[大菩薩嶺登山レポ]
11月に登る大菩薩峠からの大菩薩嶺登山
裂石 ~ 上日川峠 ~ 大菩薩峠 ~ 大菩薩嶺 ~ 丸川峠 ~ 裂石
- 大菩薩嶺(だいぼさつれい)日本百名山新花の百名山山梨百名山
- 山梨県甲州市と北都留郡(きたつるぐん)丹波山村に跨る標高2,057mの山で、大菩薩連嶺(だいぼさつれんれい)の主脈。大菩薩嶺山頂は樹林帯で眺望がないため、多くの登山者は大菩薩峠とセットで登っている。
- 大菩薩峠(だいぼさつとうげ)花の百名山
- 大菩薩連嶺にある峠。江戸時代までは武蔵国と甲斐国を結ぶ甲州道中の重要な峠として利用されていた。明治時代に新ルート柳沢峠の開通により、柳沢峠にその役目を譲り、近年は景勝地として人気を博している。現在の峠は近年に認定されたものであり、江戸時代に利用されていた街道としての旧峠は、賽ノ河原という地名で残っている。
大菩薩嶺のコース
大菩薩嶺の場合、登山口という概念で定義できる場所がない。登り始める場所としては、西の裂石、南西の上日川峠、東の小菅村、北東の丹波山村、そして北西の柳沢峠。多くの登山者は上日川峠(かみひかわとうげ)を起終点とし、唐松尾根から登り大菩薩峠を経由して戻ってくるか、大菩薩峠を経由して登り唐松尾根から下ってくるか、いずれかのルートを選択している。
なお、縦走であれば、南の牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)や、東の狩場山、榧ノ尾山(かやのおやま)経由で縦走してくること可能。- 唐松尾根人気コース!
- 上日川峠から大菩薩峠を経由しないで、山頂を目指すコース。
- 大菩薩峠登り利用人気コース!
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上日川峠から大菩薩峠を経由して山頂を目指すコース。
- 丸川峠下り利用
- 西の裂石から丸川峠を経由して山頂を目指すコース。
大菩薩嶺コースレポート
裂石(大菩薩峠登山口バス停) ~ 上日川峠
【8:17】大菩薩峠登山口バス停に到着。
バスに乗った場合の大菩薩峠登山口バス停の到着時間は8時2分のため、登山者が何人か残っていると思っていたが、バス停周辺には人影なし。15分ほどの時間差なので、そのうち追いつくだろうと思っていたが、結局上日川峠(かみひかわとうげ)に到着するまで誰にも会うことはなかった。今から思うと、バス利用者はいなかったのかも..。
最初は林道歩きからスタート。丸川峠入口を過ぎてから登山道に入るが、途中に送電鉄塔用の作業道があるので、間違えないように注意が必要。
途中の道標にちらほら出てくる「裂石(さけいし)」という地名だが、この大菩薩峠登山口バス停付近の地名である。
【8:45】丸川峠入口に到着。
下山時には矢印の箇所から出てくることになる。登山者と思われる車が数台止まっていたが、人影はない。
丸川峠入口の少し先に、林道から登山道に入る道があり、ココから山道に入る。ちなみに、林道をそのまま歩いても上日川峠に到着するが、登山道を歩いた方が時間を短縮できる。
一旦林道に戻され、千石茶屋の後ろを抜け、暫く進むとまた登山道に戻される。千石茶屋のある千石平付近から再び登山道となり、ココからようやく本格的な山登りのスタート。目指す中間目的地は、上日川峠。
事前情報で、大菩薩嶺の難易度は低いと聞いていたため、かなりお気楽ムードで挑んだのだが、予想に反してしんどい。その1つの原因が登山道を埋め尽くす落ち葉。多いところでは膝下まで落ち葉で埋まるため、歩きにくいこと..。しかも、落ち葉に石が埋もれていることもあり、石に躓き余計な体力を消耗してしまう。でも、寝転ぶと落ち葉のベットがめっちゃ気持ち良かった。第二展望台の先で、登山道の一部が崩落している。崩落場所は、一旦林道に出て迂回路を歩くことになる。
【10:03】上日川峠に到着。
ココまで結構しんどかった..。後に調べると、丸川峠入口の標高が約1,100mで、ロッヂ長兵衛が標高1,596mなので、約500m登っている。結構しんどい訳だ..。
上日川峠 ~ 大菩薩峠
福ちゃん荘までは、白樺の林を通る登山道。これまでの登山道とは一変、緩やかな傾斜で道も整備されている。
【10:23】福ちゃん荘に到着。
ココでお茶のペットボトルを調達し、しばし休憩。直ぐ側まで車が通れる林道が開通しているためか、ペットボトルも200円と山小屋にしては安い。
少し進むと道の途中に、富士見山荘という山小屋があるのだが、2015年11月現在は休業中。富士見山荘という名前の通り、本日初お目見えの富士山が見える。
さらに先には勝縁荘(しょうえんそう)という宿泊施設がある。しかし、こちらも管理人の体調不良により2015年5月で閉鎖。この勝縁荘だが、昭和7年に開設され、小屋内には囲炉裏やランプなど当時の雰囲気が残る、歴史ある施設だったようだ。小説「大菩薩峠」の作者、中里介山氏もこの勝縁荘の奥隣にある「三界庵(さんかいあん)」で執筆したとされている。ホームページには支援者や利用者に対して、感謝の言葉が綴られているので、再開する可能性は低そうだ。
なお、山と高原地図には載っていなかったが、ココに沢があるため、給水ができる。わざわざ福ちゃん荘でお茶買わなくても良かった..。この大菩薩峠は、大菩薩嶺を象徴する風景となっている。ココから先は、景色が一変し大菩薩嶺の最大の魅力でもある、稜線歩きとなる。南西には富士山、西には南アルプス、直下には上日川ダムが広がる風景を横目に、稜線を登る。
大菩薩峠 ~ 大菩薩嶺
一先ず、目の前のピーク親不知ノ頭を登らなければならない。これまでと比べても道は険しいが、景色が良いので疲労は感じない。また、景色が開けているので、登っただけ高度感が出て楽しい。
親不知ノ頭から少し進んだ場所に、展望台らしき場所があったので寄ってみた。
【11:24】賽ノ河原に到着。
江戸時代に利用されていた街道としての旧峠は、ココ賽ノ河原。現在は、小屋があるのみ。小屋の戸は締め切られていたので、避難小屋ではないようだ。
なお、山と高原地図で触れられていなかったので、今回はスルーしてしまったが、上記写真の右上のピークは妙見ノ頭。写真を拡大すると人影が写っており、よく見ると道のようなものも見えるので登ることができるようだ。余裕があれば、登ってみるのも良いと思う。
賽ノ河原以降、登山道のぬかるみがひどくなり、歩きにくかった。【12:21】昼食を終え出発。
【12:24】唐松尾根分岐に到着。昼食を食べた地点から、予想以上に近かった。唐松尾根分岐近くに雷岩と呼ばれる岩がある。岩の上で昼食を食べている登山者がいたので写真撮影は控えたが、ココで昼食を食べても良い。
事前情報どおり大菩薩嶺山頂は、樹林に阻まれ展望はきかない。分岐から山頂までに何人かの登山者とすれ違ったが、山頂は登山者ゼロ。記念撮影を頼む事もできない。5分ほど待ってみたが、誰も登ってくる気配がないため、諦めて出発。
大菩薩嶺 ~ 丸川峠
【12:35】大菩薩嶺山頂を出発。
次なる目的地は丸川峠。ココで大菩薩峠登山口バス停の時刻表を調べると15時、16時43分、18時30分の3本のみ。できれば15時のバスに乗りたい。計算すると、標準コースタイムで15時にギリギリ間に合う。問題はないと思うが、念のため少し先を急ぐ。
丸川峠の、まるかわ荘という山小屋がある。まるかわ荘のトイレだが、利用するには100円募金以外にまるかわ荘の管理人にことわってから使用しなければならない。トイレを借りるため、小屋内の管理人に挨拶だけしたが、若干話しかけにくい雰囲気だった。
丸川峠 ~ 裂石
バスの時間まで残り1時間30分。標準コースタイム通りに歩けば間に合う時間だが、引き続き先を急ぐ。丸川峠以降は、細い尾根がはっきりわかる道になり、登りのときと同様に、落ち葉が増えてくる。ただし、落ち葉の量は、登りで利用した上日川峠までの道のように膝下まで埋まるような場所はない。
朝通ったとき、数台駐車してあった車は全てなくなっていた。時間は14時30分とそんな遅い時間帯でもないので、本当に登山者の車だったのかな?
大菩薩嶺コースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
08:02 | 08:17 | 大菩薩峠登山口バス停 |
08:30 | 08:45 | 丸川峠入口 |
10:15 | 10:03 | 上日川峠 |
10:40 | 10:23 | 福ちゃん荘 |
11:25 | 11:01 | 大菩薩峠 |
11:35 | 11:24 | 賽ノ河原 |
12:20~13:20 | 11:50~12:21 | 雷岩 |
13:30 | 12:29 | 大菩薩嶺山頂 |
14:30 | 13:18 | 丸川峠 |
15:45 | 14:28 | 丸川峠入口 |
16:10 | 14:53 | 大菩薩峠登山口バス停 |
大菩薩嶺の難易度
10/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:15.67km
- 高度上昇:1,168m
- 高度下降:1,167m
- 出発高度:0,895m
- 最高高度:2,057m
- 標高の差:1,162m
- 活動時間:06:05
- 休憩時間:00:31
- 合計時間:06:36
お気軽にどうぞ!
今回の登山で一番の難所だったのは、丸川峠入口から上日川峠までの区間。人がいない景色が良いわけでもない落ち葉が深い歩きにくい道を、標高500mも登られなければならない。歩きにくい原因は落ち葉なので、季節によってはもう少し歩きやすいと思う。しんどい思いをしたくない人や、登山に興味がなく景観だけを楽しみたい人は、上日川峠からスタートしたほうが良い。
反面、上日川峠から先に難所はなく、登山経験がなくても登れるレベル。眺望のきく稜線歩きにしては危険箇所もなく、体力に自信のないシニア登山や親子登山、カップルでの登山に向いている。