アサヨ峰

アサヨ峰登山

アサヨ峰

Asayomine

白

[アサヨ峰登山レポ]
ライチョウとバッタリ遭遇!早川尾根の栗沢山・アサヨ峰登山

2015年10月19日(月)天候:晴れ
北沢峠 ~ 栗沢山 ~ アサヨ峰 ~ 早川尾根小屋 ~ 広河原
  • アサヨ峰(あさよみね)日本三百名山山梨百名山
  • 南アルプスの甲斐駒ヶ岳と鳳凰山とを結ぶ早川尾根上にある標高2,799mの山。甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、北岳といった南アルプス北部の山々を好位置で展望することができる。山名の由来は「朝早くから日が当たる山」という意味と言われている。
  • 栗沢山(くりさわやま)
  • 南アルプス北部、早川尾根の最北端に位置する標高2,714mの山。甲斐駒ヶ岳の展望が最も良い山として知られている。
  • 早川尾根(はやかわおね)
  • 南アルプス北部にある、北は栗沢山から南は鳳凰山の地蔵岳まで伸びる尾根の名称。尾根上には北から栗沢山、アサヨ峰、早川尾根小屋、広河原峠、白鳳峠、高嶺などの山や峠、山小屋がある。

アサヨ峰のコース

アサヨ峰の登山口は、北沢峠、広河原。早川尾根は北(北沢峠)から南(広河原)に向かうか、南(広河原)から北(北沢峠)に向かう以外に道はない。
さらに南の鳳凰山からはるばる縦走してくることもできる。
  • 北沢峠コース登り利用
  • 北沢峠、または仙水峠から栗沢山、アサヨ峰、早川尾根小屋、広河原峠と早川尾根を北から南に歩くコース。広河原峠を更に進み、白鳳峠から下っても良い。
  • 広河原コース下り利用
  • 広河原から広河原峠(もしくは白鳳峠)、早川尾根小屋、アサヨ峰、栗沢山と早川尾根を南から北に向かって歩くコース。
※コース名に厳密な名称はありません。
山と高原地図
アサヨ峰・栗沢山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「北岳・甲斐駒」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

アサヨ峰・栗沢山の登山計画

プラン
先週、天候崩れによりアサヨ峰・栗沢山の早川尾根縦走登山が流れたため、リベンジ登山として計画。例のごとく、せっかくならセットにしようと、まだ登っていなかった仙丈ヶ岳を1日目に、2日目に栗沢山・アサヨ峰に登ることにした。
どちらの山も北沢峠が起点となるため、北沢峠の長衛小屋を宿泊先に選び予約。
アクセス
コース上にある早川尾根小屋は、今シーズンすべて休業。早川尾根小屋近くに水場はあるが、噂によると枯れている可能性もあるらしく、枯れている前提で水を多めに持参した。

関連レポート

アサヨ峰・栗沢山コースレポート

北沢峠 ~ 栗沢山

【5:59】北沢峠の長衛小屋を出発。
長衛小屋で一緒だった、女性グループもほぼ同時刻の出発だったが、流石に足は自分の方が早いと思うので、迷惑がかからないように、数分先に出発した。
スタート直後こそ、南東に向かって道がトラバースしているが、その後は栗沢山まで道が直登に伸びている。目で見てはっきりわかる尾根上の直登なので、落ち葉で踏み跡こそ不明瞭な箇所はあるが、ピンクリボンも多数あるので、道迷いの心配は少ない。このコースは、栗沢山の西側斜面を登るため、朝方は東から昇った陽の光が届かず、コース上は常に薄暗い。
その後も、直登の樹林帯が続き、殆ど風景に代わり映えがない。風景に代わり映えがないため、実際の時間以上に長く感じた。
【7:32】登り始めて1時間30分、ようやくハイマツ帯に出る。ハイマツ帯まで出ると展望がきくため、左前方には甲斐駒ヶ岳、振り返ると仙丈ヶ岳が見えるようになる。
ハイマツ帯まで出ても道は薄暗いが、後方と左側の眺望があり、頭上には晴天が広がるため、開放感は一気に上がり、テンションも上昇。

栗沢山 ~ アサヨ峰

【8:02】栗沢山を出発。
栗沢山からアサヨ峰は展望のきく稜線歩き。途中に大きな岩場が立ちはだかり、目の前に立つと険しく見えるが、登ってみるとそれほど危険ではなかった。
岩場の途中で、本コース唯一反対方向から歩く登山者と出会う。鳳凰山から歩き、昨日は早川尾根小屋に泊まったらしい。気になっていた早川尾根小屋の水場状況を確認すると、問題なく水は出ていたとのこと。

岩場を登り、目の前にアサヨ峰の山頂が見えたところで、なんと特別天然記念物の「ライチョウ(雷鳥)」と遭遇!しかも親子連れなのか、4羽が登山道をアサヨ峰方面に向け歩いている。一般的に登山者の間では「ガスの出ているような天候の時に見かけることが多い」とされており、同じく早川尾根の白鳳峠付近で、ガスの出ている中1羽だけ見かけた事はあるが(その時の写真)、こんな快晴の日に、こんなに近くで、しかも群れと遭遇できるとは相当ラッキー。

すかさず写真撮影するが、北岳や仙丈ヶ岳、鳳凰山の地蔵岳をバックにポーズを決めてくれる、サービス精神の旺盛さ。それにしても、自分の超広角レンズのカメラで、これだけアップで撮影できる野鳥は珍しい。後で調べて知ったがライチョウは人を恐れないことでも有名らしい。自分と同じくアサヨ峰方面へ歩いており、時折振り向いて誘導するような仕草さえ見せてくれる。
【8:51】アサヨ峰に到着。
噂通り、アサヨ峰からは南アルプス北部の山々を一望できる大パノラマ。北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、栗沢山、鳳凰三山、富士山。富士山以外はすべて登った山なので、余計に感慨深い。唯一、間ノ岳は北岳と被って見えにくい。また、野呂川の川筋もきれいに見える。
アサヨ峰以降の展望はそれほど期待できないので、一先ず後ろを歩く女性ソロ登山者が到着するまで、ゆっくり時間を潰すことにした。
しばらくすると、長衛小屋で一緒だった女性ソロ登山者がやってきたので、お願いして写真を撮ってもらった。

アサヨ峰 ~ 早川尾根小屋

【9:39】アサヨ峰を出発。
これで、本日のメインイベントは終了したので、あとは広河原に抜けることが目的。次なる中間目的地は早川尾根小屋。なお、途中にミヨシノ頭と早川尾根ノ頭という小ピークを通過する。
ちなみに、アサヨ峰から東側の尾根に迷い込む登山者が多いため、南に抜ける登山道には、最近ピンクリボンが設置されたらしい。(仙水小屋主人の談)
【10:05】おそらくココがミヨシノ頭。
山名標識や三角点は見当たらない。岩がありその上に登れば、さらに展望は良い。通過地点なので、少しだけ休憩して先に進む。
しばらくすると樹林帯へ突入。ココから先は、尾根のピークから外れた部分を歩いたり、稜線に出たりの繰り返し。アップダウンはそれほど激しくなく、要所で展望のきく場所もある。
上の写真が、早川尾根を撮影した最後の地点。随分と地蔵岳のオベリスクが大きく見えるようになってきた。なお、ココからも早川尾根小屋を目視で確認することはできない。この地点以降、完全に樹林帯に入り、広河原峠まで樹林帯を抜けることはなかった。

【11:13】早川尾根小屋に到着。
本来、早川尾根小屋は有人山小屋だが、今シーズンは全休業。去年まで営業していたので、シュラフさえあれば小屋で寝られると思うが、室内はちょっと埃っぽい。「早川尾根小屋内部

水場を確認すると、情報通りちゃんと水が出ていた。ただし、いつ枯れてもおかしくない水量ではあるので、小屋が営業していない時は、アテにしないほうが良いかもしれない。予定通り、早川尾根で昼食。尾根上にある山小屋なので少しは期待したが、展望・眺望はゼロだった。

早川尾根小屋 ~ 広河原

【12:03】早川尾根小屋を出発。
2013年9月赤薙沢ノ頭の山頂付近で起きた大崩壊で、広範囲の樹林帯および登山道が消滅していることへの注意板。時間と体力があれば、白鳳峠まで行くのも有りかと思っていたが、これで広河原峠から下ることは確定的。「でも、待てよ?アサヨ峰手前の岩場で出会った登山者は鳳凰山から歩いてきたって行ってたなぁ..」と疑問に思う。帰宅後に調べて知ったが、大崩壊は事実だが、現在は巻き道もあるようだ。ただし、危険なため今でも原則通行禁止に変わりはない。

時間は12時。広河原のバスは14時か16時40分。(平日なので本数が少ない)早川小屋から広河原への標準コースタイムは約3時間15分。16時40分のバスでは時間が相当余るが14時のバスでは時間が足りない。考えていても仕方ないので、ダメ元で14時のバスを目標に先を急ぐことにした。

【12:21】広河原峠に到着。
14時のバスまで残り1時間40分。林道歩きを含めると広河原まで2時間45分なので、1時間ほど巻く必要がある。先を急ぐため、写真だけ撮影してすぐさま、広河原峠入口へ向け出発。

白鳳峠から下る道の序盤は、ゴーロ(大岩や石が散乱する平坦な河原)だったが、広河原峠からの道は、最初から最後まで樹林帯。しかも、北沢峠~栗沢山の道と同じく、全く景色に代わり映えなし。樹林帯なので、時折立ち止まり道を確認することはあるが、ピンクリボンが等間隔で設置されているため、道迷いの可能性は低い。ただし、太陽が真上にあり登山道を陽の光が照らしているので良いが、暗い時間には歩きたくない道。景色に変化はなく先も急ぐため、ただひたすら黙々と下る。
【13:13】西広河原沢と合流。沢と合流し、傾斜も緩やかになってきたので、林道まであと少しの筈。14時のバスに間に合う可能性が現実味を帯びてきた。
登山口ではない、工事現場のような場所に出てしまうが、林道を少し歩いた先に広河原峠入口を発見。
【13:35】広河原インフォメーションセンターに到着。
14時のバスに十分間に合う時間に到着できました。

関連レポート

アサヨ峰・栗沢山コースタイム

予定 実際 場所
06:30 06:00 長衛小屋出発
08:30 07:45~08:02 栗沢山
09:30~09:50 08:51~09:39 アサヨ峰
11:50~12:50 11:13~12:03 早川尾根小屋(昼食)
13:20 12:21 広河原峠
15:50 13:20 広河原峠入口
16:20 13:35 広河原インフォメーションセンター
16:40 14:00 甲府行きバス乗車

アサヨ峰・栗沢山の難易度

難易度

13/30

総合難易度
必要体力 体力難易度2
コース距離 コース距離難易度2
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度4
小屋・水場 小屋・水場難易度3
アクセス アクセス難易度2

総合難易度 総合難易度4

登山DATE

  • 歩行距離:9.4km
  • 登山歩数:24,588歩
  • 高度上昇:0,821m
  • 高度下降:1,301m
  • 出発高度:2,032m
  • 最高高度:2,799m

  • 標高の差:0,767m
  • 活動時間:05:40
  • 休憩時間:01:55

  • 合計時間:07:35
必要体力
北沢峠から栗沢山まで登ってしまえば、その後に体力的難所はない。アサヨ峰手前に岩稜地帯はあるが、体力が必要な箇所ではない。
危険度・水場
栗沢山以降の稜線歩きで、際立った危険箇所はないが、稜線なので天候が荒れたときは注意が必要。水の調達は早川尾根小屋の近くにある水場のみ。枯れていなければ良いが、水量は少ないので、枯れていたとしても問題のない量の水は持参したほうが良い。まあ、早川尾根小屋が営業してくれていれば、問題ないんだけど。
総括

栗沢山・アサヨ峰に登るなら、晴れていてガスが出ていない日が良い。どんな山でもそうかもしれないが、特に栗沢山・アサヨ峰は南アルプス北部の山々を一望できることが最大の魅力なので、雨の日など展望がきかない日に登ると、魅力は半減どころか激減するだろう。先週、悪天候の中無理して登らなくて良かった。

今回ライチョウに遭遇したのは相当ラッキーだった。あの場所を通るのが数分でも遅かったり、早かったりしたら遭遇していない可能性もあり、今後も狙って会えるものでもないし。しかも、アサヨ峰に向かって一緒に歩いたような感じだったので、貴重な体験になった。
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