[御正体山登山レポ]
動坂峠から御正体山に登り石割山まで!4月に登る御正体山縦走登山
動坂隧道 ~ 岩下ノ丸 ~ 御正体山 ~ 前ノ岳 ~ 中ノ岳 ~ 石割山 ~ 石割の湯
- 道志山塊(どうしさんかい)
- 山梨県南東部、富士山北東にそびえる山地。御坂山地と丹沢山地との中間に位置する。主な山として、御正体山、鹿留山(ししどめやま)、杓子山(しゃくしやま)、今倉山、石割山などがある。
- 御正体山(みしょうたいやま)日本二百名山山梨百名山
- 山梨県都留市と南都留郡道志村の境にある標高は1,681mの山。道志山塊の最高峰。古くから信仰の山として知られており、山頂には御正体権現が祀られ、平成16年には皇太子殿下も御登頂されている。
- 石割山(いしわりやま)山梨百名山
- 山中湖の北部に位置する1,413mの山。山の中腹には石割神社が鎮座する。山頂から富士山の展望が良い。
御正体山のコース
冬季を除けば、池の平以外の登山口には路線バスが出ている。しかし、バスの本数は少ないため、利用する場合は時刻表を要確認。
※池の平は、北の砂原バス停から1時間ほど歩かなければならない上、バスの本数・時間的にも登山利用は不可。
- 三輪神社コース
- 北の三輪神社から登るコース。最寄りバス停は御正体入口。公共交通機関でアクセスする場合、最もポピュラーなコース。標準コースタイムは3時間15分。
- 動坂峠コース登り利用
- 北東の動坂峠から岩下ノ丸を経て登るコース。標準コースタイムは3時間50分。プチ縦走となるため、コース距離・時間は他コースより長め。
最寄りバス停は動坂隧道だが、動坂隧道発のバスは午前便しかないため、バスでアクセスする場合は下山利用できないコース。
- 白井コース
- 東の白井から登るコース。山頂手前の白井平分岐で、動坂峠コースと合流する。標準コースタイムは2時間50分。最寄りバス停は御正橋。
- 山伏峠コース下り利用
- 南の山伏峠から中ノ岳・前ノ岳を経て登るコース。標準コースタイムは3時間00分。最寄りバス停は山伏峠。
- 池の平コース
- 西の池の平から登るコース。山頂手前の峰宮跡展望台で、三輪神社コースと合流する。標準コースタイムは 2時間45分。マイカー利用でないとアクセスは厳しい。
※ 標準コースタイムは山と高原地図を参考にしています。
御正体山の登山計画
- プラン
- 毎年4月恒例体力づくり登山。今年白羽の矢を立てたのが、富士山の東西南北にそびえる二百名山。北の三ツ峠山、西の毛無山、南の愛鷹山、東の御正体山。今回はその第三段、東の御正体山。
- コース
- 当初は、三輪神社コースから登り、動坂峠へ下山しようと思ったが、動坂隧道発のバスは午前10時以降出ていないため断念。そこで逆周りを考えた。御正体入口バス停の最終バスは15時22分。標準コースタイムでスケジュールを組むと山頂に15分しか滞在できない計算。昼飯をゆっくり食べる時間もない。三輪神社コースのピストンは嫌だし..。そこで下山は山伏峠の山伏峠バス停に切り替えて時間計算。しかし、山伏峠も15時36分が最終で、山頂滞在時間40分でギリギリ。参考に他登山者がどのようなルートで歩いているかネット検索したところ、石割山経由で山中湖に下山しているレポートを発見。山中湖まで行けばバスも頻繁に出ている。という訳で、コース距離は長くなるが、バスの時間を気にせず歩けるため、このルートを選択。
- その他
- なお当日まで予定していなかったが、下山口近くに「石割の湯」という温泉があり、一緒のルートを歩いていた方が、下山後は「石割の湯」に入ると言っていたので、自分もつられて温泉に寄ってから帰ることにした。
御正体山コースレポート
道坂隧道登山口 ~ 道坂峠
バスの乗客は立ち乗りが出ない程度の満員。大人数の団体シニアが乗り込んでいるようだ。ほとんどの乗客は御正体入口バス停で下車するかと思いきや、下車したのは1組のみ。それ以外は全員、道坂隧道バス停で下車。
【8:55】道坂隧道バス停に到着。
この団体シニアは何処が目的かと思いきや、同じ道志山塊の今倉山が目的のようだ。御正体山目的は自分含めて4名のみだった。
道坂トンネル横の道を登り、トンネル上の道坂峠を目指す。標準コースタイム15分の道のりで、スタート直後なので足早に歩く。道坂峠まで急な上りもあるが、特筆すべき事柄はない。
バス停名にもなっている道坂隧道(旧道坂トンネル)は現トンネルの脇道に存在した隧道(トンネル)で、現在は完全に塞がれている。
ここでほとんどの登山者は今倉山方面へ。自分を含めた残り数名が御正体山へ向かう。
道坂峠 ~ 岩下ノ丸
【9:26】1,217.2mピークに到着。
名もなきピークだが、山と高原地図に1,217.2mのポイント地点とされている。山桜は咲いているが、その他何かある訳でもないため、そのまま通過。
山頂は樹林に阻まれ展望・眺望はきかない。直前の登りが身にこたえ、岩下ノ丸で少し休憩。
岩下ノ丸 ~ 白井平分岐
白井平分岐は、白井コースとの合流地点。白井コースから登ってきたであろう団体シニアが休憩中。自分も少し休憩していたが、団体シニアが出発しそうな雰囲気になり後ろにつくと面倒なので、先に出発。
白井平分岐 ~ 御正体山の山頂
白井平分岐から御正体山頂までは終盤の難所で、山頂まで直登の急登。標準コースタイムは50分だが、この50分という時間が悩ましい。飛ばして一気呵成に登るには長い時間だが、山頂直下なのでダラダラは登りたくない。なので、ほどほどのハイペースで登る。
急登のタイプ的には奥多摩で登った三頭山のヌカザス尾根に似ている。弧を描いたような半円状の尾根を、上へ上へと登る。踵が地面に付けられないような急勾配があったり、足元がズルズル滑るような箇所もあるなど、登りにくさも加わり容易には進めない。30分ほど経過して、急登を登りきったと思われる場所にニセピークあり。時間的にも雰囲気的にもニセピークのニオイがプンプンしていたので、それほどショックは受けなかったが、このニセピークからもうひと踏ん張り登らなければならない。このあたりまでくると、体力切れにシャリバテも加わり結構キツかった。
尾根が広がり道が緩やかになってくると山頂も近い。ちなみに時期限定だが、山頂付近にはバイケイソウが数多く自生していたので、山頂が近いことの目印になる。山頂には3組5名の登山者のみで、4月の晴れの土曜日なのに寂しい感じ。前情報通りだが、展望・眺望はきかない。山頂にあるのは、山名標識・標柱、ベンチが一基、小さな祠、「御正体山自然保全地区」の案内板、「平成16年10月15日皇太子殿下御登頂」の記念板。新緑の季節には少し早いこともあり、日陰がほとんどなく直射日光が上から照りつける。ベンチは既に使用されていたため、僅かな木陰に座り込み休憩。
当初、御正体山での昼食を予定していたが、展望・眺望はきかず日陰もほとんどない山頂であることに加えハエも多く、昼食を食べる気になれなかったので予定変更。事前に他登山者のブログをチェックしていたが、そのブログでは下山途中の「送電鉄塔(256)※」で昼食を食べていたのを思い出す。下山途中に前ノ岳と中ノ岳を通過するので、雰囲気が良ければそこで食べても良いし、良くなければ「送電鉄塔(256)」で食べることにした。なお、昼食へのつなぎとしてパンだけ食べておいた。
※山と高原地図に書かれているのでそのまま掲載したが、(256)は鉄塔の番号かと思われる。御正体山の山頂 ~ 送電鉄塔(256)
【11:49】御正体山の山頂を出発。
前ノ岳、中ノ岳を経由して送電鉄塔(256)に向かう。先に書いておくと、送電鉄塔(256)まで平凡な樹林帯のため見どころはない。富士山に向かって歩いているため、富士山の眺望を期待したが、木々の隙間から時折見える程度だった。
山名標柱とベンチが一基あるのみで、展望はきかない。ココでの昼食はパスして先に進む。
【12:38】中ノ岳に到着。
山名標柱とベンチが二基あるのみ。前ノ岳よりスペースは広くやや開放感はあるが、前ノ岳同様に展望はきかないため、ココでの昼食もパス。少し疲れたので5分ほど休憩してから出発。
鉄塔巡視路への分岐だが、山と高原地図には掲載されていない。「送電鉄塔」という言葉が脳に焼き付いていたので、この「鉄塔巡視路」という道標に対し過敏に反応してしまう。右側に送電鉄塔が見えていたので「コースは真っ直ぐではなく右では?」という疑念が湧いてしまった。ちなみに、道標に書かれている「外ヨリ林道」は地図に載っていない。また、道標の真っ直ぐ進む道は「山伏峠分岐」となっているが、地図には「石割山分岐」となっている。冷静に考えれば「山伏峠分岐 = 石割山分岐」だけど、この微妙な表記ゆれも迷わされた原因の1つ。1分ほど思案したが、最終的にはコンパスの方角が決定打となり「山伏峠分岐」方面へ進み、結果的にこちらが正解だった。
それにしても鉄塔巡視路とか、送電鉄塔の関係者しか通らないような道を、堂々と道標に書くのは止めてほしい..。送電鉄塔(256) ~ 石割山
【13:56】送電鉄塔(256)を出発。
日向峰(ひゅうがみね)経由で石割山を目指す。後で気付いたが、山伏峠へ下っても15時36分のバスに十分間に合う時間なので、山中湖まで行かなくてもよかった..。
上の写真の山は、昼飯を食べた送電鉄塔(256)からも見えていた山で、他登山者と「天城山かな?」という会話をしていたが、帰ってからgoogleマップで確認したところ、おそらく箱根山かと。
途中で通過する日向峰だが、気付かず通過。後に調べると、登山道は山頂を巻いており、仮にピークを見付けたとしても山名標識もないようだ。他登山者のブログをみたところ「この先行き止まり」と書かれた標識の先にあるようだが、そんな標識は見かけなかった..。石割山からは、ドカーンと富士山が見える秀逸の風景。素晴らしいです。でも石割山の山頂は土むき出しの地面に日陰もないため、まるで鉄板の上で焼かれているように暑い..。
【15:12】石割山を出発。
あとは山中湖に下り、石割の湯に入って帰るだけ。なお、途中に石割神社があるので、今回も“山の神社にはお参りする”という慣例に従ってお参りしておいた。
【15:56】富士見平に到着。
「富士見平」という地名だが、それほど富士山は見えない。ココで山中湖の平野地区に直接下る道と、石割の湯を経由する迂回路に分かれるため、石割の湯方面に向かう。
石割の湯の直前まで誰もいない山道だったので、この先に温泉があるとは思えない雰囲気だったが、突然景色が開け石割の湯が現れる。
【16:18】石割の湯に到着。
御正体山のコースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
08:47 | 08:55~08:57 | 道坂隧道バス停 |
09:02 | 09:12 | 道坂峠 |
09:27 | 09:26 | 1,217.2mピーク |
10:17 | 09:57 | 岩下ノ丸 |
11:47 | 10:44 | 白井平分岐 |
12:37~13:27 | 11:29~11:49 | 御正体山山頂 |
13:57 | 12:10 | 前ノ岳 |
14:22 | 12:38 | 中ノ岳 |
14:57 | 13:08~13:56 | 送電鉄塔(256) |
15:12 | 14:05 | 石割山(山伏峠)分岐 |
15:57 | - | 日向峰 |
16:32 | 15:12~15:31 | 石割山 |
17:07 | 15:56 | 富士見平 |
17:32 | 16:18 | 石割の湯 |
17:52 | - | 平野バス停 |
御正体山の難易度
14/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:16.28km
- 登山歩数:25,526歩
- 高度上昇:1,144m
- 高度下降:1,183m
- 出発高度:1,005m
- 最高高度:1,681m
- 標高の差:0,676m
- 活動時間:05:54
- 休憩時間:01:29
- 合計時間:07:23
お気軽にどうぞ!
御正体山単独ならともかく山中湖まで抜けるとコース距離も長くなり、難易度も上がる。体力的難所は、1,217.2mピークへの上り、岩下ノ丸への上り、そして御正体山への上り。その中でも、一番の体力的難所は御正体山への上り。それ以外にも、全体的に小規模なアップダウンが多くあり、距離も長いので健脚向けのコース。
石割山分岐から石割山までの区間は、下山モードになってからの1時間20分なので、歩く気力を奮い立たせるのに苦労した。距離は、林道歩きを除けばおよそ15km。所要時間は休憩を除けば約6時間。時間・距離ともにそこそこ長く歩いている。
結果的に標準コースタイムをかなり巻いて行動できていた。特に顕著だったのは「岩下ノ丸 ~ 白井平分岐」で、標準コースタイム1時間30分に対して45分と半分の時間で到着している。その他の区間も概ね5~10分ほど短縮できていたので結果的にだが、このタイムなら三輪神社コースから下山しても、御正体入口のバスに乗れていただろう。御正体山の登山道に滑落を注意するような危険個所はないが、石割山分岐から石割山までは崩落箇所がいくつかあったので少し注意が必要。道迷いの心配は全体を通してない。
水場に関して、三輪神社コースから登れば途中に1カ所水場はあるようだが、今回歩いたコース上に水場はない。2.5Lの水を持って登ったが、石割山で水がなくなったので、持参する水の量をよく考えて、水分補給も計画的に行った方が良い。展望・眺望もきかず、歴史的建造物や遺構があるわけでもないため、見所に乏しい。長所をあげるなら、雰囲気の良い尾根歩きのできる箇所がいくつかあった点。あと、コースの特徴的にトレランとの相性が良いようで、登山者と同じぐらいトレランが多かった。適度な間隔で難所があるので、体力づくりには良い山かもしれない。