[八幡平登山レポ]
八幡平頂上から安比高原へ縦走する八幡平トレッキング登山
八幡平登山口 ~ 八幡平頂上 ~ 源太森 ~ 茶臼岳 ~ 大黒森 ~ 屋棟岳 ~ 西森山 ~ 前森山
- 八幡平(はちまんたい)日本百名山花の百名山新花の百名山
- 岩手県、秋田県の県境北部一帯の高原。広い高原上に様々な火山起源の小さなピークがそびえ、その間に無数の沼や湿原が点在する。八幡平の中でも特に展望が良い、畚岳(もっこだけ)、源太森、茶臼岳は、「八幡平三大展望地」と呼ばれている。また、山域は十和田八幡平国立公園に指定されている。
八幡平のコース
八幡平は大きく西の玉川温泉を登山口にした秋田焼山・後生掛温泉エリアと、中央の八幡平頂上周辺エリア、東の安比エリアに分かれている。それぞれのエリアで四方八方に登山道が伸びている。
大半の登山者は八幡平頂上周辺エリアに集中しており、山頂周辺をゆっくりと散策するのが定番。- 八幡平頂上周辺トレッキング登り利用人気コース!
- アスピーテライン頂上駐車場から、八幡平頂上を含め、八幡沼、ガマ沼、鏡沼周辺を散策するコース。山頂だけなら約30分ほどで到着できる最短コース。
- 茶臼岳~八幡平頂上下り利用
- 茶臼口バス停から、茶臼岳、黒谷地、源太森、八幡沼を経て八幡平頂上を目指すコース。
八幡平の登山計画
- プラン・アクセス
- 八幡平温泉郷から早朝のバスで八幡平へ向かうことは決めていたが、詳細なスケジュールは未定だったため、前日の夜に計画を立てた。
- コース
宿泊した宿には朝食がついておらず、十分な食料も持ち合わせていないため、まずは山頂近くにある「八幡平レストハウス」で朝食を食べることにした。そのため、バスは「八幡平頂上」バス停で下車する。その後、八幡平頂上周辺を散策するだけでは、かなり時間が余ってしまう。そこでコースプランをいくつか検討してみた。
まず考えたのは、秋田焼山経由で玉川温泉に抜けるコースだが、約8時間ほど所要時間がかかる上、食料も乏しく、また「八幡平三大展望地」のどれにも寄ることができないため却下。次に、八幡平頂上周辺から源太森や茶臼岳に登り、茶臼口バス停に向かうコースプラン。しかし、このコースでも所要時間は3時間30分と、昼頃には行動予定が終了してしまう。そこで、茶臼岳から安比高原の前森山(ゴンドラ山頂駅)に抜け、ゴンドラを使って安比高原に下山し、そこから歩いて安比高原駅に向かい、盛岡まで戻ることにした。ちなみに本コースは、山と高原地図のハンドブックに紹介されているモデルコース「安比高原スキー場から八幡平へ」の逆走となる。- ゴンドラと電車の時間
ゴンドラ:この日の安比ゴンドラの下りの最終は16時30分と、十分間に合う時間。万が一間に合わなかった場合でも、ゴンドラを使わず歩いて安比高原に下れるコースもある。
電車:安比高原駅から乗るJR花輪線の本数は少なく、午後以降で候補となる時間帯の電車は15時31分と18時17分の2本のみ。しかし、標準コースタイムで計算すると15時31分は厳しいため、時間はあまるが18時17分の電車で考えることにした。
関連レポート
八幡平コースレポート
八幡平登山口 ~ 八幡平頂上
まずは朝食のために、八幡平レストハウスへ向かう。
八幡平頂上には櫓が組まれており、展望台になっている。ただ、展望は今一つ。
八幡平頂上 ~ 源太森

八幡沼のほとりに佇む小屋は陵雲荘(りょううんそう)。「荘」となっているが、無人の避難小屋。ただ、小屋内はきれいだった。[陵雲荘の内部]
陵雲荘の先、八幡沼の北側には、湿原が広がっている。「森」という名称だが、山(ピーク)である。何故か八幡平には「○○森」という山名が多い。
源太森 ~ 黒谷地 ~ 茶臼岳
【11:09】黒谷地に到着。
黒谷地には黒谷地湿原があり、その前には展望デッキもあるため、食事や休憩をするにはもってこい。しかし、大した食料も持ち合わせていないため、そのまま進む。
【11:37】茶臼山荘に到着。
茶臼山荘も山荘という名称だが、無人の避難小屋。ただ、陵雲荘同様に、小屋内はきれい。[茶臼山荘の内部]
少々ガスっていたが、自分がくる少し前まで真っ白だったらしいので、ラッキーでした。山と高原地図には「360度の展望」と書かれていたが、厳密には北側を中心に扇形に展望が開けている。
茶臼岳 ~ 大黒森 ~ 屋棟岳
茶臼山荘まで戻り、そこから安比高原に向かう。まずは大黒森というピークを目指す。その安比高原への道だが、オオシラビソ、コメツガなどの鬱蒼とした樹林に覆われ薄暗く、登山者も皆無。比較的新しい足跡があったので先行者はいたようだが、結局出会うことはなかった。歩いていて気が滅入るが、幸いアップダウンは多少あるものの、傾斜は緩やかで、体力的なキツさはない。
展望ゼロ、ピーク感なし。大黒森で道が直角に曲がっている。次なる目的地は屋棟岳(やのむねだけ)。大黒森以降も代わり映えしない道が続くが、湿度が高くなり登山道にキノコが散見されるなど、ますます高まる閉塞感。
樹林に覆われ展望ゼロ。1秒で引き返しました。
屋棟岳 ~ 西森山 ~ 前森山
【13:51】西森山に到着。
屋棟岳同様に樹林に覆われ展望ゼロ。これだと、前森山から足を伸ばしても意味ないですね。ちなみに、山と高原地図によると、西森山付近にリフトがあるはずだが、見当たらず。上の写真の右奥の、道なき道を進めばあるのかも。
【14:13】三本ぶな分岐に到着。
左がゴンドラを使わず徒歩で、安比ハッピーモール・安比プラザに下山する道。案内板には、ゴンドラの最終は15時30分となっていたが、ホームページで確認したのは16時30分のはず。まあ、15時30分でも間に合う時間なので、気にせず前森山へ向かう。
結局、茶臼岳から前森山に到着するまで誰にも会いませんでした。そして予想通り、前森山に到着すると、ゴンドラで上がってきた観光客多数。コース上で見かけた岩手山は雲をかぶっていたが、雲がとれてました。でも八幡平頂上方面は雲の中だったので、朝の晴れているうちに寄っておいて正解だった。
【15:28】安比高原駅に到着。
なんとか3分前に到着できたが、激しんど..。この日の登山では、体力もあまり消耗せず、汗もほとんどかかなかったのに、最後の最後で疲労困憊の汗だく。本日の登山の中で、この区間がもっともキツかった。でも電車に間に合って良かった。走った挙げ句に間に合わなかったら目も当てられないし..。それに、安比高原駅は無人駅で、駅周辺には何もなかったので、駅前で3時間も時間を潰すのは相当キツイ。
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八幡平コースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
09:10~09:20 | 09:16~09:30 | 八幡平頂上バス停 |
09:45~10:00 | 09:51~09:56 | 八幡平頂上 |
10:40 | 10:38 | 源太森 |
11:20 | 11:09 | 黒谷地 |
12:20 | 11:42~11:55 | 茶臼岳 |
12:50 | 12:35 | 大黒森 |
13:25 | 13:00 | 屋棟岳 |
14:45 | 13:51 | 西森山 |
15:20 | 14:13 | 三本ぶな分岐 |
16:10~16:30 | 14:36~14:45 | 前森山 |
16:45 | 15:00 | 安比プラザ |
17:30 | 15:28 | 安比高原駅 |
八幡平の難易度

12/30
総合難易度必要体力 | ![]() |
コース距離 | ![]() |
所要時間 | ![]() |
危険度 | ![]() |
登山難易度 | ![]() |
小屋・水場 | ![]() |
アクセス | ![]() |
総合難易度 | ![]() |
登山DATE
- 歩行距離:15.24km
- 高度上昇:0,530m
- 高度下降:0,791m
- 出発高度:1,540m
- 最高高度:1,613m
- 標高の差:0,073m
- 活動時間:05:16
- 休憩時間:00:56
- 合計時間:06:12
お気軽にどうぞ!
今回は異例の山頂からスタートするパターンだったこともあり、体力をほとんど使わなかった。上りで少し体力を使ったのは黒谷地~茶臼岳、西森山直前の上り、三本ぶな分岐~前森山の区間のみ。それ以外は平坦か緩やかな下り道。
距離は15.24kmと結構歩いたが、八幡平という名前のとおり平らな場所が多かったので、苦に感じる距離ではなかった。時間も休憩含めて約6時間だったので、日帰り登山としては標準的かと。鎖場などもなく、滑落の危険性は皆無。八幡平には縦横に登山道が伸びているが、分岐にはきちんと道標も設置されているので、道迷いの心配は少ない。ただし、今回歩いた茶臼岳~前森山までの区間は人がほとんど歩いておらず、少々廃れた場所もあったので、そういった意味での危険度1。
コース上に水場はないが、下り中心だったので問題はない。ただし夏場は注意が必要。トイレは八幡平レストハウス、陵雲荘、茶臼山荘、前森山のゴンドラ駅と、いい間隔で設置されているので、トイレで困ることもなかった。今回歩いた茶臼岳から安比高原に抜けるコースは2016年頃に開通した比較的新しいコースのようだ。ただ、茶臼岳以前はともかく、茶臼岳から前森山までの区間は人も歩いておらず、見どころがないどころか、陰鬱な雰囲気が漂っているので、オススメしない。
八幡平に登るなら、茶臼岳から八幡平頂上を目指し、あまった時間で今回寄れなかった、八幡平三大展望地の1つ畚岳(もっこだけ)に寄るのが良いと思う。そうすれば八幡平三大展望地のすべてに寄ることができる。また、八幡平頂上をゴールとすれば、余った時間を周辺散策やレストハウス(2020年度は休業)で潰しやすいというメリットもある。
時間とお金があるなら、八幡平頂上から玉川温泉に抜けて、玉川温泉に宿泊するのもありだが、八幡平三大展望地のどれにも寄れないので、それも微妙。健脚でコースタイムを短縮できる自信があるなら、茶臼岳から玉川温泉に抜けることも不可能ではないと思うが..。