殆どなく、鎖場などもない。※Wikipediaに表尾根の山小屋情報が載っているので参考になると思う。
前情報どおり、表尾根の景色は抜群に良く、二ノ塔以降は要所ではなく終始周りの景色が開けており、開放感のある登山を楽しめる。
今回歩いたコースはヤマレコのとあるコースレポートを参考にしたが、今から考えると大山登山が余計だった。大山を経由したため、その分体力を消耗し、表尾根の登山開始時間も10時を越えてしまったし。装備の違いなど掲載されている情報だけではわからないこともあるので、コースレポートより、標準コースタイムで算定すべきと、今回の登山で勉強になった。