牛奥ノ雁ヶ腹摺山

牛奥ノ雁ヶ腹摺山登山

牛奥ノ雁ヶ腹摺山

Ushiokunogangaharasuriyama

白

[牛奥ノ雁ヶ腹摺山登山レポ]
秀麗富嶽十二景の牛奥ノ雁ヶ腹摺山、小金沢山縦走登山

2022年11月27日(日)天候:快晴
すずらん昆虫館前 ~ 牛奥ノ雁ヶ腹摺山 ~ 小金沢山 ~ 石丸峠 ~ 上日川峠
  • 牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)秀麗富嶽十二景
  • 山梨県大月市と甲州市の境にある標高は1,990mの山。大菩薩峠から南に伸びる尾根「小金沢連嶺」上にある。北の小金沢山と共に大月市認定の「秀麗富嶽十二景」の2番山頂に選定されている。山名が、日本で最も長い山であり、その由来は山の麓の地名「塩山牛奥」と、雁がお腹を擦りそうなほど高い山「雁ヶ腹摺山」が組合わさったもの。
  • 小金沢山(こがねさわやま)山梨百名山秀麗富嶽十二景
  • 山梨県大月市と甲州市の境にある標高は2,014mの山。大菩薩峠から南に伸びる尾根「小金沢連嶺」の主脈。牛奥ノ雁ヶ腹摺山と共に大月市認定の「秀麗富嶽十二景」の2番山頂に選定されているため、単独よりも牛奥ノ雁ヶ腹摺山とセットで登られている。

今回歩いた牛奥ノ雁ヶ腹摺山のコース

登山口は、上日川峠、すずらん昆虫館前、湯ノ沢峠、大峠、の4つ。大半の登山者は、上日川峠、すずらん昆虫館前を起終点とする周回コースを選択している。湯ノ沢峠、大峠からの場合、一般的には車でのアクセスとなり、コースはピストンとなる。
  • すずらん昆虫館前から牛奥ノ雁ヶ腹摺山登り利用
  • 「すずらん昆虫館から牛奥ノ雁ヶ腹摺山を目指すコース。すずらん昆虫館には大菩薩上日川峠線のバスでアクセス可能。牛奥ノ雁ヶ腹摺山への最短コース。
  • 上日川峠から牛奥ノ雁ヶ腹摺山下り利用
  • 上日川峠から大菩薩峠または石丸峠、小金沢山を経て、牛奥ノ雁ヶ腹摺山を目指すコース。
山と高原地図
牛奥ノ雁ヶ腹摺山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「大菩薩嶺」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

牛奥ノ雁ヶ腹摺山の登山計画

プラン
先週に雁ヶ腹摺山を登ったので、今回は名前の似ている牛奥ノ雁ヶ腹摺山に目を付けた。なお、どちらも大月市の秀麗富嶽十二景に選定されている山だが、計画段階ではその点にこだわりはなかった。
コース
アクセスは公共交通機関のため、登山口は上日川峠か、すずらん昆虫館前で即決。問題は時計回りか、反時計回りか。自分の場合、先に主目的の牛奥ノ雁ヶ腹摺山に登っておきたかったため、反時計回りを選択した。ちなみに、時計回りで歩いている人の方が若干多かった印象。

牛奥ノ雁ヶ腹摺山コースレポート

すずらん昆虫館前 ~ 日川林道

【8:30】「すずらん昆虫館前」バス停下車。
他にも下車した登山者数組。登山口はバス停のすぐ目の前にあり、トイレは登山口を少し進んだ先にある。ただし、トイレといっても男女兼用の仮設トイレなので、大はちょっとしづらい..。
【8:41】キジ場を出発。
ポイントキジ場
登山用語で、用便を足すことを「キジ撃ち」といい、「キジ場」とはいわゆるトイレのこと。由来は、大便をしている姿が、キジをしとめようと構えている姿に似ているため。ちなみに、女子の場合は「お花摘み」という。
日川林道に出るまでは、緩やかな傾斜。山道というより、森の道といった感じ。10分ほど進むと林道に出て、しばらく林道を歩く。
林道に出た直後は、道を逆方向に進む。朽ち果てた道標しかなく、会話していたりすると、直感的に真っすぐ進んでしまう可能性もあるのでプチ注意。暫く進むと工事のため迂回路を歩かされる。迂回路を進むこと10分ほどで日川林道に出られる。
【9:10】日川林道に到着。
日川林道の道路脇に車が2台駐車中。車でココまでこられるのね..。ポイント地点なので、1個のおにぎりを食べながら小休憩。感覚的に、これまでの区間は林道歩きに近く、本格的な登山口はココって感じ。

日川林道 ~ 牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂

日川林道の登山道入口には、鹿よけの柵が設置されており、柵の扉を開けて中に入る。ようやく傾斜のある本格的な登山道となり、数分登って後ろを向くと、素晴らしい展望が目の前に広がる。日川林道から少し登っただけで、この素晴らしい景色に、早くもテンション上がりました。

登って10分弱ほどで、鹿よけの柵がなぎ倒された地点があり、そこを登山道が通っている。最初は登山道だという確信が持てず、後ろを歩く登山者を待って確認。ココはちょっとわかりにくかったので要注意。しかし、せっかく設置している鹿よけの柵なのに、この場所から鹿が入ってしまうと思うが..。
その後はゴチャついた樹林帯の道を登る。傾斜は緩くもなくキツクもなく。終盤は右に回り込みながら進んでいく感じだった。
樹林帯を抜ける直前の登山道で、南アルプスの眺望抜群の場所がある。南アルプスの眺望だけなら、この場所からが最も好ポイント。そして山頂直前で樹林帯を抜け、笹薮に枯れ木が立ち並ぶゾーンへ。ココでようやく富士山もお目見え。
【10:09】牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂に到着。
山頂からは富士山と南アルプスとの見事なコラボレーション。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂スペースは広く、食事をするにも十分な広さだが、この時期は木々の葉が落ちていて、日陰が少ない。登山者は北の小金沢山からと、西のすずらん昆虫館からポツポツとやってくる程度。
殆どの登山者は牛奥ノ雁ヶ腹摺山と小金沢山の周回コースだが、1人南の黒岳方面へと向かう登山者がいた。おそらく湯ノ沢峠を経由して「ハマイバ前」か「天目山温泉」のバス停に抜けると思われる。ちなみに、牛奥ノ雁ヶ腹摺山から黒岳に向かう場合、道がわかりづらいので要注意。道は↑の写真の登山者が立っているあたりにある。地図と道標から、山頂から直接南に向かうように感じるが誤りで、途中で道がなくなり進めなくなるらしい。この黒岳へ向かう登山者は、進むべき道が見つけられず、数分ほど右往左往してました。
当初はこの牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂で食事をとる予定だったが、時間はまだ10時過ぎでお腹が空かない。そのため、昼食は次の小金沢山でとることにした。

牛奥ノ雁ヶ腹摺山 ~ 小金沢山

【10:34】牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂を出発。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山から小金沢山へ向かう道だが、起伏は少なく歩きやすい。この区間は標準コースタイムも45分で、体力も必要なく、数カ所西側(左側)の眺望が良い地点もあるため、登山を楽しめる区間と言える。小金沢山のピークへも、たいした上りはなく、歩いていたら到着したって感じ。
【11:01】小金沢山に到着。
牛奥ノ雁ヶ腹摺山ほど山頂スペースは広くないが、それでも20人ぐらいは収容可能なキャパがあるので、山の人気と照らし合わせると十分なスペースかと。腰を落とせる岩や倒木もあり日陰もあるので、昼食をとるにも申し分なし。ココで1時間の昼食休憩。
小金沢山からは富士山の眺望が優れている。南アルプス方面は木々に遮られそれほど良くない。
小金沢山の山頂から、「雲取山」も見える。雲取山って遠くから見ると特徴なくて、ちょっとわかりづらいけど..。あと、関東平野にかすかに東京スカイツリーも見えたが、写真だとわからないですね..。
休憩中もポツポツと登山者がやってきます。牛奥ノ雁ヶ腹摺山からより、大菩薩嶺方面からの登山者の方が若干多い印象。

小金沢山 ~ 石丸峠

【12:08】小金沢山を出発。
本日の目的は果たしたため、あとは石丸峠経由で上日川峠に下るだけ。小金沢山以降も、緩やかな起伏の道が続く。前半多少、ゴチャついた箇所もあったが、後半は草原状の道となり展望もきき歩きやすい道となる。
後半、草原状の道に出ると南アルプスに加え、大菩薩湖と遠くに北アルプスも見えるようになる。
石丸峠の手前に天狗棚山というピークがある。天狗棚山を巻くことも可能だが、大した上りでもないので、寄っておいた。

【12:49】天狗棚山に到着。
既にこれまでの道中で眺望は得られていたので、天狗棚山ならではの眺望というのは特にない。写真撮影だけして通過。

天狗棚山と石丸峠の間でちょっとした道迷い発生。目印はあるが、明らかにその目印以降、道がない。木々に遮られよく見えないが、少し先から人の話し声は聞こえてくるため、道を無視して突っ切りました。どこで間違ったのかわからないが、本来の道より東側を歩いていたようで。ただ、目印や踏み跡も道がなくなる箇所まであったので、あとで思えば右奥の方に道があったのかも..。

【13:02】石丸峠に到着。
ココから先、大菩薩峠経由で上日川峠に向かうルートと、直接上日川峠に向かうルートがある。大菩薩峠は以前に行ったことがあるので、今回は予定通りパス。ちなみに行こうと思えば、大菩薩峠からさらに大菩薩嶺まで足を伸ばすことも可能。さて、ココでバスの時間をチェック。当初は15時のバスを予定していたが、14時のバスも見据えて、先を急ぐ。

石丸峠以降の序盤も、左側(南側)の展望がきく場所があり、大菩薩湖と富士山の眺望が楽しめる。
最初こそ、平坦に近いトラバース道だったが、途中から結構下る。以前に上日川峠から大菩薩峠まで歩いたとき、ほとんど登らなかった記憶があったので、石丸峠から上日川峠まで高度維持かと思っていたが..。
一旦林道に出るが、すぐに山道に戻される。そしてさらに下ると、小屋平(石丸峠入口)バス停に着く。時間は13:37なので、このままココで次の14:05のバスを待っても良いが、バス停周辺に何もないし、上日川峠14:00のバスにも間に合いそうだったので、計画通り上日川峠に向かう。
【14:57】上日川峠に到着。
ギリギリ14:00のバスに間に合う時間に到着したが、次の臨時バスに回されました。バスには数席余裕もあったが、おそらく途中のバス停で乗車してくる人の分、満席にしないで数席空けていると思われる。次の臨時バス14:30で駅に向かったが、結局14:00のバスに乗った人たちも駅で電車待ちしてたので、結果オーライでした。

牛奥ノ雁ヶ腹摺山コースタイム

予定 実際 場所
08:36 08:30~08:41 すずらん昆虫館前
09:16 09:10 日川林道
10:26~11:16 10:09~10:34 牛奥ノ雁ヶ腹摺山
12:01~12:11 11:01~12:08 小金沢山
13:11 13:02 石丸峠
13:56 13:37 小屋平
14:26 13:57 上日川峠

牛奥ノ雁ヶ腹摺山の難易度

難易度

07/30

総合難易度
必要体力 体力難易度2
コース距離 コース距離難易度2
所要時間 所要時間難易度2
危険度 危険度難易度0

登山難易度 登山難易度3
小屋・水場 小屋・水場難易度0
アクセス アクセス難易度1

総合難易度 総合難易度2

登山DATE

  • 歩行距離:10.45km
  • 高度上昇:0,790m
  • 高度下降:0,580m
  • 出発高度:1,449m
  • 最高高度:2,014m

  • 標高の差:0,565m
  • 活動時間:03:48
  • 休憩時間:01:35

  • 合計時間:05:16
必要体力
序盤のすずらん昆虫館前から日川林道までの道は、林道歩き的な感じ。日川林道から、牛奥ノ雁ヶ腹摺山の山頂まで、本格的な登山道になるが、と言っても正味1時間10分の標準コースタイムで、体力的難所があるわけでもなく、比較的容易に山頂までたどり着ける。牛奥ノ雁ヶ腹摺山から小金沢山、石丸峠までの縦走路も起伏は緩やかで、全般的に体力的要素は、初心者でも許容できるレベル。
距離・時間
距離は約10km、活動時間は約4時間。今回は林道歩きがないルートだったので、距離も時間も必要最小限。久しぶりに林道歩きのない登山だったが、やはり登山に無駄がなく効率的でいいですね。
危険度・山小屋・水場
道は整備されていて登りやすく、石丸峠手前で一瞬道を見失ったが、全体的には道迷いの心配もない。
日帰り前提の山で、ショートコースなので山小屋は不要。まあ、大菩薩峠まで行けば、介山荘とかあるし。水場もないが、距離も短いので問題はない。
アクセス
季節運航で、甲斐大和駅からバスが出ていて、登山口もバス停の目の前なのでアクセスは良い。復路のバスの本数も多く、状況に応じて臨時便も出ている。
総括
アクセスも良く、登山口から2時間ほどで登頂でき体力的要素も低く、危険箇所もない。難易度の低さに対して、山頂を含め道中のいたるところで、展望・眺望のきく場所も多く、魅力満載。それでいて、ガイドブックなどには殆ど掲載されていないため、多すぎず少なすぎない登山者の数で、穴場の山。グループ・ソロ、初心者・経験者、誰でも楽しめるので、間違いなく関東日帰り登山ベスト3に入る、オススメの山です。
ご質問・感想などコメント歓迎します。
お気軽にどうぞ!

PAGE TOP