韓国岳

霧島山の韓国岳登山

韓国岳

Karakunidake

白

[霧島山登山レポ]
えびの高原から周回ルートで登る韓国岳登山

2021年12月12日(月)天候:晴れのち曇り
えびの高原 ~ 韓国岳山頂 ~ 大浪池 ~ えびの高原
  • 霧島山(きりしまやま)日本百名山花の百名山新花の百名山
  • 宮崎県と鹿児島県の県境に広がる火山群の総称。別名、霧島連山、霧島連峰とも呼ばれている。なお、霧島山という固有の山はない。最高峰の韓国岳(標高1,700m)、高千穂峰(標高1,574m)、新燃岳(1,421m)、硫黄山(1,317m)など、さまざまな山々が連なって山塊を形成している。
  • 韓国岳(からくにだけ)九州百名山
  • 霧島山の最高峰、標高1,700mの山。頂上には直径900m、深さ300mの火口があり、雨が続くと池ができることもある。山頂から南側の眺望に優れており、新燃岳、高千穂峰の展望がきき、天気が良ければ遠くは鹿児島湾の桜島や高隈山の眺望も望める。深田久弥氏が選定した、日本百名山は霧島山全体を指すが、日本百名山の霧島山登頂を目指す場合、最高峰である韓国岳に登るのが一般的。
  • 大浪池(おおなみのいけ)
  • 霧島山の標高1,412m付近にある山および火口湖。(火口湖の標高は1,239m)山頂には円形の火口湖があり、直径630m、周囲1.9km、水深11mと、山頂の火口湖としては日本最大規模を誇る。春先は、火口壁沿いにマンサクの花が咲き誇る。また、大浪池には「お浪伝説」(外部リンク)という、語り継がれる物語がある。

韓国岳のコース

韓国岳の地図 韓国岳の地図。
韓国岳のコースは大きく3つ。登山口はえびの高原と大浪池登山口の2つ。
  • えびの高原北側ルート登り利用人気コース!
  • えびの高原から、韓国岳を南東方面に向かい登るコース。最も一般的で利用者の多いコース。なお、近年火山活動が活発な硫黄山のすぐ南をコースが通っているため、硫黄山の噴火経過レベルが上がると、このコースは通行止めとなる。
  • えびの高原南側ルート下り利用
  • えびの高原から、南側の大浪池の北にある韓国岳避難小屋を経由し、そこから北側に向かって登るルート。利用者は少ない。ただし、硫黄山の噴火警戒レベルが上がり北側ルートが通行止めになると、えびの高原から韓国岳へは、このルートから登ることになる。
  • 大浪池ルート
  • 大浪池登山口から大浪池の縁に登り、大浪池を半周したあと、韓国岳避難小屋を経由し、北側に向かって登るルート。
山と高原地図
韓国岳のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「霧島・韓国岳」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

韓国岳の登山計画

プラン
霧島山の噴火警戒レベルが「1」に下がっていたので、11月中旬ぐらいから、天候をチェックしながら計画していた鹿児島遠征。12月の登山シーズン終了ギリギリに、天気の良い日があったので、急遽ねじこんだ。九州で登っていない百名山は、開聞岳と霧島山だけだったので、この2つの山を2日連続で登る。スケジュールは以下の通り。
  • 12月10日(土):東京 → 鹿児島空港 → 開聞(民宿かいもん)
  • 12月11日(日):開聞岳登山 開聞 → 小林(宮崎県)
  • 12月12日(月):韓国岳登山 小林 → 西都城(宮崎県)
  • 12月13日(火):西都城 → 鹿児島空港 → 東京
12月11日の霧島山の天気予報が「C(登山に適さない)」だったため、11日は開聞岳、12日は霧島山の韓国岳とした。ちなみに、有休を2日取得したが、最終日は時間を持て余したので有休は1日にして、12月12日(月)の夜の便で東京に戻ってきた方が効率的だった。
アクセス
韓国岳に公共交通機関でアクセスする方法は、霧島神宮駅 → 霧島いわさきホテル → えびの高原 とバスを乗りつぐのが唯一の方法。(小林駅からもバスでアクセスできる情報もあったが、詳細を見つけられなかった)だが何故か、平日にも関わらず、霧島神宮駅含む周辺のホテルが満室。仕方なく、レンタカーに切り替えて、宿泊地を広げることに。しかし、レンタカーも空車が少なく、なかなか予約がとれない。いろいろなパターンを模索して、なんとかホテルとレンタカー両方予約がとれたのが小林駅だった。結果、今回は宮崎県小林市からレンタカーで、えびの高原までアクセスした。
韓国岳と高千穂峰のダブル登山
当初は、高千穂峰と韓国岳を1日で登る計画も検討したが、すぐに却下。理由は、もし両方の山を登るなら、時間的に早朝にレンタカーでアクセスしなければならない。そのためには、前日には車をレンタルしておく必要があるが、電車のダイヤ的に、前日に開聞駅からレンタカー店の営業時間内に小林駅に辿り着くことが不可能だったため。まあ、可能だったとしても、1日に2つの山を登るのって、結構キツいので、やらなかったと思うが..。

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韓国岳コースレポート

えびの高原 ~ 韓国岳五合目

【9:23】えびの高原駐車場に到着。
今回のレンタカーは初のプリウスだったことで、これまでの車と色々異なる部分が多く、操作方法を覚えるのに時間がかかり、予定より40分ほど遅れて到着。まあ、今回は時間に余裕のある登山なので大丈夫だと思うが、すぐさま出発準備を整える。

【9:35】韓国岳登山口を出発。
最初の5分ほどは舗装された道を歩く。
5分ほどで山道に入り、ココから本格的な登山開始。硫黄山火口展望所までは、概ね木の階段が組まれた道で、冬枯れた樹林の中を進む。序盤は、硫黄山の硫黄のせいか、登っていて口の中がヒリヒリした。
【9:57】硫黄山火口展望所に到着。
名前の通り硫黄山の火口を斜め上方向から見下ろせる。

硫黄山は、霧島山の中でも最も新しい火山で、新燃岳同様に近年火山活動が活発。直近では2018年に噴火している。現在硫黄山の噴火警戒レベルは「1」だが、めっちゃ噴煙あがってました。

登りやすかった階段はココまでで、この先は歩きにくいガレ場に。また、以降は○合目の標柱が韓国岳山頂まで定期的に設置されている。なお、一合目と二合目の標柱もあったようだが、見落としたようだ。
道はガレ場で少し登りにくいが、足の置き場を選んで登ると良い。あと、ショートコースで、○合目の標柱が短い間隔で現れるため、モチベーションは上がりやすい。ちなみに、山と高原地図には「3合目下分岐」と書かれた、硫黄山への分岐(現在は通行止め)があった筈だが、見落としたのかわからなかった。
【10:18】韓国岳五合目に到着。
五合目は広場になっており、遠くに桜島が見えるようになる。逆に五合目以降、硫黄山は見えなくなるので、ココで見納め。
五合目は風の通り道で、強風が吹き荒れているため、休憩所内で少し休憩。

韓国岳五合目 ~ 韓国岳山頂(10合目)

五合目以降もガレ場だが、小石が多くなる。登りやすさは、あまり変わらず。まあ、火山の登山道は大体こんな感じです。
七合目以降の道は、展望抜群で、開放感が出てきます。
山頂に近づくにつれ道はザレ場に。足の踏ん張りはききにくいが、山頂まで少しの距離なので、問題なしです。

展望は良いが、霧島山の東側ってシンボリックなものがないため、のっぺりした風景です。

【10:48】韓国岳山頂に到着。
山頂を通り越してしまったので、少し戻る形で山頂に到着。
何処の火山も同じだが、韓国岳も火口の縁で一番高いところが便宜上山頂となっている。山頂の裏は火口へおちる断崖絶壁で、火口は深さに幅もあり、巨大で迫力満点。火口の縁に立つと、高度感に加えて風も強いため、結構怖い。
ポイント韓国岳から高千穂峰への縦走
実は、噴火警戒レベル1であれば、韓国岳から高千穂峰へ縦走することは不可能ではない。獅子戸岳から新燃岳の火口を通らず、東側を大きく迂回するコースで、山と高原地図にはうっすらと掲載されている。ただし、コース距離も長く、登山道も不明瞭らしく、熟練者でなければ通行は危険。
帽子を手で押さえていないと、強風でもっていかれる風の強さ。帽子にストラップを付けて飛ばないようにしていた人がいたので、今度火山に行くときはあれ真似しよ..。
韓国岳からのパノラマ写真 韓国岳からのパノラマフルスクリーン(クリックで始動)
山頂はかなり広く、食事をするスペースは十分あるが、風が強すぎてガスバーナーは厳しい。自分は、ガス缶が調達できず、もとよりガスバーナーはないので、コンビニのおにぎりとパンで昼食を済ませる。

韓国岳の山頂 ~ 大浪池

山頂に30分ほど滞在していたが、寒さでそろそろ限界のため、出発することに。

【11:23】韓国岳山頂を出発。
下りは、大浪池経由でえびの高原に下山する。大浪池へ向かう道の序盤はガレ場だが、途中から木の階段が設置されており、とても歩きやすい。
一旦途切れた階段も、少し進むとまた復活。途中たまに途切れる箇所はあるが、韓国岳避難小屋の直前までこの階段は続く。これだけ長い区間の階段作るのには、相当お金かかってそう..。
下っていると、登ってくる登山者数組とすれ違う。このコースから登ってくる登山者は殆どいないと思っていたので意外。大浪池登山口とえびの高原、どちらのルートで登ってきているかは不明。ちなみにこの長ーい階段、下りは楽だが登りはかなりキツそう..。
ちなみに火口湖の縁に1組だけ登山者いました。自分と同じく、周回はしないが、一目大浪池を火口の縁から見ておきたいという寄り道組。

大浪池 ~ えびの高原

【12:09】えびの分かれの分岐まで戻ってきました。
寄り道したので20分ほど、時間を消費した。この先、えびの高原まで、前半と後半で道のタイプが異なる。まず前半は、道に多少の起伏はあるものの、全般的には高度維持。GPSログを確認しても、この区間は等高線の間をトラバースしておりほとんど高度は変わっておらず、実感とも一致する。ただし、道が単調な上、同じような場所が何度も出てくるため、時間以上に長く感じた。
えびの高原まであと1kmの地点までが前半。後半は、林の中を抜ける道となる。目印はしっかりあるので、道迷いする可能性は低いが、林が広がり、トレース不明瞭な箇所があるため、目印がなければ道迷いが続出しそうな感じ。
ちなみに、大浪池までの道では、下山する登山者数組を見かけたが、えびの分かれ以降は誰にも合うことはなかった。
【12:50】えびの高原駐車場に到着。
小林駅近くのレンタカー店に車を17時までに返せば良いので、本来なら早すぎる時間。しかし実は、前日宿泊した「民宿かいもん」のオーナーさんから、霧島山に行くなら、下山後に霧島神宮近くにある産直レストラン「黒豚の館」をオススメされていた。えびの高原から「黒豚の館」まで車で40分ほど。昼の部は15:00までのため、急いでいた理由はコレ。この時間なら十分間に合うため、「黒豚の館」へGO。
ポイント国道223号線
宮崎県小林市から鹿児島県霧島市に至る国道で、日本の道100選に選ばれている。途中、霧島神宮近くの国道223号を車で通ったが、紅葉がめちゃくちゃきれいだった。写真撮影しなかったのが悔やまれるぐらい、素晴らしい紅葉だったので、韓国岳登山で時間が余ったら霧島神宮もオススメです。
【14:00】黒豚の館に到着。
満席で、20分ほど待ったが、無事に鹿児島のブランド豚、黒豚の豚カツにありつけました。ちょっと高かったけど、美味しかったです。ちなみに、その夜は「みやざき割地域共通クーポン」で、宮崎牛の焼き肉を実質タダで堪能いたしました。ご馳走様でした。
ポイントみやざき割地域共通クーポン
期間限定「みやざき旅行支援割」の特典の1つ。ワクチン接種3回以上の条件を満たす旅行者に、宮崎県内の飲食店や土産物店等で使用できる紙クーポンがホテルで配布される。なお、このクーポンは宮崎県内かつ、ホテルのチェックイン、チェックアウトの2日間のみ使用可能。また、使用できるお店は多岐にわたるが、使えるお店は決まっている。

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韓国岳コースタイム

予定 実際 場所
08:45~08:55 09:23~09:35 えびの高原
09:30 09:57 3合目下分岐
09:55 10:18 5合目
10:35~11:20 10:48~11:23 韓国岳
12:10 11:50 韓国岳避難小屋
13:10 - 大浪池口
14:00 11:52 えびのわかれ
14:50 12:50 えびの高原

韓国岳の難易度

難易度3

9/30

総合難易度
必要体力 体力難易度1
コース距離 コース距離難易度2
所要時間 所要時間難易度1
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度3
小屋・水場 小屋・水場難易度0
アクセス アクセス難易度4

総合難易度 総合難易度3

登山DATE

  • 歩行距離:7.57km
  • 高度上昇:540m
  • 高度下降:540m
  • 出発高度:1,180m
  • 最高高度:1,700m

  • 標高の差:520m
  • 活動時間:02:40
  • 休憩時間:00:35

  • 合計時間:03:15
必要体力・距離・時間

日本百名山の中でも、登山口から約1時間40分で登頂可能な、異例のショートコース。昨日登った開聞岳以上の手軽さ。体力的には、個々の場面だけ切り取れば、しんどい区間もあったが、1時間40分頑張れば良いだけだし、時間の短さが助けてくれる。

距離は約7.5kmだったが、下山で利用した韓国岳避難小屋経由のルートで結構歩かされた印象。また、今回は無駄な林道歩きがなく、効率の良い登山だった。活動時間はたったの2時間40分。感覚的にはそれほど短時間だった印象はなく、それだけ魅力あふれる要素が多かった山と言える。短い区間に魅力的な要素がギュッと詰まっている感じ。
危険度

鎖場はなく、滑落が危ぶまれる危険箇所はないが、火山でガレ場が多いため、足元には一定の注意が必要。また、道迷いに関して、下りで利用した、南側ルートの終盤の道が少しわかりづらかったが、目印はたくさん設置されていたので、まあ大丈夫かと。

火山のため、強風対策はしっかり行っておいたほうが良い。手袋、帽子、防寒着など。また本文にも書いたが、帽子が飛んでいくほどの強風だったため、帽子が飛ばないストラップがあると便利。これを機に購入しました。あと強風の場合、小さな子どもは火口の縁に近づきすぎると危険。風に煽られ火口に落ちたら、まず助からない。

あと一応、霧島山には新燃岳や硫黄山など、近年火山活動の活発な山があるので、登山するなら突然の噴火というリスクも認識しておいたほうが良い。まあ、突然の噴火なんて、そう滅多にないですが..。
小屋・水場
有人山小屋はないが、ショートコースの山なので、そもそも不要。登山口のあるえびの高原含め、道中に水場はないため、水は事前にコンビニなどで購入しておくこと。
アクセス
公共交通機関でもアクセスは可能だが、その方法は限られておりハードルは高い。ほぼ100%に近い登山者が車でアクセスしているのではないかと思う。今回は自分も車だったため、バスや電車の時間を気にせず、ストレスフリーで登ることができた。
総括

えびの高原(標高1,200m)から韓国岳(標高1,700m)の単純標高差は約500mで、レベル的には初心者でも登れる山。平日のためシニアが多かったが、土日なら親子連れがいてもおかしくないレベル。

前日の12/11は強風で天気予報が登山に適さないの「C」マークだったため、翌日にずらしたが、それでも山頂付近はかなりの強風。過去、岩手山、浅間山などでも経験しているが、やはり火山に登る場合、時期を問わず強風対策は必須。晴れていてあの寒さなので、曇っていたら極寒だったと思う。

あまり山が美しくない時期の登山だったので、登るなら新緑の春や、紅葉の秋がおすすめ。いつかは高千穂峰にも登ってみたいので、次回登るならその時期を狙います。
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