西吾妻山

西吾妻山登山

西吾妻山

Nishiazumayama

白

[西吾妻山登山レポ]
一切経山から縦走する初夏の西吾妻山登山 吾妻山縦走登山その2

2018年6月17~18日(日・月)天候:晴れのち曇り
家形山 ~ 烏帽子山 ~ 昭元山 ~ 東大巓 ~ 明月荘 ~ 西吾妻山 ~ 白布温泉
  • 吾妻山(あづまやま)
  • 山形県と福島県の県境に沿って東西に伸びる火山・山塊の総称。吾妻連峰とも呼ばれている。吾妻山は、火山噴火予知連絡会により「火山防災のために監視・観測体制の充実等の必要がある火山」に指定されているが、主な監視対象は近年でも火山活動が活発な一切経山である。
  • 西吾妻山(にしあずまやま)日本百名山
  • 山形県米沢市と福島県耶麻郡北塩原村の境界に位置する山。標高は2,035mで吾妻連峰の最高峰。山頂は樹林に覆われ展望はないが、山頂近くの梵天岩からの眺望は優れている。白布温泉からロープウェイと3基のリフトを乗り継けば、標高1,810mの北望台(ほくぼうだい)までショートカットできる。
  • 烏帽子山(えぼしやま)
  • 吾妻連峰の一角を担う標高1,879mの山。
  • 東大巓(ひがしだいてん)
  • 吾妻連峰の一角を担う標高1,928mの山。対として西大巓、中大巓も存在する。

西吾妻山の代表的なコース

西吾妻山への登山口は、北の白布温泉(しらぶおんせん)、大平温泉、西の白布峠、早稲沢南のグランデコリゾートの合計4つ。
大半の登山者は、天元台高原ロープウェイとリフトを利用して登っている。
  • 天元台高原ロープウェイ&リフトコース人気コース!
  • 北の白布温泉からロープウェイと3つのリフトを乗り継ぎ標高1,810mの北望台(ほくほうだい)までショートカットして登るコース。なお、ロープウェイと3リフトの下を登山道も開通しており、歩いて登ることも可能。
  • 若女平コース下り利用
  • 北の白布温泉にある若女平登山口から南に向かって直登に登るコース。
山と高原地図
西吾妻山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「磐梯・吾妻」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

吾妻山縦走の登山計画

プラン
2014年12月12日から一切経山の噴火警戒レベルが2となり、一切経山への登山道が閉鎖されていた。しかし、2016年10月18日に一切経山の噴火警戒レベルが1に下がり、登山道通行止めが解除されたのを機に、2017年から計画していた吾妻山縦走登山。2017年は行きそびれたため、2018年6月に再度計画を立案した。
アクセス
問題となったのが浄土平へのアクセス。浄土平に公共交通機関でアクセスする唯一の手段は、吾妻スカイライン観光路線バスを利用すること。しかし、一日2便しか出ておらず、最も早い到着でも11時30分。この出発時間の遅さにより、宿泊予定の明月荘(弥兵衛平小屋)への到着は、標準コースタイム計算で17時を超えてしまうため、陽の短い秋の登山はリスクが高い。また、吾妻山山域は豪雪地帯のため、5月までは雪が残っており登山も厳しい。そのため、6~8月の間に登るのが最も理想的。今回天気が直前まで不透明だったが、この機会を逃すと次回はいつ行けるかわからなかったため、強行した。

関連レポート

西吾妻山コースレポート

家形山 ~ 烏帽子山

【13:58】家形山を出発。
家形山以降は、いよいよ一切経山・西吾妻縦走路へと入る。まず目指す中間目的地は、ニセ烏帽子山。その前に五色温泉や滑川温泉へ抜ける派生コースの分岐地点を通過する。明月荘までの標準コースタイムは約3時間30分。等高線を見る限りアップダウンは少ないと想定。また、東大巓手前まで、藪漕ぎが必要ということも事前リサーチ済み。家形山以降は登山道の管理が、福島県福島市から山形県米沢市へと変わる。

まず堀田林道口、兵子(ひょっこ)新道口までの道だが、登山道を遮る倒木や地面のぬかるみなど、悪路ではあるが、後に歩くニセ烏帽子山以降の道に比べればマシ。ちなみに堀田林道口は山と高原地図で破線表示される難コースだが、分岐には道標や案内標識がきちんと設置されていた。
堀田林道口近くで、縦走路で出会う唯一の夫婦登山者とすれ違う。何処から登ってきたのか謎だが、日帰りで東大巓から歩いてきたと言っていた。向こうも初めて出会った登山者と言っていたので、この日この縦走路を通ったのは、この夫婦と自分だけだったのかもしれない。このとき、この登山者が「疲れたのでもう帰りたい」と言葉を漏らしていたが、この気持ちをこのあと自分も思い知らされることになる。

【14:36】兵子新道口を通過。
あとで知ったが、兵子方面に数分寄り道して進むと「兵子」というピークがあり、展望・眺望が良いらしい。余裕があるなら寄るのもあり。

兵子新道口以降の道は、道がどんどん悪路へと変わる。狭い登山道を遮る倒木や笹、ぬかるんだ地面など。特にニセ烏帽子山の手前の窪んだ登山道に、雪解け水が流れ込んでいる箇所は最悪だった。「窪んだ登山道 + 雪解け水」の組み合わせだけでも厄介なのに、途中に木が出張り中腰にならないと進めない箇所があり、もはや障害物競走状態。ズボンの裾が泥だらけになったので、面倒で好きではないが、スパッツ持ってくるべきだったと後悔した。
【14:54】ニセ烏帽子山に到着。
通称ならともかく正式名称で「ニセ」と付けられている山名ってなんか気の毒。ニセ烏帽子山からは南側が少しだけ開けている。景色は取り立てるほどではないので、そのまま通過。ニセ烏帽子山以降は悪路に拍車がかかり。登山道は細く狭く、藪漕ぎする場面も増える。ザックが大きいため木に引っかかる場面も多く、これがかなり鬱陶しい。景色の開けた場所もないため、「あ~早く烏帽子山に着かないかな..」とか考えながらひたすら歩いた。登山道にシャクナゲが多くなると、烏帽子山が近いサイン。
【15:21】烏帽子山に到着。
烏帽子山からは、南側を中心に扇形に景色が開けている。正面奥に谷地平湿原が、左奥には一切経山が見える。

烏帽子山 ~ 昭元山

【15:33】烏帽子山を出発。
烏帽子山からは一旦南の露岩地帯を下る。山と高原地図ではコースは西に向かって一直線に伸びているので、道を見失わないよう注意。濃霧など気象条件が悪いと何処に進んで良いのかわからなくなる可能性がある。

さて烏帽子山以降、少しは道も歩きやすくなることを期待したが、引き続き悪路。地面のぬかるみは少なくなったが、反面烏帽子山周辺では少なかった倒木が増え、笹藪も多く道も狭い。また、藪漕ぎすると体中に「黄色い粉のようなもの」が付着し、これが気になる。道も単調だし、途中でいい加減、嫌気がさしてきた。
【16:10】昭元山に到着。
ニセ烏帽子山同様に南側が少し開けているが、取り立てるほどではない。家形山出発から2時間ほど悪路を歩いてきているので、さすがに精神的な疲れが出始めてきた。序盤に出会った登山者の「疲れたのでもう帰りたい」と発した言葉の真意が、ここに来てようやく腹落ち。

昭元山 ~ 東大巓

昭元山以降、多少道も歩きやすくなるかと期待していたが、全くの期待はずれ。笹の多さでは言えば、この区間が最も藪を漕いだ気がする。笹薮が生い茂りカーテンのようになっている場所もあったし。また、疲れてきたので下を向き歩いていると、折れた枝が脳天に刺さる場面もあった。最後の方は、とにかく一刻も早くこの縦走路を抜けたいという思いだけで、歩いていた。
【16:55】大倉新道谷地平分岐に到着。
家形山出発から3時間ほど悪路を歩き、ようやく抜けました。ココから先は風景や植生も一変し、登山道には木道が敷かれ、歩きやすい道へと変わる。
【17:11】東大巓に到着。
東大巓の山頂は登山道から20mほど外れた場所にある。地図にも「展望はない」と書かれていたが、実際展望はきかず、また狭い。山名標識がなければ、単なる行き止まりの道にしか見えない。

東大巓 ~ 明月荘(弥兵衛平小屋)

東大巓を少し進むと明月荘との分岐地点。分岐地点を右に曲がるとすぐに、弥兵衛平湿原と明月荘を一望できる素晴らしい風景が広がる。明月荘まで距離がありそうに見えたが、そうでもなかった。

【17:35】明月荘に到着。
明月荘に入ると1Fにザックが1つ。日曜日なので、他に宿泊者はいないと思っていたので、なんかホッとした気分に。[明月荘室内
ゆっくり休憩したいところだが、暗くなる前に近くの金明水まで水を補給しに行く。金明水までの道は、「金明水まで○分」と書かれた案内標識が2カ所ほど設置されているので、わかりやすい。

弥兵衛平湿原

明月荘の北東には、弥兵衛平湿原と明星湖がある。明月荘から10分ほどで、明月荘に宿泊するなら必ず寄っておいたほうが良い場所。明日の天気が不透明なため、ご来光ではなく夕暮れを狙うことにした。
明月荘で一緒だったのは、50~60才ぐらいの中高年登山者。天元台のロープウェイ&リフトを乗り継いで登ってきたようだ。弥兵衛平湿原から戻ってきたら既に就寝されていたので、一人2階で鶏鍋とビールで慎ましく夕食を食べる。

明月荘(弥兵衛平小屋) ~ 人形石

【4:10】起床。
本日の天気は曇り。4時30分頃から5時過ぎまで、明月荘で一緒だった方と弥兵衛平湿原で日の出を待っていたが、雲が厚くご来光を拝むことはできなかった。ただし、霧は出ておらず、遠くの山がはっきり見えるなど眺望は昨日より良い。気温も涼しく、ある意味登山日和と言えるかもしれない。

【6:08】明月荘を出発。
分岐まで戻り、まずは藤十郎分岐経由で人形石を目指す。藤十郎分岐までは弥兵衛平湿原※を歩く。この東大巓の西にある弥兵衛平湿原は、過去に登山者に踏み荒らされ荒廃したため、近年は植生の回復が取り組まれている。

※東大巓の西にある湿原も明月荘近くの湿原と同じく、弥兵衛平湿原と呼ばれている

【7:06】藤十郎分岐を通過。
この分岐は太平温泉コースとの合流地点。ちなみに藤十郎とは、もう少し先にある山の名前だが、コースは藤十郎を巻いて進む。

また、藤十郎分岐から少し進んだ先に、ヤケノママ分岐がある。ヤケノママへ抜ける道は、山と高原地図で破線表示される難コース。見たところ、出発直後から道が消失しており、人の歩いた形跡はほとんどない。
ココからいよいよ上り道。明月荘からずっと平原を歩いていたので、ようやく本日初となる登り。
30分ほどで登れる距離で傾斜もそれほどキツくない。体力ゲージもほぼ満タンなので、ココは苦もなく登れた。
上り道を登りきった場所、人形石手前に開けたスペースあり。展望も良く当初はココが人形岩だと思い10分ほど休憩をとる。

【8:11】人形石に到着。
ココが本当の人形石。人形石という標識はなく、杭には「吾妻山高度指導標」と書かれている。人形石は、途中の道標にも出てくる名称なので、「人形石」と書いた標識ぐらい立てておいてほしい。また、山と高原地図に「展望良い」と書かれているが、全然良くない。展望は、手前の開けたスペースのほうがはるかに良い。

ちなみに、人形石の奥に中大巓のピークがあるが、コース上ではないためピークを踏むことはできない。

人形石 ~ 天狗岩

人形石からは、大凹(おおくぼみ)まで下り、そこから梵天岩まで登り返す。これまでの道もそうだったが、人形石から大凹までの区間は、特にチングルマが数多く咲いていた。

【8:28】中大巓分岐を通過。
中大巓分岐は、カモシカ展望台経由で北望台(ほくほうだい)のリフト乗り場へ向かう道との分岐地点。上り道だったので行かなかったが、余裕があればカモシカ展望台に寄るのもあり。

気になったのが、下ってきた道を振り返ると「植生荒廃のため立ち入らないでください」と書かれた注意標識。いや、めっちゃココ歩いてきたんですけど..。この標識は部分的な範囲を指しているのか、それともこの道自体を立入禁止にしているのか判断つきかねる。でも、道の立入禁止なら反対側にも同じ標識を立てておくべきなので、右側の部分的な範囲を指していると推察する。いずれにしても、もうちょっとわかりやすくしておいて欲しい。

大凹の先には水場があり、その先から梵天岩までは登り返しとなる。
梵天岩手前で高層湿原が現れる。西吾妻山の山域はちょっとした場所にも高層湿原が存在する。そして梵天岩手前で再びガレ場の上り道。
【9:26】梵天岩に到着。
梵天岩だが、コースから少し左に外れており、一度気付かず天狗岩まで行ってしまい引き返して発見。西吾妻山は展望がきかないので、展望・眺望を楽しむならこの梵天岩になる。
【9:45】天狗岩に到着。
天狗岩は大量の大岩が乱立する、平坦なスペース。天狗岩に吾妻神社が鎮座する。天狗岩での昼食も検討したが、ココまできたら先に西吾妻山のピークを踏んでおきたかったのでパス。

天狗岩 ~ 西吾妻山

天狗岩からは、西吾妻山へ向けた最後の上り。正味15分ほどの道のりで、難所などもない。

ちなみに、明月荘を出発してから今まで誰にも会うことはなかったが、西吾妻山の山頂手前付近から、突然複数の登山者とすれ違う。おそらくロープウェイとリフトの始発便でやってきた登山者たちだろう。
【9:58】西吾妻山の山頂に到着。
前情報通りだが、西吾妻山から展望はきかず。しかも、想像よりかなり狭い。西吾妻山での食事も検討していたが、狭すぎて無理。食事をしないなら、山頂に留まる理由もないため、すぐに出発。

西吾妻山 ~ 西吾妻小屋 ~ 若女平コース分岐

西吾妻山からひとまず西吾妻小屋を目指す。

【10:09】西吾妻小屋に到着。
もうココで食事をするしかないが、小屋の中は薄暗くトイレの臭気が漂っており、とても食事をする気分になれなかったので、外の2本ある木道の1本に座り込み食事をすることにした。 [西吾妻小屋室内

食事をしている間も、3組ほど登山者がやってきて西吾妻山へ向かって行った。
【11:03】西吾妻小屋を出発。
【11:07】若女平コース分岐に到着。
ココから白布温泉に向けて下山開始。ちなみに上の写真の左奥にうっすら見える山塊が飯豊連峰。

若女平コース分岐 ~ 若女平

この若女平コースだが、下りでも標準コースタイムが3時間もかかるロングコース。しかも途中に見どころがほとんどないし。そのためか、米沢市設置の「○○/50」と書かれた進捗のわかる道標が一定間隔で設置されている。米沢市以外に、米沢山岳遭難対策委員会、米沢観光協会、米沢山の会と、それぞれ異なる団体の道標が一定間隔で設置されているため、道中は道標だらけ。ただそれでも、道が単調で見どころがないため、道中は退屈でツライ道。なお、米沢山の会の標識には地名が書かれているが、山と高原地図に掲載されていないので、進捗を確認することはできない。
米沢山の会の標識のほとんどは、登ってくる登山者の方向に向いて設置されているため、見落とした標識があったかもしれない。道が平坦になってきたら、若女平が近いサイン。
【12:38】若女平に到着。
西吾妻小屋出発からすでに1時間30分が経過。若女平までは下り一辺倒の道だったが、標準コースタイムは「登り(2時間)」「下り(1時間45分)」と15分しか差のない設定。下りでも標準コースタイムと差がほとんどなかったので、登り利用の場合はもっとかかる気がする。

若女平 ~ 若女平登山口

若女平以降は、道も緩やかになるが、それでもほとんどが下り道。当初このコースから登ることも検討していたが、登りに使わなくて良かった。

若女平の少し先に、小和清水(こわしみず)と呼ばれる水場がある。標識が登り利用者向きに設置されているため、下りだと気付かずスルーしてしまうかも。目印は右側奥に見えるロープウェイ乗場。[小和清水
杉林に入ると登山口も近い。ただ、若女平登山道入口近くでまさかの藪漕ぎをする場面があり、想定外だった。

【13:51】若女平登山口に到着。
長かった~。下りなのでもっとコースタイム短縮できるかと思っていたが、意外とできなかった。結局、若女平コースでは誰にも会わなかったし。

バスの時間を気にしていなかったが、次のバスは14時30分発。温泉に入る予定だったので、バス停前の「西屋旅館」さんの温泉へ。温泉はカラスの行水になってしまったが、バスの時間にギリギリ間に合いました。

関連レポート

西吾妻山のコースタイム

1日目

予定 実際 場所
11:30~11:35 11:32~11:45 浄土平
12:15 12:20 酸ヶ平分岐
12:55~13:10 12:50~13:14 一切経山
13:50 14:01 家形山のガレ場
14:05 14:13 三叉路(家形山の山頂)
14:35 14:36 兵子新道口
- 14:54 ニセ烏帽子山
15:35 15:21~15:33 烏帽子山
- 16:10~16:15 昭元山
16:50 16:55 大谷新道谷地平分岐
17:15 17:19 明月荘分岐
17:40 17:35 明月荘

2日目

予定 実際 場所
05:50 06:08 明月荘出発
06:15 06:30 明月荘分岐
06:55 07:06 藤十郎分岐
07:45 08:11 人形石
07:55 08:28 中大巓分岐
08:45 09:45 天狗岩
09:00~09:20 09:58~10:00 西吾妻山
09:30 10:09~11:03 西吾妻小屋
11:15 12:38 若女平
12:40 13:51 若女平登山口

西吾妻山の難易度

難易度

21/30

総合難易度
必要体力 体力難易度3
コース距離 コース距離難易度5
所要時間 所要時間難易度5
危険度 危険度難易度2

登山難易度 登山難易度8
小屋・水場 小屋・水場難易度3
アクセス アクセス難易度3

総合難易度 総合難易度7

登山DATE

  • 歩行距離:30.91km
  • 高度上昇:1,303m
  • 高度下降:2,046m
  • 出発高度:1,600m
  • 最高高度:2,035m

  • 標高の差:0,435m
  • 活動時間:11:55
  • 休憩時間:01:38

  • 合計時間:13:33
必要体力
まず縦走路に関して、道は悪路だが幸いなことにアップダウンはほとんどない。地図の標高グラフを見るとわかるが、標高1,850m付近を高低差50mほどでほぼ横ばい。あの悪路でアップダウンが激しかったらヤバかったので、この点は助かった。西吾妻山周辺では上り道もあるが総じて傾斜は緩やかで、体力はたいして消耗しない。この緩やかな山の形状が吾妻山の特徴で、稜線に出てしまえば、ハイキング気分で歩くことができる。
距離・時間

今回縦走したので、距離も時間も長くなったが、累積標高差は2日間で1,340m。過去の記録から照らし合わせると、ちょっときつめの日帰り登山並み。これは、スタート地点の浄土平の標高が約1,600mと高所からのスタートだったことと、途中のアップダウンが少なかったことが要因。だが総距離は30.9kmなので、つまり上に登る力よりも、横に歩く力のほうが求められる。

※登りで獲得した標高を足し合わせた高さ。
危険度
危険箇所はやはり縦走路の悪路。滑落するような危険箇所がある訳でもなく、また道迷いの危険性が高い訳でもないが、とにかく道が荒れているので、歩くのに時間がかかる。自分の場合でも、コースタイム短縮を意識したにも関わらず、ほぼコースタイムどおりだったし。体力疲労よりも精神的に疲れる道だった。
水場・山小屋

一切経山周辺に水場は少ないが、西吾妻山周辺は水場に恵まれている。豪雪地帯だけあって、水場以外の残雪から水を補給できる箇所があるなど、水には困らなかった。

避難小屋は多いものの、有人山小屋が少ない吾妻山。ロープウェイとリフトで気軽に日帰りできることと、有人山小屋がないことが、登山者の少ない要因かもしれない。ただ反面、比較的きれいで使える避難小屋は多いため、静かな山旅を楽しみたい人にはうってつけの山だと思う。
アクセス

縦走するということを前提とするならば、このコースは距離が長く、起終点が都道府県を跨ぐため、車でのアクセスはかなり難しい。となると、公共交通機関に頼るしかないが、最も早い浄土平着のバスでも11時30分のため、昼からという制限下での登山になる点が最大のネック。このコースを歩いている登山者がほとんどいなかったのは、交通アクセスの不便さが影響しているように思う。

なお、時間とお金に余裕があれば、白布温泉に前日入りし、早朝にロープウェイとリフトを使って登る逆周りなら、楽になるはず。ロープウェイとリフトを使えば、健脚なら前日入りせずにいけるかも。
総括

西吾妻山のピークを踏むことの意義は低く、それよりも吾妻山の高層湿原歩きを楽しむ山。そのことからも、できれば弥兵衛平湿原は寄っておきたいポイント。ちなみに、西吾妻山の山頂からの眺望がなくてガッカリする人が多いと聞くが、眺望を期待するなら、近くの梵天岩からの眺望は優れているので、そちらで満喫すれば良いかと。

次登るなら、楽しくない上に距離も長いので、一切経山・西吾妻山縦走路と下山で歩いた若女平コースは外すかな..。初回なので人力にこだわり登ったが、2回目以降ならやっぱり手軽に登れるロープウェイ&リフトを使うと思う。
ご質問・感想などコメント歓迎します。
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