[黒岳登山レポ]
御坂峠から御坂山・黒岳・釈迦ヶ岳を縦走する御坂山地縦走登山 その1
2018年3月31日(土)天候:晴れ
御坂峠(天下茶屋) ~ 御坂山 ~ 黒岳 ~ どんべい峠 まで
御坂峠(天下茶屋) ~ 御坂山 ~ 黒岳 ~ どんべい峠 まで
- 御坂山地(みさかさんち)
- 山梨県南部の甲府盆地と富士山北麓の間に、東西にそびえる山地。主な山として、黒岳、三ッ峠山、節刀ヶ岳、鬼ヶ岳、釈迦ヶ岳、十二ヶ岳、王岳、御坂山などがある。
- 黒岳(くろだけ)日本三百名山山梨百名山
- 山梨県南都留郡富士河口湖町と山梨県笛吹市芦川町の境界に位置する山。標高は1,793mで、御坂山地の最高峰。全国各地にある黒岳と区別するため、御坂黒岳とも呼ばれる。
黒岳のコース
黒岳の主な登山口は、北:藤野木(とうのき)、東:新御坂峠(天下茶屋)、南東:三ツ峠入口、南西:中沢林道、北西:蕪入沢上芦川(かぶいりさわかみあしがわ)林道の4つ。
- 藤野木コース
- 北の藤野木から登り、旧御坂峠を経て黒岳を目指すコース。
- 御坂山コース登り利用
- 東の新御坂峠(天下茶屋)から御坂山に登り、旧御坂峠を経て黒岳を目指すプチ縦走コース。
- 三ツ峠入口コース
- 南東の三ツ峠登山口から黒岳を目指すコース。厳密には東から登るコースと南から登るコースの2つがある。
【東から】三ツ峠登山口 ~ 旧御坂峠 ~ 黒岳
【南から】三ツ峠登山口 ~ 黒岳南の分岐 ~ 黒岳
- 中沢コース
- 南の中沢林道から登り、新道峠・破風山を経て黒岳を目指すコース。
- 上芦川コース下り利用
- 北西の蕪入沢上芦川林道から黒岳に登るコース。蕪入沢上芦川林道から登るコースは林道と登山道が入り組んでおり、出発点も複数あり狭義のコースバリエーションは多岐にわたる。どんべい峠から登るコースもこのコースに含ませている。
※真北から登ることも可能だが、利用者も少なく破線コースのため割愛している。
黒岳のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「富士山」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!
黒岳の登山計画
- プラン
- 毎年4月恒例体力づくり登山。今年白羽の矢を立てたのが、富士山の東西南北にそびえる二百名山。北の三ツ峠山、西の毛無山、南の愛鷹山、東の御正体山。その第二段に選んだのが、北の三ツ峠山。しかし、三ツ峠山は2年前に登っているので、代わりに同じ山塊にある三百名山の黒岳を登ることに。
- コース
- なお、黒岳だけではつまらいので、近くの御坂山や釈迦ヶ岳も一緒に登るプチ縦横登山にしてみた。
関連レポート
黒岳コースレポート
御坂峠(天下茶屋) ~ 御坂山
【8:42】河口湖駅に到着。
河口湖駅から、天下茶屋行きのバスに乗り登山口にアクセスする予定だったが、バス停に「12月以降しばらくの間、道路凍結に伴い、三ツ峠登山口バス停で折り返し運転」との貼り紙が。いやいや、もう3月31日だしさすがに解除されているだろうと、思っていたら解除されてませんでした。(汗)天下茶屋も営業開始してるのに「なんで?」って感じ。なお、先に書いておくと三ツ峠登山口からの道で、路面が凍結している箇所は皆無でした。
バスは三ツ峠登山口止まりのため、御坂みちを歩き天下茶屋へ向かう。バスの利用者はほとんど三ツ峠山が目的だろうと思っていたら、意外にも自分以外に2組天下茶屋に向かう登山者あり。
【10:04】天下茶屋に到着。
天下茶屋からは富士山と河口湖を一望できるので、下山後であれば天下茶屋でほうとうや甘酒など食し、一服するのも悪くない。天下茶屋には自販機もあったが、このときはタイミング悪く故障中。近くの登山者は、自販機を開けて売ってくれるように交渉していた。
天下茶屋からは富士山と河口湖を一望できるので、下山後であれば天下茶屋でほうとうや甘酒など食し、一服するのも悪くない。天下茶屋には自販機もあったが、このときはタイミング悪く故障中。近くの登山者は、自販機を開けて売ってくれるように交渉していた。
御坂峠と天下茶屋
御坂峠は歴史ある峠で、峠名はヤマトタケルが越えた峠という伝説に由来する。逆さ富士を描いた葛飾北斎の人気作品「甲州三坂水面」も御坂峠から描かれている。また、新御坂峠にある天下茶屋は、井伏鱒二や太宰治が滞在したことでも知られており、特に太宰治はおよそ三カ月間も逗留し、その様子を小説「富獄百景」に残している。
御坂峠は歴史ある峠で、峠名はヤマトタケルが越えた峠という伝説に由来する。逆さ富士を描いた葛飾北斎の人気作品「甲州三坂水面」も御坂峠から描かれている。また、新御坂峠にある天下茶屋は、井伏鱒二や太宰治が滞在したことでも知られており、特に太宰治はおよそ三カ月間も逗留し、その様子を小説「富獄百景」に残している。
旧御坂トンネル
「御坂みち」から旧御坂トンネル(上の写真のトンネル)を抜ける道は、昭和6年に開通しており、甲府と富士吉田を結ぶルートとして当時は交通量も多かったようだ。しかし、昭和42年に旧御坂峠の下を通る新御坂トンネルが開通。当初、新御坂トンネルは有料道路として通行料を収受していたが、平成6年に無料開放。それに伴い旧御坂トンネルは交通としての役目を終え、現在は登録有形文化財に指定され歴史的価値として現在も残されている。
「御坂みち」から旧御坂トンネル(上の写真のトンネル)を抜ける道は、昭和6年に開通しており、甲府と富士吉田を結ぶルートとして当時は交通量も多かったようだ。しかし、昭和42年に旧御坂峠の下を通る新御坂トンネルが開通。当初、新御坂トンネルは有料道路として通行料を収受していたが、平成6年に無料開放。それに伴い旧御坂トンネルは交通としての役目を終え、現在は登録有形文化財に指定され歴史的価値として現在も残されている。
【10:09】御坂山登山口を出発。
旧御坂トンネルの左横に御坂山の登山口がある。地図を確認すると、登山口からトンネル上の尾根に出るまでは急登。しかし、コースタイムは25分で体力ゲージも満タンなので、ココは一気に登る。
旧御坂トンネルの左横に御坂山の登山口がある。地図を確認すると、登山口からトンネル上の尾根に出るまでは急登。しかし、コースタイムは25分で体力ゲージも満タンなので、ココは一気に登る。
【10:24】御坂峠の尾根に到着。
山と高原地図ではココが御坂峠と記されている。場所的にはちょうど旧御坂トンネルの上あたりかと。飛ばしたので小休憩し、呼吸が落ち着いてから出発。ココからは尾根歩きのため、楽に歩けると思っていたが、ちょっと甘かった..。
【11:00】御坂山に到着。
最後の方は着きそうで着かないので、かなりバテた。山頂到着後すぐに、ザックを枕にして大の字になって休憩。御坂山の山頂はお椀型をしており、樹木に阻まれ展望はきかない。展望もきかず、縦走路の通過点としての山なので、休憩後はすぐに出発。
最後の方は着きそうで着かないので、かなりバテた。山頂到着後すぐに、ザックを枕にして大の字になって休憩。御坂山の山頂はお椀型をしており、樹木に阻まれ展望はきかない。展望もきかず、縦走路の通過点としての山なので、休憩後はすぐに出発。
御坂山 ~ 旧御坂峠 ~ 黒岳
【11:07】御坂山を出発。
御坂山から暫くは緩やかな下り道が続く。その後少し下ると見晴らしの良い鉄塔のある広い尾根に。この鉄塔のある場所から、富士山のみならず南アルプスの峰が遠くに見える。
御坂山から暫くは緩やかな下り道が続く。その後少し下ると見晴らしの良い鉄塔のある広い尾根に。この鉄塔のある場所から、富士山のみならず南アルプスの峰が遠くに見える。
旧御坂峠
旧御坂峠には戦国時代に御坂城が築城されており、周辺を散策すれば今でも堀や土塁の痕跡が確認できる場所もあるようだ。明治時代以前、徒歩で峠を越える交通の要として賑わった峠だが、現在は廃屋となった御坂茶屋がひっそりと佇むのみ。ちなみに、この旧峠の下を新御坂トンネルが通っている。
旧御坂峠には戦国時代に御坂城が築城されており、周辺を散策すれば今でも堀や土塁の痕跡が確認できる場所もあるようだ。明治時代以前、徒歩で峠を越える交通の要として賑わった峠だが、現在は廃屋となった御坂茶屋がひっそりと佇むのみ。ちなみに、この旧峠の下を新御坂トンネルが通っている。
【11:28】旧御坂峠に到着。
旧御坂峠にある御坂茶屋は、2000年頃まで営業していたようだが、現在は閉鎖し建物も荒廃している。現在の旧御坂峠の交通量を鑑みても、今後再開することはないだろう。
旧御坂峠から黒岳までの標準コースタイムは60分。天下茶屋から御坂山までの道に比べてアップダウンは少ない。ただ、中ピークを2つほど越える必要がある上、黒岳直前の上りも体力的にちょっとキツかった。
【12:13】黒岳山頂に到着。
樹林に阻まれ黒岳からの展望・眺望はきかないが、200mほど南に進んだ場所に展望台がある。山頂スペースは広く、御坂山同様になだらかなお椀型をしている。人気の三ツ峠山に比べても登山者は少ないため、山頂が人で溢れかえることはほとんどないだろう。ベンチはなく座れるような岩もないため、食事をするなら地べたに腰を下ろす必要がある。そのため天気や地面の状況によっては敷物が必須。それと日陰がほとんどないため、日よけアイテムがあると便利。
樹林に阻まれ黒岳からの展望・眺望はきかないが、200mほど南に進んだ場所に展望台がある。山頂スペースは広く、御坂山同様になだらかなお椀型をしている。人気の三ツ峠山に比べても登山者は少ないため、山頂が人で溢れかえることはほとんどないだろう。ベンチはなく座れるような岩もないため、食事をするなら地べたに腰を下ろす必要がある。そのため天気や地面の状況によっては敷物が必須。それと日陰がほとんどないため、日よけアイテムがあると便利。
先週登った愛鷹山からの展望にくらべ、今日の黒岳からの展望には霞がかかっていた。
昼食を展望台で食べている登山者もいたようだが、展望台は狭く腰を下ろせる場所も少ないため、自分は山頂まで戻って昼食をとった。
昼食を展望台で食べている登山者もいたようだが、展望台は狭く腰を下ろせる場所も少ないため、自分は山頂まで戻って昼食をとった。
黒岳 ~ どんべい峠
【13:14】黒岳山頂を出発。
黒岳からはどんべい峠経由で釈迦ヶ岳へ向かう。どんべい峠へは、山頂から少し西に戻った案内板の近くに分岐路があり、少しわかりにくいので、要注意。登山者の動向をチェックしていると、大半の登山者は東の破風山・新道峠方面へ。どんべい峠へ向かう登山者は見当たらない。
黒岳からはどんべい峠経由で釈迦ヶ岳へ向かう。どんべい峠へは、山頂から少し西に戻った案内板の近くに分岐路があり、少しわかりにくいので、要注意。登山者の動向をチェックしていると、大半の登山者は東の破風山・新道峠方面へ。どんべい峠へ向かう登山者は見当たらない。
黒岳が御坂山地最高峰なので、どんべい峠までは当然ほとんど下り道。登山者は少ないがトレースや目印はしっかりとある。
北に進んだ後、北東に方角を変えて進む。山と高原地図によると、方角を変える場所が分岐路になっており、まずはその分岐路を目指して進むが、歩けど歩けど分岐路は現れず。ある地点で振り返ると、黒岳からかなり下っていることに気付く。もし、気付かず分岐路を真っ直ぐ進んでいたら、戻って登り返す必要があり、ちょっとヤバい。GPSをザックから取りだし確認すると、既に分岐を通り越し北東に進んでいることが判明。直進するコースは波線コースなので、分岐を気付かず通り過ぎていたようだ。それにしても、波線コースとはいえ分岐なので道標ぐらい立てておいて欲しい。【13:55】どんべい峠に到着。
正式名称は日向坂峠(ひなたざかとうげ)だが、標識にも「どんべい峠」と書かれている。どんべい峠には車道が通っており、御坂みちへと抜けられるが、このときはゲートが閉じられていた。どんべい峠には車が1台だけ駐車しているので、他にも釈迦ヶ岳に登っている登山者がいたのかもしれないが、出会うことはなかった。5分ほど休憩してから出発。
関連レポート
黒岳コースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
- | 09:51 | 三ツ峠登山口 |
09:27 | 10:04 | 天下茶屋 |
09:57 | 10:24 | 御坂トンネル上 |
10:37 | 11:00 | 御坂山 |
11:12 | 11:28~11:34 | 旧御坂峠 |
12:12~13:12 | 12:13~13:14 | 黒岳 |
14:12 | 13:55 | どんべい峠 |
黒岳の難易度
12/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:7.9km
- 高度上昇:0,654m
- 高度下降:0,422m
- 出発高度:1,225m
- 最高高度:1,793m
- 標高の差:0,568m
- 活動時間:02:57
- 休憩時間:01:07
- 合計時間:04:04
ご質問・感想などコメント歓迎します。
お気軽にどうぞ!
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黒岳において、危険箇所はない。道迷いは、黒岳からどんべい峠へ向かう道でヒヤッとする場面があったので、黒岳の北東方面の道を利用する場合、人が少なくトレースも薄いので、やや注意が必要。
今回歩いたコース上に水場はなかった。日帰り前提でロングコースの山でもないので、大きく困ることはないが、水場はあるに越したことはない。