川苔山

川苔山登山

川苔山

Kawanoriyama

白

[川苔山登山レポ]
初心者向けではなかった、川乗橋から百尋ノ滝を経て登る川苔山登山

2025年6月21日(日)天候:晴れ
川乗橋 ~ 百尋ノ滝 ~ 川苔山 ~ 峰集落跡 ~ 鳩ノ巣駅
  • 川苔山(かわのりやま)
  • 東京都西多摩郡奥多摩町にある標高1,363mの山。山域には、落差約40mの百尋ノ滝(ひゃくひろのたき)があり、奥多摩山域では1、2を争う人気の山。

川苔山のコース

川苔山で大半の登山者が利用しているのは川乗橋から百尋ノ滝を経由して登るルート。川苔山周辺は四方八方に登山道が伸びているが、実用性の低い道も多く、利用されているルートは川乗橋からのルートに集中している。また下山も同様に、鳩ノ巣駅まで歩いて下山するのが定番。
  • 川乗橋から川苔山人気コース!登り利用
  • 川乗橋から川乗林道を歩き細倉橋から百尋ノ滝を経て川苔山に登るコース。川苔山の定番コース。
  • 鳩ノ巣駅から川苔山下り利用
  • 鳩ノ巣駅から川苔山に登るコース。主に下山で利用されている。
  • 赤杭尾根(あかぐなおね)
  • 古里駅から赤杭尾根沿いに登るコース。主に下山で利用されている。
山と高原地図
川苔山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「奥多摩」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

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川苔山の登山計画

プラン
今回は職場の知人との山行。5月のGW明けから企画していたが、予定していた日がことごとく雨となり、また晴れた日はメンバーのスケジュールが合わずで、リスケを4回ほど繰り返した結果、6月の下旬になってしまう。メンバーは3名だったが、1名が体調不良により急遽欠席となり、結局2名となった。当初は、大月の扇山を予定していたが、季節は春から夏へと変わり山頂に日陰のない扇山は、この時期の山行に適さないので、沢沿いを歩けて涼しい川苔山に変更。ただし、もう1名は初心者なので、いきなり川苔山で大丈夫かという懸念はあった。
川苔山の難易度に対する懸念
奥多摩の山は過去に数多く登ってきたが、川苔山は1人で登るような山ではなかったので、あえてグループ登山用に登らず残しておいた山。そのため、難易度がいまいちわからず。川苔山は人気の山で「初心者向け」とされているケースも見受けられる反面、標高差は1,000m近くあり、数値だけ見ると中級者向け。さらに、下山ルートで歩く鳩ノ巣駅までの長い道のりも懸念材料の1つ。しかし、この時期の関東近郊の山で快適に登るとなると、川苔山が最も適していた上、本人も乗り気だったため、最終的に川苔山とした。また、同行者の希望で、廃村となった峰集落を見たいとのことだったので、下山ルートに組み込んだ。

川苔山コースレポート

川乗橋 ~ 細倉橋 ~ 百尋ノ滝

【8:36】川乗橋に到着。
川乗橋行きバスの臨時便を出してくれたので、予定の時間より15分早く到着。写真で見る通り、登山者多数。10分ほどで準備を整え出発。まずは沢沿いの川乗林道を歩き、細倉橋を目指す。
【9:22】細倉橋に到着。
細倉橋手前の小スペースに車が駐車されていた。一般車は通行不可だが、許可があればココまで入ってこれるようだ。また、かつて細倉橋にはトイレが設置されていたようだが、現在は撤去されている。そのため、川乗橋から鳩ノ巣駅に下山するまで、トイレは一切ない。
細倉橋から本格的な登山道となるが、いきなり右側が崖の細い道。その後は沢沿いを進むが、きわどい場所に掛けられた橋が多数あり、よくこれで事故がおきないものだと感心させられる。橋自体はしっかりしているものの、万が一橋が落ちたら死にそうな箇所にかけられたものも多々ある。
狙い通り、沢沿いの道は涼しくて、マイナスイオンも感じられ癒やされます。また、序盤では、山と高原地図には記されていない、登山道脇の湧き水が3箇所ほどあり、山の美味しい水を飲みながら歩くことができる。[登山道脇の湧き水
このあたりで一旦沢から外れるが、すぐに沢沿いの道に戻される。
百尋ノ滝が近づくと、岩場や崖際の道などが多くなる。
【10:30】百尋ノ滝(ひゃくひろのたき)に到着。
落差30mの滝でなかなかの迫力。また、細かな水しぶきが空気中を浮遊しているため、ヒンヤリしていて気持ちがいい。結構近くまで行けるが、写真撮影している人が多数いるので、あまり近くまでいくのは憚れた。百尋ノ滝で15分ほどの中休憩をとる。

百尋ノ滝 ~ 川苔山の山頂

【10:45】百尋ノ滝を出発。
きた道を少し戻って、分岐から川苔山への道を進む。百尋ノ滝出発直後は急登。これまで大した上りはなかったが、この急登で一気に標高を獲得。
百尋ノ滝直後の急登で沢から離れたと思いきや、その後も何度か沢と交錯する。
急登を登りきったあとは、再び傾斜の緩やかな道となる。また、依然として沢筋やトラバース道など、山頂に向かう道っぽさは感じられない。
上の写真のあたりが最深部といった感じ。雨季には水も流れているのかもしれないが、このときは涸れ沢だった。その後、ようやく尾根筋に出て、尾根を30分ほど登ると、山頂近くの分岐に出る。分岐に出たあとは、右に方角を変えて数分歩くと山頂。
【12:35】川苔山の山頂に到着。
山頂には多数の登山者。川苔山の山頂スペース自体は狭いが、みんな山頂に続く尾根道の木陰で休憩しているので、手狭感はない。山頂からは東側の眺望のみだが、方角的には鷹ノ巣山、雲取山、などが見えているはず。ただ雲が多く、空気も霞んでいるのでよくわからず。
涼しい木陰で、寝転べるぐらいの十分なスペースがあり、ゆっくり休憩をとることができた。川苔山の山頂は狭いと思っていたので、嬉しい誤算。結局1時間10分滞在。

川苔山 ~ 大根ノ山ノ神

【13:45】川苔山の山頂を出発。
まずは山頂近くの分岐まで戻る。
分岐を鳩ノ巣駅方面に進む。正面は、赤杭尾根(あかぐなおね)沿いに古里駅に向かう道。 ちなみに、鳩ノ巣駅方面に向かう道の途中にある舟井戸以降は、本仁田山に登ったときに歩いたことがある。
一度歩いたことがあったので油断していたが、途中道間違いで登山道外に出てしまう。踏み跡が薄くなってきて道の状態が明らかにおかしいのでGPSで確認して発覚。時間にして3分ぐらいだったが、一度歩いた道でも油断禁物。
さて、この鳩ノ巣駅に向かう道だが、特段難所やトピックスもなく、とにかく長い。途中うんざりさせられるほど、長いことが最大の特徴。
林道に出た時点で、時間は15時48分。この時期は日も長く峰集落跡に寄る時間があったので、予定どおり寄ることに。
ポイント 峰集落跡の詳細はブログにまとめているので、興味のある方はそちらもご参照ください。
■ 東京奥多摩の廃村 峰集落跡
【16:35】大根ノ山ノ神に到着。
峰集落跡への寄り道で50分ほど時間を使ったため、周辺に登山者なし。この時間なので、大半は下山してしまったのだろう。

大根ノ山ノ神 ~ 鳩ノ巣駅

大根ノ山ノ神までついたら、駅まであと少しという気持ちになるが、ココからも意外と距離がある。
途中にあった熊野神社への分岐は、山と高原地図に載っておらず少し戸惑ったが、どちらに進んでも鳩ノ巣駅に到着できるため、早そうな直進を選択。
【17:20】鳩ノ巣駅に到着。
電車が出たばかりだったので、駅前にある「おへんなし屋」さんでラーメンにかき氷を食べました。コスパ良くて美味しかったので、登山帰りにオススメです。以前はなかったお店なので聞くと、2024年8月オープンらしい。結局電車は2本遅らせて、18時25分の電車で帰りました。お疲れ様でした。

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川苔山コースタイム

予定 実際 場所
08:50~09:00 08:36~08:45 川乗橋
09:45 09:22~08:35 細倉橋
10:30 10:30~10:45 百尋ノ滝
12:30~13:20 12:35~13:45 川苔山山頂
15:00 15:48 大根ノ山ノ神
15:15~15:30 16:00~16:20 峰集落跡
15:45 16:35 大根ノ山ノ神
16:15 17:20 鳩ノ巣駅

川苔山の難易度

難易度

13/30

総合難易度
必要体力 体力難易度3
コース距離 コース距離難易度4
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度5
小屋・水場 小屋・水場難易度1
アクセス アクセス難易度1

総合難易度 総合難易度4

登山DATE

  • 歩行距離:16.94km
  • 高度上昇:1,192m
  • 高度下降:1,327m
  • 出発高度:0,430m
  • 最高高度:1,363m

  • 標高の差:0,933m
  • 活動時間:06:27
  • 休憩時間:01:58

  • 合計時間:08:25
必要体力・時間・距離
体力的難所は、百尋ノ滝直後の急登、川苔山山頂手前の尾根筋の2箇所。あとは、緩やかな道か平坦な道で、コース全体を通じて緩急がはっきりしていた。
そして、川苔山登山における最大の特徴はコース距離の長さ。特に、下山時の鳩ノ巣駅までの道が長く、この距離の長さが初心者は厳しいといわれる要因。距離が長いため、活動時間も6時間前後と長くなる。そういった特性から、登る力以上に長時間歩く力が求められる。
危険度
際立った危険箇所はないものの、沢沿いで崖際や細い道などきわどい道も多いため、最低限こういった道を歩ける身体能力は必要。まあ、若い人なら問題はないと思う。あと、道迷いの心配はなく、登山者が多いことによる万が一のときの安心感もある。
水場・トイレ
人気の高さやコース距離の長さに対して、登山口含め道中にトイレはないので、注意が必要。水補給の観点では、序盤は沢沿いを歩き、後半でも何度か沢と交錯するので、水には全く困らない。この点は、重い水を持ち歩く必要がなく大きなアドバンテージ。
アクセス
奥多摩なので電車に乗る時間は少しかかるが、電車と短距離のバスでアクセス可能なため、アクセス面は悪くない。
総括

難易度的にはやはり中級者向け。ただ、登山経験がなくとも、日頃から運動している人や体力に自信のある人なら、問題ないレベルではある。そういった意味からか、登山者は圧倒的に若者が多かった。

一般的に人気の山は、展望・眺望が優れている山が多い中、川苔山は展望・眺望には優れていない。川苔山人気の理由は、それを凌駕するマイナスイオンによる癒やし効果と秘境感。川苔山が人を惹きつけるのはコレだと思う。
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