日本百名山、那須岳登山記録

日本百名山那須岳

白

[那須岳登山レポ]
那須連山の主脈、茶臼岳・朝日岳・三本槍岳縦走登山

2018年5月26日(土)天候:晴れ時々くもり
ロープウェイ山頂駅 ~ 那須岳 ~ 朝日岳 ~ 三本槍岳 ~ 北湯登山口 ~ 北湯入口
  • 那須連山(なすれんざん)
  • 那須連山は、栃木県と福島県にまたがる火山群の総称。那須岳は日本百名山に選定されているが、深田久弥氏は『那須岳とは那須五岳(茶臼岳、朝日岳、三本槍岳、南月山、黒尾谷岳)の中枢を成す茶臼岳、朝日岳および三本槍岳のこと』と述べている。つまり日本百名山の那須岳とは、那須連山の主脈である、3つの峰(茶臼岳、朝日岳、三本槍岳)の総称である。
  • 茶臼岳(ちゃうすだけ)日本百名山
  • 茶臼岳の別称が那須岳で、那須連山の主峰で標高1,915mの山。かつては硫黄の採掘が行われており、近年でも那須岳の西斜面にある噴気孔からは噴煙が出ており、硫黄の臭気が漂っている。山頂近くまで那須ロープウェイが運行しており初心者でも楽に登れるため、那須連山の中で最も人気が高い。
  • 朝日岳(あさひだけ)日本百名山
  • 那須連山の一角をなす標高1,896mの山。北に三本槍岳、南に茶臼岳があり、朝日岳はその中間に位置する。
  • 三本槍岳(さんぼんやりだけ)日本百名山
  • 那須連山の最高峰、標高1,917mの山。那須連山の北にあり、山域は栃木県と福島県の県境に跨っている。山頂から北西に爆裂火口湖「鏡ヶ沼」がある。

那須岳のコース

那須岳はどの山を登るかによってコースは多岐にわたるが、一般的には茶臼岳を基準に「茶臼岳のみ」「茶臼岳 + 朝日岳」「茶臼岳 + 朝日岳 + 三本槍岳」という3パターンが一般的。
また、北・南・西からアクセスするには長時間必要な縦走コースしかないため、南東の那須町から登っている登山者が大半を占める。下記は、一般的に利用されているコースのみピックアップした。北の甲子山(かしさん)や南の南月山、西の大倉山経由の縦走コースは割愛している。
  • 茶臼岳・朝日岳のコース
  • 那須ロープウェイコース登り利用人気コース!
  • 那須ロープウェイ山麓駅からロープウェイで山頂駅まで移動して、そこから茶臼岳を目指すコース。最短で気軽に登れるため登山者以外の利用者も多い。
  • 峰の茶屋コース
  • 那須ロープウェイ山麓駅からロープウェイを使わず、峰の茶屋跡を経由して登るコース。歩いて登るコースでは最も利用者が多い。
  • 高雄口登山道
  • 南東の那須湯本温泉から、高雄口登山道沿いの登るコース。数少ない水場が途中にあるコース。
  • 三本槍岳のコース
  • 中の大倉尾根下り利用
  • 南東の中の大倉山から、中の大倉尾根沿いに登るコース。中の大倉山までは北湯から徒歩で登るか、那須ゴンドラを利用して登ってくるかのいずれかになる。
地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

那須岳の登山計画

都内から日帰りできる百名山ということで、急遽計画したのが今回の那須岳登山。まず、日本百名山の那須岳は、那須連山の主脈である茶臼岳、朝日岳、三本槍岳の総称であるため、この3峰の縦走を前提とした。当初はロープウェイを使わない予定だったが、いざスケジュールを組んでみると、標準コースタイムではこの3峰を3つとも登るのは時間的に厳しいことが判明。コースタイムを巻けばなんとかなるが、それでも同じ道を結構な距離戻らなくてはならず、無駄の多いスケジュールとなってしまう。仕方なく妥協して、登りはロープウェイを利用することにした。これにより、茶臼岳、朝日岳、三本槍岳を南から北に向かって効率よく縦走することができ、時間的にも無理が生じない。

またアクセスだが、当初は8:20黒磯駅発 → 9:22那須ロープウェイ着のバスを予定していたが、7:45那須塩原発 → 8:55那須ロープウェイ着 のバスでギリギリ間に合うことが判明。しかし、7:45那須塩原駅発のバスに乗るには、7:32那須塩原駅着の新幹線に乗るか、在来線の7:44那須塩原駅着かのどちらか。新幹線を使えば十分間に合うが、たった30分ほどの時間短縮に、大宮からの新幹線代2,590円は高く感じる。しかし在来線だと乗り換え時間がたったの1分。迷ったが、ココはこの1分にかけて、駅からダッシュすることにした。まあ、仮に乗り過ごしても、次のバスに乗れば、当初の予定どおり9:22には着くわけだし。

那須岳コースレポート

那須ロープウェイ ~ 茶臼岳

【8:54】那須ロープウェイ山麓駅に到着。
7:45那須塩原駅発のバスにダッシュして、1分乗り継ぎに成功したため、9時前に到着することができた。なお、参考までに那須塩原駅での乗り継ぎについて書いておくと、電車は真ん中よりやや前よりの車両に乗ると階段が近い。またバス停は西口の階段下ってすぐ目の前なので、すぐわかると思うが、西口2番乗り場となる。

【9:05】那須ロープウェイ山頂駅に到着。
山麓駅からたった5分なので、あっという間だった。那須ロープウェイ山頂駅には売店があるので、ココで腹ごしらえも可能。もちろんトイレもある。

【9:15】準備を整え、那須ロープウェイ山頂駅を出発。
トイレに行くなど準備にもたついたので、同じロープウェイに乗ってきた登山者の中でも後発。山頂駅の標高は1,684mなので、標高差231mを登れば茶臼岳の山頂となる。登山道は火山特有のザレ場。柵が設置されるなど登山道は整備されているが、いかんせん地面はザレ場なので、足がズルズル滑って登りにくい。
15分ほど登ると、ザレ場からガレ場に登山道が変わっていく。個人的には、ザレ場より足場はしっかりしているので登りやすく感じたが、シニア登山者による渋滞が発生していたので、シニアには登りにくいのかも。
北側には噴火口跡があり、上からバッチリ見下ろすことができる。だが、噴煙は確認できず、硫黄臭もしない。
山頂スペースは広く、ピークとなる那須岳神社周辺は人も多いが、少しピークから外れると腰をかけられる岩やスペースは十分あるので、手狭感や窮屈感はない。ガスバーナーは置く場所に苦慮しそうだが、お弁当を食べるスペースは十分ある。

茶臼岳 ~ 峰の茶屋跡避難小屋

【9:58】茶臼岳を出発。
茶臼岳はあくまで3峰のあるうちの1つだし、人も多いので長居は無用。

茶臼岳からは噴火口をぐるっと周り、峰の茶屋跡避難小屋経由で朝日岳を目指す。
峰の茶屋跡避難小屋までは、茶臼岳から右に迂回しながら大きく下る。道は引き続きガレ場。
峰の茶屋跡避難小屋は、那須ロープウェイ山麓駅から歩いて登る、峰の茶屋コースが合流している地点。峰の茶屋跡避難小屋から遠くまでコース上を見渡せるが、意外と自力で登っている人が多いことに驚いた。

峰の茶屋跡避難小屋 ~ 朝日岳

峰の茶屋跡避難小屋から10分ほど、斜面に伸びるトラバース道を歩き、そして少し険しめの岩場を抜ける。
【10:57】朝日岳に到着。
茶臼岳やこの後に登る三本槍岳と異なり、天に向かって尖った山頂であるため、山頂が狭い。しかも、ザックをデポしていた団体が山頂にいるため、狭い山頂が余計に狭く感じる。朝日岳山頂での食事は、よほど人がいない日でなければ難しいだろう。 反面、展望・眺望は他2つの峰と比べても優れている。

朝日岳 ~ 三本槍岳

【11:07】朝日岳を出発。
眺望は良いが、人が多く落ち着かないため、10分ほどで切り上げ、最後の三本槍岳に向かう。団体が朝日岳分岐で、デポしたザックを回収し、出発しようとしていたので、急いで追い抜き逃げるように先を急いだ。
熊見曽根を左に曲がって進んだ先に、三斗小屋温泉がある。那須温泉郷を構成する温泉で、アクセスは徒歩のみであるため、軽登山レベルの装備や体力が必要。そのため、秘境の温泉と言われており「大黒屋」「煙草屋(外部リンク)と、2軒の山小屋風旅館が営業している。2018年現在、日帰り入浴は不可。

1900m峰から清水平まで下降し、北温泉分岐を目指す。

意外だったのが1900m峰以降、すれ違う登山者が多かったこと。この登山者たちは北から縦走してきてるとは思えないので、おそらくロープウェイ山麓駅まで車でアクセスし、ロープウェイで登り、茶臼岳~朝日岳~三本槍まで歩き、ロープウェイ山麓駅まで戻っている途中と思われる。

清水平に下る道の途中にシャクナゲの花が、六~八分咲き程度で咲いていた。下山で歩く、中の大倉尾根は満開だったので、写真はのちほどそちらを掲載。また、清水平は湿原ではないが、植生保護のためか木道設置されている。

【11:41】北温泉分岐に到着。
下山時は右に進むが、まずは左に進み三本槍岳を目指す。

北温泉分岐から少し下ったあとに、三本槍岳に向けた最後の上り道。と言っても、激しい上りではなく時間も正味15分ぐらい。自分の場合、体力に余裕もあったので一気呵成に登りきった。
三本槍岳のうんちく

【12:00】三本槍岳に到着。
三本槍という尖った形をイメージさせる山名だが、山頂は丸いお椀型。岩場だった茶臼岳や朝日岳と異なり、山頂周辺には植物が自生している。そのうち修復されると思うが、このとき山名標識は倒れていた。

茶臼岳や朝日岳に比べて人は少ないだろうと予想していたが、意外にも人が多い。山頂スペースは広いとは言えず、昼食スペースを探すのに苦慮している人を多数見かけた。さらに途中で追い抜いた団体が登ってくると大混雑。あまりの混雑に、一組山頂から北側に見える、片道10分ほどの鏡ヶ沼展望所まで足を伸ばし、そこで休憩している登山者もいた。
山頂に1時間20分ほど滞在していたが、なんか人が多くてあまり落ち着かなかったので、自分も鏡ヶ沼展望所まで行けば良かったかと・・。

三本槍岳 ~ 中の大倉山

【13:22】三本槍岳を出発。
北温泉分岐を経由し、中の大倉尾根沿いを下り、ゴンドラ乗り場のある中の大倉山を目指す。
那須連山のうんちく

中の大倉尾根は、尾根の形がはっきりとしている尾根。遠くの尾根上にゴンドラリフトの建物が見え、歩く道筋が遠くからも見てとれる。また、赤面山分岐以降も要所でシャクナゲの花が咲いていた。

樹林帯に入ったあとは、ツツジやシロヤシオ(ゴヨウツツジ)の花が出迎えてくれる。

【14:53】中の大倉山に到着。
山名標識は「中大倉山」と書かれていた。那須ゴンドラを利用して登っている登山者もいたようだが、那須ロープウェイに比べればごく僅か。なぜなら、那須ゴンドラを利用しても、三本槍岳まで2時間ほど登る必要があり、多少ショートカットできてもロープウェイのように手軽に登れるという訳にはいかないためだろう。

中の大倉山 ~ 北温泉

中の大倉山には那須ゴンドラが開通しており、山頂周辺はゴンドラを起点に周遊できる遊歩道になっている。そのため、中の大倉山の遊歩道では、数組のハイカーを見かけた。

遊歩道を抜けてからは、樹林帯を抜けていくが特筆すべき事はない普通の登山道。ポイント地点は途中に林道を横切る箇所が1カ所ある程度。あとは北湯までひたすら歩くのみ。
登山口は、ちょうど北温泉旅館の裏手から出てくるような感じ。登山口に川が流れており、喉が乾いていたので少し飲んでみた。変な味はしなかったが、那須岳は火山だし、水の色がやけにきれいなターコイズブルーなので大量に飲むのは危険かも・・。橋を渡り、私有地っぽい場所を抜け、旅館の表に回り込む。

北温泉 ~ 北湯入口バス停

【15:49】北温泉旅館に到着。
めっちゃ雰囲気良さげな温泉旅館。日帰り入浴もやっているが、北温泉旅館からバス停まで30分ほど歩かなければならず、16:42の最終バスに間に合わない可能性があり断念。こんなことなら、山頂滞在時間を短くすれば良かった・・。北温泉旅館には、温泉プールがあり、めっちゃ気持ちよさそうだったし。

北温泉旅館から、10分弱ほどかけて坂を登ると北温泉旅館の駐車場に到着。そこから舗装道路を15分ほど歩き北湯入口バス停へ向かう。
【16:11】北湯入口バス停に到着。
バス停の周りには何もない。那須ロープウェイから出る本日の最終バスなので、座れるか心配だったが、バスはガラガラだった。往路のバスには、20人ぐらい乗っていたので、もっと早い便で帰っていると思われる。あとは、やっぱり車で着ている人が多いということか・・。

那須岳コースタイム

予定 実際 場所
08:54 08:54 那須ロープウェイ山麓駅
09:24 09:05~09:15 那須ロープウェイ山頂駅
08:59~10:14 09:43~09:58 茶臼岳
10:34 10:21 峰の茶屋跡
11:24~11:39 10:57~11:07 朝日岳
11:59 11:16 熊見曽根
12:24 11:41 北温泉分岐
12:54~13:39 12:00~13:22 三本槍岳
13:59 13:43 北温泉分岐
14:14 14:13 赤面山分岐
15:04 14:53 中の大倉山
16:04 15:49 北温泉
16:29 16:11 北湯入口
16:42 16:42 バス乗車

那須岳の難易度

難易度

12/30

総合難易度
必要体力 体力難易度2
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度5
小屋・水場 小屋・水場難易度2
アクセス アクセス難易度1

総合難易度 総合難易度4
※ 25,494歩(那須ロープウェイ山麓駅~北湯入口バス停までの歩数)
※ アクセスは東京基点
評価基準の詳細はこちら。
必要体力・距離
今回は登りで初めてロープウェイを利用した上、3峰間のアップダウンも激しくなかったため、体力的には楽だった。体力が必要だった場面と言えば、「峰の小屋跡避難小屋~朝日岳」「三本槍岳への最後の登り」ぐらいかと。距離は林道歩きを除けば概ね12kmと、自分の日帰り登山の移動距離としては平均的。
危険度・山小屋・水場

朝日岳手前に切り立った崖際を歩く場所はあったが、危険個所と言えばそこぐらい。あとは、ガレ場があるので、足をくじかないように注意する程度の危険度。

大半は日帰り登山なので、クリティカルではないが、水場がほとんどなく水の買える有人山小屋もないことが難点。
アクセス
栃木と福島の県境だが、都内から公共交通機関でも日帰りが可能。ロープウェイが開通していることもあり、バスの本数も1日10便ほど出ており、アクセス面では恵まれている。
総括

3峰を比較すると、眺望・展望の良さは、[1]朝日岳、[2]茶臼岳、[3]三本槍岳、山頂の広さは、[1]茶臼岳、[2]三本槍岳、[3]朝日岳。

茶臼岳に人が多いことは想定していたが、三本槍岳にあれだけ人が多いのは想定外。今回歩いたルートの中で、中の大倉尾根以外の登山道は、人も多く行楽地化が進んでいる印象。ロープウェイで気軽に登れる上、山周辺には温泉施設も充実しているので、当然と言えば当然かもしれない。一人でガツガツ登る山ではなく、グループで楽しく登る方が適した山。
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