開聞岳

開聞岳登山

開聞岳

Kaimondake

白

[開聞岳登山レポ]
12月に登る鹿児島の開聞岳登山

2021年12月11日(日)天候:晴れのち曇り
開聞岳登山口 ~ 開聞岳山頂 ~ 開聞岳登山口 ~ 皆楽来 ~ 民宿かいもん
  • 開聞岳(かいもんだけ)日本百名山新花の百名山九州百名山
  • 鹿児島県、薩摩半島の南端に位置する標高924mの火山。円錐形の山容が特徴的で、別名「薩摩富士」と呼ばれている。開聞岳は山体の大部分を形成する成層火山(コニーデ)と、山頂部分をつくる溶岩ドーム(トロイデ)が組み合わさった、複式火山(トロコニーデ)である。山域は霧島屋久国立公園に指定されている。
    ちなみに、日本百名山の中で標高1,000mに満たないのは筑波山と開聞岳の2山のみ。深田久弥氏は開聞岳を日本百名山に選んだ理由を「高さこそ劣れ、これほど完璧な円錐形もなければ、全身を海中に乗り出した、これほど卓抜な構造もあるまい。名山としてあげるのに私は躊躇しない。」と記している。

開聞岳のコース

開聞岳の地図 開聞岳の地図。
開聞岳のコースは1つしかなく、バリエーションルートや旧道のようなルートもない。開聞岳の登山口は2合目にあり、開聞駅から徒歩20分ほどで、アクセス可能。
山と高原地図
開聞岳のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「霧島・開聞岳」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

開聞岳の登山計画

プラン
11月中旬ぐらいから、天候をチェックしながら計画していた鹿児島遠征。12月の登山シーズン終了ギリギリに、天気の良い日があったので、急遽ねじこんだ。九州で登っていない百名山は、開聞岳と霧島山だけだったので、この2つの山を2日連続で登る。スケジュールは以下の通り。
  • 12月10日(土):東京 → 鹿児島空港 → 開聞(民宿かいもん)
  • 12月11日(日):開聞岳登山 開聞 → 小林(宮崎県)
  • 12月12日(月):霧島山登山 小林 → 西都城(宮崎県)
  • 12月13日(火):西都城 → 鹿児島空港 → 東京
12月11日の霧島山の天気予報が「C(登山に適さない)」だったため、11日は開聞岳、12日は霧島山の韓国岳とした。ちなみに、有休を2日取得したが、最終日は時間を持て余したので有休は1日にして、12月12日(月)の夜の便で東京に戻ってきた方が効率的だった。
アクセス
開聞岳は最寄りの開聞駅から徒歩でアクセスが可能。また、鹿児島市内から始発の電車に乗れば6:32に開聞駅に到着できる。そのため、当初の宿は鹿児島市内を予定していたが、ネットの口コミで、開聞駅近くの「民宿かいもん」を知り、ダメ元で電話したところ予約が取れたので、初日に開聞まで移動することにした。
ガス缶
悩んだのが、ガス缶の調達方法。飛行機なので東京から持ってくることができず、鹿児島県内で調達しなければならないが、乗り換えの鹿児島中央駅近くにガス缶を売っているお店がない。(少し離れた場所にモンベルはあるが、寄っている時間がない)結局ガス缶は諦めたが、結果的に開聞岳も霧島山もガスバーナーは必要なかった。詳しくは本文ご参照ください。
天気
この日の天気予報は、早朝は晴れ予報だったが昼前から曇り予報。そのため、山頂ヘは早着を心掛けた。

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開聞岳コースレポート

開聞岳登山口(2合目) ~ 5合目

【7:03】開聞岳登山口(2合目)に到着。
昨日宿泊した「民宿かいもん」から歩いてくる予定だったが、民宿のオーナーさんに登山口まで送っていただきました。登山口までの林道歩きの時間を短縮できたので、ほんと感謝です。
ポイント 民宿かいもんの内容はブログにまとめているので、興味のある方はそちらもご参照ください。
■ 開聞岳登山でおすすめ!「民宿かいもん」
ポイント開聞岳の登山口
山と高原地図で、「登山口」は登山者駐車場あたりになっているが、実際は2合目のココが登山口。駅から徒歩の場合、山と高原地図の「登山口」と書かれた地点を経由すると遠回りとなるので、直接ココの2合目を目指すこと。車の場合は、駐車場があるので、山と高原地図の「登山口」と書かれた地点から歩くことになる。
開聞岳の登山道は、登山口の2合目から山頂まで、「○合目看板」が設置されていて進捗を把握しやすいことが特徴。コース距離が短いのでその感覚も適度で、登る励みになる。まずは、展望デッキのある5合目を第一目標に登る。スタートしてすぐに、マルバダケブキの群生地を通る。花期は夏のはずだけど、鹿児島が暖かいから?それとも違う花なのか..。序盤は、細い凹みのような道を進む。
3合目あたりから、道が広がり一般的な登山道に。特段特徴はないが、火山なので、多少岩がゴロゴロしてます。
休憩しながら3~4分は5合目に滞在してましたが、すぐに出発。

5合目 ~ 7合目

5合目以降の特徴として、登山道に転がる石が大きくなります。動かない石と動く石が混在しているのでちょっと注意。とは言っても、登りにくい訳ではない。
【8:14】開聞岳7合目に到着。
山と高原地図でポイント地点になっているため、一応ココで区切っておく。特に何かある訳ではない。

7合目 ~ 開聞岳山頂(10合目)

7合目以降は、登山道から展望のきく場所が、ちらほら出始める。登山道に転がっていた石も大きくなり、岩サイズへ変化。

7.1合目展望台 7.1合目に展望台があり、見晴らしが良ければ、そこから種子島、屋久島、竹島、硫黄島、口永良部島、黒島などの眺望が望める。

仙人洞 種子島の右横から、屋久島、竹島、硫黄島 etc..と島が続いているはずだが、見えませんね..。

7合目と8合目の間に、仙人洞と呼ばれる穴がある。開聞岳の噴火により岩がせりあがってできた空洞だが、昔は山伏たちの修行の場として、使われていたようだ。入口はあまり広くなかったが、中は広いのかな。
登山道の途中から↑の景色が見えました。この景色を見て思わず「お~」って声が出る。この海岸線の広がる景色は圧巻です。それと、7合目まで雲っていて薄暗かったのに、急に晴れました。
山頂近くに鳥居と祠のある御嶽神社が鎮座。こちらは開聞岳の麓にある枚聞(ひらきき)神社の奥の院で、開聞岳の山全体がご神体となっている。
【9:00】開聞岳山頂に到着。
ピッタリ9時だったので、登山口から約2時間弱でした。5合目までの前半に比べて、後半はエンジンかかってきて身体が動いた。開聞岳の山頂からの展望は、北側を中心に扇形に開けている。つまり山頂から、薩摩半島を見渡せる好展望。遠くに桜島も見えます。逆に南の海側はあまり見えない。山頂真ん中に岩があり、上に登ると山頂を上から見下ろす位置からの展望が望める。
開聞岳山頂は、あまり広くない上、平坦な場所も少ないため、ガスバーナーを使った食事などは、はばかられる。時間帯的なこともあるが、実際自分が山頂にいる間、山頂でガスバーナーを使っている登山者は誰もいなかった。自分は、民宿かいもんで注文したおにぎり3つを持参しているが、6時45分に朝食を食べてからまだ2時間ぐらいなので、あまりお腹が減らない..。
時間に余裕があったので、1時間30分ほど滞在してましたが、人も増えてきて、頃合いに感じたのでそろそろ出発。
開聞岳からのパノラマ写真 開聞岳からのパノラマフルスクリーン(クリックで始動)

開聞岳の山頂(10合目) ~ 登山口(2合目)

【10:28】開聞岳の山頂を出発。
コースは1つなので、登ってきた道を下ります。
登ってきた道なので、淡々と下ります。トピックスは特にありません。
7.1合目展望台からは、下山時も種子島以外の島は見えず、この点だけは残念です。天気予報どおり、7合目を通りかかるころには、空は曇り空に。早めに登っておいて良かった。
【11:13】5合目展望デッキを通過。
かなり空模様がどんよりしてきました。でも、ショートコースの山なので、この時間でも登ってくる登山者はちらほらと。
【11:38】登山口(2合目)に到着。
実は下山後、民宿かいもんのオーナーさんから「電話くれたら登山口まで迎えにいく」と言われてたんですが、携帯電話を宿に置いてきていたため電話できず、結局徒歩で民宿まで戻ることに。まあ、歩いても15分ぐらいですけど。でもその前に、時間もあるので、それほどお腹は減っていないが、そばの館「皆楽来」へ向かう。

登山口(2合目) ~ 皆楽来 ~ 民宿かいもん

そばの館「皆楽来」は、登山口から徒歩10分ぐらいの場所にある、手打ちそば屋。いぶすき観光ネットでも紹介されており、建物の規模や雰囲気から民営ではなく公営だと思う。中に入ったら、開聞岳で見かけた登山者が結構いました。"開聞岳登って下山後には「皆楽来」でそばを食べる"というのが、慣例のようになっているのかも。ただし、営業時間は11:00~14:30(LO 14:00)と短いので要注意。(2022年12月時点)
【12:31】民宿かいもんに到着。
実はこの開聞駅から指宿方面に向かう電車は本数が少なく、朝の9時2分の次が14時23分。なので、早く下りてきても時間があまるので、道中グズグズしていたが、それでもまだ2時間ほど電車の時間まで余裕あるし。しかし、ココでも民宿かいもんのオーナーさんの神対応。指宿駅まで車で送っていただけるとのこと。おかげで、本日の宿泊地である宮崎県の小林駅に予定より1時間早く着くことができました。「民宿かいもん」さんに宿泊して本当に良かったです。
ポイントJR指宿枕崎線の電車
指宿まで出れば、鹿児島市内行きの電車は1時間に1本は走っているが、開聞駅のある枕崎~指宿間の電車は、1日数本しかなく、特に日中は本数が少ない。

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開聞岳コースタイム

予定 実際 場所
07:00 - 民宿かいもん
07:30 07:03 登山口(2合目)
08:45 07:44 5合目
09:15 08:14 7合目
10:25~11:25 09:00~10:28 開門岳山頂
12:15 10:52 7合目
12:35 11:13 5合目
13:30 11:38 登山口(2合目)
14:00 12:31 民宿かいもん

開聞岳の難易度

難易度5

10/30

総合難易度
必要体力 体力難易度2
コース距離 コース距離難易度1
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度3
小屋・水場 小屋・水場難易度0
アクセス アクセス難易度4

総合難易度 総合難易度3

登山DATE

  • 歩行距離:6.81km
  • 高度上昇:758m
  • 高度下降:760m
  • 出発高度:160m
  • 最高高度:924m

  • 標高の差:764m
  • 活動時間:04:00
  • 休憩時間:01:28

  • 合計時間:05:28
必要体力・距離・時間
正味3時間ほどで登れるショートコースの山で、特段急登や登りにくさといった癖の強い要素はなく、難所もない。今回は民宿かいもんのオーナーさんの心遣いによる登山口までの送迎で、余計な林道歩きがなかったため、効率的な登山になった。下山時、GPSは登山口(2合目)で電源を切ったので、下山後の林道歩きの数値は反映されていないが、まあその数値を反映させたとしても大したことはない。
危険度・小屋・水場

危険箇所はないが、火山で石がゴロゴロしているので、足元だけ注意を払って登れば問題ない。道迷いの危険性は0(ゼロ)。

ショートコースなので、山小屋、水場は不要。ただし、コース上および、登山口近くに水を調達できる場所はないので、開聞駅近くのコンビニなどで、事前に調達しておくこと。また、麓にそばの館「皆楽来」があるので、下山後はそばを楽しめる点も魅力の1つ。(営業時間に要注意)
アクセス

日本の最南端に近い場所なので、鹿児島県民でもない限りアクセスのハードルは高い。ただし、鹿児島市内から始発電車に乗り、早朝にアクセスすることも可能で、駅から徒歩で登山口までたどり着けるため、鹿児島に入ってしまえば、その後のアクセスは容易。

個人的には、鹿児島県民でなければ、開聞駅近くの「民宿かいもん」での前泊をおすすめします。
総括
日本百名山の中でも、海が見られる山は少ないので、他の山にはない魅力あり。それと、手軽に登れる点も開聞岳の魅力の1つ。登る人も多く、適度な難易度、危険箇所もないため、初心者にもおすすめできます。
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