[木曽駒ヶ岳登山レポ]
空木岳から縦走する木曽駒ヶ岳!空木岳・木曽駒ヶ岳縦走登山その2
木曽殿山荘 ~ 東川岳 ~ 熊沢岳 ~ 檜尾岳 ~ 千畳敷 ~ 木曽駒ヶ岳 ~ 千畳敷
- 木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)日本百名山花の百名山
- 中央アルプス(木曽山脈)の北部に位置する標高2,956mの山で、中央アルプスの最高峰。周辺には木曽前岳、中岳、伊那前岳、宝剣岳などがあり、これらの山々の総称とする場合もある。東側斜面に広がる千畳敷カール2,600mまでロープウェイが運行されているため、ロープウェイ利用の登山者が圧倒的に多い。また、周辺には複数の山小屋があり、夏期を中心に営業を行っている。
- 千畳敷カール(せんじょうじきかーる)
- 木曽駒ヶ岳の東側斜面にあるカール(氷河の侵食作用によってできた広い椀状の谷)の名称。麓のしらび平駅から千畳敷駅まで、駒ヶ岳ロープウェイが通年運行されている。ちなみに千畳敷駅は鉄道も含めた日本最高所の駅であり、駅併設のホテル千畳敷も、同じく日本最高所にあるホテル。夏は多くの高山植物が咲き乱れ、春には千畳敷スキー場が開設される。
木曽駒ヶ岳のコース
- 千畳敷コース下り利用人気コース!
- 千畳敷駅までロープウェイを利用し、千畳敷カールを登り中岳を経て登るコース。ロープウェイを利用できるため、老若男女問わず登れる人気のコース。やや熟練者向けになるが、大回りして宝剣岳を経由することも可能。
- 木曽山脈縦走コース登り利用
- 南の空木岳から、木曽殿山荘、東川岳、熊沢岳、檜尾岳、島田娘、宝剣岳、中岳を経て、木曽駒ヶ岳に至るコース。どちらかと言うと木曽駒ヶ岳から空木岳へ逆走する登山者のほうが多い。
木曽駒ヶ岳の登山計画
- プラン
- 中央アルプスの空木岳、木曽駒ヶ岳縦走登山の2日目。本日は、木曽殿山荘から東川岳、熊沢岳、檜尾岳、宝剣岳を経て木曽駒ヶ岳を目指す。下りは千畳敷からロープウェイを使って下山する。
- その他
- 木曽駒ヶ岳へは、宝剣岳を経て向かう予定だったが、木曽殿山荘の管理人さんから、宝剣岳へは寄らず、一度千畳敷に下りロープウェイの整理券を貰ってから、木曽駒ヶ岳へ向かったほうが良いとアドバイスされる。その理由は、宝剣岳は木曽駒ヶ岳方面からの登山者で渋滞すること、またロープウェイの夕方便も混雑するため、先に整理券を貰った方が良いという理由だった。しかし、この助言は間違っており、後々苦しむことになる。
関連レポート
木曽駒ヶ岳コースレポート
木曽殿山荘 ~ 東川岳
【5:30】木曽殿山荘を出発。
昨日の夜から降っている雨は止んではいないが小雨。当初は3時30分に弁当持参で出発する予定だったので、2時間遅れての出発。この雨だが、最新の天気予報では回復するとのこと。雨は降っているが、小雨のため雨具は、レインパンツは履かずレインウェアのみ装着。
いきなりの直登だったが、区間も短かかったので問題はなかった。東川岳に着くと雨も止んだため、カメラを取り出し撮影。雨は止んだが、引き続き濃霧で展望ゼロのため、すぐに熊沢岳に向け出発。
東川岳 ~ 熊沢岳
稜線上を歩いているため、晴れていれば景色は最高のはずだが、展望ゼロなのが泣けてくる..。
天気予報は回復傾向なため、熊沢岳までに晴れることを期待していたが、濃霧で展望ゼロ。そんなに疲れていないのと、あまり時間に余裕もないため、行動食だけ食べてすぐに出発。
熊沢岳 ~ 檜尾岳
次なる中間目的地は檜尾岳。熊沢岳からの標準コースタイムは1時間50分。熊沢岳出発直後に、山と高原地図に「岩場の間を通り滑りやすいので注意」と書かれ、危険マークが付いた箇所がある。ココは、細い尾根の入り組んだ岩の間を抜けるので注意が必要。踏み外したらヤバイって箇所もあったし。
【8:52】檜尾岳に到着。
檜尾岳は木曽駒ヶ岳までのちょうど中間地点。檜尾岳に到着してから数分後にみるみる霧が晴れ、一気に青空が広がる。ようやく天候回復。天気も回復したため、靴下を履き替えたり、行動食食べたりしながら中休憩。
檜尾岳 ~ 濁沢大峰
【9:31】檜尾岳を出発。
天候が回復して、気持ちが高揚したので長居してしまった。
山名杭はあるが、文字は消えて読み取れない。杭の斜め後方の岩に登れば、周囲の展望を楽しむことができる。
濁沢大峰 ~ 島田娘 ~ 極楽平 ~ 千畳敷
次なる中間目的地は島田娘。目視でもわかるが、ココも一旦下っての登り返し。下る標高はそれほどでもないが、濁沢大峰2,724mに対して島田娘2,858mと標高を上げるので、下った以上の登り返しがある。ただし、上りは2段階になっており、途中に平坦な箇所があるため、体力的には直登よりも楽。
【11:42】極楽平に到着。
当初の計画では、極楽平から宝剣岳を抜けて木曽駒ヶ岳へ行く予定だった。しかし、木曽殿山荘の管理人さんから、宝剣岳は木曽駒ヶ岳からの登山者で渋滞することと、ロープウェイの夕方便が混雑するため、先に千畳敷まで下りて整理券を貰っておくようにアドバイスされていた。自分は高速バスを予約しているため、確かに先に整理券を貰っておいた方が安全なので、極楽平から駒ヶ岳ロープウェイ千畳敷駅へと向かう。しかし、このアドバイスは間違っており、後に苦しむことになる。
千畳敷 ~ 乗越浄土
【12:00】駒ヶ岳ロープウェイ千畳敷駅に到着。
すぐさま、整理券を貰おうと千畳敷駅のスタッフに尋ねるも、整理券は配っていないとのこと。ガーン( ̄□ ̄;)
詳細を尋ねると、整理券は混んでいる場合には配るが、今日はそれほど混んでいないので、配っていないらしい。ということは、まったくの無駄足。極楽平から標高250mほど下っているので、この出来事が心理的に与えた影響は計り知れない。
さて、気分を切り替えてと言いたいところだが、やはり無駄足で250mも下ってしまった精神的影響は大きい。12時を過ぎた頃から、霧も出てきており気持ちも焦る。そんな状況だが、登らない訳にはいかないので、残る体力と気力を振り絞り千畳敷を登り返す。
まずは千畳敷から稜線にある乗越浄土(のっこしじょうど)を目指す。千畳敷カールを登るため、かなりの急登。ロープウェイ利用者が登るため、高齢者や子供、登山経験のなさそうな人も多く、皆さんかなりキツそう。自分も例外ではなく、かなりキツかった。「予定通り宝剣岳を抜けていれば、こんな急登を登らなくても良かったのに..」とか思いながら登っているので、精神的にもキツイ。安全面では、落石が発生しないよう石は金網で固定されるなど、対策が施されている。乗越浄土から宝剣山荘の裏を抜け、中岳を通り木曽駒ヶ岳を目指す。
乗越浄土 ~ 木曽駒ヶ岳
木曽駒ヶ岳の山頂スペースは広く、お椀型をしている。昨日の空木岳同様に、フラフラになりながら平地を見つけてすぐに倒れ込み、そのまま数十分ほど寝込んでしまった。
木曽駒ヶ岳山頂
木曽駒ヶ岳 ~ 千畳敷
結局1時間45分ほど滞在していた。16時30分までに千畳敷まで下山しなければならないが、時間には少し余裕があったので、頂上木曽小屋経由のプチ迂回路で下山する。
駒ヶ岳頂上山荘のトイレを利用しようと思ったら利用料200円だったため、千畳敷駅まで我慢することに。山小屋のトイレ利用の相場は100円なので、釈然としない気がしたためだが、駒ヶ岳頂上山荘だけでなく山頂周辺の山小屋のトイレ利用料は200円で統一されているようだ。
登りの中岳越えは巻き道を歩いたため、下山では山頂経由の道を選択。【16:18】駒ヶ岳ロープウェイ千畳敷駅に到着。
千畳敷のスタッフから指定された16時30分の10分前に到着。しかし、配布された整理券の乗車時間は17時10分。しらび平発17時20分のバスに乗車し駒ヶ根IC発18時20分の高速バスに乗車しなければならず、この時間では間に合わない。あれだけ念押して確認したのに..。12時頃到着したときとは別のスタッフに状況を説明したところ、前倒しして乗車させてくれる神対応。これにはホント助かった。
そして後に、臨時バスについても千畳敷駅のスタッフから嘘の説明をされた事が発覚。麓のしらび平駅からバスの臨時便は多数出ているが、臨時便の行き先はすべて「菅の台バスセンター」まで。これは、殆どの乗客が菅の台バスセンター近くの駐車場に、車を駐車してやってきているため。女体入口(駒ヶ根IC)や駒ヶ根駅まで行くなら、通常の路線バスに乗らなければならない。
12時にやってきたとき対応したスタッフには嘘の説明ばかりされたが、夕方のスタッフさんには大変感謝。おかげで、路線バスや高速バスにも十分間に合い、無事東京に戻ってこれました。この場を借りてお礼申し上げます。関連レポート
木曽駒ヶ岳のコースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
03:30 | 05:30 | 木曾殿山荘出発 |
04:10 | 05:49 | 東川岳 |
06:00~06:30 | 07:22~07:32 | 熊沢岳 |
08:20~08:30 | 08:52~09:31 | 檜尾岳 |
09:50 | 10:29~10:35 | 濁沢大峰 |
11:40 | 11:42 | 極楽平 |
11:55~12:05 | - | 宝剣岳 |
- | 11:58~12:05 | 千畳敷駅 |
13:15~13:45 | 12:45 | 乗越浄土(宝剣山荘) |
14:45~15:15 | 13:16~14:53 | 木曽駒ヶ岳 |
16:05 | 15:42 | 乗越浄土(宝剣山荘) |
16:55 | 16:18 | 千畳敷駅 |
17:00 | 17:00 | ロープウェイ乗車 |
木曽駒ヶ岳の難易度
16/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:13.30km
- 登山歩数:25,503歩
- 高度上昇:1,203m
- 高度下降:1,091m
- 出発高度:2,864m
- 最高高度:2,956m
- 標高の差:0,092m
- 活動時間:09:23
- 休憩時間:01:25
- 合計時間:10:48
お気軽にどうぞ!
木曽殿山荘から東川岳まで登ったあと、檜尾岳手前までは起伏の緩やかな稜線歩きのため、この区間は楽。その後、檜尾岳、濁沢大峰、島田娘とピーク越えの上りが続くため、檜尾岳以降は体力を消耗する。そして本文にも書いたが、南から縦走してくる場合、ロープウェイの整理券配布の有無に関わらず千畳敷に一旦下りるのは、おすすめできない。木曽殿山荘の管理人さんからはそうするようにアドバイスされたが、混雑した急登の道を登り返す必要があるため、体力的に相当キツい。宝剣岳は鎖場もあり、滑落事故も起きているようなので、鎖場が苦手でどうしても通りたくないなどの理由でなければ、宝剣岳を抜けたほうが無難。
距離は地図ソフトの計測では14kmだったが、もっと歩いた気がする。下山でロープウェイを利用したので、無駄な林道歩きなどがなかったせいかもしれない。駒ヶ岳ロープウェイの乗車について、色々な情報に振り回されてしまったが、結局どうすれば良かったのか?それは、乗車したい時間の1~1.5時間前に千畳敷駅に到着しておくこと。そうすれば整理券配布の有無に関わらず、乗りたい時間に乗車できるはず。
もし、どうしても整理券を先に取りに行きたい人のために、整理券配布の有無を確認する方法を。整理券を配布していた夕方は、大音量のアナウンスが乗越浄土まで聞こえていたため、極楽平でも聞こえるはずかと。アナウンスが聞こえなければ、整理券を配布していない可能性が高い。あとは、極楽平で携帯の電波が入れば、千畳敷駅に電話で問い合わせるのも有り。