薬師岳

薬師岳登山

薬師岳

Yakushidake

白

[薬師岳登山レポ]
折立から登る薬師岳ピストン登山

2020年8月25日(日)~ 8月26日(月)天気:曇りのち晴れ
折立 ~ 薬師平山荘 ~ 薬師岳 ~ 折立
  • 薬師岳(やくしだけ)日本百名山花の百名山新花の百名山
  • 富山県富山市の南東部に位置する標高2,926 mの山。北アルプス(飛騨山脈)北部の立山連峰の主要峰。薬師如来の浄土として信仰を集めた信仰の山で、山頂には薬師如来を祀った小さな祠があり、銅剣など、数々の修験の宝具も奉納されている。東斜面には大規模な氷河地形の薬師岳圏谷群(カール)、金作谷カール、中央カール、南稜カールなどがあり、国の特別天然記念物に指定されている。

薬師岳のコース

有峰周辺案内図 有峰周辺案内図。(緑のラインが折立コース)
薬師岳の登山口は、折立のみ。(理論上、南西の飛越トンネルからも登れるが一般的ではない)それ以外はすべて縦走となる。縦走の場合は北の立山から五色ヶ原を経由するコースが利用されている。その他、雲ノ平や黒部五郎岳などとセットで山行に組み入れられる事が多い。
  • 折立コース登り利用下り利用人気コース!
  • 折立から太郎平山を経由して山頂を目指す、最もポピュラーなコース。
    コース上には太郎平小屋、薬師峠キャンプ場、薬師岳山荘などのキャンプ地や山小屋がある。
山と高原地図
薬師岳のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「剱・立山」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

薬師岳の登山計画

プラン
当初は8/1~8/2を予定していた薬師岳登山だが、薬師岳山荘の予約が取れずにリスケ。さらに今回のスケジュールも当初は、24日(土)~ 25日(日)だったが、土日の天気が悪かったため、1日ずらして 25日(日)~ 26日(月)に変更。ただし、 25日(日)は午後から天候が崩れる予報だったので、初日は薬師岳山荘に早着し、薬師岳の登頂は翌日の予定に組み込んだ。(26日は晴れ予報)
コース
本当は縦走したかったが、薬師岳で縦走となると、北の五色ヶ原か、南の黒部五郎岳になるが、どちらも山中で2泊以上が必要なため、仕事の関係で断念。素直に折立のピストンにしておいた。
アクセス

往路は、新宿から富山駅まで深夜の高速バスが出ており、富山駅からは電鉄富山に乗り、有峰口で下車。有峰口から路線バスで、折立に向かう。復路は富山駅までは同じだが、2020年度はコロナの影響で、昼便の「富山→東京」間の高速バスが運休しているため、長野までローカル線で移動して、長野から高速バスで東京まで帰ることにした。

有峰口から折立までの路線バスだが、予約が可能。大型連休などの場合は、事前に予約しておいた方が安全です。

薬師岳コースレポート

折立登山口 ~ 三角点ベンチ

【8:10】折立に到着。
バスは2人掛けシートに1人で着席できる状態で、ほぼ席が埋まっている状態だった。バス停は登山口のすぐ目の前なので、迷う心配はない。
ポイント 折立にクマ出没
2020年度の夏、折立キャンプ場付近にクマの目撃情報が相次いでおり、折立キャンプ場は閉鎖されている。

折口登山口に登山ポストはなく「登山計画書は太郎平小屋で提出して下さい」と書かれていた。太郎平小屋までの間で遭難したらどうするのかね..。登山口にある折立ヒュッテに水道が設置されており、たぶん飲める水かと。なお、折立ヒュッテは、施錠されていて中には入れない。また、折立周辺はクマの目撃情報が相次いでいることから、少々物々しい雰囲気が漂っていた。

【8:27】折立登山口を出発。
トイレに行ったり出発準備を整えたりしていた間に、バス組の大半は出発していた。
折立登山口から三角点ベンチまでの道は、最初こそ傾斜は緩やかだが、すぐに傾斜が出始める。そして、それなりの急登が三角点ベンチまで続く。他の登山者も口を揃えて言っていたが、本コースの中でも最も体力的にツライ区間。
【9:36】三角点ベンチに到着。
三角点ベンチで一気に頭上が開ける。この区間の標準コースタイムは2時間。出発して1時間10分ほどだったため、もう少し上りが続くと思っていたので、助かった..。疲れたので三角点ベンチで5分ほど休憩。ベンチはあるが、日陰がほとんどないので、激暑です。

三角点ベンチ ~ 五光岩ベンチ

三角点ベンチからは、閉ざされた道に戻ったり、再び頭上が開けたりを何度か繰り返す。
三角点ベンチ出発直後は、道の傾斜も緩やかで体力回復ゾーンです。しかし30分ほど登ったあたりから、傾斜が出始める。
三角点ベンチから太郎平小屋までの区間は、日陰が一切ないため、直射日光をもろに受け、暑さで体力を奪われる。ちょうどこのとき、階段を造っている途中だったので、完成すれば段数も増えて登りやすくなるだろう。
薬師岳の山頂は完全に雲かぶり。ちなみに地名の由来にもなっている五光岩は矢印のあたりかと。名前が付くほど特異な岩には見えない..。

五光岩ベンチ ~ 太郎平小屋

【11:39】太郎平小屋に到着。
太郎平小屋にはたくさんベンチが設置されいるが、日陰のあるベンチがほとんどないため、鉄板状態。太郎平小屋には水場があるため、100円募金して水を飲むが、生ぬるいお湯みたいな水だった。沢の水を引き上げているようだが、この暑さにより貯水タンク内でお湯に変わってました。「太郎平小屋の水場

コースタイムは2時間弱ほど短縮しているが、天候が心配だし、太郎平小屋にいても暑いだけなので、おにぎりを2個だけ食べたら、すぐにこの先にある薬師峠に向かう。薬師峠には沢からポンプで引いた水場がある。

太郎平小屋 ~ 薬師峠キャンプ場 ~ 薬師平

【12:03】太郎平小屋を出発。
太郎平小屋から薬師峠までの区間は、上りがなく平坦移動と下りのみ。体力回復ゾーンです。

【12:22】薬師峠キャンプ場に到着。
薬師峠キャンプ場にはトイレと水場がある。トイレはかなりきれい。また、太郎平小屋の水場の水と違って冷たかったです。日差しが照りつけるこの暑さなので、水が激ウマで、まさに回復の泉。薬師峠で10分ほどの水休憩をとる。 「薬師峠キャンプ場の水場

薬師峠出発直後は、樹林帯の道へ。この区間の序盤は沢沿いを登るため、水の補給が可能。道はガレ場だが、大半は地面に固定された動かない岩で、こういう道は大得意。水を飲んで体力も少し回復したし、標高がドンドン上がっている感じがするので、モチベーションも上がる。
ポイント 薬師岳山荘の水について
薬師岳山荘は、水場がなく水が乏しい山小屋のため、薬師峠周辺の沢や水場で、十分に水を補給することをオススメします。

山と高原地図に「迷」マークが書かれていたのが、上の写真あたり。でも、岩にペンキで目印も書かれているので、迷う可能性はあまりない。

なお、この薬師峠から薬師平までの区間がキツかったという意見を他の登山者からちらほら聞いたが、個人的には楽だった。理由は、日差しの暑さで体力を奪われることがなかったため、沢沿いを登るため水を遠慮なく飲めたこと(出発直後の少しの区間)、こういうタイプの岩場は個人的に得意なため。
【13:10】薬師平に到着。
木道が敷かれて、少し開けた平坦な場所。ベンチ2基とケルンがある。

薬師平 ~ 薬師岳山荘

薬師平あたりで、遠くから雷音が聞こえ始めたため、先を急ぐ。なお、この区間を登っている途中で雨がパラパラと降ってきたので、ザックカバーを出してレインコートを羽織りました。

上の写真の山頂らしきピークは、実は山頂ではない。写っている建物は避難小屋。実際の山頂はその奥にあり、上の写真の角度からは見えない。

薬師岳山荘近くのハイマツ帯付近に、3羽の親子連れのライチョウがいました。遠くには逃げないが、絶妙に一定の距離をとるライチョウだったので、超広角レンズではこの被写体の大きさが限界でした..。

薬師岳山荘は、日曜日ということもあり、30人弱ほどとあまり混んでいなかった。日が沈んだあとは、他登山者と食堂で会話していたが、明日も早いので消灯時間の20時30分には就寝。

なお、明日の天気は晴れ予報だが、万が一霧が出ていた場合などを考慮し、山頂でギリギリの時間まで滞在できるよう、翌日の朝食はお弁当にしておいた。
ポイント 薬師岳山荘の感想や評判はブログにまとめているので、興味のある方はそちらもご参照ください。
■ 北アルプス薬師岳の山小屋「薬師岳山荘」の評判と感想

薬師岳山頂

【5:04】薬師岳山頂に到着。
薬師岳山荘を出発したのが、4時30分ごろだったので、30分ほどで到着。(重い荷物は山荘に置いてます)5時12分頃の日の出予報なので、ちょうど良い時間に到着できた。
ポイント 薬師岳圏谷群(カール)
薬師岳には、東斜面には大規模な氷河地形の薬師岳圏谷(カール)群があり、次の4つの代表的な圏谷がある。 北から順に、北カール(崩壊で不明瞭)、金作谷カール、中央カール、南稜カール。なお、薬師岳山頂から見えるのは、金作谷カール、中央カールのみ。
山荘でよく話していた登山者は、五色ヶ原に向かうために出発。その他の登山者も全員が朝食を食べに山荘に戻っていったため、15分ほど山頂独り占めでした。

薬師岳 ~ 薬師岳山荘

5時50分ぐらいまで山頂に滞在していたが、6時40分には薬師岳山荘を出発する予定なので、そろそろ出発。折立からのバスを逃すとヤバいので。
ポイント 折立からのバス
折立からのバスは1日に2本で、1本目は9時で2本目は11時40分。(2020年度の時刻表)2本目のバスを逃すと、タクシーかヒッチハイクになってしまう。
ちなみに山頂付近の避難小屋は、名前こそ避難小屋だが、単なる石が積まれた囲いです。「薬師岳山頂付近の避難小屋
【6:18】薬師岳山荘に到着。
山頂で朝食弁当を食べていたので、あとは出発準備を整えるだけ。

薬師岳山荘 ~ 太郎平小屋

【6:45】薬師岳山荘を出発。
出発が予定より5分遅れたが、概ね時間通りに出発。まずは太郎平小屋を目指す。ちなみに、薬師平から薬師岳山荘の間にはお花畑が点在しているので、この区間は花を楽しみながら歩くことができる。
薬師平から薬師峠キャンプ場まで下降して、そこから太郎平小屋まで登り返しとなる。
前日はよく見えなかった黒部五郎岳への道がよく見える。太郎平小屋から黒部五郎岳まで約5時間。目で見ると近いようだが、時間はかかる。

太郎平小屋 ~ 折立登山口

太郎平小屋で少し休憩してから出発。
この区間、下りはとても歩きやすい上、景色は良いしで最高です。ただし、下りでも少々暑い..。
三角点ベンチ以降は、ひたすら樹林帯を下るのみ。

【10:47】折立登山口に到着。
約1時間前に到着できました。ちょっと早めだけど、着替えたりする時間もあるので、ちょうど良かったかと。ただ、バスの時間に間に合ってホッとする反面、これから約12時間かけて電車とバスを乗り継いで東京まで戻らなければならないので、ちょっと気が重い..。

ちなみに、折立から有峰口行きのバスですが、平日ということもあり乗車したのは自分を含めて3名のみでした。往路はそれなりに混んでいたので、その他の登山者は2泊以上の縦走登山者ということだろう。

薬師岳のコースタイム

1日目

予定 実際 場所
08:10~08:23 08:10~08:27 折立
10:23 09:36~09:41 三角点ベンチ
11:53 10:53 五光岩ベンチ
13:23~13:38 11:39~12:03 太郎平小屋
13:58 12:22~12:32 薬師峠キャンプ場
14:38 13:10 薬師平
15:48 13:52 薬師岳山荘

2日目

予定 実際 場所
04:10 04:30 薬師岳山荘出発
05:00~05:30 05:04~05:50 薬師岳山頂
06:10~06:40 06:18~06:45 薬師岳山荘
08:20 08:05~08:10 太郎平小屋
10:20 09:39~09:45 三角点ベンチ
11:30 10:47 折立

薬師岳の難易度

難易度6

17/30

総合難易度
必要体力 体力難易度4
コース距離 コース距離難易度5
所要時間 所要時間難易度4
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度7
小屋・水場 小屋・水場難易度0
アクセス アクセス難易度3

総合難易度 総合難易度6
※ アクセスは東京基点 
評価基準の詳細はこちら。

登山DATE 2日間

  • 歩行距離:23.22km
  • 高度上昇:1,702m
  • 高度下降:1,692m
  • 出発高度:1,350m
  • 最高高度:2,926m

  • 標高の差:1,682m
  • 活動時間:09:39
  • 休憩時間:02:20

  • 合計時間:11:59
必要体力
体力的に厳しいのは、折立~三角点ベンチ、五光岩ベンチ手前にある300段ほどの階段およびその前後の上り道、薬師峠キャンプ場~薬師岳山荘。全体的に緩急のあるコースで、楽なところとキツイところがはっきりしていた。
時間・距離
距離もあり時間もかかるため、トレランでもない限り基本は宿泊前提の山。ただ、1日では厳しいが、2日あれば、それほど苦にはならないスケジュールを組むことができる。山と高原地図の標準コースタイムだが、午後から天候が崩れる予報だったので急いだとはいえ、2時間早く薬師岳山荘に到着できているので、標準コースタイムはかなり余裕をもって設定されている。
危険度
道中に鎖場はなく、滑落を危ぶむような危険箇所もなし。道迷いの心配もほとんどない。ただ、ガレ場が多いため歩行に少し注意が必要な点と、三角点ベンチ以降は日陰がほとんどないため熱射病には注意が必要。日焼け止めや帽子・頭巾などは持参した方が良い。
山小屋・水場
コース上には太郎平小屋、薬師岳山荘があり、水場は太郎平小屋、薬師峠キャンプ場およびその周辺、薬師岳山荘(有料)とあるので、山小屋および水場の環境には恵まれている。特に、薬師峠キャンプ場およびその先の沢の水は重宝する。薬師岳山荘には無料の飲料水がないため、ここで水を満タンにしておけば、山小屋で水を買う必要がなくなる。
アクセス
例年なら富山駅から折立行きの直通バスが運行しているが、2020年度はコロナ感染症の影響で運休。公共交通機関でアクセスする場合は、有峰口まで電車で移動し、そこから路線バスとなる。ネックとなるのはバスの本数が少なく、復路の最終便が早いこと。もう少し遅い便を作ってくれると山でゆっくり過ごすことができるのだが..。
総括
この山域は2泊以上で縦走する登山者が多いので、玄人っぽい登山者が多い印象だった。ただ、折立からのピストンで、1泊2日の日程であれば、スケジュール的には余裕のある山行になる。危険箇所はほとんどないが、距離もあり体力や時間もそこそこ必要で、宿泊前提ということを踏まえると中級者以上向けの山と言える。
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