三ツ峠山

三ツ峠山登山

三ツ峠山

Mitsutougeyama

白

[三ツ峠山登山レポ]
三ツ峠駅から登る史跡巡りの三ツ峠山登山

2016年6月4日(土) 天候:晴れのちくもり
三ツ峠駅 ~ 開運山 ~ 御巣鷹山 ~ 木無山 ~ 天上山 ~ 河口湖駅
  • 三ツ峠山(みつとうげやま)日本二百名山新花の百名山山梨百名山
  • 山梨県南部の富士山の北に位置する標高1,785mの山。開運山(1,785m)・御巣鷹山(1,775m)・木無山(1,732m)3つのピークの総称として三ツ峠山と呼ばれており、登山では主に最高峰の開運山を対象として登られている。奈良時代から修験道の霊山として知られている信仰の山で、江戸時代後期の1830年代、空胎上人(くうたいしょうにん)により信仰の山として本格的に整備された。三ツ峠駅から登るコース上には多くの史跡が今でも現存している。

    山頂直下の屏風岩は、ロッククライミングの練習場として人気を博している。また、山頂付近は見晴らしが良く、近くの富士山を含めた周辺の山々を一望できるなど、様々な顔をもつ山。太宰治の短編小説「富嶽百景」にも登場している。

三ツ峠山のコース

主に利用されている登山口は、南西の河口湖駅(天上山)、南の三ツ峠駅、西の河口湖浅間神社、北西の三ツ峠登山口バス停、の4つ。北東の宝鉱山バス停付近からも登れるが、熟練者向けのコースとされている。
  • 三ツ峠駅コース登り利用
  • 南の三ツ峠駅から北に向かって登るコース。コース上には多くの史跡が今でも現存している。
  • カチカチ山コース下り利用
  • 河口湖駅から天上山(通称:カチカチ山)を経て三ツ峠山を目指すコース。天上山の山頂付近までロープウェイを使い登ることもできる。
  • 浅間神社コース
  • 河口湖浅間神社近くの河口局前バス停から登るコース。途中に母の白滝などの名所がある。
  • 三ツ峠登山口バスコース人気コース!
  • 北西の三ツ峠登山口から登るコース。三ツ峠山に登る場合の最短コース。
    他コースに比べて標高差も少ないため、車でなければこのコースから登って、三ツ峠駅や河口湖駅に下山するパターンが人気。
  • 北口登山道難コース
  • 北東の宝鉱山バス停から北口登山道沿いに登るコース。
    コース上に三段の滝、七福の滝、白竜の滝など、多岐の名所が多く点在する。傾斜がキツく、熟練者向けのコースとされている。
※コース名に厳密な名称はありません。
山と高原地図
三ツ峠山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「富士山」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

三ツ峠山コースレポート

三ツ峠山登山口 ~ 達磨石

三ツ峠駅コース

【07:23】三ツ峠駅に到着。
三ツ峠駅で下車した登山者は6~7人ほど。三ツ峠駅近くにローソンがあることは調査済みだったため、到着後すぐに水と朝飯を調達しに、ローソンへ。駅に戻ってきた時には、殆どの登山者は出発していたので、後発組としてスタート。

登山口まではマメに道標が設置されているため、迷うことはない。ただし、駅から登山口までの林道歩きがめっちゃ長い。ひょっとしてこのまま山頂まで林道歩き?と疑ってしまうほど長かった。結局、達磨石の手前まで林道が伸びており、駐車スペースもあったので、達磨石まで車で登ってくることも可能。
【8:31】憩の森公園に到着。
憩の森には駐車場と公衆トイレ、そして少し先には水場もある。この水場以降、山頂近くまで水場はないので、ココで水を満タンにしていった方が良い。
結局、達磨石の手前まで林道が伸びていた。達磨石手前に駐車スペースもあるが、スペースは狭いため、憩の森公園の駐車場を利用したほうが無難。
【8:49】達磨石に到着。
この達磨石は、三ツ峠山の中興の祖とされる空胎上人(くうたいしょうにん)がデザインし、後継者である三世安西和尚が建てたといわれる。真ん中の文字は、大日如来を意味する「梵」。この達磨石は実物大のレプリカが、三ツ峠駅にも設置されている。

達磨石 ~ 股のぞき ~ 馬返し

達磨石からようやく本格的な登山道かと思いきや、再び林道に出てしまう。しかし、すぐに山道に戻され、そこから本当の意味での登山がスタート。

登山道は整備されていてとても歩きやすい。倒木が登山道を遮っている場所で、登山道を整備する職人さん?と遭遇。これからこの倒木を撤去するらしい。こういう方のおかげで、登山道が歩きやすい状態に保たれているのだろう。

この区間で、山と高原地図には「大曲」という場所が記載されているが、標識などはなかった。コースがUターン気味に曲がっていた場所があったので、おそらくそこが大曲。

【9:19】股のぞきに到着。
股のぞきに標識はなくベンチだけが設置されている。股を開いたような木の隙間から富士山が見えることから、股のぞきと呼ばれているようだ。わざわざ木の隙間から覗かない方が、よく見えるけどね..。
【9:36】馬返しに到着。
馬返しには、標識があるだけで、他には何もない。馬返し以降は道が少し険しくなる。恐らく地名の由来は、馬返し以降は馬が進めず、馬を返す(引き返す)必要があるからだろう。

馬返し ~ 八十八大師

馬返し以降、少し道は険しくなるが、相変わらず登りやすい道ではある。途中に愛染明王塔(あいぜんみょうおうとう)、不二石などの史跡を通過する。
【10:08】八十八大師に到着。
なんか絵的にすごい。弘法大師が四国の八十八ヶ所の霊地を定めたが、江戸時代になって全国各地に八十八体の弘法大師像を建て、これに代えお参りしたというもの。ただし、現存している三ツ峠山の石仏は八十一体のようだ。一体ずつ表情が異なり、恐いぐらいリアルな表情をした石仏もある。

八十八大師 ~ 四季楽園

八十八大師以降は、親不知、愛宕尊、坂東三十三ヵ所観音塔、一字一石供養塔、神鈴権現社、西国三十三ヵ所観音文字塔、と史跡が連続する。また、山と高原地図には載っていなかったが、屏風岩手前に水場あり。水量が少ないので、雨量が少ない時は枯れているかも。
屏風岩周辺には数多くのクライマー。20~30人はいたと思う。屏風岩を回り込んだ先に分岐地点があり、開運山を目指すなら右方向に進む。
【10:54】四季楽園に到着。
四季楽園周辺はめっちゃ人が多い。どこから湧いてくるのかと思ったら、多くの登山者は北西の三ツ峠登山口から登ってきているようだ。

四季楽園 ~ 開運山 ~ 御巣鷹山 ~ 展望広場 ~ 木無山

山頂周辺は道が入り組んでいて少しわかりづらいが、四季楽園から開運山までは15分もあれば到着できる。なお、山頂周辺は足場が砂地のため登りにくい。

【10:50】開運山に到着。
山頂近くに展望台や四季楽園など食事のできる場所があるためか、食事している登山者はいない。そもそも、山頂スペースが狭く人の出入りも激しいので、落ち着いて食事ができそうにない。

当初は開運山で昼食を予定していたが、予定を変更して御巣鷹山に向け出発。開運山から御巣鷹山までは15分ほど。
【11:30】御巣鷹山に到着。
御巣鷹山の山頂は電波塔とその管理建屋で占有されており、山頂標識や広場などはない。皆、登ってきて建物の周囲を回り、何もないことを確認し、ガッカリして下山していく。ピークハントにこだわらなければ、御巣鷹山は登るだけ無駄。開運山での昼食予定を御巣鷹山に変更していたが、こんなところで食べても仕方ないので、さらに予定を展望広場に変更。
【11:48】展望広場に到着。
四季楽園のベンチだと休憩料100円が必要なため、展望広場で昼食休憩。なお、展望広場の近くに三ツ峠山荘もあるが、小屋周りにはガラクタが散乱しており、営業しているか不明。四季楽園と比較しても閑散としている。
【12:50】展望広場を出発。
木無山を経由して、天上山に下山する。

【13:08】木無山に到着。
途中にいくつかニセピークを通過する。山頂標識があるのはただの分岐地点で、ピークになっていない。木無山からの展望もきかず、ピーク感も無いため、ピークハントにこだわらなければ、寄る必要はない。

右側に進むと母の白滝経由で浅間神社に抜ける。今回は天上山経由なので左側に進む。

木無山 ~ 天上山

次なる目的地は送電鉄塔。史跡が点在していた三ツ峠駅からのコースとは対照的に、天上山への道となる府戸尾根は、特徴のない平凡な道。

【13:57】送電鉄塔に到着。
富士山にかかっていた雲はより大きくなり、山頂付近が完全に見えない。

送電鉄塔以降も続く平凡な道。距離が長い分、傾斜は緩やか。景色が代わり映えしないので、感覚的に天上山までとても長い時間に感じた。

新倉分岐のすぐ先にある霜山はコースを少し外れた場所にあるので、寄るなら少し注意が必要。まあ、寄っても何もないですけどね。

林道を横切る手前にある、湖畔下山道分岐は道標もなく、棒が1本立っているだけ。棒には「エルマーとりゅう」と書かれているが意味は不明。いたずら書きかも..。

林道から少し先に分岐がある。地図によると、左は天上山経由、右は天上山を巻く道の筈だが、巻く道の合流地点は見当たらなかった。見落としただけかもしれないが..。

しばらく進んだ先に、地図にない分岐。少し迷ったが左の道には「行くなサイン」があったので、右側を選択。しかし、天上山経由なら左が正解だった。
【15:06】天上山に到着。
天上山には小御嶽神社が祀られている。展望は木の隙間から、街並みが見える程度。天上山までくると、カチカチ山ロープウェイから登ってきている観光客もいるため、見かける人は数倍に増える。
【15:23】カチカチ山ロープウェイ富士見台駅の広場に到着。
富士山が世界遺産に登録された関係なのか、韓国・中国系の観光客が多い。ココから先はロープウェイを使っても良いが、登山なので歩くことにした。富士見台駅からの道は観光客も歩くため、これまで以上に整備された道。休憩用のベンチも数多く設置されている。
【15:23】河口湖駅に到着。
結局最後まで、富士山にかかっていた雲がとれることはなかった。

三ツ峠山コースタイム

予定 実際 場所
07:38 07:54 三ツ峠駅
09:08 08:49 達磨石
10:08 09:36 馬返し
10:58 10:08 八十八大師
- 10:54 四季楽園
12:03~13:03 11:04 開運山
13:23 11:31 御巣鷹山
- 11:48~12:50 展望広場
13:48 13:08 木無山
14:43 13:57 送電鉄塔
16:13 15:06 天上山
16:48 15:23 河口湖駅

三ツ峠山の難易度

難易度

09/30

総合難易度
必要体力 体力難易度2
コース距離 コース距離難易度4
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度0

登山難易度 登山難易度5
小屋・水場 小屋・水場難易度0
アクセス アクセス難易度0

総合難易度 総合難易度3

登山DATE

  • 歩行距離:19.64km
  • 登山歩数:29,998歩
  • 高度上昇:1,433m
  • 高度下降:1,189m
  • 出発高度:0,616m
  • 最高高度:1,785m

  • 標高の差:1,169m
  • 活動時間:06:31
  • 休憩時間:00:58

  • 合計時間:07:29
必要体力・距離
三ツ峠駅から登るコースの前半は林道歩きがメインで、その林道も歩きやすいため、実際の標高差よりも楽に感じた。また、素晴らしいのは登山道の整備が行き届いており、登りやすいこと。丹沢や、金時山のように登山道の裸地化(人間が歩いた踏み跡や、鹿の食害などで植物が育たなくなり地面が露出する現象)などもない。要所で、眺望のある場所や、修験道の名残を窺わせる史跡もあり、登っていて楽しく飽きないため、ツラさは殆ど感じない。
危険度・水場
序盤の林道歩きでは沢沿いを登るため水は豊富。屏風岩手前にも水場があり、山頂に行けば茶屋「四季楽園」もあるなど、水場に困らない。鎖場などの危険箇所もなく、水場や登山道の状況などを踏まえた、登りやすさはS級クラス。
登山者属性・アクセス
総括漫画「ヤマノススメ」の影響か、2~3人の山ガールが多かった。あとシニアやカップル、夫婦や家族登山者も多く、反面ソロ登山者は少ない。登山者の属性から感じたこととして、一人で登る山ではないかな..という印象。登山始めたばかりの方で、筑波山や高尾山など世俗的過ぎない山に登りたい場合、三ツ峠山はオススメできる。都心からも近く、交通の便も良いし。
総括

残念だったのは御巣鷹山。山頂が電波塔で占拠されており、あれはないわ..。木無山も展望がきかないため、ピークハントにこだわらないなら、登るのは開運山のみで十分。

コースは、北の三ツ峠登山口バス停から登り、南の三ツ峠駅に下山するコースが良いと思う。楽に登って、下山で屏風岩や修験道の史跡も楽しめる。

手軽に登れて展望も良く、水場や茶屋などもあり、危険な箇所もない環境に恵まれた山。反面、ハードな山行に価値を感じる男性登山者には合わない。やっぱり三ツ峠山は、女性向き、家族向きの山って感じかな。
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