[蓼科山登山レポ]
蓼科山からの夕焼けにご来光!山頂宿泊の蓼科山登山 北八ヶ岳縦走登山その2
天祥寺原 ~ 将軍平 ~ 蓼科山頂 ~ 大河原峠 ~ 双子山 ~ 双子池 ~ 雨池 ~ 麦草峠
- 蓼科山(たてしなやま)日本百名山
- 八ヶ岳連峰の北端に位置する標高2,531mの火山。深田久弥氏が選定した日本百名山の八ヶ岳(南八ヶ岳全域)とは別に、蓼科山も日本百名山に選ばれている。山頂は大きな岩石で覆われており、樹林が育たず360度の展望が楽しめる。9合目付近の将軍平には蓼科山荘、山頂には蓼科山頂ヒュッテが営業。
- 双子山(ふたごやま)
- 蓼科山の東側に位置する標高2,223mの山。
蓼科山のコース
- 白樺高原コース
- 北の七合目登山口から登るコース。蓼科牧場から白樺高原国際スキー場内をゴンドラリフトが運行しており、七合目登山口手前まで移動できる。
また、七合目登山口近くまで、蓼科スカイライン(道路)が開通しており、登山口近くに駐車場もある。
七合目の登山口からなら、標準コースタイム2時間10分で山頂まで到達できる最短コース。七合目登山口には蓼科神社の一の鳥居があることから、このコースが表参道にあたるのかも。
- 大河原峠コース下り利用
- 東の大河原峠から登るコース。山頂まで標準コースタイム2時間20分で到達できる。
- 女神茶屋コース
- 南の女神茶屋から登るコース。唯一、蓼科山荘のある将軍平を経由しないコース。標準コースタイム3時間00分。
- 天祥寺原コース登り利用
- 南の竜源橋から天祥寺原経由で登るコース。標準コースタイム3時間30分。
大河原峠コース・女神茶屋コースで登った、下山で利用されることが多い。
車であれば、女神茶屋コースから登り天祥寺原コースで下山(竜源橋から女神茶屋まで道路を歩く)、または、大河原峠から登り下山は天祥寺原コースで下山する(天祥寺原の分岐を北に向かって大河原峠に戻る)周回コースが人気。
公共交通機関であれば、北陸新幹線の佐久平駅から北の白樺高原までバスが出ている。または、竜源橋や女神茶屋から約1時間30分ほど歩いた、蓼科高原プール平から茅野駅までバスが出ている。北八ヶ岳縦走の登山計画
- プラン
- 目的は北八ヶ岳の蓼科山。しかしせっかく八ヶ岳まできて、蓼科山だけだともったいないので、途中にある茶臼山・縞枯山・北横岳も登る縦走登山の計画を立てた。
- コース
麦草峠を起点とすることは、以前から決めていたが、蓼科山からどこに下山するかで悩む。2日目の天候は午後から曇り予報だったため、昼頃には下山したい。当初は蓼科高原や白樺高原に抜ける案を模索するが、白樺高原はバスで北陸新幹線の佐久平駅に抜けることになるが、バスの便も少なく乗り換えもあるため除外。蓼科高原に抜ける場合もアルピコ交通運行の蓼科高原ラウンドバスで確認していたところ、午前の便は「横谷峡入口」バス停で乗り換えが必要で、乗り換え時に1時間も空きができる。その他、茅野駅の直通は16時以降に2本出ているだけだったため、結局麦草峠まで戻ることにした。
あとで知ったが、アルピコ交通運行の北八ヶ岳ロープウェイ線「蓼科高原プール平」バス停まで行けば、一日を通して約1時間おきにバスが出ている。麦草峠に戻るには距離がある上、蓼科高原プール平には温泉施設もあるようなので、蓼科高原プール平に抜けるほうが無難だった。
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蓼科山コースレポート
天祥寺原 ~ 将軍平
【13:50】天祥寺原分岐を出発。
ココから、いよいよ蓼科山への本格的な登り。目指す中間目的地は、蓼科山荘のある将軍平。標準コースタイム1時間20分。
途中に「売店・宿泊30分」と石にペンキで書かれている。まだ30分しか登っていないのに、残り30分はおかしい。山における「あと○分」とか「あとちょっと」は信用ならない。案の定、それなりのスピードで登ったにも関わらず、ココから40分かかったし。
再び道幅が狭くなってからは、ガレ場の直登。将軍平まで約30分以上、この道が続く。さすがに後半は嫌気がさしてきた。【15:01】将軍平の蓼科山荘に到着。
将軍平は各コースの合流地点となる要衝。女神茶屋前から登るコース以外は必ずココを通る。予想通りだがあたりは霧で真っ白。将軍平から山頂までの標準コースタイムは約40分。本日は山頂にある蓼科山頂ヒュッテ宿泊のため、ここまでくれば着いたも同然。蓼科山頂ヒュッテには16時30分ごろ到着予定と伝えていたので、あとはゆっくり登ることにした。早く登っても、この霧だと真っ白で何も見えないだろうし。
本日の宿泊者は7名のみ。その中でも最後の到着だったようだ。山頂周辺は真っ白なので、ひとまず宿泊手続きを済ませて休憩。
蓼科山の山頂(夕方~夜)
16時を過ぎると山頂の濃霧が薄くなってきたため、山頂へ移動。蓼科山の山頂には登山者3名1組の登山者のみ。この登山者はその後、女神茶屋の方へ下っていったが、この時間でも宿泊者以外の登山者がいるのは意外。女神茶屋前の登山口なら2時間、北の七合目登山口なら1時間30分で下山できるため、この時間でもギリギリ山頂にいられる。
蓼科山の山頂はとにかく広く、全て岩塊に覆われている。そのため移動するには、岩から岩へピョンピョン飛び移りながら進まなければならない。当初は霧がまだ残っていたため、南側の霧が晴れたら南へ、西側の霧が晴れたら西側へと移動し、広い山頂を行ったり来たりしたので、そのうち踏み外して足を挫くのではないかとハラハラした。蓼科山頂ヒュッテに宿泊していたのは、若いカップル2名、シニアの夫婦2名、中高年のソロ男性2名と自分の合計7名。まさかこの時期の土曜日で7名とは想定外だった。なお、この蓼科山頂ヒュッテだが、スタッフさんの対応も良く、とっても良い山小屋。
蓼科山頂ヒュッテの就寝は20時。食事をしてから暗くなるまでは山頂に、暗くなってからは夜景を撮影していたので、あっという間に就寝時間に。7名なので、共同の寝室も広々使えた上、周りにイビキがうるさい人もおらず、ここ最近の山小屋では最も快適な睡眠がとれた。蓼科山の山頂(早朝)
ご来光を見るために山頂でスタンバイ。
上の写真のオーロラのような現象が「反薄明光線(はんはくめいこうせん)」。太陽と正反対の方向に光線の光芒(こうぼう)が放射状に収束して見える現象。ちょこっと珍しい現象です。
5時前からスタンバっていたが、山小屋の朝食5時30分前になっても太陽が顔を出さないため、苦渋の決断で一度蓼科山頂ヒュッテへ戻ることにした。ご来光と山小屋の朝食が思いっきり被ってしまったが、朝食を食べていると親切に山小屋のスタッフさんが教えにきてくれた。
蓼科山頂 ~ 大河原峠
出発時点では、蓼科高原か麦草峠のどちらに下山するか決めていなかったが、大河原峠までは同じ道のため、一先ず大河原峠を目指す。
【8:02】蓼科山荘に到着。
本当は素通りする予定だったが、たまたま外で会話している小屋のスタッフと登山者の会話に意図せず巻き込まれてしまい、その流れで「氷棒」まで買ってしまう。一応急いでいたが、氷棒の誘惑に負けた。やっぱり山で食べるアイスは至高の逸品。会話していたおじさんはアイスクリームを買っていたが、そちらもおいしそうだった。
赤谷の分岐は右に進む。左に行くと前掛山経由で白樺高原へ下山することになる。ちなみに、山と高原地図では破線表示の難コース。
大河原峠コースの最初は緩やかに下る道だが、中盤から傾斜が急になる。登りを想定すると迂回している分、天祥寺原コースよりも登りやすいだろう。樹林帯の中を抜けるため、景色はほとんど変わらず道も単調。大河原峠で麦草峠に向かうか、蓼科高原プール平に向かうか決めなければならない。当初は、7時40分大河原峠に到着予定だった。麦草峠到着後、バス発車時刻まで30分余裕を持たせていたため、40分ほど巻けば11時50分のバスに間に合う。40分であれば巻く自信があったので、予定通り麦草峠に向かうことにした。
大河原峠 ~ 双子山
大河原峠の次の目的地は双子山。双子山までは約20分の登り道。20分なら一気に登ってしまえと、一気に登る。
双子山もすぐに通過する予定だったが、一気に登り疲れたので少し休憩。休憩していると、近くにいた男女4名が、昨日北横岳の下山で一緒だった登山者だったため、予期せぬ会話が発生し、おまけに行動食までいただくことに。会話して行動食までもらうと動くのが億劫になり、予定より長く休憩してしまう。(汗)でも、たまたま出会った人が話かけてくれて、行動食まで分けてもらえるってホント有り難い。
双子山 ~ 双子池
双子池まで約30分の下り道。登ってくる登山者2組ほどとすれ違ったが、どこに向かっているのだろう?ザックが大きかったので蓼科山への縦走かな..。
双子池にはハイカーやピクニックをしている人達で意外と賑わっている。山と高原地図には雄池の近くに水場マークが付いていたので、ピクニックをしている女子に聞いてみたが、わからないとのこと。冷たい水を飲みたかったが、まあ残量はまだあるので深追いせず、次なる目的地の雨池に向け出発。
双子池 ~ 雨池
林道から山道に入ると、しばらく上り道となる。キツイ上りではないが、この終盤にきて上り道は気が滅入る。また、登山道を遮る倒木が多く、この倒木を跨ぐ動作が意外と体力を消耗する。結局この上り道は、雨池直前までダラダラと続くため、後半はうんざりさせられた。
【10:37】雨池に到着。雨池は双子池に比べて、寂しげな雰囲気が漂っている。雨池に到着したころから、予報通り曇り空に。ココから池の左側を周回し、対岸を目指す。
雨池の対岸でシニアのグループと遭遇。双子池以降は人を見かけなかったので、ちょっとだけホッとした。
雨池 ~ 麦草峠
雨池から麦草峠まで、標準コースタイム1時間10分。バスは11時50分なので、5分ほど時間を巻けば間に合う計算。時間内に到着できる可能性が現実味を帯びてきた。先を急ぐため、写真撮影だけして早々に出発。
雨池から出発してすぐに林道を歩き、暫くして再び山道へ戻される。昨日歩いた麦草峠から茶臼山への道に比べて、湿気が多くジメジメした感じ。特に林道から山道に入ったあとの一定区間と、麦草峠直前の区間は、あたり一面苔むす状態だった。急いだ甲斐あって、バス出発の20分前に到着。おかげで、トイレや着替えをする時間の余裕ができた。
関連レポート
蓼科山のコースタイム
1日目
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
08:00 | 07:55 | 麦草峠 |
08:15 | 08:17 | 大石峠 |
09:05 | 08:54~09:07 | 茶臼山 |
09:45 | 09:50 | 縞枯山 |
10:15 | 10:06 | 雨池峠 |
11:45~12:45 | 11:06~12:12 | 北横岳 |
13:45 | 13:13 | 亀甲池 |
14:05 | 13:40 | 天祥寺原 |
14:20 | 13:49 | 蓼科山分岐 |
15:40 | 15:01 | 将軍平 |
16:20 | 15:41 | 蓼科山頂 |
2日目
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
04:30~06:00 | 04:30~07:50 | 蓼科山頂 |
06:30 | 08:02 | 将軍平 |
07:40 | 08:53 | 大河原峠 |
08:00 | 09:12 | 双子山 |
08:30 | 09:36 | 双子池 |
10:10 | 10:37 | 雨池 |
11:20 | 11:31 | 麦草峠 |
11:50 | 11:50 | バス乗車 |
蓼科山の難易度

12/30
総合難易度必要体力 | ![]() |
コース距離 | ![]() |
所要時間 | ![]() |
危険度 | ![]() |
登山難易度 | ![]() |
小屋・水場 | ![]() |
アクセス | ![]() |
総合難易度 | ![]() |
登山DATE
- 歩行距離:24.67km
- 9/04歩数:20,012歩
- 9/05歩数:11,062歩
- 高度上昇:1,574m
- 高度下降:1,576m
- 出発高度:0,827m
- 最高高度:2,144m
- 標高の差:1,317m
- 活動時間:05:59
- 休憩時間:01:35
- 合計時間:07:34
お気軽にどうぞ!
蓼科山単独で登るならば、どの登山口から登っても2~3時間で山頂に辿り着けるので、時間面が難易度を和らげている。天祥寺原から登るコースはほぼ直登で、遊びが少ないので登っているときはキツいと思うが、コース距離の短さが助けてくれる。下りで歩いた印象として、大河原峠から登ったほうが楽だと思う。
麦草峠から縦走する場合、やはり問題は北横岳から蓼科山の区間。この約500mのアップダウンはもはや縦走ではなく、同じ日に違う山を登ったといった表現のほうが適切。アップダウンのある縦走に慣れていなければ、おすすめできない。逆にアップダウンのある縦走になれており、且つ蓼科山の山小屋に宿泊すれば、それほど時間に無理もなく、楽しい山行になると思う。帰りは麦草峠まで戻ったが、蓼科高原プール平に出るほうが距離も短いので、特にこだわりがなければ、そちらがおすすめ。