赤石岳

赤石岳登山

赤石岳

Akaishidake

白

[赤石岳登山レポ]
大倉尾根から標高差2,000mを登る赤石岳登山!赤石岳・悪沢岳縦走登山その1

2017年8月26日(土)~27(日)天候:曇りのち晴れ
椹島 ~ 赤石小屋 ~ 赤石岳 ~ 小赤石岳 ~ 荒川小屋 まで
  • 赤石岳(あかいしだけ)日本百名山
  • 南アルプス(赤石山脈)の南部、長野県と静岡県の県境にある標高3,121mの山。日本で7番目、南アルプスで4番目に高い山。山頂からは360度の展望が楽しめる。山名は山体の一部を構成する赤色のラジオラリアチャート(赤い地層)が由来。東側斜面には北沢カールがあり、山頂には赤石岳避難小屋(有人)がある。
  • 椹島(さわらじま)
  • 椹島には椹島ロッジがあり、南アルプス南部の山々である、赤石岳、悪沢岳、聖岳、笊ヶ岳の登山拠点となっている。椹島周辺はマイカー規制が敷かれているいるため、手前の畑薙第一ダムから特種東海フォレストの送迎バスを利用しなければならない。なお、この送迎バスは、特種東海フォレストが運営する山小屋に宿泊することを条件に利用できる。(素泊まり可だが、テント泊は対象外)

赤石岳のコース

赤石岳の登山口は、南東の椹島、北西の大鹿村(湯折)の2つのみ。利用者が多い登山口は、圧倒的に椹島。椹島を登山口とした場合、東(大倉)尾根から赤石岳に登り、悪沢岳を縦走して椹島へ戻る時計回りか、悪沢岳から縦走し赤石岳を経て東(大倉)尾根から椹島に下山する反時計周りの利用者が多い。下記以外に、悪沢岳や聖岳から縦走してくるコースもある。
  • 東(大倉)尾根コース登り利用
  • 南東の椹島から東尾根沿いに登るコース。椹島1,120mから赤石岳3,121mまで標高差2,001mもあるため、途中の赤石小屋で一泊するのが一般的。健脚者なら1日で登りきり、山頂の赤石岳避難小屋で一泊する。

    余談だが、東尾根は南アルプスの広範囲を社有地とする特種東海フォレストの大元となる会社の設立者である大倉喜八郎氏の88歳の米寿の際に、200人の登山隊を組織し赤石岳を登頂したことから大倉尾根とも呼ばれている。
  • 小渋川コース難コース
  • 北西の大鹿村(湯折)から小渋川沿いを登り、広河原小屋(無人)へ。広河原小屋から尾根を登り、大聖寺平、小赤石岳を経て赤石岳を目指すコース。広河原小屋までは登山道のない河原を遡行し、標高差も2,051mあるため、上級者向けコースとされており、利用者は極端に少ない。
    しかし、ガイドブックによると紅葉時期は渓谷美が素晴らしいとのこと。公共交通機関でのアクセス手段はないため、マイカー必須となる。
山と高原地図
赤石岳のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「塩見・赤石・聖岳」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

赤石岳・悪沢岳縦走登山の登山計画

プラン
当初、山の日の3連休を予定していたが、天候が思わしくなかったためリスケにして挑んだのが今回の登山。
コース
登山口は椹島以外の選択肢はないため、即決。悩んだのは、椹島から赤石岳・悪沢岳と時計回りするのか、その逆の反時計回りするか。また、宿泊施設はどこを選ぶか。計画段階で決めていたのは、時計回りで、1日目は赤石小屋、2日目は中岳避難小屋。このスケジュールでは1日目が楽で3日目の行程が厳しい。しかし、急遽1日目に頑張って赤石岳を登頂したので、結局1日目は赤石岳避難小屋、2日目は千枚小屋に宿泊した。計画変更で1日目は標高差2,000mを一気に登るという超ハードな道のりとなり、3日目は千枚小屋から下るだけという楽な行程となった。
山小屋
赤石岳・悪沢岳周辺の山小屋の大半は、予約の必要がないので、当日のスケジュール変更など臨機応変な対応がとりやすい。
※時期や人数によって予約が必要なケースもあるため、「特種東海フォレストのホームページ」で要確認。

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[悪沢岳登山レポ]赤石岳から縦走する荒川三山!赤石岳・悪沢岳縦走登山その2

2017年8月28日

赤石岳コースレポート

椹島 ~ 林道

【5:30】毎日新聞旅行のアルペン号で畑薙第一ダムに到着。

【8:02】椹島に到着。
畑薙第一ダムから椹島への送迎バスの朝一便は7時30分だったが、臨時便を出してくれたため、予定より30分早く椹島に到着。

今回偶然、本サイト経由でFacebookの友達になっているKさんと畑薙第一ダムで遭遇。こんな偶然あるんですね。椹島から2人で歩き登山口を目指す。Kさんは、千枚小屋経由、悪沢岳、赤石岳、聖岳縦走予定のため、登山口前の分岐でお別れ。明日、荒川小屋付近ですれ違うことになる。

【8:18】赤石岳登山口に到着。
登山口まで道に迷う心配はない。バスで到着した登山者の大半は既に出発していたので、後発組としてスタート。

出発直後から、ジグザグに登るかなりの急登。約2カ月ぶりの登山に加え、2泊3日分の荷物の重さが身にこたえる。30分ほど登ると尾根に出る。ココが第一ポイントとなる中電基準点(中部電力の基準点)1,405mで、椹島から285m登ってきたことになる。ちなみに、基準点を示す石が設置されているようだが、見落としたようだ。
【9:56】林道との交差地点に到着。
山と高原地図には「林道に出る」と書かれた第2のポイント。登山口からココまで約1時間30分。これまでほぼ直登の道で、既にバテバテ状態のため、この地点で腰を下ろして10分ほど中休憩。この場所に、椹島から赤石小屋まで2/5地点を示す標識あり。ちなみに1/5地点の標識は見落としたのか、元々ないのか見かけなかった。

林道 ~ 標柱のある小広場

林道から出発した直後は傾斜の緩やかな道だが、それも最初だけ。15分ほど歩き樺段という小広場を通過すると、そこからまた急登が始まる。余談だが、この樺段や千枚小屋近くの蕨段など、◯段というのは南アルプスの登山道の小さな平地に付けられている名称。
また、この東尾根の登山道だがめちゃくちゃきのこが多い。しかもやたらデカイきのこが多いし..。
【11:02】標柱のある小広場に到着。
ココが第3ポイントで、椹島から赤石小屋まで3/5地点となる場所。地図では標高2,027mを少し過ぎたあたり(GPSの計測では2,074m)で、ようやく2,000m超え。標柱がある小広場ってだけで、特に何もない場所なので、少し休憩して出発。

標柱のある小広場 ~ 尾根上の小ピーク

標柱のある小広場以降も、直登に伸びる登山道。傾斜は登り始めより緩やかだが、それでも直登なのでかなりキツイ。
【11:56】椹島から赤石小屋まで4/5地点を通過。
残り1/4だが、この先に赤石小屋への最後の関門「歩荷返し」が待ち構えている。

【12:52】歩荷返しを登りきった尾根上の小ピークに到着。
この区間は標準コースタイム10分オーバーで、めちゃくちゃ疲れた。この歩荷返しを登りきった場所に赤石小屋があると勘違いしていたので、「赤石小屋まで30分」の案内標識を見たときは体の力が抜けてしまった。

歩荷返し以降は、斜面をトラバースする道なので楽なはずだが、疲労の蓄積にシャリバテも加わりフラフラ。

尾根上の小ピーク ~ 赤石小屋

【13:13】赤石小屋に到着。
赤石小屋まで全く展望のきかない樹林帯だったが、ココにきてようやく赤石岳をとらえる。ほんと、ようやくって感じ..。

予定ではこの赤石小屋が本日のゴール地点。余裕があれば赤石岳避難小屋まで行くつもりだったが、正直時間も体力もあまり余裕はない。気分的には五分五分だったが、夕食までの5時間を赤石小屋で潰すには退屈そうだったこと、宿泊者にシニア層が多く山小屋の雰囲気に馴染めそうになかったこと、そしてこのようなケースでは大抵無理してしまう自分の性分も加わり、結局赤石岳避難小屋を目指すことにした。

赤石岳避難小屋を目指すと決めたからには、すぐに出発したかったが、腹ペコで動けないため一先ず腹ごしらえ。ガスバーナーを出して調理する時間も惜しかったので、小屋で牛丼を注文し胃袋に流し込んだ。なお、赤石小屋前では宿泊者以外の登山者にも水が無料で開放されている。この点は非常に有り難い。

赤石小屋 ~ 富士見台

【13:38】赤石小屋を出発。
赤石小屋から赤石岳山頂までの標準コースタイムは約3時間30分。17時過ぎには到着できる計算だが、一先ず先を急ぐ。次なる中間ポイントは富士見台。
【14:11】富士見台に到着。
富士見台からは360度の展望で富士山以外に、赤石岳、荒川三山(悪沢岳)、聖岳、上河内岳など、周辺の山々の展望が楽しめる。微妙に曇っていたため、写真数枚だけ撮影してすぐに出発。
ポイント旧陸軍軍用機 遭難者慰霊碑
富士見台には「旧陸軍軍用機 遭難者慰霊碑」と書かれた慰霊碑が立っている。(上の写真真ん中)戦前である昭和19年4月25日に、赤石岳と小赤石岳を結ぶ稜線の南東斜面に軍用機が墜落。墜落地点は、上の写真の左上の方かと思われるが、今でも現場には残骸が残っているという噂もある。

富士見台 ~ 砲台型休憩所

引き続き、これまで同様トラバース道だが、左側が切れ落ちている箇所が多く、桟道も数カ所あり少し注意が必要。樹林帯を抜けると、登山道の花が目にとまるようになる。
砲台型休憩所の手前で、少しの間沢と登山道の並行している区間があるので、ココで夕食用と明日の登山用の水を確保するため、水を満タンにしておく。ちなみに、水を汲むには少し登山道から外れる必要あり。
【14:57】砲台型休憩所に到着。
案内標識はないが、少し突き出た砲台型をしているので、多分ココだろうという感じ。ちなみに砲台という名称だが、実際に砲台が設置されていた訳ではない。

砲台型休憩所 ~ 小赤石岳分岐地点

砲台型休憩所から、赤石岳の稜線に出るまでの区間が後半戦最大の難所北沢カール。コースは北沢カールを登り終盤で支尾根に取り付き、そこから本尾根に登る。水を満タンにしたため、荷物も重くなり少し登るとすぐに息切れ。とにかくキツかったが、残り少ない体力に加え、気力や根性も振り絞りながら登る。唯一救いだったのは、これまでの樹林帯と違い後ろを振り返ると、高度感のある素晴らしい風景が広がっていること。
【16:00】小赤石岳分岐地点に到着。
ヘロヘロ状態なので、分岐地点に倒れ込む。でも、ココまでくればあと一踏ん張り。

小赤石岳分岐地点 ~ 赤石岳山頂

稜線に出たあとは、稜線上を30分ほど登った先が赤石岳の山頂。体力はカツカツだが、ここまでくればどうとでもなる。
【16:19】赤石岳山頂に到着。
赤石岳避難小屋は山頂から1分ほど聖岳方面に下った場所にある。登頂の余韻に浸る間を惜しみつつ、一先ず宿泊手続きを済ませるため赤石岳避難小屋へ向かう。ちなみに、赤石岳避難小屋は南アルプスの中でも、管理人さんが名物オヤジで有名な山小屋。

赤石岳山頂(赤石岳避難小屋)

赤石岳避難小屋に入ると、バスで先頭に並んでいたオジサンや、樺段で抜かれた男女、その他畑薙第一ダムや椹島で見かけた人もいたので、おそらく椹島から登ってきた登山者の中では一番遅い到着だったかと。このコース、標高差2,000mを登る超ハードコースなので、登山者もバケモノじみた体力の人が多い。ちなみに先頭にならんでいたおじさんは、14時30分着とのこと。ありえない速さ..。

赤石岳避難小屋で宿泊手続きを済ませ、山頂に戻って景色を楽しみながら休憩。赤石岳からは360度の大パノラマで、中央アルプス、北アルプス、南アルプス南部の山々、富士山などの展望が楽しめる。
上の写真、右奥の建物が赤石小屋で、歩いてきたコースがよくわかる。右下の雪が残っているあたりが、富士見台のくだりで書いた軍用機が墜落したあたりかと。
赤石岳からのパノラマ写真 赤石岳からのパノラマフルスクリーン(クリックで始動)

赤石岳山頂を堪能したあとは小屋に戻って夕食。赤石岳避難小屋は、レトルト食やカップ麺などはあるが、基本山小屋で作る食事の提供はない。小屋内に談話室兼自炊スペースはあるが、満員だったため外で食事。しかし、夕方にもなると標高3,000mは少し寒かった。今回カツ煮を作ってみたが、このメニューは大成功。揚げたカツとそばつゆ缶を持参し、玉ねぎ入れて卵をかければ出来上がり。簡単に作れて美味しい。

夕方になると、きれいな夕暮れに山頂が覆われる。これまで見た夕焼けの中で一番きれいな最高の夕焼け。頑張って2,000m登ってきた苦労が報われた気分。

その後、小屋に戻り夫人のハーモニカ演奏を聞きながら、小屋でまったり。演奏後も談話室は、登山者の山談義で盛り上がっていた。

赤石岳避難小屋は比較的若い層が多い印象。宿泊しているのは、聖岳からの縦走登山者、荒川三山(悪沢岳)からの縦走登山者、椹島を1日で登ってきた登山者の3パターンが多く、いずれも健脚者でないと難しいコースのため、シニア層が少ないのかも。

消灯後に寝ようと思ったら、管理人さんに声をかけられ、軽い酒宴に。事前リサーチしていなかったので知らなかったが、山小屋のご主人はお酒好きのようで。
ポイント 赤石岳避難小屋の感想や評判はブログにまとめているので、興味のある方はそちらもご参照ください。
■ 南アルプス赤石岳の山小屋「赤石岳避難小屋」の評判と感想

赤石岳(赤石岳避難小屋) ~ 小赤石岳の肩

【4:30】起床。
ご来光を見るため5時頃から山頂付近にスタンバイしていたが、雲に遮られきれいに来光が出ず、イマイチだった。まあ、前日に最高の夕暮れを見ているので、良しとすることに。

朝食は初めて持参したメスティンで作った「イワシの蒲焼丼」。メスティンで炊いたご飯の上に、イワシの蒲焼(缶詰)をのせただけですが。

【6:38】赤石岳避難小屋を出発。
出発は後発組で、すでに赤石小屋から登ってきた先発組が小屋に到着していた。本日の目的地、当初の予定は中岳避難小屋だったが、初日に赤石岳避難小屋まできたので、今日は悪沢岳を経由して千枚小屋まで行くことに。

実は前日の登山で、靴のソールが踵から剥がれてきていた。そのため本日は、椹島の登山口でKさんに分けてもらった結束バンドと、赤石岳避難小屋の登山者にもらった紐で靴を応急処置をして出発。[靴の応急処置状況
ちなみに、Kさんに結束バンドを分けてもらった経緯は説明すると長くなるので省略するが、その後ソールが剥がれるとは思っていなかったので、本当の偶然。南アルプスで偶然出会ったこと自体奇跡的だが、結束バンドを分けてもらったこともさらに奇跡的で、この場を借りて、紐を分けて頂いた登山者の方含め、感謝申し上げます。m(_ _)m

目指す中間目的地は、大聖寺平経由の荒川小屋。赤石岳3,121mから荒川小屋2,615mまで下ることなる。まず、赤石岳から小赤石岳の肩まで、気持ちのよい稜線を歩く。

【7:14】小赤石岳を通過。
ココまでの間に、応急処置した靴の結束バンドが抜けるは、紐がほどけるはで、数十歩ごとに靴をチェックしなければならない状況。最高の晴天にも関わらず、足元をチェックしながら歩かなければならず、すごくフラストレーションがたまる。

【7:32】小赤石岳の肩に到着。
小赤石岳の肩から大聖寺平(だいしょうじだいら)2,700mまで急下降する。

小赤石岳の肩 ~ 大聖寺平

【8:07】大聖寺平に到着。
大聖寺平は小渋川コースとの合流地点。

ちなみに、山と高原地図には、大聖寺平近くに「佐久光霊神の碑」と記されているが、そのような碑は見当たらず。地図ではコース外にあるように見えるので、普通に歩いていたら見つけるのは至難かも。ネット検索で画像も見つけられなかった。

大聖寺平から荒川小屋までは、斜面をトラバースした平坦な道。その後、樹林帯に入りそこを抜けると荒川小屋がある。

大聖寺平 ~ 荒川小屋

【8:43】荒川小屋に到着。
この区間でも、気づけば結束バンドがなくなり、道を戻り外れた結束バンドを探すなどしたため、必要以上に時間を浪費した。こんな状況で悪沢岳まで辿り着けるか、一抹の不安を感じつつ悪沢岳に向かう。

To be continued...

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2017年8月28日

赤石岳のコースタイム

1日目

予定 実際 場所
05:30~07:30 05:30~06:40 畑薙第一ダム
08:30 08:02 椹島ロッジ
09:40 08:45 中電基準点
10:40 09:56 林道
11:45 11:02 標柱のある小広場
13:20 12:52 尾根上の小ピーク
13:55 13:13~13:38 赤石小屋
- 14:11 富士見台
- 14:57 砲台型休憩所
- 16:00 分岐
- 16:19 赤石岳山頂
- 16:23 赤石岳避難小屋

2日目

予定 実際 場所
- 06:38 赤石岳出発
- 07:32 小赤石岳の肩
- 08:07 大聖寺平
- 08:43 荒川小屋

赤石岳の難易度

難易度6

19/30

総合難易度
必要体力 体力難易度5
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度4
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度6
小屋・水場 小屋・水場難易度1
アクセス アクセス難易度5

総合難易度 総合難易度6

登山DATE 1日目

  • 歩行距離:11.64km
  • 高度上昇:2,077m
  • 高度下降:0,116m
  • 出発高度:1,123m
  • 最高高度:3,121m

  • 標高の差:1,998m
  • 活動時間:07:56
  • 休憩時間:00:25

  • 合計時間:08:21
必要体力・距離
この東(大倉)尾根は、赤石小屋で一泊するならともかく、一気に登ると相当キツイ。特にキツイのは序盤の登山口から赤石小屋までと、砲台型休憩所から稜線に出るまでの区間。序盤は直登に加え、景色に一切変化がなく、展望のきく場所も皆無なため、精神的にも体力的にも苦難の登山となる。砲台型休憩所から稜線までの区間は、疲労の蓄積によるフラフラの状態で急登を登るため、残り少ない体力を限界近くまで消費させられる。
距離が10kmたらずにも関わらず、標高差2,000mあることからも、このコースがいかに急登であるかは想像に難くなく、「◯大急登」とかに加えて遜色ないレベル。2カ月ぶりに登るにはハードルの高いコースだった。やはり通常なら、赤石小屋で一泊するのが一般的。
危険度
道はわかりやすく、道迷いの心配は殆どない。滑落注意ポイントとして、富士見台から砲台型休憩所の区間で桟道が数カ所設置され、左側が崖になった場所を歩くので、その区間だけ注意が必要。それ以外に危険な箇所はない。
山小屋・水場
山小屋は中間地点に赤石小屋、山頂に赤石岳避難小屋があり、どちらも有人山小屋のため、山小屋の環境には恵まれている。水は、赤石小屋(無料で開放)と砲台型休憩所近くの水場、また有料だが、山頂の赤石岳避難小屋で購入することもできるので、水調達の観点からも恵まれている。特に砲台型休憩所近くの水場は有り難い。
アクセス
南アルプス南部最大のネックはアクセスの悪さ。南アルプスの赤石岳・荒川三山周辺の広大な敷地は特種東海フォレストの社有地となっているため、マイカー規制が敷かれ、登山口までアクセス可能なバスも、山小屋宿泊という条件付きでないと利用できない。そもそも、マイカーでアクセスできる畑薙第一ダムですら、最寄りのインターチェンジから2時間ほど必要なため、容易にアクセスできない山域。それがある意味、生半可な登山者を寄せ付けない魅力でもあり、ネックでもある。
登山者属性
アクセスの悪さ、コースの難易度から、登山者の大半は中級者以上の方々が多く、若い山ガールなどは皆無。南アルプス北部の山よりさらに渋めの登山者が多い。また、アクセスの悪さと、コース距離の長さから2泊以上する登山者が大半。登山口のある椹島までアクセス可能なバスに乗るためには、山小屋に宿泊しなければならないため、テント泊は少なかった。
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