明神ヶ岳

明神ヶ岳登山

明神ヶ岳

Myojingatake

白

[明神ヶ岳登山レポ]
箱根の外輪山、明神ヶ岳と明星ヶ岳登山!金時山・明神ヶ岳縦走登山その2

2016年1月3日(日)天候:晴れ
矢倉沢峠 ~ 明神ヶ岳 ~ 明星ヶ岳 ~ 宮城野
  • 明神ヶ岳(みょうじんがたけ)
  • 神奈川県南足柄市と箱根町の境にある標高1,169mの山。箱根山の古期外輪山の一峰。明神ヶ岳から碓氷峠(うすいとうげ)に下る道は、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)東征の道と伝えられている。
  • 明星ヶ岳(みょうじょうがたけ)
  • 神奈川県小田原市と箱根町の境にある標高924mの山。箱根山の古期外輪山の一峰。山名は、宵の明星が当山の上に輝くことが由来。毎年8月16日の夜に、箱根強羅夏祭りの大文字焼きが実施される。

明神ヶ岳のコース

明神ヶ岳の登山口は、西の仙石、南の宮城野、北の大雄山最乗寺、西の和留沢入口、八坂神社など、東西南北全ての方向から登ることができる。
  • 仙石コース登り利用
  • 東側の仙石から矢倉沢峠を経て山頂を目指すコース。
  • 宮城野コース下り利用
  • 南側の宮城野から登るコース。直登で登るコースと、明星ヶ岳の西側をかすめる迂回コースとがある。
  • 最乗寺コース
  • 北側の大雄山最乗寺(だいゆうざんさいじょうじ)から登るコース。
    なお、最乗寺からは通常のコース以外に、奥の院から登る裏ルートもある。奥の院から登ると、明神ヶ岳山頂の西側に出る。(通常のコースは東側)
  • 矢佐芝コース
  • 西側から二宮金次郎芝刈路を歩き山頂を目指すコース。二宮金次郎が矢佐芝に柴刈りにきた道とされている。
    途中に二宮金次郎腰掛け石などがある。塚原駅から歩くコースだが、マイカーで登山道に入る直前の駐車場を利用すれば、時間を短縮できる。
  • 奥和留沢みはらしコース
  • 西側の和留沢入口から登るコース。マイカーであれば、ゲート手前にある駐車場を利用すれば、林道歩きの時間を短縮できる。
※コース名に厳密な名称はありません。
山と高原地図
明神ヶ岳のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「箱根」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

関連レポート

明神ヶ岳コースレポート

矢倉沢峠 ~ 火打石岳

矢倉沢峠からは、背丈の倍はあるであろう藪笹を切り開いた、まるで巨大迷路のような道。遠くから見ると、藪笹の高さまでわからなかったので、見晴らしの良い道と思っていたが、この高さでは何も見えない。ただし、途中に藪笹の背丈が低い場所もあり、そのような場所の下りであれば、視界が開ける。

矢倉沢峠出発直後に地図にない分岐がある。その時は、わからなかったが、後に調べると北にある金時トンネルの西側に通じているようだ。

事前リサーチによると、金時山から明神ヶ岳への縦走路は、アップダウンが多いとのこと。その前情報どおり、小刻みで緩やかなアップダウンが連続する。まずは目の前の、名も無き小ピークを越える。
アップダウンが多いのは事実だが、急登・急下降ではなく緩やかに登って緩やかに下る道のため、体力的に厳しくはない。緩やかなジェットコースターのようなイメージかな。道が走りやすいためか、反対方向からすれ違う登山者のほぼ全員がトレランだった。
火打石岳が迫ってくると、樹林帯へと道が変わる。コースは火打石岳の山頂を通らず左側を巻いて進むため、正式にどのあたりに火打石岳の山頂があるかわかりづらい。なお、この区間で金時山以降、初となる同じ方向に向かうソロ登山者と遭遇。箱根山の噴煙を撮影している間に、先へと進んでいった。
【11:33】火打石岳の樹林帯を抜ける。
ココから本格的な明神ヶ岳へのアプローチとなる。

火打石岳 ~ 明神ヶ岳

しばらく平坦な道が続いた後、本格的な上り道。なお、上り道手前に作業道へ入り込まないように注意板が設置されているが、注意板がなくてもこの作業道に入る人はいないと思う。もっと他に注意板を立てておくべき場所はあったと思うが、なぜココだけ?

なお、道標に明神ヶ岳まで25分と書かれているが、山と高原地図の標準コースタイムは45分に設定されている。「25分なら一気に登ってしまえ!」と結構飛ばした自分でも36分かかっているので、トレランでもない限り25分は相当厳しい。ココに関しては、山と高原地図の標準コースタイム45分の方が正しい設定。
ガレ場や岩場はないと踏んでいたが、途中でガレ場が少しだけあった。明神ヶ岳山頂部は細長いため、上り道を登り切り傾斜が緩やかになった後も、しばらく東側に向かって道が続く。山頂直前で、本日2組目となる同じ方向に進む登山者が見えた。
山頂直前に最乗寺奥の院への分岐がある。なお、この最乗寺奥の院へ続くコースは、山と高原地図に掲載されていない。最乗寺へのコースは山頂の東側(ココは西側)にある筈なので、「何この道?」と少しだけ戸惑った。
【12:19】明神ヶ岳山頂に到着。

明神ヶ岳

登山道で殆ど人を見かけなかった割に、山頂には人が多い..。どうやら、殆どの登山者が、宮城野や最乗寺から登ってきているようだ。山頂スペースはそれなりに広いが、山頂の殆どがぬかるんだ泥のため、腰を落として休憩できるスペースは少ない。20分ほどすると人が少なくなってきたため、芝生の上に移動して昼食を食べる。

明神ヶ岳山頂からは、箱根市街地や富士山、金時山までの稜線などがよく見える。
山頂周辺においては登山者の踏圧などによる土壌浸食が発生し、裸地の拡大や植生の衰退等が問題視されるようになったため、平成26年4月~6月にかけて山頂周辺における土壌浸食を防止し、植生の回復を図ることを目的とした工事が行われている。工事内容としては、踏み固め防止のための歩道工の設置、土砂流出を抑制する排水工の設置、植物の回復を促す緑化ネットの設置などである。そのような工事の背景もあり、植生保護の観点から、山頂の北側は立ち入り禁止となっている。

明神ヶ岳 ~ 明星ヶ岳

【13:18】明神ヶ岳山頂を出発。
出発してすぐに大雄山最乗寺(だいゆうざんさいじょうじ)の分岐に到着。大雄山最乗寺の分岐は2カ所あり、登山道は途中ですぐに合流する。この最初の分岐から小田原市街と相模湾が一望できる、明神ヶ岳の中でも屈指の展望。

【13:29】矢佐芝コースとの分岐を通過。
矢佐芝コースの分岐を越えたあたりから、正面に見えるようになる小高い丘のような山が、おそらく明星ヶ岳。「おそらく」と書いたのは、明星ヶ岳の山頂は平坦なため、場所がわかりにくい。

矢佐芝コースの分岐以降、開けた場所もあれば、藪笹に覆われた場所もあり、コースが変化に富んでいる。途中で、明星ヶ岳の山頂あたりにヘリコプターが何かの荷物を持ち上げ運んでいるのが見えた。後に調べると、箱根駅伝の5区・6区は山間部の電波が届きづらく、駒ヶ岳、明星ヶ岳、久野林道など数箇所に中継機材を設置し、中継車の映像をそこに一旦集めてから放送センターに映像を送る形式をとっているらしい。そのため、運んでいたのは中継機材だと思われる。
【13:48】1つ目の宮城野への分岐地点に到着。
明星ヶ岳へ寄らないなら、ココから宮城野へ下ったほうが早く下山できる。今回は、明星ヶ岳へ寄るので真っ直ぐ進む。
【14:09】奥和留沢みはらしコースとの分岐を通過。
山と高原地図では、この奥和留沢みはらしコースとの分岐から10分で明星ヶ岳となっている。しかし、この先には中規模のアップダウンがあり、ゆっくり歩くと20分はかかるだろう。
明星ヶ岳 【14:21】明星ヶ岳に到着。
宮城野への分岐地点から上りはなく、平坦な道を歩いていると左手に山頂標識を発見。展望もきかず、はっきりとしたピークがないため、山頂標識と社がなければ100%気付かない山頂。明星ヶ岳には誰もいないため、15分ほど寝そべって休憩。

明星ヶ岳 ~ 宮城野

【14:40】宮城野の分岐地点まで戻ってくる。
先程までいた登山者は既にいない。あとはひたすら宮城野に向かって下山するのみ。
箱根大文字焼

明星ヶ岳から10分ほどで箱根大文字焼の「大」の字の場所に到着。当然ながら景色は開けており、そこから箱根市街地が一望できる。明星ヶ岳手前から高度感を感じられる場所がなかったので、標高900mあたりを歩いている事実をすっかり忘れていた。

この箱根大文字焼は、毎年8月16日開催の、箱根三大祭の1つ。「大」の火文字をバックに打ちあがる色鮮やかな花火が見所。ちなみに他の2つの祭りは、7月31日の芦ノ湖湖水祭、毎年11月に開催される箱根大名行列。

大文字焼きの「大」の文字以降、特にトピックス的要素はない。登山口まで平凡な樹林帯を下る。

【15:16】宮城野の明星ヶ岳登山口に到着。
ココからバス停まで、15分ほど舗装された道を歩く。
【15:28】宮城野橋バス停に到着。
15時台であれば10分間隔でバスが出ている。箱根駅伝は終了していたが、駅伝の影響か箱根湯本駅までの道は渋滞していた。

関連レポート

明神ヶ岳コースタイム

予定 実際 場所
08:00 08:00 仙石バス停
08:25 08:21 金時神社入口
09:35 09:13 公時神社分岐
10:15~10:40 09:29~10:11 金時山山頂
11:10 10:22 公時神社分岐
11:35 10:36 矢倉沢峠
12:45 11:33 火打石岳
13:45~14:30 12:19~13:18 明神ヶ岳
15:10 13:48 宮城野分岐
15:55~16:15 14:21~14:40 明星ヶ岳
- 15:16 明星ヶ岳登山口
17:00 15:28 宮城野橋バス停

明神ヶ岳の難易度

難易度

10/30

総合難易度
必要体力 体力難易度2
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度2
危険度 危険度難易度0

登山難易度 登山難易度4
小屋・水場 小屋・水場難易度2
アクセス アクセス難易度1

総合難易度 総合難易度3

登山DATE

  • 歩行距離:15.97km
  • 高度上昇:1,056m
  • 高度下降:1,260m
  • 出発高度:0,650m
  • 最高高度:1,212m

  • 標高の差:0,562m
  • 活動時間:05:28
  • 休憩時間:02:00

  • 合計時間:07:28
必要体力
矢倉沢峠から火打石岳まで連続するアップダウンは、道が緩やかなため息切れするようなこともなく、体力的にキツくはない。道が緩やかなため、矢倉沢峠から明神ヶ岳までの道は、純粋な登山者よりトレランの方が多かった。その中でも、火打石岳から明神ヶ岳までの区間は、まとまった高さの登り返しがあり、この区間は険しい箇所もあるが、まあ許容範囲内。
距離・時間
距離は16kmと、縦走なのでそれなりの距離に。途中にある時間の書かれた道標だが、かなりタイトで厳しい時間設定になっているので、1.5倍あたりで計算したほうが良い。反面、山と高原地図の標準コースタイムはバッファを持たせすぎ。
危険度・水場
滑落するような場所もなく、道迷いの心配もない。しかし、今回歩いた明神ヶ岳のコース上に水場はない。コース外だが唯一、大雄山最乗寺方面に明神水と呼ばれる水場はあるが、枯れていることもあるらしい。つまり、矢倉沢峠から登る場合、矢倉沢峠のうぐいす茶屋が最後の水場。また、矢倉沢峠から明神ヶ岳を越えるまでエスケープルートもないため、真夏の登山で水がなくなると、脱水症状で動けなくなる危険性もあるので注意が必要。
総括
背丈の高い藪笹に覆われた道は、眺望はきかないものの、自然の迷路のようなめずらしい登山道なので、歩いていて楽しい道。基本は稜線歩きのため、要所にある開けた場所から箱根市街地を見下ろせるし、明神ヶ岳山頂からの展望も素晴らしい。宮城野や大雄山最乗寺から登ればコース距離を短縮できるので、明神ヶ岳単独で登るなら、それらルートのほうが無難かな。
ご質問・感想などコメント歓迎します。
お気軽にどうぞ!

PAGE TOP