[本社ヶ丸登山レポ]
秀麗富嶽十二景の本社ヶ丸と清八山登山
- 本社ヶ丸(ほんじゃがまる)山梨百名山秀麗富嶽十二景
- 山梨県大月市と都留の境にある標高は1,631mの山。山頂からは、富士山を始め、南アルプスの稜線を一望することが出来る。山名の由来は、かつて中腹に舟形明神の社があったことと、山頂が丸みを帯びているため。大月市指定の秀麗富嶽十二景の12番山頂に清八山とセットで選定されている。
- 清八山(せいはちやま)秀麗富嶽十二景
- 山梨県大月市と都留の境にある標高1,593mの山。本社ヶ丸同様に富士山と南アルプスの展望に優れ、秀麗富嶽十二景の12番山頂に本社ヶ丸とセットで選定されている。
本社ヶ丸・清八山の主なコース
本社ヶ丸・清八山へは、多くの登山者が笹子駅を起終点とした周回コースを利用している。このコースは、時計回りと反時計回りがあり、ガイドブックなどでは、反時計回りで紹介されていることが多い。なお、利用者は少ないが、河口湖側の御坂峠から登ることもできる。こちらの方が、標高差は少ない。
- 笹子駅から反時計回り登り利用
- 笹子駅から、反時計回りに清八山、本社ヶ丸と登るコース。駅から登山口まで、林道を1時間50分ほど歩かなければならない。笹子駅からの標高差は1,031m。
- 笹子駅から時計回り下り利用
- 笹子駅から、時計回りに角研山、本社ヶ丸、清八山と登るコース。標高差は反時計回りと同様。
- 御坂峠コース
- 南の河口湖側にある御坂峠から、八丁山を経由して、清八山、本社ヶ丸と登るコース。上2つのコースに比べて標高差は約330mと少ない。
本社ヶ丸・清八山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「大菩薩嶺」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!
本社ヶ丸・清八山の登山計画
- プラン
- 12月に入っているので、本来この時期は登山をしないのだが、12月にしては異例の暖かさで、天気予報も晴れだったので、急遽今年最後の登山として組み込んだ。今回も、2年ほど前から登っている大月市認定の「秀麗富嶽十二景」の山の中から、まだ登っていない12番山頂の本社ヶ丸・清八山を計画。
- コース
- メジャールートの、笹子駅から反時計回りで登る場合、2時間弱の林道歩きが億劫なので、御坂峠から登るコースも検討したが却下。理由は、河口湖駅まで行き、さらにバスとなると、登山口の御坂峠まで行くのに時間がかかるので、素直に笹子駅から2時間弱林道を歩いて登った方がトータル的には早いため。
本社ヶ丸・清八山コースレポート
笹子駅 ~ 本社ヶ丸登山口
【7:06】笹子駅に到着。
笹子駅では数組の登山者が下車。おそらく、本社ヶ丸・清八山、笹子雁ヶ腹摺山、滝子山、のいずれかに登る登山者たちと思われる。
笹子駅では数組の登山者が下車。おそらく、本社ヶ丸・清八山、笹子雁ヶ腹摺山、滝子山、のいずれかに登る登山者たちと思われる。
【7:18】笹子駅を出発。
まずは甲州街道を西に向かい、追分バス停を目指す。しかし出発直後、他の登山者につられて、甲州街道を東側に進んでしまう。正しくは、中央線の高架をくぐる方向。中央線は東西に伸びる沿線で、線路の南側にいるので、高架をくぐると北に向かいそうな錯覚に陥るが、笹子駅周辺で中央線がうねっており、方向感覚がわかりにくいので、出発する方向は要注意。ちなみに、東側に向かった登山者は、滝子山登山と思われる。
まずは甲州街道を西に向かい、追分バス停を目指す。しかし出発直後、他の登山者につられて、甲州街道を東側に進んでしまう。正しくは、中央線の高架をくぐる方向。中央線は東西に伸びる沿線で、線路の南側にいるので、高架をくぐると北に向かいそうな錯覚に陥るが、笹子駅周辺で中央線がうねっており、方向感覚がわかりにくいので、出発する方向は要注意。ちなみに、東側に向かった登山者は、滝子山登山と思われる。
【7:47】追分(おいわか)バス停に到着。
追分バス停の少し先で、甲州街道から外れ小道に入る。その後、一本道に入るまで、道は少し複雑だが、道標がきちんと設置されているので、道標に従って歩けば問題ない。中途半端に地図を見るよりそっちの方がわかりやすい。追分トンネルまできたら、あとはほぼ一本道。
追分バス停の少し先で、甲州街道から外れ小道に入る。その後、一本道に入るまで、道は少し複雑だが、道標がきちんと設置されているので、道標に従って歩けば問題ない。中途半端に地図を見るよりそっちの方がわかりやすい。追分トンネルまできたら、あとはほぼ一本道。
「東京電力 東山梨変電所」の建物までくると登山口まであと少し。ちなみに車だと、東山梨変電所の裏手の路肩に車を駐車するスペースがあり、路肩だが公式な駐車場となっている。
鹿よけの柵だが、開け方がわからず戸惑った。前を歩く登山者も苦戦していたようで、開け方がわかりにくかったので要注意。
【9:04】登山口に到着。
ココが登山口って目印のある場所はなかったが、たぶん登山者カウンターのあったところかと。本稿では、レポートの区切りとしての便宜上、以降山道となる、上の写真の場所を登山口とする。
本社ヶ丸登山口 ~ 清八山
登山口から清八山への標準コースタイムは約1時間半。鹿よけの柵内の道は、密集する低木の間を進む。なんか自分が、小人になった気分になる珍しい感じの道。
鹿よけの柵を出た後、清八山手前の分岐まで、大きく2ターンの上りとなる。1ターン目は、尾根を直登に登る道。それなりの傾斜だが、スタート直後で体力もあるので、難なくのり切る。
尾根道を登り切った場所にはベンチがあるので、ここで1ターン目が終了。2ターン目は、左右にふられながら登る蛇行道。一見すると地味ながら、この区間がキツかった。ふられる幅が大きく、歩数に対してあまり高度を稼げない上、中盤で尾根に出そうな気配がしたので飛ばしてしまい、後半体力切れを起こしてしまった。
【10:12】清八山、本社ヶ丸分岐に到着。
分岐の左が本社ヶ丸で、右が清八山だが、まずは清八山へ向かう。清八山はこの分岐から5分ほどの距離なので、すぐです。
分岐の左が本社ヶ丸で、右が清八山だが、まずは清八山へ向かう。清八山はこの分岐から5分ほどの距離なので、すぐです。
【10:19】清八山に到着。
清八山からは西側を中心に、北から南にかけて扇形に景色がひらけている。富士山、甲府盆地に南アルプスの眺望が得られる。
清八山からは西側を中心に、北から南にかけて扇形に景色がひらけている。富士山、甲府盆地に南アルプスの眺望が得られる。
一際目立つ近隣の山は、大きくて丸い黒岳に、とんがり帽子の形をした釈迦ヶ岳で、対照的な形の山が2つ並んでいるのは、おもしろい。どちらも、以前に登っている山なので、感慨深くもある。
北から南にかけて、南アルプスの山々の眺望を楽しむことができる。また、遠くには北アルプスと八ヶ岳連峰も見える。
清八山の山頂スペースは狭く、食事はちょっとしにくい雰囲気。まだ、昼飯には早い10時台のためか、腰を落として滞在している登山者もいない。
あと、この先のルートだが、ほとんどの登山者が本社ヶ丸方面かと思っていたが、意外と三ツ峠山に向かう登山者が、一定数いた。地図を確認すると、清八山から三ツ峠山の鷹ノ巣山まで1時間20分の距離なので、確かに三ツ峠山に抜けるのも全然あり。清八山 ~ 本社ヶ丸
【10:50】清八山を出発。
さきほどの分岐まで戻り、本社ヶ丸方面へ向かう。本社ヶ丸までの道だが、痩せ尾根で岩場、ロープ場もあり。滑落という観点においては、今回歩いたコース上で、注意が必要な区間。反面、岩場のある痩せ尾根なので、途中に見晴らしの良い場所もある。
さきほどの分岐まで戻り、本社ヶ丸方面へ向かう。本社ヶ丸までの道だが、痩せ尾根で岩場、ロープ場もあり。滑落という観点においては、今回歩いたコース上で、注意が必要な区間。反面、岩場のある痩せ尾根なので、途中に見晴らしの良い場所もある。
【11:30】本社ヶ丸に到着。
清八山と同様に西側を中心に、北から南にかけて扇形に景色が開けている。開けている角度がほぼ同じなので、清八山の展望と大きな違いはない。しいて言うなら、清八山では松の木に隠れて見えにくかった三ツ峠山がよく見えるのと、八ヶ岳は本社ヶ丸の方がよく見える。反面、南アルプスは清八山に軍配。
清八山と同様に西側を中心に、北から南にかけて扇形に景色が開けている。開けている角度がほぼ同じなので、清八山の展望と大きな違いはない。しいて言うなら、清八山では松の木に隠れて見えにくかった三ツ峠山がよく見えるのと、八ヶ岳は本社ヶ丸の方がよく見える。反面、南アルプスは清八山に軍配。
山頂スペースは清八山よりやや広いぐらいで、座れる大きさの岩がゴロゴロしている。収容キャパはMAX12人程度かな。自分が到着したときに先着者が2組3名いたが、5分ほどで下山。その後も、登山者はパラパラやってくる程度。あとは、笹子駅に下るだけなので、予定よりも長く昼食時間をとってくつろぐ。
本社ヶ丸 ~ 角研山
【12:58】本社ヶ丸を出発。
まずは、ポイント地点となっている「送電鉄塔 西群馬幹線222号」を目指す。出発してすぐに、からかさ岩経由の宝鉱山への分岐がある。(一部破線コース)コース紹介では割愛したが、宝鉱山には本数少ないながらも、都留市駅からバスが出ているので、このコースを利用することも可能。ただ、笹子駅まで歩けるのに、わざわざ本数の少ないバスを利用する人は、少ないだろう。
宝鉱山(たからこうざん)
明治5年に発見され、昭和45年に閉山となった山梨県内唯一の鉱山。最盛期には郡内地域からも人が集められ、200名近い人々によって採掘が進められ、鉱夫の住居、小学校分教場も設置されていた。
明治5年に発見され、昭和45年に閉山となった山梨県内唯一の鉱山。最盛期には郡内地域からも人が集められ、200名近い人々によって採掘が進められ、鉱夫の住居、小学校分教場も設置されていた。
【13:43】送電鉄塔 西群馬幹線222号に到着。
送電鉄塔からは、ロープウェイのロープのように長ーい送電線が伸びており、ちょっと見もの。この送電鉄塔からも、宝鉱山へ抜けられるので分岐となっている。景色が良いので5分ほど、休憩を兼ねて滞在。
【14:07】角研山(つのとぎやま)に到着。
角研山は樹木に覆われており、展望・眺望は望めない。
角研山は樹木に覆われており、展望・眺望は望めない。
角研山 ~ 笹子駅
【14:12】角研山を出発。
次のポイント地点は、一旦林道に出る地点。トピックスとしては、終盤にもう1塔、送電鉄塔の近くを通ることと、林道に出る直前に、地図にない分岐あり。
次のポイント地点は、一旦林道に出る地点。トピックスとしては、終盤にもう1塔、送電鉄塔の近くを通ることと、林道に出る直前に、地図にない分岐あり。
【14:57】林道に出る。
林道に出るが、それも一瞬だけで、すぐに山道に戻される。ココまできたら後少しと思いたいが、林道から笹子駅までは約50分と、それなりに距離はある。あと、この区間の序盤に庭洞山(にわほらやま)というピークを通るが、気づかず通過。また、この区間でも送電鉄塔の下を通過する。
林道に出るが、それも一瞬だけで、すぐに山道に戻される。ココまできたら後少しと思いたいが、林道から笹子駅までは約50分と、それなりに距離はある。あと、この区間の序盤に庭洞山(にわほらやま)というピークを通るが、気づかず通過。また、この区間でも送電鉄塔の下を通過する。
本社ヶ丸の山頂から約3時間、ようやく登山口に到着。往路の林道歩きも長かったが、本社ヶ丸からの下山道も結構長かった。
【15:52】笹子駅に到着。
登山口から10分ぐらいの距離でした。これで今年の登山は締めとなります。お疲れさまでした。
登山口から10分ぐらいの距離でした。これで今年の登山は締めとなります。お疲れさまでした。
本社ヶ丸・清八山のコースタイム
予定 | 実際 | 場所 |
---|---|---|
07:06~07:11 | 07:06~07:18 | 笹子駅 |
07:36 | 07:47 | 追分バス停 |
09:01 | 09:04 | 登山口 |
10:31~10:51 | 10:19~10:50 | 清八山 |
11:46~12:46 | 11:30~12:58 | 本社ヶ丸 |
13:26 | 13:43 | 送電鉄塔222号 |
13:46 | 14:07 | 角研山 |
14:36 | 14:57 | 林道 |
15:41 | 15:52 | 笹子駅 |
本社ヶ丸・清八山の難易度
13/30
総合難易度必要体力 | |
コース距離 | |
所要時間 | |
危険度 | |
登山難易度 | |
小屋・水場 | |
アクセス | |
総合難易度 |
登山DATE
- 歩行距離:15.62km
- 高度上昇:1,129m
- 高度下降:1,129m
- 出発高度:0,602m
- 最高高度:1,631m
- 標高の差:1,029m
- 活動時間:06:47
- 休憩時間:01:47
- 合計時間:08:34
- 必要体力
- 体力的難所は、往路のベンチ以降の蛇行道。ちょっと舐めて挑んだこともあってか、結構キツかった。前を歩いていた登山者もキツかったと言っていたので、体力的にキツい何かの要素がこの区間にはあるのかも。
- 距離・時間
- 標高差は、笹子駅から約1,000mだが、登山口までで約300m、1/3ほどの高度を獲得している。ただ、登山口までの林道歩きは、通常の街歩きと変わらないレベル。また、残り700mにおいても、登山口から清八山までの1時間30分ほどで、実感としても、700mも登った感覚はなく、不思議な感じ。ただ、歩く距離は確実に長いので、ある程度長い距離を歩ける体力は必要。
- 危険度・水場
- 危険度はそれほど高くないが、清八山から本社ヶ丸までの区間は、痩せ尾根に岩場にロープ場があるので、気をつけるとしたらこの区間。道迷いの心配はない。
- アクセス
- 登山口まで2時間弱ほどかかる点はネックだが、往路復路ともに中央線の笹子駅から徒歩でアクセスできるので、相対的に考えるとアクセスは悪くない。
- 総括
- 本社ヶ丸、清八山ともに、秀麗富嶽十二景の中でも、上位に入る展望の良さ。富士山だけでなく、南アルプスの眺望も同時に望める点は高評価。登山口までの林道歩きは長いが、登山口までくれば1時間半で清八山まで登れることも、本コースの魅力。ただ、全体的に長い距離を歩くので、その点を許容できるならオススメ。
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笹子駅 ~ 清八山 ~ 本社ヶ丸 ~ 角研山 ~ 笹子駅