[妙高山登山レポ]
赤倉温泉から登る秋の妙高山 妙高山・火打山縦走登山その1
赤倉観光ホテル ~ 大谷ヒュッテ ~ 妙高山 ~ 黒沢池ヒュッテ ~ 高谷池ヒュッテ
- 妙高山(みょうこうさん)日本百名山新花の百名山北信五岳頸城三山
- 新潟県と長野県にまたがる標高2,454mの活火山で、新潟県を代表する山。山域は妙高戸隠連山国立公園に属している。妙高山の山頂は北峰(標高2,446m)と南峰(標高2,454m)2つのピークが存在。日本百名山、新日本百名山に選定され、それ以外にも、北信五岳(妙高山、斑尾山、黒姫山 、戸隠山、飯縄山)、頸城山塊を代表する山として、頸城三山(妙高山、火打山、焼山)にも数えられている。
妙高山のコース
- 赤倉登山道登り利用
- 赤倉登山口は妙高高原スカイケーブル山頂駅近くにある。山頂駅から大谷ヒュッテ、天狗堂を経由して山頂を目指す。
なお、登山口までは車でこれないため、妙高高原スカイケーブルを利用するか、関見峠か赤倉観光ホテルから歩くしかない。
登山口からの標準コースタイムは4時間15分。赤倉観光ホテルや関見峠から歩く場合は、5時間45分となる。
- 笹ヶ峰登山道下り利用
- 南西の笹ヶ峰登山口から妙高山の北西に位置する黒沢池ヒュッテまで回り込み、そこから南に向かって山頂を目指すコース。
このコースから妙高山に登る場合、火打山とセットにして、黒沢池ヒュッテや高谷池ヒュッテで一泊する登山者が多い。標準コースタイムは6時間05分。
- 燕登山道
- 燕温泉近くにある登山口から北地獄谷、天狗堂を経由して登るコース。天狗堂以降は赤倉登山道と合流する。標準コースタイムは4時間40分。
- 関登山道難コース
- 関温泉近くの登山口から神奈山を経由して登るコース。山と高原地図では、神奈山の少し先まで破線表示されている。
標準コースタイムは7時間10分。難路で且つ標準コースタイムも長いため、利用者は少ない。
妙高山の登山計画
- プラン
- 2015年から計画していた頸城三山縦走登山。当初は雨飾山も含む頸城山塊縦走を計画していたが、2泊3日でテント泊必須となるため、1泊2日の頸城三山縦走に変更。火打山以降の焼山・金山までの登山道は山と高原地図で破線表示される難コース。
- 山小屋
2日目の工程を考えて、山小屋はより焼山に近い高谷池ヒュッテを選択。しかし、この高谷池ヒュッテを利用するにはいくつか問題がある。
1つ目は、予約が猛烈にとりにくいこと。最初1ヵ月前に10月上旬(平日)の予約をとるも悪天候により数日前にキャンセル。その時点で唯一振替予約が可能だった10月21日(金)に振替えての今回。2つ目の問題は、山小屋15時着を強硬に迫られること。妙高高原駅周辺にホテルはないため、長野駅から始発の電車で妙高高原駅に向かうことになる。始発の電車で、妙高高原駅到着は6時。バスの始発は7時20分のため、登山口まではタクシー利用が前提となる。そのようにして、登山口に最も早い時間・手段で到着しても、標準コースタイム(休憩なし)で高谷池ヒュッテ到着は15時30分。自分の場合、結果的に標準コースタイムを巻いていることは多いが、最初から短縮する前提での登山は極力避けたい。テント泊も考えたが、重い荷物を持って頚城三山を1泊2日で縦走するのは気が重い。結局、休憩時間を短めにして、道中も飛ばすことを心掛けるようにした。
なお、山小屋到着が15時を過ぎる場合は、当日高谷池ヒュッテへ連絡する必要があり、連絡がなく17時を過ぎると捜索活動を開始するという半ば脅しに近い発言。山中なので電話が繋がる保証はないため、「事前申告はダメなのか?」と食い下がるも「当日電話ください」の一点張り。「他登山者はどうしているのか?」と尋ねたところ「基本的に高谷池ヒュッテ利用者の大半は笹ヶ峰から登っており、燕温泉・赤倉温泉から登る登山者は殆どいない」とのこと。『高谷池ヒュッテに泊まるなら、燕・赤倉からは登るな!』ということのようです..。なお、予約の受付や管理は杉野沢観光協会が行っている。- その他
- ちなみに、頸城三山縦走ではなく、火打山と妙高山だけならば、1日目に笹ヶ峰から登り、途中の高谷池ヒュッテで宿泊手続きを済ませ、高谷池から火打山をピストン。2日目に妙高山に登れば良い。高谷池ヒュッテ宿泊者に聞き取りしたところ、そのパターンで登っている登山者が大半だった。
関連レポート
妙高山コースレポート
赤倉観光ホテル ~ スカイケーブル山頂駅
長野駅着の深夜バスが5時10分着で、妙高高原行きのバスが5時14分発とかなりタイトなスケジュール。色々調べてみたが、示し合わせたかのようにどのバス会社も5時10分着だったため、このスケジュールしか選択肢がなかった。とは言え今までの経験上、深夜バスは概ね予定時間より早く着くことが多かったし、バス会社も電車の時間は把握しているだろうから、間に合うだろうと高を括っていた。
しかし、長野駅に到着したのはまさかの5時12分。しかも、長野駅から少し離れた駐車場に降車させられたため、そこから長野駅までダッシュしたが、始発の電車に間に合わず..。次の電車は6時24分のため、1時間以上遅れての登山開始となる。ただでさえ、タイトなスケジュールなのに、これで高谷池ヒュッテ到着15時は絶望的。時間は押しているため、すぐに出発。しかし、初っ端からまさかの登山口遭難。厳密には登山口ではなく、作業道入口。 道がわからないので、赤倉観光ホテルの宿泊者やホテル従業員に尋ねたところ、皆リフト下の道を教えられる。途中まで進んでみたが、明らかに地図に示されているコースではない。経験上、地図にない道を登り、ろくな目にあったことはないので、再び赤倉観光ホテル前まで戻り、なんとか自力で正規ルートを見つける。道は赤倉観光ホテル前の駐車場を横切り、2錬並ぶ赤い屋根の建物正面にある横道を入ったところにある。結局、作業道入口に辿り着けたのは7時54分と、さらに30分の時間ロス。
スキー場内の作業道だが、冬はスキー場となるため、傾斜はそれなりにあるが、一応舗装されているため登りにくくはない。しかし、出発が1時間30分も遅れ、焦りながら登っているので、かなりキツかった。それと、出発が遅れたことで妙高高原スカイケーブルも動き始めており、頭上を通るケーブルカーを見ながら、これならスカイケーブルを使って登ればよかったと後悔。
作業道を登りながら、携帯の電波が入るうちにと、15時着が難しいことを伝えるために、高谷池ヒュッテの緊急電話に何度か架電するも応答なし。仕方ないのでそのまま進む。スカイケーブル山頂駅 ~ 大谷ヒュッテ
【8:46】妙高山赤倉登山道入口を出発。
8時30分ごろに一度登山道入口を通過していたが、なんやかんやでグズグズしてこの時間。もうほとんど9時だし..。(汗)
【9:58】大谷ヒュッテに到着。
大谷ヒュッテは無人の山小屋だが、室内はかなりキレイで、平時でも安心して泊まれる山小屋。[大谷ヒュッテ室内写真]
小腹も空いてきたので、ここで休憩も兼ね、持参していたおにぎりと唐揚げを食べる。
大谷ヒュッテ ~ 妙高山の山頂
【10:15】大谷ヒュッテを出発。
大谷ヒュッテ近くには南地獄谷と呼ばれる硫黄臭漂う谷があり、妙高山が活火山であることを再認識させられる。大谷ヒュッテと天狗堂入口間の登山道外に水場もあるが、水に余裕もあり今回は時間もないのでパス。
天狗堂は小さな祠のある小スペースで、展望はきかない。天狗堂は燕登山道との合流地点。
光善寺池は、小さな平地にある池。池というより水たまりに近い。ちなみに「光善寺」とあるが別に寺がある訳ではない。七合目を少し進んだ場所で、本日初となる登山者と遭遇。ここにきてようやく先発組に追いつけたので、ちょっと安堵。
急いでいたので確認しなかったが、風穴(かざあな)の標識近くにある岩に穴があいており、わずかに風が吹いているとのこと。余裕があるなら、その岩を探して手をかざしてみると良い。
南から登るコースの場合、この九合目の鎖場は、妙高山の醍醐味を味わえる最大のポイント。高度感はあるが、手や足場のホールドはしっかりしているので、見た目ほど危険度は高くない。危険度は高くないが高度感はあるので、スリリングで楽しい鎖場。
当初のスケジュールでは、妙高山の山頂着は12時09分だったので、まさかの19分短縮。電車乗り遅れ、出発遅れもあったので、実際は2時間ほど短縮したことになる。
妙高山の山頂
大東亜戦争戦勝祈願のために建てられたお地蔵さん。ちなみに将軍地蔵とは軍神信仰の象徴で、戦国時代にかけて将軍地蔵が垂迹(すいじゃく)した姿として、武士から信仰を集めた。
時間がない想定だったので、昼食はおにぎりと簡単なおかずのみ。
上記写真の手前、横に伸びる尾根が大倉山の尾根。その奥が茶臼山。その先に高谷池ヒュッテがある。さらに奥に火打山、焼山と続く。
妙高山の山頂で、南から登っていた登山者数人に確認したりしたところ、全員日帰り。ちなみに、山頂にいた登山者の大半は南に下っていった。北に向かった登山者は、ソロ1名、男女1組の登山者のみ。どちらも高谷池ヒュッテ宿泊者だった。妙高山の山頂 ~ 大倉乗越
【13:02】妙高山の山頂を出発。
時間を短縮できたので、ゆっくり1時間ほど滞在していたが、13時を過ぎたのでボチボチ出発。
疲れたのでココで少し休憩。
大倉乗越 ~ 高谷池ヒュッテ
茶臼山の山頂は、通過点として存在するだけで展望はきかず山頂スペースもない。でも、山頂を少し進んだ先の道で、右側の見晴らしの良い場所がある。
なんやかんやとありましたが、23分遅れに収まりました。
高谷池ヒュッテ
高谷池ヒュッテの宿泊手続で知らされることになるが、焼山周辺は火山活動の活発化により2016年3月から半径1㎞以内は立入規制が敷かれているとのこと。焼山へのルートは東西に延びる登山道のみであるため、山頂周辺が立入禁止になると、 焼山を通り雨飾高原に抜けるルートは通れず、つまり頸城三山縦走も不可能となる。( ̄Д ̄;)ガーン!火山警戒レベルは1のままだが入山者の安全確保のためらしい。
火山活動が活発化していることは知っていたが、火山警戒レベル1のままだったので、2に上がる前にということで決行した背景もあるため、警戒レベルはそのままで立入規制だけという中途半端な対応は勘弁してほしい。焼山まで行く登山者はストイックな登山者だけだろうから、注意喚起ぐらいに留めておいて欲しかった..。ちなみにテント泊の中にも、自分と同じルートを予定していた人もいたので、知らないで高谷池まで来る人多そう..。[焼山立入禁止区域]予約が取れずに、なんとか取れた平日の金曜日だったが、収容人数48名に対して、宿泊客は20人程度。大部屋の寝室は二段ベットになっているが、上段はカラで、下段でも両隣に一人分の余裕スペースができている。まあ混み混みよりは良いが、予約がとれずに苦労した割に、ガラガラってのはなんとも釈然としない..。
本来明日は、朝4時過ぎには出発する予定だったが、焼山まで行けないため予定を変更。火打山止まりで、そこから引き返して笹ヶ峰に下山する。
To be continued...関連レポート
妙高山コースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
06:04 | 07:07 | 妙高高原駅 |
06:24 | 07:31 | 赤倉観光ホテル |
07:54 | 08:34~08:46 | スカイケーブル山頂駅 |
09:39 | 09:58~10:15 | 大谷ヒュッテ |
10:09 | 10:33 | 天狗堂(六合目) |
- | 10:45 | 善光寺池(七合目) |
- | 10:55 | 風穴(八合目) |
- | 11:21 | 鎖場(九合目) |
12:09~12:49 | 11:50~13:02 | 妙高山の山頂 |
13:49 | 13:34 | 長助池分岐 |
14:34 | 14:19 | 大倉乗越 |
14:54 | 14:31 | 黒沢池ヒュッテ |
- | 15:01 | 茶臼山 |
16:04 | 15:23 | 高谷池ヒュッテ |
妙高山の難易度
15/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:14.71km
- 高度上昇:1,889m
- 高度下降:0,722m
- 出発高度:0,932m
- 最高高度:2,454m
- 標高の差:1,522m
- 活動時間:06:11
- 休憩時間:01:41
- 合計時間:07:52
お気軽にどうぞ!
体力面だが、五合目にあたる天狗堂入口から山頂までは直登のため、この区間は結構キツイ。特に九合目から山頂までは岩場の急な上りで、加えて疲労の蓄積もありヘロヘロになって登った。それと、出発遅れで急いでいたことも要因だと思うが、赤倉観光ホテルからスカイケーブル山頂駅を少し登った先にある、赤倉登山道入口までの道のりも結構しんどかった。
高谷池ヒュッテ到着15時を半ば強引に約束させられたため、道中も急いで登る必要があり、余計にしんどい。15時着は登山者の安全を考慮してのことだと思うが、急いで登るとかえって危ない。標準コースタイムで15時着できない道のりに対して、15時着を迫られる事に苦言を呈しておく。 なお、その標準コースタイムだが、山と高原地図ではかなり甘めに設定されている。急いだこともあるが、2時間短縮って緩すぎるし。まあ、結果的に甘めに設定されていたので助かったが..。危険箇所は九合目の鎖場ぐらいで、それ以外に目立った危険個所はない。その九合目の鎖場も、前後を歩いていたシニアも普通に通過していたので、気を付けて登れば問題ないレベル。道迷いの心配は殆どないが、赤倉観光ホテルから登る場合、作業道入口はわかりにくいので、事前にきちんと調べておいた方が良い。
水場は、スカイケーブル山頂駅、大谷ヒュッテ、長助池分岐、黒沢池、高谷池と水場には恵まれている。高谷池と黒沢池は宿泊者専用っぽいので、日帰りで茶屋として利用できない印象だった。飲料水ぐらいは購入できると思うが、食事はできないと思う。(詳細は要確認)なお、妙高高原駅近くに温泉旅館や観光ホテルはたくさんあるが、安ホテルはないので、前日入りして登山口周辺に宿泊するのは難しい。