[本仁田山登山レポ]
大休場尾根から登る、奥多摩三大急登の本仁田山登山
奥多摩駅 ~ 本仁田山 ~ 瘤高山 ~ 鳩ノ巣駅
- 本仁田山(ほにたやま)
- 東京都西多摩郡奥多摩町にある、標高1,224mの山。奥多摩駅から徒歩で登山口までたどり着ける手軽さが特徴。奥多摩駅から登るコースは奥多摩三大急登の1つに数えられている。
本仁田山のコース
主に利用されている登山口は「大休場尾根の登山口(奥多摩駅)」「杉ノ尾根の登山口(鳩ノ巣駅)」の2つ。この2つの登山口を起終点に周回コースで登られることが多い。
※案内図に「杉ノ尾根」が「杉ノ殿尾根」と書かれているが、正しくは「杉ノ尾根」。間違った名称が流布され、案内図にも間違った名称で書かれている。- 大休場尾根登り利用
- 読み方は「おおやすんばおね」。南の奥多摩駅から北に向かって大休場尾根を登るコース。傾斜が急な直登コースのため、「奥多摩三大急登」の1つに数えられている。
- 杉ノ尾根下り利用
- 鳩ノ巣駅から北西に向かって瘤高山(こぶたかやま)を経て登るコース。大ダワ経由、舟井戸経由の迂回路もあるが、通常は最短ルートとなる瘤高山を経由するコースが一般的。奥多摩駅からのコースに比べて傾斜は緩やかなので、急登を避けたいならこのコース。
- 花折戸尾根難コース
- 鳩ノ巣駅から北西に向かって、チクマ山経由で登るコース。山と高原地図では破線表示される難コース。チクマ山は本仁田山の南東にある1,040mの山。
- ゴンザス尾根難コース
- 奥多摩駅の南東から北に向かって登り、氷川トンネルの上を横切り、チクマ山を経て山頂に至るコース。チクマ山手前で花折戸尾根コースと合流する。花折戸尾根コース同様に、山と高原地図では破線表示される難コース。
本仁田山の登山計画
- プラン
- 今回の登山は、本格的登山シーズンに向けた筋トレ&基礎体力作りと、前年度に登り損ねた奥多摩駅から登る奥多摩三大急登の1つに数えられるコースから本仁田山を登ること。
- 装備
- なお、今回も筋トレが目的のため、ストック無しで挑んだ。トレッキングシューズで登ることも検討したが、きちんとした登山靴で登ることに。結果的に、山頂付近は雪が積もっていたのでトレッキングシューズで登っていたら危なかった。
本仁田山コースレポート
奥多摩駅 ~ 大休場尾根登山口
【7:37】奥多摩駅に到着。
トイレ行ったり水買ったりしていたので、結局出発したのは8時ごろだった。
【8:36】大休場尾根登山口に到着。
奥多摩駅でプラボトルに入れるための水を購入したが、登山口横に小さな川があるため、買い損だった。なお、水場は途中にないので、水はここできちんと補給しておく必要がある。
本仁田山登山口 ~ 尾根筋
登山口から民家脇の裏に続く道を登ってすぐに、乳房観音への分岐がある。かつてココには乳根(ちちね)を垂らした巨大なイチョウの木があったことから、観音様を祀り母乳豊饒(ぼにゅうほうじょう)祈願として信仰をあつめたそうだ。この時はスルーしてしまったが、50mほどなので寄っておけば良かった。
さて、乳房観音への分岐の先から本格的な急登が待ち構えている。まずは針葉樹林の急斜面を、木の間を縫うように登っていく。登りきったその先には、枯れた低木が乱立する荒廃した斜面。足場が一部砂利のため、足の踏ん張りが効きにくく登りにくい。その後は、南側から迂回するように回り込む。ここまでが第一ステージ。ここまでが第二ステージ。さすがに疲れたのでココで腰を下ろして休憩。
尾根筋 ~ 本仁田山の山頂
尾根に出てからはひたすら尾根を上へ上へと登っていく。尾根にさえ出れば後は楽勝かと思ったが、さすがに甘かった。この尾根に出てから本仁田山の山頂までが第三ステージ。
尾根を登るに連れて雪がどんどん深くなる。気づけば一面真っ白。どうやら数日前の低気圧の影響で一気に雪が積もったようだ。まさか4月の奥多摩でしかも標高1,000mほどの山でこれだけ雪が積もっているとは驚き。アイゼンは持ってこなかったが、新雪でアイスバーンはなかったので、なくても平気だった。雪は降っていないが、木の枝に積もった雪が溶けてボタボタ頭の上に降り注ぐため、雨が降っているのと変わらない状況。この日は帽子を忘れてしまったので、頭ズブ濡れでちょっと過酷な環境だった。
本仁田山の山頂手前で、花折戸尾根・ゴンザス尾根コースと合流する。道標に貼られた注意書きによると、花折戸尾根は鳩ノ巣駅側の橋が封鎖されており渡ることができないとのこと。山頂スペースはそれほど広くなく、一応北東と南西の見晴らしは良いが、景色はいまいち。山名は標柱ではなく標識で設置。山頂には先行していた男女1組のみだったが、その後もポツポツと登山者がやってくる。
本仁田山の山頂 ~ 瘤高山
下山は杉ノ尾根から下ることは決めていたが、杉ノ尾根は瘤高山(こぶたかやま)経由の最短ルート、大ダワ経由の中迂回ルート、舟井戸経由の大迂回ルートの3つがあり、どのルートから下るか明確に決めていなかった。雪があるのでコース状況を見て決めれば良いと考え、ひとまず瘤高山を目指す。
本仁田山から瘤高山まで先行者のトレース(踏み跡)があったので良かったが、一面雪で真っ白のため登山道がわからず、トレースがなかったらヤバい状況。山名標識もなく山というより、単なる小ピークの分岐地点。
瘤高山 ~ 大ダワ
大ダワまでくると雪は少なく、踏み跡も確認できるようになる。大ダワから川苔山へ向かう道は3パターン。
[1]ウスバ乗越経由(2017年4月現在、崩落のため通行禁止)。
[2]鋸尾根から舟井戸経由
[3]鋸尾根東の巻道から舟井戸経由
大ダワ ~ 舟井戸
【12:58】舟井戸に到着。
舟井戸はピークだと思っていたが、単なる分岐地点。ここまできたら川苔山は目と鼻の先だが、川苔山は次回以降にとっておいて、予定通り鳩ノ巣駅に向かう。なお、瘤高山以降ほとんど見かけなかった登山者も舟井戸以降は増加。どうやら川苔山の下山道として使われているようだ。
舟井戸 ~ 大根ノ山ノ神
【14:24】大根ノ山ノ神に到着。
大根ノ山ノ神は、舟井戸、大ダワ、瘤高山それぞれのルートの合流地点。逆に登りの場合は、3地点へ道が分岐する地点。
大根ノ山ノ神 ~ 鳩ノ巣駅
あとは駅に向かうだけなので先を急ぎたかったが、歩くのすらままならないほど右膝痛がひどく、痛みに耐えながらゆっくりと道を下る。
【15:24】鳩ノ巣駅に到着。
鳩ノ巣駅前は、玉福というお店が1軒あるだけ。青梅線の駅なので、1軒だけでもお店があって良かった。昼飯を食べていなかったので、電車の待ち時間を利用して、味噌田楽を食べました。
本仁田山コースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
- | 07:37 | 奥多摩駅 |
- | 08:36 | 大休場尾根登山口 |
- | 10:20~11:00 | 本仁田山の山頂 |
- | 11:29 | 瘤高山 |
- | 11:52 | 大ダワ |
- | 12:58 | 舟井戸 |
- | 14:24~14:33 | 大根ノ山ノ神 |
- | 15:24 | 鳩ノ巣駅 |
本仁田山の難易度
07/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:13.85km
- 登山歩数:25,147歩
- 高度上昇:1,238m
- 高度下降:1,249m
- 出発高度:0,343m
- 最高高度:1,224m
- 標高の差:0,881m
- 活動時間:06:58
- 休憩時間:00:49
- 合計時間:07:47
お気軽にどうぞ!
今回登ったのは、奥多摩三大急登に数えられることも多い、大休場尾根から登るコース。登り始めは広葉樹林の急斜面。登り始めが最も急登で、初っ端から洗礼を受ける。同じ奥多摩三大急登で水根から登る六ツ石山登山道によく似ている。この区間は、やや道のわかりにく箇所もあるが、道迷いするほどではない。
尾根に出た後は、山頂までほぼ直登に尾根を登る。他急登と比べて本仁田山の場合、細い尾根なので、尾根に出れば道迷いの可能性ほぼ皆無。尾根に出てからは積雪の道を登ることになったが、雪で登りにくいということはなかった。なお、本文内でも紹介したが、普通に登ると時間が余るので、峰集落跡地など寄ってみるのも良いかもしれない。ただし、途中危ない箇所もあるそうなので、自己責任で!