磐梯山

磐梯山登山

磐梯山

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[磐梯山登山レポ]
福島の名峰!表磐梯の猪苗代登山口から登る磐梯山

2016年10月16日(日) 天候:晴れ
猪苗代登山口 ~ 赤埴山 ~ 磐梯山 ~ 川上登山口
  • 磐梯山(ばんだいさん)日本百名山
  • 福島県の猪苗代町、磐梯町、北塩原村にまたがる標高1,816mの活火山。別名、会津富士、会津磐梯山と呼ばれる福島県を代表する山。磐梯山には磐梯山(1,816m)、赤埴山(1,430m)、櫛ヶ峰(1,636m)と3つのピークがあり広義には、この3つを総称して磐梯山と呼ぶ。また、磐梯山の麓は南が表磐梯、北が裏磐梯と呼ばれている。
    1888年(明治21年)7月15日の水蒸気爆発により、山体が崩壊し、477人の死者を出す近代日本初の大災害となった。この噴火で且つてあった小磐梯と呼ばれていたピークは消滅し、現在も北側(裏磐梯山)から、山体崩壊跡を見ることができる。

磐梯山のコース

登山口は八方台登山口、猪苗代登山口、翁島登山口、裏磐梯登山口、川上登山口、渋谷登山口の6つ。
Wikiの情報によると、夏山登山者の8割以上が八方台登山口を利用している。なお、標準コースタイムは山と高原地図を参考にしている。
  • 八方台コース人気コース!
  • 北西の八方台登山口から、弘法清水を経て山頂を目指すコース。八方台登山口は、表磐梯と裏磐梯をつなぐ道路「磐梯山ゴールドライン」の峠にあたる場所にあり、
    標高差が少なく、最も利用者が多いコース。標準コースタイムは2時間10分。
  • 猪苗代コース登り利用
  • 南の猪苗代スキー場にある猪苗代登山口から、赤埴山、沼ノ平、弘法清水を経て登るコース。標準コースタイムは3時間40分。
  • 翁島コース
  • 南の扇島登山口から、直登に山頂を目指すコース。 唯一、弘法清水を経由しないコース。標準コースタイムは2時間50分。
  • 裏磐梯・銅沼コース
  • 北の裏磐梯登山口から銅沼、弘法清水を経由して登るコース。 標準コースタイムは3時間45分。
  • 裏磐梯・火口原コース難コース
  • 北の裏磐梯登山口から火口原、弘法清水を経由して登るコース。標準コースタイムは3時間35分。
  • 川上コース下り利用難コース
  • 北西の川上登山口からから火口原、弘法清水を経由して登るコース。 標準コースタイムは3時間50分。
  • 渋谷コース
  • 東の渋谷登山口から、弘法清水を経由して登るコース。コースの序盤で1時間ほど林道を歩く。標準コースタイムは4時間05分。
※コース名に厳密な名称はありません。
山と高原地図
磐梯山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「磐梯・吾妻」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

磐梯山の登山計画

プラン
9/15、9/16と福島登山遠征。9/15に安達太良山、9/16に磐梯山に登る。
アクセス
磐梯山へのアクセスは猪苗代駅からバスが出ている登山口はあるものの、バス利用では登山開始が9時を過ぎるため、登りでのバス利用は難しい。そのためタクシーを朝一で配車予約して登山口へアクセスすることに。
コース
タクシーでアクセスする場合、候補となるのは扇島登山口、猪苗代登山口、渋谷登山口。この中で最もタクシー料金が安く、コースに面白味があり、登りごたえもありそうな、猪苗代登山口を選択。下山口は、裏磐梯から山体崩壊の跡を見たかったため、裏磐梯登山口、川上登山口の2つが候補。どちらの登山口からもバスが出ている。裏磐梯まで抜ける道の方が、時間がかかるイメージだったので、川上登山口を選択。でもあとあと調べると、川上登山口も裏磐梯登山口も標準コースタイムはほとんど同じだった。

関連レポート

磐梯山コースレポート

猪苗代登山口 ~ 天の庭

宿泊先から朝6時に配車予約しておいたタクシーで猪苗代登山口に到着。猪苗代登山口には、既に先発している登山者の車6台が駐車。

【06:13】猪苗代登山口を出発。
まずは、猪苗代登山口から天の庭(一合目)を目指す。 この猪苗代スキー場の道は蛇行しているので、今回の登山で懸念していた一つが、スキー場内での道迷い。蓋を開けてみると、そんな心配は杞憂で、迷うようなわかりにくい箇所はなかった。しかし、反面体力的には相当厳しい戦いとなる。
ポイント磐梯山の山頂は五合目という位置づけになっている。つまり、一合目は他の山でいうところの二合目となる。この理由は、磐梯山は別名、会津富士と呼ばれているが、磐梯山の標高は富士山の約半分のため、磐梯山の山頂が富士山の五合目にあたるためとされる説が有名。その他に、磐梯山は大昔3,000mを超える標高の山であったが、度重なる噴火活動により、過去の五合目付近が現在の山頂になったためとされる説(信憑性は薄い)、山頂までの登山で灯りを灯すのに必要な油の量を示したものであるとする説などがある。なお、磐梯山の一合目から五合目だが、標高に合わせて均等に配置されておらず、時間配分の役には立たない。
「交流の家コース」からの合流地点を登り切り、そこから左に迂回して第6ロマンスリフトに並行している上り道だが、今回の登山で最もキツかった区間。スキー場内の登りは、脚力勝負になるので太腿はパンパン。ストックがないとキツさも倍増するので、ストックは必需品。キツかったので、この区間の写真はことごとくピンボケ。唯一の救いは、振り返った景色が素晴らしい事。軽装が条件となる前提だが、こういう道は駆け足で一気に登った方が楽に感じるときもあるので、所々駆け足で登りきる。
【07:23】天の庭(一合目)に到着。
スキー場から登山道に入ってから10分弱で天の庭に到着。山と高原地図には「川桁山・猪苗代湖の展望良い」と書かれているが、草木が邪魔して展望はそれほど良くない。展望はスキー場を登っているときの方が良かった。

天の庭 ~ 赤埴山

【07:27】天の庭を出発。
天の庭以降の道は樹林帯。赤埴山の分岐までは緩やかな上り道で、スキー場内の道に比べればかなり楽。
【07:46】赤埴山分岐に到着。
真っすぐ進めば、赤埴山を巻くこともできるが、セオリーどおり赤埴山へ。赤埴山分岐を少し進むとすぐに視界が開けた、赤土のザレ場に出る。山名のとおり赤埴山付近だけは不思議と土が赤い。分岐から赤埴山までは正味15分だが、本格的な上りとなるため、結構しんどかった。
【07:58】赤埴山(二合目)に到着。
赤埴山の山頂からの展望は、南から北西にかけて開けている。南は猪苗代の町並み、北西には磐梯山と櫛ヶ峰(くしがみね)がそびえ立つ。一応、赤埴山が二合目という位置づけになっている。

赤埴山 ~ 弘法清水

【08:08】赤埴山を出発。
赤埴山以降は、巻き道との合流地点までは下り道。その後は高度維持の平坦な道となる。

合流地点のすぐ先に赤埴林道との合流地点がある。後で知ったが、赤埴林道を使えば磐梯山まで1時間35分で登ることができる。ただし正規のルートではないため、車で走る赤埴林道の状態は一部荒れており、車高の高い車でないとキズが付く可能性があるらしい。

また、赤埴林道付近で、登山口以来初となる女性シニア2名と遭遇。元気の良いシニアで、途中にあったグミの実を食べて「兄ちゃんも食べてみぃ、おいしいわ」と言われたので、自分も食べてみたところ普通においしかった。
沼ノ平という名称だが、厳密には湿原。周囲を登山道が通っているが、近付くことはできない。少し離れた場所から眺めるだけ。
沼ノ平から櫛ヶ峰を正面に見据え、Uの字を描くように、磐梯山に取り付く。沼ノ平から磐梯山への上りは、一定間隔でポイントが現れる。まずは、川上コースとの合流地点。そこから暫く登ると、八方台コースとの合流地点。さらに登ると、弘法清水。小気味良くポイントが現れるので、疲れを感じない。また、沼ノ平以降の登山道では景色が開け展望も良い。
川上コースの合流地点を少し登った先に黄金清水と呼ばれる水場がある。ただし、ここまでくれば弘法清水まであと少しなので、水場としての価値は低い。
また、その先にある八方台と裏磐梯・銅沼コースとの合流地点だが、こちらは天狗岩経由の迂回路のため、下山時に利用されることが多い。今回、天狗岩の近くまでは行かないが、天狗岩は三合目という位置づけなので、この合流地点あたりが三合目となる。弘法清水は四合目のため、やけに三合目から四合目間の距離が短い..。
【09:18】弘法清水(四合目)に到着。
弘法清水は、八方台、裏磐梯・銅沼コースとの合流地点のため登山者は激増。大半は八方台から登ってきた登山者だろう。弘法清水には弘法清水小屋と岡部小屋、2つの茶屋がある。また、場所の名前にもなっている、弘法清水と呼ばれる水場もある。

弘法清水 ~ 磐梯山の山頂

【09:26】弘法清水を出発。
弘法清水から山頂までの道は、登山者激増。道が狭く前の人を追い抜くことが難しいため、ペースの遅い人を先頭にした登山者の塊が、一定間隔にできている。時折、登山道外にスペースのある場所があるため、そこまでくるとペースの遅い登山者を追い越し、次の塊のお尻に付く。
この区間だが、これまでの疲れが出たことに加え、自分のペースで登ることができないため、かなりキツく感じた。短い区間とはいえ道自体も直登だし。
【09:47】磐梯山の山頂(五合目)に到着。
磐梯山の山頂は遮るものがない360度の大パノラマ。南には猪苗代湖と猪苗代の町並み、北東は櫛ヶ峰、北は裏磐梯で桧原湖・小野川湖・秋元湖。厳密な山頂には小さな祠が祭られている。山頂スペースはそこそこ広いので、昼時でも食事をとる場所は確保できるだろう。
磐梯山の山頂にも、岡部小屋の出張所的な位置づけとなる茶屋がある。まあ、茶屋というよりかは売店に近い。山頂標識は、岡部小屋の隣にあるスペースに設置されている。

磐梯山の山頂 ~ 櫛ヶ峰分岐

【11:30】磐梯山の山頂を出発。
1時間45分ほど滞在していたが、昼に近づくにつれ人も増えてきたのでボチボチ出発。上り同様に弘法清水までは引き続き渋滞。
弘法清水以降は人が2割ほどに減り、天狗岩を経由する八方台分岐で登山者は激減。川上コースに入ってからは前に1人、後ろに2名1組のみ。川上分岐から火口原にある裏磐梯の分岐まで、山と高原地図では破線表示されている。滑落、道迷い、どの要素で破線表示されているのか不明だったので慎重に進む。
【12:08】櫛ヶ峰分岐に到着。
もとより櫛ヶ峰に登るつもりはなかったが、櫛ヶ峰への入口にはロープが張られ、岩に赤ペンキで「×」印が書かれている。ネット情報なので真相は定かではないが「立入禁止ではなく川上・裏磐梯に向かう登山者が間違って入り込まないように」という意味でのロープだという情報もあった。でも、普通コレ見たら100人が100人立入禁止という認識すると思うけどね。ちなみに、このとき登っている人はいなかったが、ネットで検索すると登っている人のレポートも見つけることができる。

櫛ヶ峰分岐 ~ 火口原

櫛ヶ峰分岐から、火口原までは一気に標高を下げる区間。特にこれまで危険な場所はなかったが、引き続き慎重に進む。

【12:39】噴気口分岐に到着。
噴気口分岐は裏磐梯と川上の分岐地点。噴気口分岐と命名されているので、過去このあたりで火山ガス・水蒸気が噴出していたのかもしれない。

火口原で道が広がっている上、分岐は木々で覆われわかりにくいので、ココ非常に間違えやすい。河原のようになっているのでコースから外れて歩きがちだが、コースから外れると高い確率で、分岐を見落とし裏磐梯方面へ進んでしまうので要注意。
ちょうど上記写真の裏磐梯の矢印あたりに、前方を歩く登山者が見えたので、コースを無視してその地点を目指し歩いてしまう。ふと右を見て、道標が目に入り気付いたので良かったが、そのまま進めば裏磐梯方面へ進んでいたところ。(まあ、それでも帰れるんだけど..)
ポイント火口原
中央火口丘斜面からの崩落物や、中央火口丘からの噴出物が谷を埋めてできた平坦地。また、噴気口とは火山でガスや水蒸気を噴出する穴のこと。
噴気口分岐以降は、ガレ場から砂地へ変化。このあたり晴天時でも注意が必要だったので、特に悪天候の場合、道に迷いやすいので要注意。それにしても、山中でこれほど広い面積の砂地があるのは、とても珍しい光景。

火口原 ~ 川上登山口

火口原を過ぎるとアップダウンがほとんどない樹林帯へ。序盤は開放感のある樹林帯で「シラタマノキ」の実が咲き乱れるなど、ハイキング気分で歩ける。登山道というよりかは森の道という感じ。
火口原以降は道にアップダウンがほとんどなく、上から下を見下ろす機会がないため、視界に入ってくるのは先の見えない樹林ばかり。途中に道標はほとんどなく、天気の良い昼間の時間帯でも歩いていて少し不安になったので、天気の悪い日や日没前には決して歩きたくない。道は廃れる一歩手前という感じで、ギリギリ登山道の判別は可能だが、これ以上荒廃が進むと危うい。噴気口分岐から1時間ほどで川上登山口(上・下)分岐に到着しているが、心理的にはかなり長く感じた。

【13:31】川上登山口(上・下)の分岐に到着。
実は川上登山口は2つあり、川上に出る川上登山口(上)と、川上温泉に出る川上登山口(下)とがある。川上登山口(下)に出る道は、山と高原地図で破線表示されている。破線と言ってもココまでくれば登山口まで15分程度なので、興味本位と川上温泉という地名に釣られて川上登山口(下)へ向かう。

分岐直後の道は、わざとらしいほど目印が多い。しかも何故か、赤・青・黄と目印がカラフル。濁った川を渡ったあたりから道が藪に覆われ道がわかりにくくなる。途中、不安になる場所もあったので、短い区間だと舐めてかかるとちょっと危うい道。また、わかりにくい場所に限って目印がないし。分岐直後に過剰にあった目印を、少しこっちに持ってこれないのかと疑問に感じる。
途中に藪漕ぎした場所で、植物の種子がタオルや服に大量に付着し、この種子を取り払うのにかなり苦労した。

【14:01】川上温泉バス停に到着。
ちょこっと期待していた温泉だが、川上温泉とは名ばかりで温泉施設は見当たらず。唯一登山口近くにあった「宇奈月」は日帰り入浴をやっているようだが、人気はなく営業している気配は微塵も感じられなかった。

そもそも、この川上温泉には民家が数件あるのみで、人気全くなし。前を通る国道459号線は裏磐梯に抜ける道のため、車の往来だけは多い。川上登山口(上)には、山の駅食堂という食堂があるので、やっぱり川上登山口(上)に抜けた方が無難だったかな。

ちなみに14時29分着予定のバスだが、20分遅れでやってきたので、結局1時間ほどバス停で待つ羽目になってしまった。

関連レポート

磐梯山コースタイム

予定 実際 場所
05:50 06:13 猪苗代登山口
07:23 07:10 天の庭
07:45 07:46 赤埴山分岐
08:00~08:15 07:58~08:08 赤埴山
09:05 08:54 川上コース分岐
09:30 09:18~09:26 弘法清水
09:55~10:55 09:47~11:30 磐梯山
11:15 11:47 弘法清水
11:35 12:00 川上コース分岐
12:20 12:39 噴気口分岐
14:05 - 川上
- 14:01 川上温泉

磐梯山の難易度

難易度

13/30

総合難易度
必要体力 体力難易度3
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度5
小屋・水場 小屋・水場難易度1
アクセス アクセス難易度2

総合難易度 総合難易度3

登山DATE

  • 歩行距離:13.78km
  • 高度上昇:1,152m
  • 高度下降:1,128m
  • 出発高度:0,692m
  • 最高高度:1,816m

  • 標高の差:1,124m
  • 活動時間:05:47
  • 休憩時間:02:01

  • 合計時間:07:48
必要体力・距離
猪苗代登山口からの登る場合、最大の体力的難所は猪苗代スキー場内の道。スキー場は下山利用は楽だが、登りで使うとかなりキツイ。特に後半の第6ロマンスリフトと並行して登る道は、耐える登山となる。あとは、終盤の弘法清水から山頂までの道も、疲労の蓄積で結構キツかった。
危険度・水場

滑落注意の危険個所はないが、道迷いに関しては火口原以降の道でちょっと注意が必要。特に火口原内にある噴気口分岐はわかりづらいので要注意。最後に歩いた川上登山口(下)への破線コースだが、上りでも下りでも使わない方が無難。特に、上りで使う場合は、かなり道がわかりづらく合流地点まで辿り着けない可能性がある。現にこの登山口から登ろうとして、道がわからず川上登山口(上)まで移動したレポートもあったし。

四合目(八合目)にあたる弘法清水の水場や茶屋は大変有難い存在。おまけに山頂にも岡部小屋の出張所的な売店もあり、山頂近くでの水・食料の調達には困らない。ただし、通年営業はしていないので、あてにするなら営業期間は要確認。
アクセス
安達太良山と違って磐梯山の場合、東京からの日帰りは車なら可能だが、公共交通機関はちょっと厳しいだろう。
総括

今回利用した猪苗代コースだが、赤埴山、沼ノ平、櫛ヶ峰、弘法清水と魅力的なポイントが多く、また道も変化に富んでおり面白いコースだった。途中に出会った地元のシニア登山者も猪苗代コースを一押ししていたし。

下山で利用した川上コースだが、裏磐梯から見た山体崩壊は迫力があり見物!また、火口原は他の山にはない珍しい風景を体感できる。特に噴気口分岐を川上方面へ少し進んだ砂地が広がる場所は、とても珍しい風景だった。櫛ヶ峰から噴気口分岐までは、山と高原地図では破線表示されていたが、噴気口分岐が見つけずらかった以外で、特に難所的な要素は感じられなかった。
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