[伯母子岳登山レポ]
大股から世界遺産「小辺路」を歩く伯母子岳登山
大股登山口 ~ 伯母子岳 ~ 夏虫山 ~ 大股登山口
- 伯母子岳(おばこだけ)日本二百名山
- 奈良県南部の十津川村と野迫川村の境界、奥高野に位置する標高2,031mの山。伯母子岳周辺は「小辺路(こへち)」と呼ばれる熊野参詣道(さんけいみち)が通っており、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」 の一部に指定されている。交通の便が悪いため、世界遺産の小辺路の史跡に加え、好展望の山頂など、見所に恵まれているにも関わらず、訪れる人の少ない山となっている。
伯母子岳のコース
2016年現在、二百名山にも関わらず伯母子岳山域の地図は山と高原地図で販売されていない。伯母子岳の人気がない(=売れない)ため販売していないようだ。そのため、小辺路を歩くなら世界遺産熊野参詣道登山マップ「伯母子岳峠越[大股~三浦口]」が参考になる。
- 大股小辺路コース登り利用下り利用
- 北の大股登山口から小辺路を南に向かって歩き、桧峠を経て山頂に至る。
途中に史跡、萱小屋跡がある。標準コースタイムは2時間20分。
- 三田谷小辺路コース
- 南の三田谷登山口から小辺路沿いに、北に向かって登るコース。利用者は少ない。
途中に史跡、侍平屋敷跡、水ヶ元茶屋跡、上西家跡などがある。標準コースタイムは2時間45分。
- 護摩壇山コース
- 西の護摩壇山方面にある奧千丈林道登山口から東に向かって登るコース。
奧千丈林道登山口には、高野龍神スカイラインの護摩壇山から林道奥千丈線の終点まで車道が通じている。
※ 標準コースタイムは、世界遺産熊野参詣道登山マップを参考にしている。
2018年度版から、山と高原地図「高野山・熊野古道 伯母子岳」が販売されるようになりました。
伯母子岳コースレポート
大股登山口
ざっくりと6時ぐらいに京都を出発すれば8~9時の間に到着するだろうと思っていたが、想定していた以上に時間がかかり、結局到着したのは10時過ぎ。甘く見過ぎた。高野山までの道は、山中の蛇行道が続き、普段車を運転しないので、緊張しながら運転していたが、高野山以降の道は、それ以上に過酷。両側通行に関わらず1車線分の幅しかない山道に、要所で砂利道などの悪路も点在。対向車がこないかドキドキしながら運転していたが、幸い行きも帰りも対向車がくることはなかった。
さらに、大股登山口の手前で道路が陥没して通行禁止に。ここまできてまさかの登山断念?と、ちょっと焦ったが、幸い大股登山口まで歩いて行ける距離だったため、通行禁止の手前に車を止めて、登山口まで歩く。反対側に回るには、かなり大回りしなければならないので、危なかった..。ちなみに、工事関係者に聞いたところ、本日やってきた登山者は自分だけらしい。まさか大股からの登山者自分だけ?(汗)【10:21】大股登山口の駐車場に到着。
駐車場には車があるので、どうやら西の高野龍神スカイラインの方からアクセスしているらしい。自分はカーナビに従って北の野迫川村から入ってしまったが、確かに西からの方がアクセスは良いかもしれない。それにしても、登山口のある大股は、すごい過疎っぷり..。
地形的に隔離された山あいにある小さな集落。奈良県の自治体の中では最も人口が少なく、近畿地方の中でも2番目に少ない。
ココからようやく登山スタート。 第一目的地は萱小屋跡(かやごやあと)。
大股登山口 ~ 萱小屋跡
大昔に数戸の茶屋があった萱小屋跡だが、現在は無人の山小屋が一戸あるのみ。30年ほど前までは、現在一戸残っている建物に人が住んでいたらしく、途中にあった配電盤はその名残だろう。中を覗いてみたが、廃れておらずマットなども常備されているので、平時でも普通に使える山小屋。ただし、大人数は泊まれないし、登山口に近いので、小辺路を縦走する人以外、利便性は低い。
萱小屋跡 ~ 桧峠
特になにかある訳でもないため、そのまま通過。桧峠のすぐ先に夏虫山への分岐がある。一先ず伯母子岳を優先したいので、登りではパス。桧峠から伯母子岳分岐まで、3組ほどの下山者とすれ違う。
右に進めば護摩壇山、左に進めば伯母子峠(小辺路)、真っすぐ進めば伯母子岳の山頂。
伯母子岳分岐 ~ 伯母子岳山頂
【12:13】伯母子岳山頂に到着。
12時という昼時にも関わらず山頂には、すぐ前を歩いていた登山者と自分の2名のみ。しかも絵に描いたような雲一つない快晴に、11月の登山ではありえない暖かさ。人も少なく天気も良いという、最高のシチュエーション。
伯母子岳山頂 ~ 伯母子峠
山頂の登山者も少なくなってきたので、自分もボチボチ出発。下りは伯母子峠経由で少しだけ回り道をして下山する。
【13:40】伯母子峠に到着。
伯母子峠には、トイレと山小屋がある。山小屋は見た目で資材置き場か何かだと思い、中を覗かなかった。5分ほど大股方面に進むと水場があったので、"山頂近くで水場あり"という、ロケーションは悪くない山小屋。
伯母子峠 ~ 夏虫山
時間に余裕もあるので、夏虫山に寄ってみることにした。
【14:25】夏虫山に到着。
10分ほどで到着できたが、道自体は結構急登だった。軽装なら問題ないが、縦走などでザックが重ければ、分岐でデポした方が良いレベル。山頂で出会った登山者の情報だが、夏の夏虫山は虫だらけらしい。まあ、山名そのままだけど..。
夏虫山 ~ 大股登山口
下山して、大股集落を歩いていると、登ってくる登山者と地元のおばあさんが会話していた。この登山者は、高谷山から小辺路を歩いてきたそうで、今日は山小屋に泊まるらしい。ちなみに自分が通過したとき、おばあさんから飴をもらった。暇なので、登山者が通ると話しかけているらしい。他の登山者のレポートに、住民から声を掛けられたと書かれていたので、このおばあさんのことだろう。
高野山までは明るいうちに出たかったので、16時前に戻ってこれてホッと一安心。
伯母子岳コースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
- | 10:13 | 駐車場所 |
09:00 | 10:28 | 大股登山口 |
- | 11:00 | 萱小屋跡 |
- | 11:38 | 桧峠 |
- | 11:58 | 伯母子岳分岐 |
- | 12:13~13:31 | 伯母子岳山頂 |
- | 13:40 | 伯母子峠 |
- | 14:25 | 夏虫山 |
15:00 | 15:29 | 大股登山口 |
伯母子岳の難易度
12/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:14.48km
- 登山歩数:21,529歩
- 高度上昇:1,230m
- 高度下降:1,230m
- 出発高度:0,654m
- 最高高度:2,031m
- 標高の差:1,377m
- 活動時間:03:58
- 休憩時間:01:18
- 合計時間:05:16
お気軽にどうぞ!
登山道の大半は作業道のような道のため、他登山者のレポートや、登っていた人の感想で多かったのは「展望は良いが道中つまらない山」。個人的には、萱小屋跡などの史跡もあり、全体を通してそれほどつまらないとは感じなかった。何より、山頂からの展望は素晴らしかったし。場所が辺境の地で人も少ないので、静かな山歩きをしたい方にはおすすめできる。
2018年度版から、山と高原地図「高野山・熊野古道 伯母子岳」が販売されるようになりました。