天目山

天目山登山

天目山

Tenmokusan

白

[天目山登山レポ]
3月下旬にヨコスズ尾根から登る天目山登山

2022年3月20日(日)天候:晴れのちくもり
東日原 ~ 天目山 ~ 仙元峠 ~ 浦山大日堂
  • 天目山(てんもくさん)
  • 埼玉県と東京都の県境にまたがる長沢背稜にある標高1,575mの山。ピーク(トッケ)が3つあることから別名「ミツドッケ」とも呼ばれている。2005年~2007年にかけて、天目山をこよなく愛する男性が、「見晴らしをよくしたい」という想いから、山頂付近の木々を違法伐採。その影響で山頂の見晴らしが、以前より良くなっている。ちなみに、この男性はその後、自ら東京都と埼玉県に違法伐採を申告し、損賠賠償金を支払っている。

天目山のコース

天目山の登山口は、東京都(南)側では東日原、埼玉県(北)側では秩父市浦山となる。
それ以外では、東の酉谷山や西の蕎麦粒山からの縦走者が登っているケースもある。
  • ヨコスズ尾根登り利用人気コース!
  • 奥多摩の東日原から一杯水避難小屋を経由して天目山頂を目指すコース。天目山に登る唯一の直登コースで、最もメジャーなコース。
  • 仙元尾根下り利用
  • 北の埼玉県秩父市浦山にある浦山大日堂から、仙元尾根沿いに登り仙元峠を越え天目山を目指すコース。
  • 棒杭尾根(ぼうくいおね)難コース
  • 南の倉沢橋バス停から、倉沢林道の終点付近まで歩き、そこから棒杭尾根沿いを登る。棒杭尾根は山と高原地図では破線表示されている。また、倉沢林道に複数の崩落個所があり、通行禁止で廃道に近い状態になっているが、稀に登っている登山者もいるようだ。
注意 かつて、小川谷林道の終点から東の七跳尾根(ななはねおね)沿いを登り七跳山を経由して天目山頂を目指すコースも存在したが、小川谷林道の崩落が原因で、現在は廃道となっている。(崩落は長らく放置されており復旧の見込みは薄い)こちらも稀に登っている登山者はいるようだが、一般向けではない。
山と高原地図
天目山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「奥多摩」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

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天目山の登山計画

プラン
奥多摩の登りたい山の中で唯一登っていなかった天目山。今年の登山シーズン開始前の準備運動的な位置付けとして、3月下旬の3連休の中日を使って登ることにした。なお、当初は1人で登る予定だったが、友人を誘ったら「登る」というので2人登山に変更。
コース
登りのコースはヨコスズ尾根で即決。他にまともに登れるコースもないし。下山は、秩父に下った方が帰りは楽なので、以前に蕎麦粒山の下山でも利用した仙元尾根から下ることにした。下ったあとに秩父で一杯やりたかったのも理由の1つ。(奥多摩側だと、そういったお店があまりないので)

天目山コースレポート

東日原 ~ 一杯水避難小屋

【7:55】東日原のバス停に到着。
東日原から西に向かう登山者がちらほらいたが、おそらく鷹ノ巣山の稲村岩尾根が通行止めになっていることを知らない人たちだろう。(知っていて登るつもりかもしれないが)天祖山や雲取山の富田新道の可能性もあるが、この2つのコース・山に登る人があんなにいるとは思えないし。

長沢背稜(天目山、酉谷山、蕎麦粒山)に向かう登山者は4人ほどですべて、玄人オーラを発する女性ソロでした。準備のため、10分ほど滞在していたので、後発組としてスタート。
注意 2022年3月現在、小川谷林道(酉谷山)、唐松谷林道(雲取山)、稲村岩尾根(鷹ノ巣山)が、通行止めになっている。
登山口は東日原バス停の真上にある。一度バス停から東に向かってV字に折り返すことになるが、大きな道標があるので迷うことはないはず。その後は、すぐ先の分岐を右に曲がる。
道標があるのでわかると思うが、右に曲がる箇所は、林道脇の小道を登る。間違って右の林道を進まないように。その後、数件ほどある廃屋の脇道を抜けていき、「日原第二配水所」の設備を過ぎたところから本格的な登山道がスタート。
注意 「日原第二配水所」近くで道間違いしていた登山者がいたのでプチ注意。
廃屋の脇を抜けると標識が現れ、ここからが本格的な登山道。急登の斜面を九十九折りに登っていく。この最初の尾根に取り付くまでの急斜面の登りが、ヨコスズ尾根最大の体力的難所。奥多摩でよくあるタイプのパターンだが、久しぶりに登ってそのキツさを痛感。
30分ほど登って尾根に取り付く。ココまでが第1フェーズ。この先は尾根上を登っていくのかと思いきや、尾根上から少し外れた右側(東側)を進む。よくよく山と高原地図を確認したら、きちんとそうなってますね。傾斜は緩やかなので、体力はそれほど消耗しないが、単調で薄暗い道が30分ほど続くので、途中で飽きてきます。また、尾根にでる直前、滝入ノ峰のピークを巻くあたりで、道の痩せた箇所があるので滑落には要注意。
道が明るくなり始めて、滝入ノ峰のピークを巻いたあたりで尾根上に復帰。ココまでが第2フェーズ。ここからは尾根上を歩き、一杯水避難小屋を目指す。
尾根に出ると多少傾斜は出るが、体力的にそれほど苦ではない。暫く進んで、一杯水避難小屋に近づくと、積雪が目立ちはじめる。どうやら、昨日東京は雨だったので、山では雪だったようだ。奥多摩でも4月上旬ぐらいまでは直近の天候によって、思いの外、雪が積もることがあるので、装備には注意が必要。
なお、一杯水避難小屋にボットントイレはあるが、水は期待できないので要注意。(水場の情報は後述)ココまでが第3フェーズ。

一杯水避難小屋 ~ 天目山の山頂

一杯水避難小屋から天目山までの道のりが第4フェーズ。

一杯水避難小屋からは、天目山の山頂を目指す道と、巻き道とがある。このとき、足跡につられて巻き道へと進んでしまう。途中で気付いたが、このまま進み西側から登ることもできるので、引き返さずそのまま進むことにした。ちなみに直登コースの入口に道標はないので要注意。小屋の裏側、ちょうど上の写真を撮影した背後に道がある。

その巻き道だが、トレースは薄く雪が柔らかい。左側が斜面になっている細い道を歩くため、場所によっては雪が深く、ちょっと危なっかしい箇所もあり。自分はともかく、友人が雪に慣れていないので、ちょっとリスキーな道間違いだった。
西側の分岐から山頂まで、あとは尾根を直進するのみ。ただ、山頂付近は傾斜も急なので、雪でちょっと登るのに苦労する場面もあった。
ポイントミツドッケ
別名「ミツドッケ」の由来となっている3つのピークだが、地図を見る限り、山頂周辺に西峰、中央峰(山頂)、東峰と3つのトッケ(ピーク)が並んでいる。(名称は仮称)
【11:23】天目山の山頂に到着。
予定では10:49着予定だったので、30分遅れでの到着。道間違いと雪で、思いのほか時間を浪費してしまった。早朝は晴れていた空だが、山頂に着いたときには、菅笠のような大きな雲が上から覆いかぶさり、どんよりした雰囲気。南側の石尾根の山頂付近を、ギリギリ雲が覆っており、鷹ノ巣山や雲取山なども特定できず。もちろん富士山も雲の中。せっかく違法伐採までして開けてくれた展望も、その良さをあまり享受できず。
天目山の山頂スペースは狭く、5人前後が適正人数。Max7~8人かな。そんなに人気のある山ではないので、十分な収容キャパだとは思うが、ちなみにこの日は、1時間ほど滞在して山頂で出会ったのは、3組5名のみだった。

天目山の山頂 ~ 一杯水避難小屋 ~ 仙元峠

さて、これから秩父の浦山に下山し、16時最終のバスに乗らなければならない。そのため、ゆっくりもしていられないため、食事を済ませたあとは早々に出発。ちなみに現時点で、予定より20分遅れ。下山は危ないので、自分が持参したチェーンスパイクを友人に装着させる。

【12:18】天目山の山頂を出発。
復路は本来登りで利用する予定だった直登コースで、一杯水避難小屋に向かう。「ミツドッケ」と呼ばれるように、一杯水避難小屋との間、山頂の東側にもう1つピークがある。
登りで間違えてしまった道だが、下りだとわかりやすい。道は一杯水避難小屋の裏側に通じている。
【12:36】一杯水避難小屋に到着。
トイレだけ済ませて、すぐに長沢背稜を仙元峠方面に向けて出発。この区間のトピックスは、途中に「一杯水避難小屋」の名前の由来となる水場があることと、棒杭尾根への分岐地点があること。
ポイント一杯水避難小屋の水場
一杯水避難小屋の水場は、小屋から東へ5分ほど進んだ場所にあります。情報によると、水が出ていることの方が珍しいらしい。

棒杭尾根への道は、倉沢林道に崩落個所があるため、ロープが張られ通行止め。まあ、崩落個所は林道なんで徒歩なら通行できると思うが..。

一杯水避難小屋から仙元峠(蕎麦粒山)方面への道だが、少ないながらもトレース(足跡)あり。また、積雪はあったものの、天目山の巻き道にあったような危険箇所はなかった。ちなみに、仙元峠までにすれ違った登山者は2名のみ。
ちなみに先ほどの分岐から仙元峠まで、足跡が1つだけ続いてました。
仙元峠

【13:32】仙元峠に到着。
前回5月上旬の新緑の季節にきた時と、同じ場所とは思えない景色の違い。1カ月半違うだけで、全然イメージが違う。[5月上旬の仙元峠

ちなみに、前回は看板に設置されていた仙元峠の案内板だが、下に落ちて雪に埋もれていたので、自分が掘り起こして木に立てかけておいた。ちなみに仙元峠時点で、予定より15分遅れ。まあ、仙元峠以降は下りだし、十分間に合うだろうと考えていたが、それほど甘くはなかった。

仙元峠 ~ 大楢

仙元峠から先の仙元尾根は、2018年5月12日の蕎麦粒山登山で1度利用している道。ホームぺージに記録しているので、コースの記憶もある程度鮮明。

【13:37】仙元峠を出発。
仙元峠まで続いていた足跡だが、仙元尾根に向かわずに蕎麦粒山に向かったようだ。そのため、トレースなし。おそらくこの日、仙元尾根を歩いたのは自分たちだけ。まあ、前回歩いたときも、誰にも合わなかったし。

仙元尾根の状況だが、登ってきたヨコスズ尾根よりも雪が多い。自分は慣れているので問題ないが、友人の足元がおぼつかない様子で、特に序盤の傾斜がある箇所は歩きにくそうだった。バスの時間があるので急ぎたい反面、無理強いもできずヤキモキした気分に。
ポイント浦山大日堂のバス
浦山大日堂のバスは、16時が最終。それを逃すとタクシーとなる。バスだと、西武秩父駅までの料金は310円だが、タクシーだとその10倍以上はかかる。
序盤は尾根が広がっている箇所があり、トレースもなくちょっと不安だったが、目印が一定間隔で設置されていたため、迷わずに進めた。まあ、1度歩いている道でもあるし。ちなみに、仙元峠から大楢までの区間に、前回はなかった新しい道標が3つほど設置されていた。
崩落している箇所から、大楢までは5分ほどの距離。
【14:22】大楢に到着。
うーん、予定より約20分遅れ。巻き返すどころか、差が開いてしまった。大楢から尾根上を外れ、矢印の方向に下りていく。

大楢 ~ 浦山大日堂

大楢から尾根上を外れ、尾根の東側を歩く。ココから送電鉄塔が出てくるまでの区間は薄暗くて、気が滅入る区間。
上の写真の箇所で、足が止まる。コースは尾根から大きく外れないので左のはずだが、左の道は閉塞感があり薄暗いのに対して、右の道は開けて明るいので、右に行きたくなってしまう。でも正解は左。ちなみに、このときは気付かなかったが、前回も同じ場所で悩んでいたので、ココには道標を設置したほうが良いと思う。[前回の写真
仙元尾根の終盤で、送電鉄塔合計4本(57号~60号)の鉄塔下を通過する。1本目の送電鉄塔まで到着したら、あとは道に迷う心配はない。

【15:26】送電鉄塔60号に到着。
送電鉄塔60号から先の道を急下降すると、登山口の浦山大日堂に到着する。残り30分あるので、バスの時間に間に合いそうな感じ。

急斜面をジグザクに下っていき、浦山大日堂が近くなると木の階段となる。この木の階段だが、腐敗が進んでおり、足を踏み下ろす場所には要注意。危うい場所に足を下ろすと、階段ごと崩れ落ちたりする。
【15:51】浦山大日堂の仙元尾根登山口に到着。
バスの出発時間まで残り9分だが、友人がなかなか下りてこないので、ちょっと焦る..(汗)
【15:57】浦山大日堂バス停に到着。
時間的にはギリギリだったが、バスが渋滞で遅れてきたので、結局10分ほど待ちました。お疲れさまでした。
ポイント 余談だが、往路のバスで見かけた女性登山者がバス停にいたので何処のコースから下りてきたのか聞いてみると、天目山頂の北東に伸びるシャクナン尾根(バリエーションルート)から下ってきたそうで。こんな雪の残る時期に女性1人で、バリエーションルートから下りてくるとは、なかなかの強者。

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天目山コースタイム

予定 実際 場所
08:04 07:55~8:10 東日原バス停
10:24 10:34~10:45 一杯水避難小屋
10:49~11:59 11:23~12:18 天目山
12:19 12:36 一杯水避難小屋
13:19 13:32~13:37 仙元峠
13:59 14:22 大楢
15:49 15:51 浦山大日堂

天目山の難易度

難易度

14/30

総合難易度
必要体力 体力難易度3
コース距離 コース距離難易度4
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度2

登山難易度 登山難易度6
小屋・水場 小屋・水場難易度2
アクセス アクセス難易度0

総合難易度 総合難易度5

登山DATE

  • 歩行距離:16.11km
  • 高度上昇:1,175m
  • 高度下降:1,320m
  • 出発高度:0,620m
  • 最高高度:1,575m

  • 標高の差:0,955m
  • 活動時間:06:36
  • 休憩時間:01:11

  • 合計時間:07:47
必要体力
体力的難所は、登山口から尾根に出るまでの区間。奥多摩のコースに共通する傾向だが、尾根に取り付くまでの序盤がもっともキツイ。ただ幸い、キツかったのはこの区間のみ。その後、尾根の東側を歩く区間は緩やかな上りで、尾根上に出てからもそれほどキツイ上りはなかった。ただ、数値を確認すると、高度上昇が1,175mと、意外と獲得標高はあったので、ある程度の体力は必要。
時間・距離
長沢背稜を横移動し、最終的に仙元尾根を下って秩父に下山したので、林道歩きのない登山にしては、それなりに歩いて時間もかかった印象。
危険度
登りのヨコスズ尾根は中盤で1、2箇所、滑落を注意する箇所あり。道迷いの心配はない。下山の仙元尾根で滑落するような箇所はないが、終盤の送電鉄塔に出るまでに、道がわかりにくい個所があるので要注意。ただし、ココ数年で道迷い対策を強化したのか、前回歩いたときよりも、目印の数は増えていた気がする。道標も新しいものが設置されていたし。
小屋・水場
事前情報どおり、一杯水避難小屋の水場は機能していないため、アテにしてはいけない。ただ、基本は日帰りする山なので、山小屋や水場がなくても問題はない。あっても、あるに越したことはない程度。ちなみに、長沢背稜で1泊する場合は、小屋の清潔感、水場の有無などから、主に酉谷山避難小屋が使用されている。
総括
長沢背稜自体、人が少なく一般向けではないためか、ガイドブックにもほとんど掲載されておらず、奥多摩山域の中でも穴場の山といえる。東日原からヨコスズ尾根のピストンなら、危険な場所もほとんどなく、道迷いの心配もない上、山頂からの展望も優れているので、初心者にもおすすめ。ただ、仙元尾根を利用するなら、コース距離や仙元尾根の人の少なさから、中級者向けといえる。
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