羊蹄山

羊蹄山登山

羊蹄山

Yoteizan

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[羊蹄山登山レポ]
標高差約1,700m!倶知安コースから登る羊蹄山登山

2021年9月19日(日)天候:曇りのち晴れ
トリフィートホテル&ポッドニセコ ~ 比羅夫登山口 ~ 羊蹄山 ~ 真狩登山口 ~ 「公園入口」バス停
  • 羊蹄山(ようていざん)日本百名山
  • 北海道後志地方南部にある、標高1,898mの成層火山。別名を「蝦夷富士」「後方羊蹄山(しりべしやま)」とも呼ばれ、 西南北海道で一番の高さを誇る。羊蹄山の植物は「後方羊蹄山の高山植物帯」として国の天然記念物に指定されている。羊蹄山の麓には、 質・量ともに優れた泉が10カ所以上あり、中でも北東山麓の京極町にある吹き出し公園の湧水、南麓の真狩村富岡にあるカムイワッカ(神の水)が有名で、毎日多くの観光客や水を求める市民を集めており、ミネラルウォーターも販売されている。北西の麓に火山活動で生じた火口湖「半月湖」がある。

羊蹄山のコース

羊蹄山のコースは、倶知安コース、京極コース、真狩コース、喜茂別コースの4つ。
それぞれのコースにそれぞれ登山口があり、どの登山口からも標高差は1,500mほどある。全ての登山口に公共交通機関(バス)でアクセスが可能。
  • 倶知安(くっちゃん)コース登り利用
  • 半月湖のある、北西の比羅夫登山口から登るコース。バス停は「羊蹄登山口」で登山口まで徒歩30分。比羅夫駅からも近く、駅から徒歩で登山口にアクセスすることも可能。
  • 真狩(まっかり)コース下り利用
  • 南の羊蹄山自然公園内にある真狩登山口から登るコース。バス停は「公園入口」で登山口まで徒歩30分。登山口の近くに羊蹄山の湧き水「カムイワッカ(神の水)」がある。
  • 京極コース
  • 北東の京極登山口から登るコース。バス停は「京極バスターミナル」で登山口まで徒歩1時間。登山口近くの吹き出し公園には「羊蹄ふきだし湧水」がある。
  • 喜茂別(きもべつ)コース
  • 南東の喜茂別登山口から登るコース。バス停は「比羅岡入口」で登山口まで徒歩1時間。
山と高原地図
羊蹄山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「ニセコ・羊蹄山」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

羊蹄山の登山計画

プラン
9月の3連休の最終日9/20に急遽仕事で札幌出張が入ったため、前入りして羊蹄山に登る計画を立てた。ちなみに北海道の登山は羊蹄山が初。
アクセス

9/18を移動日として、倶知安駅近くの「トリフィートホテル&ポッドニセコ」に宿泊。当初は倶知安駅からバスで「羊蹄登山口」バス停まで移動する予定だったが、最も早いバスでも8時21分着。明日の仕事の用事で19時には札幌駅に到着している必要があったため、バスでは間に合わない。そこで、早朝にアクセスするため、登山口まで徒歩でアクセス可能な「トリフィートホテル&ポッドニセコ」を選択した。早朝に登山口へアクセスできるが、1時間の国道歩きと標高差が200mほど増えるという代償を払うことになった。なお、仕事の荷物を「トリフィートホテル&ポッドニセコ」のロッカーに保管しているため、帰路は一旦ホテルまで戻り、荷物を回収して徒歩で倶知安駅に向かうことになる。

記事を書いていて気付いたが、比羅夫登山口近くに「蝦夷富士小屋」があるため、ココに宿泊した方が良かったかも。
コース
コースはアクセス面から倶知安コースで即決。帰路は一旦ホテルまで荷物を取りに戻る必要があるため、ホテル近くの「倶知安橋」バス停で下車する必要がある。その関係で真狩コースを選択。(他2つのコースは羊蹄山の北東を周回するため倶知安橋に停車しない)登山口からバス停までの距離が最も短いのも真狩コースだったので、様々な面で都合が良かった。

羊蹄山コースレポート

トリフィートホテル&ポッドニセコ ~ 比羅夫登山口

【4:49】「トリフィートホテル&ポッドニセコ」を出発。
国道5合線をひたすら真っすぐ進み、「羊蹄登山口」バス停付近で左に曲がる。ちょとしたトピックスとして、国道5合線を歩いているとき、「きつね」を見かけた。これまでの登山できつねを見たことはなかったので、さすがは北海道です。
ポイントコンビニ
ホテルの隣に「ローソン 倶知安南11条店」があるので、水や食糧はココで調達ができる。少し先にセイコーマートもあるが24時間営業ではない。
羊蹄登山口付近で左に曲がるが、大きな看板があるのですぐにわかると思う。途中に半月湖もあるが、少し寄り道となるためパス。車なら寄ってみるのも良いかと。
【6:08】比羅夫登山口に到着。
駐車場のトイレは閉鎖されており、半月湖のトイレ利用が推奨されていた。徒歩だとちょっと難しい..。ちなみに、後で他登山者から「登山口まで歩いてませんでしたか?」って話しかけられたので、歩いていたのは自分だけだったようだ。会話した登山者は道外の方だったが、レンタカーでアクセスされてました。

比羅夫登山口 ~ 倶知安コース2合目

【6:15】比羅夫登山口を出発。
倶知安コースには○合目と書かれた標識がコース上に設置されている。まず、1合目までは平坦な道。
1合目以降は本格的な上り道で、ココから羊蹄山の山体に取りつくイメージ。ちなみに、山と高原地図には1~2合目の間に「風穴」と書かれているが、特段そのような場所は見当たらなかった。
【7:04】倶知安コースの2合目を通過。
山と高原地図では2合目がポイント地点になっている。確認すると、ほぼ予定通りのコースタイム。

倶知安コース2合目 ~ 倶知安コース6合目

写真は少し前後するが、2合目以降振り返ると、倶知安市街地方面の展望が望めるようになる。
2合目以降も淡々と登る。これまでとの違いは、少し道幅が広くなった程度。道は比較的単調です。
記事では淡々と綴っているが、実際は結構しんどかった。コロナの影響で5月以降は登山をしておらず体がなまっている上、登山口からの標高差が1,548mもあるタフなコース。ボディーブローのように、徐々に体力を消耗していく感じ。道が単調なので、疲れも感じやすい。
【8:41】倶知安コースの6合目に到着。
予定より約5分遅れ。疲れがコースタイムの遅れに出てきている。ちなみに6合目だけ標識ではなく、ペンキだった。

倶知安コース6合目 ~ 倶知安コース9合目

6合目から7合目も、これまでと同様に単調な道。
8合目あたりから、頭上が開けて成層火山特有の山頂が近い感が出始めるのと、紅葉で草木が色づき始めるなど、景色にも変化が現れる。
【10:01】倶知安コース9合目に到着。
コースタイム4分巻き返したため、9合目で5分ほど休憩。到着直後は霧に覆われていた9合目だが、休憩している間に天候回復。ちなみに、9合目は羊蹄山避難小屋への分岐地点でもある。

倶知安コース9合目 ~ 羊蹄山の山頂

9合目からは羊蹄山の火口に取りつく。この区間はやはり、これまでより傾斜が急。あと、9合目から羊蹄山の山頂までは「火口に出る」+「火口の縁を歩く」と2つの工程があるため、山頂まで意外と遠い。
この斜面も最初は一面霧に覆われていたが、登っている途中で晴れてきました。晴れ男パワー発揮です。っていうか元々晴れ予報のはずだし。
この区間は最後の難所。ココを登ればあとは火口の縁を歩くだけなので、最後の力をふり絞って登る。でも、この区間は草紅葉に大量のナナカマドの実などに加え、開放感もあるので素敵ゾーンでもある。
【10:31】羊蹄山の火口に到着。
ココからお鉢巡りで山頂を目指すが、倶知安コースの場合、山頂は火口の真反対に位置するため、ココからも結構歩く。すでに標高1,500mほど登り体力を使いきっていたので、最後のお鉢歩きがキツかった..。
ポイント羊蹄山の火口
山頂には直径700m・深さ200mの父釜があり、西北西斜面に側火口の母釜と子釜がある。
羊蹄山の父釜の火口は見事でした。中央にある馬の蹄のような模様が特徴。
【10:54】羊蹄山の山頂に到着。
予定より5分早く到着できましたが、めちゃくちゃ疲れました。とりあえず1時間は休憩。本日の昼食はガスバーナーなしのため、コンビニのおにぎりやパン。
到着直後は少々雲が多かったが、時間がたつにつれて天候回復。洞爺湖も当初は雲で見えなかったが、時間の経過とともに見えるようになった。
9月後半の北海道の山なので、防寒対策をバッチリしてきたが、むしろ暑かった..。

羊蹄山の山頂 ~ 真狩コース分岐 ~ 9合目

【12:08】羊蹄山の山頂を出発。
予定より8分遅れてのスタートだが、下山なので巻き返せるだろう。羊蹄山の火口の南側だが、登りで歩いた北側よりも岩場が多く道は険しい。
【12:38】真狩コース分岐に到着。
少々疲れたので5分ほど小休憩。ちなみに完全なお鉢巡りはできなかったが、火口の縁を8割ほどは歩いたので、ほぼお鉢巡り完了としておきます。
ポイント父釜に下りるなら..
火口の父釜に下りるなら、この真狩コース分岐から下りるのが標高差もなくても下りやすいらしい。下りている人はいませんでしたが..。
【12:46】真狩コース分岐を出発。
火口から9合目付近までは、倶知安コース同様に展望が開けた気持ちの良い素敵ゾーンです。
【12:57】真狩コースの9合目を通過。
巻き返すどころか予定より17分遅れと、さらなるタイムロスが発生。

真狩コース9合目 ~ 真狩登山口

時間が予定よりオーバーしているので、念のため9合目からはハイペースで下る。
基本的には真狩コースも倶知安コースと似たようなタイプ。ただ、真狩コースの方が、展望は良い気がしたが、下山利用だったのでそう感じただけかも..。
3合目を過ぎたあたりから、ようやく樹林帯に入る。
2合目と3合目の間だけ、何故か2合目半がありました。1合目と2合目の間にある南コブ分岐が、山と高原地図のポイント地点になっているため時間をチェック。15分ほど時間を巻きかえしていたので、南コブ分岐で休憩をとる。ハイペースで下ったので疲れた。
倶知安コース同様に1合目以降は、ほとんど平坦な道。そのまま、進むと登山口のある羊蹄山自然公園に出る。
【15:19】「羊蹄自然公園入口」バス停に到着。
バスは15時34分なので、15分前に到着できた。このバスに乗り「倶知安橋」バス停で下車し、ホテルの荷物を回収して、徒歩で倶知安駅へ。そのまま電車で札幌へ向かい、会社で少し仕事をして、22時過ぎに札幌のホテルへチェックイン。ハードスケジュールでめちゃくちゃ疲れました。

羊蹄山コースタイム

予定 実際 場所
04:30 04:49 トリフィートホテル&ポッドニセコ
06:05 06:08~06:15 比羅夫登山口
07:05 07:04 倶知安コース2合目
08:35 08:41 倶知安コース6合目
10:05 10:01~10:06 倶知安コース9合目
11:00~12:00 10:54~12:08 羊蹄山の山頂
12:25 12:38~12:46 真狩コース分岐
12:45 12:57 真狩コース9合目
13:25 13:26 真狩コース6合目
14:45 14:27~14:35 南コブ分岐
15:05 14:48 真狩登山口
15:25~15:35 15:19~15:35 「羊蹄自然公園入口」バス停

羊蹄山の難易度

難易度

19/30

総合難易度
必要体力 体力難易度5
コース距離 コース距離難易度4
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度7
小屋・水場 小屋・水場難易度3
アクセス アクセス難易度3

総合難易度 総合難易度6

登山DATE

  • 歩行距離:22.43km
  • 高度上昇:1,737m
  • 高度下降:1,685m
  • 出発高度:0,174m
  • 最高高度:1,898m

  • 標高の差:1,724m
  • 活動時間:08:58
  • 休憩時間:01:48

  • 合計時間:10:46
必要体力

羊蹄山はどの登山口から登っても標高差が1,500mほどあるため、数値だけ見ると体力面では上級者向けの山。特段難所がある訳ではなく、地味な登山道がひたすら続くため、疲労の蓄積でやられるタイプ。自分の場合ホテルから徒歩でアクセスしたので、その標高差は1,724mと、無茶苦茶キツイ登山だった。これは、標高差以外にも、新型コロナの影響で5月以降は登山を自粛していたため、体力づくりができていなかったことも原因。荷物はいつもより軽いはずなので、体力の低下を実感し、ちょっとショックだった。

北海道の学校では学校行事で羊蹄山に登ることもあると、北海道出身の友人から聞いていたので、ちょっと甘く見ていた面もある。
距離・時間
コース距離は舗装道路歩きを除いたとしても15kmほどは歩いており、時間も活動時間で約9時間。体がなまっていたとはいえ、それなりのペースで登ったにも関わらずコースタイムどおりだったので、山と高原地図の標準コースタイムはやや厳しめ。
危険度
道迷いの危険性は皆無。火口の南側が少し険しかったので、危険度1にしたが、そこを通らなければ、危険度は0(ゼロ)。鎖場は一切なかった。危険個所がほとんどないため、学校行事の登山には適していると思う。
山小屋・水場

湧き水で有名な羊蹄山だが、不思議とどのコース上にも水場は一切ない。そのため、登り下りの水はすべて持参しなければならず、水の観点では難易度高め。また、羊蹄山の9合目には避難小屋があり、6~10月ごろまでは管理人も常駐しているが、寝床とトイレの提供のみで、飲食物の販売などは一切行っていない。麓の比羅夫登山口近くには「蝦夷富士小屋」という有人山小屋があるので、こちらの山小屋も含めてうまく利用すれば、効率的な山行になるだろう。

※コロナの影響で2021年現在、避難小屋は緊急時を除き宿泊できない。
アクセス
北海道というだけで、道外からのアクセス難易度は高くなる上、札幌駅から電車で3時間前後かかるので、羊蹄山周辺までのアクセス難易度は高い。ただし、周辺までくれば公共交通機関も出ており、タクシーでも短距離でアクセス可能な登山口もあり、近距離面でのアクセスは良い。
総括
登山の難易度を科学的な数値で表せる「コース定数」で計算すると「41」(40超は1泊以上の計画要)だったので、定数上はギリギリ日帰りできない難易度の高さということになる。私的な評価としても、体力的要素に牽引されて登山難易度は高め。9合目に避難小屋はあるが、飲食物の提供がないため中途半端感が否めない。さらに水場が一切ないことも難易度を高める要因となっている。時間に余裕のある早朝に車でアクセスして、ゆっくり行動すれば、難易度の高さはそれほど影響せずにすむだろう。
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