[荒島岳登山レポ]
勝原コースから登り、新しもやまコースで下る荒島岳登山
越前下山駅 ~ 勝原駅 ~ 勝原登山口 ~ 荒島岳山頂 ~ 下山登山口
- 荒島岳(あらしまだけ)日本百名山
- 福井県大野市にある標高1,523mの山。福井県唯一の百名山であり、独立峰でもあるため、別名"大野富士"とも呼ばれており、古くから信仰の山として崇められてきた。
荒島岳のコース
荒島岳の登山口は、北の勝原登山口、北西の中出登山口、西の佐開登山口、南東の下山登山口の4つ。4つの登山口に対応する4つのコースが存在するシンプルなコース構成。
佐開登山口以外は、九頭竜線(くずりゅうせん)の各駅から徒歩でアクセス可能だが、中出登山口だけは下唯野駅から徒歩1時間ほどを要する。ただし、九頭竜線の電車の本数は非常に少ない。
- 勝原(かどはら)コース登り利用人気コース!
- 荒島岳の北側、勝原駅近くの勝原登山口から登るコース。序盤は旧カドハラスキー場のゲレンデを登り、シャクナゲ平を経て山頂を目指すコース。最も利用が多い人気のコース。登り約3時間30分。
- 中出(なかんで)コース
- 荒島岳の北西から、小荒島岳やシャクナゲ平を経て登るコース。シャクナゲ平で勝原コースと合流する。登山口まで、下唯野(しもゆいの)駅から徒歩約1時間。登り約3時間40分。
- 佐開(さびらき)コース
- 荒島岳の南西、荒島養魚場のある佐開登山口から登るコース。なお、養魚場から先の作業道が通れれば、シャクナゲ平手前の標高850mまで車でアクセスが可能。登り約3時間30分。利用者は少ない。
※養魚場から先の道は悪路で、落石なども多く、4WD車でないと走行が困難とのこと
- 新しもやまコース難コース下り利用
- 2012年に開通した、和泉地区側から登る唯一のコース。急な上りが続くため健脚向けで、利用者は少ない。登り約4時間40分。ちなみに「新」と付いているのは、かつて旧下山コースが存在していたためだが、荒廃が進み現在は廃道となっている。
荒島岳の登山計画
- 目的
- 京都の実家に帰省するついでに登れる山ということで、今回選んだのが荒島岳。これまでも何度か候補には上がっていたが、京都から少し距離があるため、後回ししていた。
- アクセス
- 問題になったのはアクセス方法で、候補となったのは以下3つ。
- 先に福井駅まで高速バスで移動し、福井駅から電車でアクセス。登った後に特急電車で京都に帰省。
- 先に福井駅まで高速バスで移動し、福井駅からレンタカーでアクセス。その後は、同上
- 京都の実家に帰ってから実家から車でアクセス。ただし3~4時間かかる。
- コース
- 車でアクセスして、電車をうまく利用すれば、登り・下りともにコースバリエーションはいくつか考えられる。ちなみに、九頭竜湖駅から福井方面への電車は早朝5時ごろに1本走っているので、この電車をうまく利用すれば、車でも縦走が可能。今回は、縦走を前提としたので、まず駅からアクセスできない佐開コースは却下。そして候補になったパターンは以下3つ。
- 勝原駅近くに車を駐車して、朝一の電車で下唯野駅に移動。登り:中出コース、下り:勝原コースを歩く。
- 越前下山駅近くに車を駐車して、朝一の電車で下唯野駅に移動。登り:中出コース、下り:新しもやまコースを歩く。
- 越前下山駅近くに車を駐車して、朝一の電車で勝原駅に移動。登り:勝原コース、下り:新しもやまコースを歩く。
荒島岳コースレポート
越前下山駅 ~ 勝原駅 ~ 勝原登山口
駅は無人で、改札やトイレもないが、待合室だけあり。運賃は電車を降りる際、運転士に払う。
【5:56】越前下山駅から勝原駅へ電車で移動。
ちなみに、越前下山駅から電車に乗るとき、逆に電車から降りてきた登山者1名。おそらく、前日入りして九頭竜湖駅近くの宿に宿泊していたと思われる。前日入りできるならこういうアクセス方法もあり。
すでに複数の車が駐車しており、すでに多くの登山者が登っているようだ。
勝原登山口 ~ 元リフト終点
勝原コースの序盤は、2008年に閉鎖した勝原スキー場跡地に作られた道で、勝原登山口からまずは、カドハラ桜坂と呼ばれる旧ゲレンデ上の道を登る。ちなみに、桜坂と命名されているが、植樹して間もないようで、現時点では桜の苗木があるのみ。この桜坂、舗装されているので歩きやすい道ではあるが、写真の見た目より勾配があり、序盤から体力を消耗させられる。
小スペースとなっており、ココにもリフトの遺構がある。円盤状のものでリフトのどの部分かわからないが、現在は登山者のベンチ替わり。ちなみに元リフト終点周辺では、タニウツギがピンクの花をたくさん咲かせていた。
元リフト終点 ~ シャクナゲ平
5分ほど休憩した後に出発。すこし進むと「荒島岳登山口」と書かれた杭がある。スキー場が営業していた2008年までは、リフトでココまで登ってこれたのかも。
次のポイント地点はシャクナゲ平。序盤は、傾斜の緩やかな平凡な樹林帯だが、進むとブナ林へと変わっていく。登山道は踏み固められた土の道となり、これまでのような小石がなく歩きやすい。標高848m標識のすぐ先に、かつてトトロの木と呼ばれた名木があった。しかし、2018年の台風による暴風で倒木。現在は根の部分が残るのみとなっている。
シャクナゲ平は開けた小スペースで、中出コースとの合流地点。時期的に少し遅かったようで、シャクナゲの花は見当たらず。シャクナゲ平で5分ほど休憩。
シャクナゲ平 ~ もちがかべ ~ 荒島岳山頂
荒島岳の難所として知られる区間の名称。名前の通り、目の前に壁のように立ちはだかるので、鎖やロープ、ハシゴなどを使い登っていく。
偶然にも、山頂到着は予定タイムピッタリでした。山頂はそこそこ広く、休憩できるスペースは十分あり。山の人気度と照らし合わせても、これだけスペースがあれば十分かと。空いていれば、寝転べるような場所もある。ただ、日陰がないので、めちゃくちゃ暑い..。
大昔、かつて荒島岳の山頂に荒島神社が鎮座していたが、1841年(室町時代)の雪崩により神社は倒壊。その後、元の宮地から少し下がった地に神社が建立されていたが、明治元年に麓の大野市佐開へと移され、現在に至る。そういった歴史から、かつて荒島神社のあった山頂には祠が祀られている。
本日の昼食は、関西限定ラーメン「好きやねん」とおにぎり。遠征なので、食事にこだわる時間がなく、簡易的な昼食です。ただ、久しぶりに「好きやねん」食べたけど、あまり美味しくない..。「うまかっちゃん」にしとけば良かった..。
時間もあったので、昼寝などして過ごす。先程も書いたが、日陰がないので、めちゃくちゃ暑く、快適とは言い難かったが、結局山頂には2時間弱ほど滞在。荒島岳山頂 ~ 新しもやま登山口
【11:22】荒島岳の山頂を出発。
下山は「新しもやまコース」を歩く。先に書いておくと、このコースほとんど人が歩いておらず、途中で見かけた登山者は1名だけ。まずは山頂付近の藪笹を刈り取り開いた尾根道を進む。この区間は、景色も開けており緩やかな下り傾斜なので、登山の醍醐味を味わえる区間。ただ、暑い..。
【12:22】「休憩所からの展望」と書かれた看板の地点に到着。
本コースは、途中にポイントとなる地点が他になく、唯一目印となったのはこの看板だけなので、ポイント地点としておく。ちなみに「休憩所からの展望」と書かれているが、休憩所らしき場所は見当たらず。この場所だとしたら、休憩スペースがないどころか、展望も全くなく、意味不明です。
車のナンバー的に登山者と思われる車が何台か駐車しており、他にも登っている人がいるようだ。車の台数と途中で見かけた人から推察すると、この日に「新しもやまコース」を利用した登山者は5人前後ってとこだろう。
荒島岳コースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
06:01 | 06:01 | 勝原駅 |
06:21 | 06:34~6:42 | 勝原登山口 |
07:11 | 07:15 | 元リフト終点 |
08:41 | 08:39 | シャクナゲ平 |
09:41~10:41 | 09:41~11:22 | 荒島岳山頂 |
- | 12:22 | 休憩所? |
13:11 | 13:29 | 越前下山駅 |
荒島岳の難易度
17/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:12.00km
- 高度上昇:1,289m
- 高度下降:1,166m
- 出発高度:0,265m
- 最高高度:1,523m
- 標高の差:1,258m
- 活動時間:05:39
- 休憩時間:01:49
- 合計時間:07:28
お気軽にどうぞ!
荒島岳には有人・無人含めて山小屋・避難小屋はなく、もっと言えば、雨風をしのげる休憩所なども一切ない。日本百名山の中でも、数少ない避難小屋のない山小屋らしく、地元の山岳会が、避難小屋建設の要望を出しているようだ。有人山小屋はいらないと思うが、荒島岳は厳冬期に登る登山者もいるようなので、避難小屋ぐらいはあった方が良いと思う。
あと、どのコースから登ってもコース上に水場は一切ない。自分が登った5月でも暑くて、水は結構消費したので、持参する水の量には要注意!