[三ツ峠山登山レポ]
三ツ峠駅から登る史跡巡りの三ツ峠山登山
三ツ峠駅 ~ 開運山 ~ 御巣鷹山 ~ 木無山 ~ 天上山 ~ 河口湖駅
- 三ツ峠山(みつとうげやま)日本二百名山新花の百名山山梨百名山
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山梨県南部の富士山の北に位置する標高1,785mの山。開運山(1,785m)・御巣鷹山(1,775m)・木無山(1,732m)3つのピークの総称として三ツ峠山と呼ばれており、登山では主に最高峰の開運山を対象として登られている。奈良時代から修験道の霊山として知られている信仰の山で、江戸時代後期の1830年代、空胎上人(くうたいしょうにん)により信仰の山として本格的に整備された。三ツ峠駅から登るコース上には多くの史跡が今でも現存している。
山頂直下の屏風岩は、ロッククライミングの練習場として人気を博している。また、山頂付近は見晴らしが良く、近くの富士山を含めた周辺の山々を一望できるなど、様々な顔をもつ山。太宰治の短編小説「富嶽百景」にも登場している。
三ツ峠山のコース
- 三ツ峠駅コース登り利用
- 南の三ツ峠駅から北に向かって登るコース。コース上には多くの史跡が今でも現存している。
- カチカチ山コース下り利用
- 河口湖駅から天上山(通称:カチカチ山)を経て三ツ峠山を目指すコース。天上山の山頂付近までロープウェイを使い登ることもできる。
- 浅間神社コース
- 河口湖浅間神社近くの河口局前バス停から登るコース。途中に母の白滝などの名所がある。
- 三ツ峠登山口バスコース人気コース!
- 北西の三ツ峠登山口から登るコース。三ツ峠山に登る場合の最短コース。
他コースに比べて標高差も少ないため、車でなければこのコースから登って、三ツ峠駅や河口湖駅に下山するパターンが人気。
- 北口登山道難コース
- 北東の宝鉱山バス停から北口登山道沿いに登るコース。
コース上に三段の滝、七福の滝、白竜の滝など、多岐の名所が多く点在する。傾斜がキツく、熟練者向けのコースとされている。
三ツ峠山コースレポート
三ツ峠山登山口 ~ 達磨石
【07:23】三ツ峠駅に到着。
三ツ峠駅で下車した登山者は6~7人ほど。三ツ峠駅近くにローソンがあることは調査済みだったため、到着後すぐに水と朝飯を調達しに、ローソンへ。駅に戻ってきた時には、殆どの登山者は出発していたので、後発組としてスタート。
憩の森には駐車場と公衆トイレ、そして少し先には水場もある。この水場以降、山頂近くまで水場はないので、ココで水を満タンにしていった方が良い。
この達磨石は、三ツ峠山の中興の祖とされる空胎上人(くうたいしょうにん)がデザインし、後継者である三世安西和尚が建てたといわれる。真ん中の文字は、大日如来を意味する「梵」。この達磨石は実物大のレプリカが、三ツ峠駅にも設置されている。
達磨石 ~ 股のぞき ~ 馬返し
達磨石からようやく本格的な登山道かと思いきや、再び林道に出てしまう。しかし、すぐに山道に戻され、そこから本当の意味での登山がスタート。
登山道は整備されていてとても歩きやすい。倒木が登山道を遮っている場所で、登山道を整備する職人さん?と遭遇。これからこの倒木を撤去するらしい。こういう方のおかげで、登山道が歩きやすい状態に保たれているのだろう。この区間で、山と高原地図には「大曲」という場所が記載されているが、標識などはなかった。コースがUターン気味に曲がっていた場所があったので、おそらくそこが大曲。
【9:19】股のぞきに到着。股のぞきに標識はなくベンチだけが設置されている。股を開いたような木の隙間から富士山が見えることから、股のぞきと呼ばれているようだ。わざわざ木の隙間から覗かない方が、よく見えるけどね..。
馬返しには、標識があるだけで、他には何もない。馬返し以降は道が少し険しくなる。恐らく地名の由来は、馬返し以降は馬が進めず、馬を返す(引き返す)必要があるからだろう。
馬返し ~ 八十八大師
なんか絵的にすごい。弘法大師が四国の八十八ヶ所の霊地を定めたが、江戸時代になって全国各地に八十八体の弘法大師像を建て、これに代えお参りしたというもの。ただし、現存している三ツ峠山の石仏は八十一体のようだ。一体ずつ表情が異なり、恐いぐらいリアルな表情をした石仏もある。
八十八大師 ~ 四季楽園
四季楽園周辺はめっちゃ人が多い。どこから湧いてくるのかと思ったら、多くの登山者は北西の三ツ峠登山口から登ってきているようだ。
四季楽園 ~ 開運山 ~ 御巣鷹山 ~ 展望広場 ~ 木無山
【10:50】開運山に到着。
山頂近くに展望台や四季楽園など食事のできる場所があるためか、食事している登山者はいない。そもそも、山頂スペースが狭く人の出入りも激しいので、落ち着いて食事ができそうにない。
御巣鷹山の山頂は電波塔とその管理建屋で占有されており、山頂標識や広場などはない。皆、登ってきて建物の周囲を回り、何もないことを確認し、ガッカリして下山していく。ピークハントにこだわらなければ、御巣鷹山は登るだけ無駄。開運山での昼食予定を御巣鷹山に変更していたが、こんなところで食べても仕方ないので、さらに予定を展望広場に変更。
四季楽園のベンチだと休憩料100円が必要なため、展望広場で昼食休憩。なお、展望広場の近くに三ツ峠山荘もあるが、小屋周りにはガラクタが散乱しており、営業しているか不明。四季楽園と比較しても閑散としている。
木無山を経由して、天上山に下山する。
【13:08】木無山に到着。
途中にいくつかニセピークを通過する。山頂標識があるのはただの分岐地点で、ピークになっていない。木無山からの展望もきかず、ピーク感も無いため、ピークハントにこだわらなければ、寄る必要はない。
木無山 ~ 天上山
【13:57】送電鉄塔に到着。
富士山にかかっていた雲はより大きくなり、山頂付近が完全に見えない。
新倉分岐のすぐ先にある霜山はコースを少し外れた場所にあるので、寄るなら少し注意が必要。まあ、寄っても何もないですけどね。
林道を横切る手前にある、湖畔下山道分岐は道標もなく、棒が1本立っているだけ。棒には「エルマーとりゅう」と書かれているが意味は不明。いたずら書きかも..。林道から少し先に分岐がある。地図によると、左は天上山経由、右は天上山を巻く道の筈だが、巻く道の合流地点は見当たらなかった。見落としただけかもしれないが..。
しばらく進んだ先に、地図にない分岐。少し迷ったが左の道には「行くなサイン」があったので、右側を選択。しかし、天上山経由なら左が正解だった。天上山には小御嶽神社が祀られている。展望は木の隙間から、街並みが見える程度。天上山までくると、カチカチ山ロープウェイから登ってきている観光客もいるため、見かける人は数倍に増える。
富士山が世界遺産に登録された関係なのか、韓国・中国系の観光客が多い。ココから先はロープウェイを使っても良いが、登山なので歩くことにした。富士見台駅からの道は観光客も歩くため、これまで以上に整備された道。休憩用のベンチも数多く設置されている。
結局最後まで、富士山にかかっていた雲がとれることはなかった。
三ツ峠山コースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
07:38 | 07:54 | 三ツ峠駅 |
09:08 | 08:49 | 達磨石 |
10:08 | 09:36 | 馬返し |
10:58 | 10:08 | 八十八大師 |
- | 10:54 | 四季楽園 |
12:03~13:03 | 11:04 | 開運山 |
13:23 | 11:31 | 御巣鷹山 |
- | 11:48~12:50 | 展望広場 |
13:48 | 13:08 | 木無山 |
14:43 | 13:57 | 送電鉄塔 |
16:13 | 15:06 | 天上山 |
16:48 | 15:23 | 河口湖駅 |
三ツ峠山の難易度
09/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:19.64km
- 登山歩数:29,998歩
- 高度上昇:1,433m
- 高度下降:1,189m
- 出発高度:0,616m
- 最高高度:1,785m
- 標高の差:1,169m
- 活動時間:06:31
- 休憩時間:00:58
- 合計時間:07:29
お気軽にどうぞ!
残念だったのは御巣鷹山。山頂が電波塔で占拠されており、あれはないわ..。木無山も展望がきかないため、ピークハントにこだわらないなら、登るのは開運山のみで十分。
コースは、北の三ツ峠登山口バス停から登り、南の三ツ峠駅に下山するコースが良いと思う。楽に登って、下山で屏風岩や修験道の史跡も楽しめる。
手軽に登れて展望も良く、水場や茶屋などもあり、危険な箇所もない環境に恵まれた山。反面、ハードな山行に価値を感じる男性登山者には合わない。やっぱり三ツ峠山は、女性向き、家族向きの山って感じかな。