七面山

七面山登山

七面山

Shichimenzan

白

[七面山登山レポ]
山岳信仰の山、七面山を表参道から登る登詣登山

2019年11月16日(土) 天候:晴れ
七面山登山口 ~ 敬慎院 ~ 七面山の山頂 ~ 希望峰 ~ 七面山の山頂 ~ 敬慎院 ~ 七面山登山口
  • 七面山(ひちめんざん)日本二百名山山梨百名山
  • 山梨県南巨摩郡にある標高1,989mの山。山岳信仰の山で、標高1700m付近に文永11年(1274年)に日蓮が開いた身延山久遠寺に属する「敬慎院(けいしんいん)」があり、身延山を守護する鎮守神として七面大明神が祀られている。「敬慎院」には、登山者でも宿泊可能な宿坊がある。敬慎院から山頂付近にかけては富士山の好展望地としても知られている。また、山頂付近の東側斜面に「ナナイタガレ」と呼ばれる大崩落地がある。1600年代から起こっていたとされ、その後の大地震で崩壊が拡大し、今でも崩壊が続いている。

七面山のコース

七面山案内図荒船山登山道案内図。
七面山の登山口は、東の羽衣地区にある表参道入口と、北の角瀬地区にある北参道入口の2つのみ。
  • 表参道登り利用人気コース!
  • 表参道入口から表参道を登り、敬慎院を経て山頂を目指すコース。登山口近くに白糸の滝がある。標高差は1,489m。
  • 北参道(裏参道)下り利用
  • 北参道入口から北参道を登り、大トチノキ、奥の院、敬慎院を経て山頂を目指すコース。標高差は1,669m。
地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

七面山の登山計画

コース
当初は、北参道から登り表参道で下ることも考えたが、北参道は表参道より標高差があり時間もかかるため、表参道を選択。また、七面山は山頂からの展望は皆無のため、南アルプスの眺望が望める、山頂先の希望峰(往復50分)まで、余裕があれば行く予定を立てた。
往路のアクセス
七面山に公共交通機関でアクセスするには下部温泉駅から早川町運営の乗合バスで七面山登山口・赤沢入口バス停で下車。そこから徒歩かタクシーで、表参道登山口にアクセスする。バスは1日4便で、下部温泉駅発7:26 - 七面山登山口・赤沢入口着7:52のバスに乗るが、東京都内から始発電車に乗っても、下部温泉駅7:26発のバスには間に合わない。そのため、前日の最終電車で甲府まで移動し、漫画喫茶「快活CLUB 甲府上阿原店」で仮眠。早朝に南甲府駅まで歩き、下部温泉駅にアクセスする。また、七面山登山口・赤沢入口バス停から表参道登山口まで歩くと1時間ほどかかるため、タクシーを利用する。バス停近くにタクシー会社があることは事前に調べていたので、配車予約はしなかった。
復路の交通手段
帰りは、七面山登山口・赤沢入口発16:38発のバスに乗り、16:55飯冨バス停で下車。飯富発17:29発の高速バス(新宿~身延・南アルプス市八田線)で新宿駅に向かう。

七面山コースレポート

表参道入口 ~ 肝心坊(十三丁目)

表参道入口にある羽衣橋を渡ったところにあるのが、白糸の滝。出発前にこの白糸の滝に寄るのが、七面山登山の慣例となっている。
ポイント白糸の滝
徳川家康公の側室「お万の方」が、身を清めて七面山の女人禁制を解いたといわれる滝。
【8:10】表参道入口。
周りに人影はないが、既に車が何台か駐車しているので、数組は先に登っているようだ。表参道入口には「元丁目」の灯籠あり。
ポイント○丁目の灯篭
七面山は、表参道入口の「元丁目」から、敬慎院の「五十丁目」まで一丁ごとに灯篭が設置されている。
出発してすぐに二丁目の「神力坊」を通過。人影がなかったため、スルーしてしまったが、本来は参拝者が道中安全を祈念する場所のようだ。
ポイント神力坊
表参道の二丁目にあり、参拝者が道中安全を祈念して出発する場所。神力坊の本堂には日蓮聖人(にちれんしょうにん)の木造とともにお萬の方の木像が安置されている。また、七面山の守護神でもある伽藍坊大善神の木像が登山道をはさんだ向かいの堂に祀られている。
参道には階段が組まれており、斜面にジグザグを切るように道が伸びている。
ポイント登山道の立札
登山道には俳句仕立ての詩?が書かれた立札が不定期で設置されている。五・七・五の俳句形式になっているものもあれば、そうでもないものある。また、参道の要所にあるトタンで作られた簡易休憩スペースには「日蓮聖人のお言葉」が書かれた貼紙もある。
【8:53】十三丁目の肝心坊を通過。
敬慎院(五十丁目)を基準にするなら三合目といったところ。檀家の子どもたちかな?社の掃除をしてました。

肝心坊(十三丁目) ~ 中適坊(二十三丁目)

引き続き、道は変わらず階段の組まれた道を、淡々と登る。登りやすい道ではあるが、体力的にはそこそこキツイ。景色に変化がないので、○丁目の灯籠の数字が増えることをモチベーションの糧にして登る。
麓の春木川から水を引いているようで、登山道に水道が設置されていた。水2Lほど積んでいるが、こんなことなら、もっと少なくて良かった..。
【9:27】二十三丁目の中適坊に到着。
敬慎院まであと半分ほどで、トイレと飲めそうな水あり。地元の信者さんが井戸端会議されてました。

中適坊(二十三丁目) ~ 晴雲坊(三十六丁目)

引き続き、代わり映えのない景色の登山道が続く。九十九折の道なので気づきにくいが、斜面は結構な急勾配。これまでとの違いといえば、紅葉で葉が色づいていたことぐらい。
【10:18】晴雲坊(三十六丁目)に到着。
晴雲坊では信者の方が食事中。ココで寝泊まりされてそうな感じでした。

晴雲坊(三十六丁目)~ 随身門(四十九丁目)

「晴雲坊」以降は、エンジンがかかってきたようで、身体が思いのほか動くように。
和光門(四十六丁目)に到着。
和光門をくぐって坂を登りつめたところにあるのが鐘楼。この鐘楼の釣鐘は、誰でも自由に撞くことができる。
【11:13】展望台に到着。
展望は東側を中心に扇形に開けている。富士山はもちろんのこと、手前の山塊に身延山や毛無山が見える。肉眼では特定できないが、甲府盆地の奥に金峰山や甲武信ヶ岳も見えているようだ。
展望台の反対側には随身門(四十九丁目)がある。ちなみに随身門にビデオカメラが設置されており、WEBで「ライブカメラ映像」を確認することができる。

随身門(四十九丁目) ~ 七面山の山頂

敬慎院に到着したことで、気持ちが高揚してココがゴールのような気分になってしまったが、七面山の山頂はもう少し先。気持ちを切り替え七面山の山頂へ向かう。
大崩落のナナイタガレまでは、勾配がなだらかなめちゃくちゃ雰囲気の良い林の中を歩く。この区間は癒やしゾーン。しかしナナイタガレから七面山の山頂までは苦難。七面山の山頂はナナイタガレの上(東側)に位置しており、崩落地の縁を沿うように登った先にある。敬慎院に到着したことで、気持ちが途切れていたこともあるが、急登だし登るのがかなりツラかった..。
ナナイタガレを登りきり、山頂が近くなると、登山道周辺に苔が目立ち始める。
【11:54】七面山の山頂に到着。
最後の30分はキツかったので、ものすごく長く感じた。休もうかと腰を落としかけたその時、前を歩いていた登山者がそのまま希望峰へと歩き始める。当初は自分も、希望峰まで足を伸ばすことも考えていた。しかし、七面山の最後の登りがキツかったのでそんな気分も吹っ飛んでいたが、希望峰に向かう登山者を見て、気持ちが再燃。前の登山者を追うように希望峰へ向かう。

七面山の山頂 ~ 希望峰

七面山から希望峰まで、鞍部の三ノ池まで下り、そこから希望峰に登り返す。距離も短いので、最後の上りは気力を振り絞り一気に登った。
ちなみに、この区間は秩父の和名倉山や同じ山梨にある櫛形山を彷彿させる、原生林が広がっている。三ノ池付近では、サルオガセも見られた。
ポイントサルオガセ
樹皮に付着して垂れ下がった糸状の地衣。
ポイント七つの池の伝説
七面山には七つの池があるという伝説があります。このうち、一の池、二の池は敬慎院にあります。そして、三の池と四の池は七面山から八紘嶺(はっこうれい)の間に。(山と高原地図に記載)五~七の池の場所は、あまりはっきしりていないとか。特に第七の池は決して見ることができず、もし見ると目がつぶれてしまうという言い伝えがあるそうです。
下山に向けて、持参したおにぎりで腹ごしらえ。

希望峰 ~ 七面山の山頂 ~ 敬慎院 ~ 奥之院

【12:32】希望峰を出発。
ひとまず七面山の山頂まで戻り、敬慎院へ向かう。時間がありそうだったので、途中七面山の山頂でも15分ほど休憩を挟んだ。
【13:33】敬慎院(五十丁目)に到着。
いまさらながら五十丁目に到着です。敬慎院には一の池がある。深い緑色をした神秘的な池だったので、近づいて見たかったが、入口に紙垂(しで)が設置されていて入って良いのかわからなかったので入らなかった。後にネットで調べると、中に入っている写真があったので、入って良い場所かと。
ポイント一の池
その昔、日朗上人( にちろうしょうにん )が登山してきてこの池のほとりに立ったところ、池に七面大明神が竜の姿で現れたと伝えられている。いまでも、突然不思議な波紋が現れることがあるとか。一の池正面の祠には水晶玉が祀られている。
敬慎院と奥の院の途中に二の池がある。池というより水たまりにしか見えないが..。また、ニの池の近くから御神木「大イチイ」への分岐地点がある。短距離だと思い向かったが、距離があり時間がかかりそうだったので、途中で引き返すことに。後に知ったが、御神木「大イチイ」には奥の院からも道が通じており、奥の院に抜けられたようだ。ただし、道は結構下っていたので、「大イチイ」から奥の院まで、登り返すことになるだろう。
【14:05】奥の院に到着。
奥の院には社殿の前に巨大な影嚮石(ようごうせき)が祀られている。随神門前の展望台同様に富士山の眺望もあり。
ポイント影嚮石(ようごうせき)
しめ縄をはった巨大な石で、この石のところに七面大明神が現れた(影嚮)と伝えられている石。石のまわりを7度唱題しながら廻るとご利益があるといいます。
奥の院には社殿もあるが、人影はなく静まり返っていた。休憩所もあり、お茶など飲めるようになっている。さきほど、「大イチイ」に向かって引き返した余計な動きで時間を消費してしまい、余裕時間がほとんどゼロに。時間もないので写真撮影だけして早々に出発。

奥之院 ~ 明浄坊

奥の院から以降は、表参道同様に丁目石が、卅八(38)丁目まで設置されている。下りだと卅八(38)丁目から進むにつれ数が減っていくことになる。30丁目で明浄坊を通過したが、人の気配はなく建物のシャッターも閉じられていた。
ポイント北参道の丁目石
北参道の○丁目石は表参道と異なり「卅 or 丗 = さんじゅう」「廿 = にじゅう」と表記されている。
表参道同様に道は単調で、作業道のような登山道を延々と歩く。しかも歩いている登山者が皆無で、表参道に比べて利用者は極端に少ない。
【15:05】安住坊に到着。
安住坊は19丁目なので、ちょうど中間地点。明浄坊同様に建物の扉は閉じられていた。安住坊には樹齢700年、山梨県指定天然記念物の「大トチノキ」がある。写真では伝わりにくいが、結構迫力がある。
その後も北参道をどんどん下る。道が単調な上、距離も長いので後半はうんざりしてきた。特に見どころもない。
登山口近くの七丁目休憩所も閉鎖されていた。裏参道の坊や休憩所は通年人がいないのだろうか..。
【16:03】七面山北参道登山口に到着。
場所的には、神通坊というお寺の墓地の奥。道標や大きな鳥居もあるので、登り利用の場合でも見つけやすい。ちなみにいまさらながら、登山口手前で北参道初の登山者と遭遇。どうやらこの登山者も自分が初めて出会った登山者だったようで..。
【16:07】「七面山登山口・赤沢入口」バス停に到着。
バスは16時38分なので、30分ほど余裕のある良い時間に到着できました。

七面山のコースタイム

予定 実際 場所
08:02 08:10 表参道登山口
09:02 08:53 肝心坊
10:47 10:18 晴雲坊
11:47 11:13 敬慎院
12:47~13:07 11:54 七面山の山頂
- 12:18~12:32 希望峰
- 12:46~13:05 七面山の山頂
13:47 13:33 敬慎院
14:07 14:05 奥の院
14:42 14:30 明浄坊
15:27 15:05 安住坊
16:12 15:46 七丁目休憩所
16:37 16:03 神通坊(北参道登山口)
16:38 16:07 「七面山登山口・赤沢入口」バス停

七面山の難易度

難易度5

13/30

総合難易度
必要体力 体力難易度4
コース距離 コース距離難易度4
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度0

登山難易度 登山難易度6
小屋・水場 小屋・水場難易度0
アクセス アクセス難易度2

総合難易度 総合難易度4
※ アクセスは東京基点 
評価基準の詳細はこちら。

登山DATE

  • 歩行距離:18.11km
  • 高度上昇:1,773m
  • 高度下降:1,951m
  • 出発高度:0,537m
  • 最高高度:1,989m

  • 標高の差:1,452m
  • 活動時間:07:24
  • 休憩時間:00:33

  • 合計時間:07:57
必要体力
単調な登山道を淡々と登らされる七面山の表参道。階段が組まれていて登りやすいとはいえ、標高差もあるので体力的にはそれなりにキツイ。特に七面山の山頂直下、ナナイタガレの上に登る道は最後の難関。この区間は体力的にもキツイが、それ以上に敬慎院に到着したことで気持ちが途切れ、気力を奮い立たせるのに苦労した。
七面山の山頂から希望峰までは標準コースタイムで片道25分・往復50分。体力的にはそれほどキツくなく、急げば20分弱で歩けると思うので、時間があるなら寄っておいて損はない。
距離・所要時間・危険度

距離は18.11km、時間も正味8時間だったので日帰りできるギリギリの距離と時間。シニア登山者などは前日入りして麓の宿に宿泊し翌日に朝から登っていたようだった。ちなみに、下山で利用した北参道は、表参道に比べて極端に人が少なかったので大半の登山者は表参道をピストンしているようだ。これはほとんどの登山者が車でアクセスしていることも起因しているだろう。

法華経の聖地で登詣が盛んなだけあって登山道はよく整備されている。修験道の山では危険な箇所も多々あるが、七面山では鎖場もなく、危険な箇所は一切ない。
山小屋・水場
水は麓の春木川から水を引いているパイプが登山道と交錯しているので、要所で水の補給が可能。確認できたのは、十六丁目付近の水道、二十三丁目の中適坊。ちなみに、敬慎院には手水(てみず)用の水はあったが飲めるかは不明。また、晴雲坊(三十六丁目)に自販機もあったが、故障していた。奥の院には自由に飲めるお茶が休憩スペースに据え置かれていた。
山小屋ではないが、宿坊があり登山者でも宿泊可能なので、宿泊登山にも対応可能。山小屋と違って食料品の販売はないが、宿泊すれば食事は提供される。
アクセス
車であれば日帰り可能だが、公共交通機関は前日入りが必須。自分のように前日に近くまで移動しておくか、麓の宿に宿泊するか、宿坊に宿泊するか、いずれかの選択となる。
総括
前半は階段状の登山道を淡々と登る登詣(とけい)登山だが、敬慎院以降は七面山本来の自然を楽しむことができる。特に、七面山の山頂と希望峰の間は原生林の様相を呈していたので、そういった意味でも希望峰に寄れるなら寄ることをオススメします。ピークハントにこだわらなければ、七面山の山頂に寄らず、敬慎院の霊場内にある、展望台、ナナイタガレ、御神木の大イチイ、一の池、影嚮石(ようごうせき)などを巡るだけでも良いかと。
ご質問・感想などコメント歓迎します。
お気軽にどうぞ!

PAGE TOP