日本二百名山の武奈ヶ岳登山記録

武奈ヶ岳登山
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[武奈ヶ岳登山レポ]
青ガレから金糞峠経由で登る武奈ヶ岳 比良山地登山その1

2016年9月10日(土) 天候:晴れ
イン谷口 ~ 金糞峠 ~ コヤマノ岳 ~ 武奈ヶ岳 ~ 八雲ヶ原 まで
  • 比良山地
  • 比良山地(ひらさんち) は、滋賀県の琵琶湖西岸に連なる山地。南側の蓬莱山・権現山一帯を「南比良」、西側を「奥比良」、東側の釈迦岳から堂満岳一帯を「北比良」、釈迦岳以北が「リトル比良」と呼ばれている。比良山地の武奈ヶ岳は日本二百名山、蓬莱山は日本三百名山に選定されている。

    1960年、山麓から釈迦岳中腹にあったシャカ岳駅まで比良リフトが設置され、1962年にはシャカ岳駅から北比良峠にあった山上駅まで「比良ロープウェイ」が開通した。 しかしその後、レジャーの多様化による利用客減少が顕著となり、2004年にリフトとロープウェイは共に廃止。また、「比良ロープウェイ」開通と同じく、山上駅付近には比良山スキー場も開設されていたが、同様に閉鎖されている。
  • 武奈ヶ岳日本二百名山
  • 比良山地の西側「奥比良」にある標高1,214mの山。比良山地の最高峰。山頂は360度開けており、展望を楽しむことができる。1980年代前半に武奈ヶ岳へ直接登るロープウェイの建設が計画されたが、環境破壊を懸念した反対運動と、その後のバブル崩壊も重なり中止されている。
  • 八雲ヶ原
  • 関西でも珍しい、標高約900mに位置する高層湿原。国定公園の特別保護地域にも指定されている。

武奈ヶ岳のコース

武奈ヶ岳の主な登山口は東のイン谷、西の坊村、北東のガリバー村、北の朽木栃生(くつきとちゅう)の合計4つ。武奈ヶ岳は様々な派生コースが存在し、また堂満岳や釈迦岳とセットで登る人も多く、厳密な意味でのルートバリエーションは数えきれないほど存在する。特に北比良峠と金糞峠付近は、登山道が入り組んでいる。
  • 今回歩いた武奈ヶ岳のコース
  • 登り
  • 正面谷・金糞峠
  • 東側のイン谷口から、正面谷を登り、青ガレ、金糞峠、コヤマノ岳を経由するコース。
  • 下り
  • ダケ道・北比良峠
  • 東側のイン谷口からダケ道沿いに登り、北比良峠や八雲ヶ原を経るコース。

  • その他武奈ヶ岳のコース
  • その他コース
  • 御殿山コース
  • 西側の坊村登山口から御殿山を経由して登る。唯一西側から登るコース。最短コースのため最も人気がある。
  • その他コース
  • 朽木栃生・鶴瓶岳
  • 北の朽木栃生から、ホトラ山、イクワタ峠、鶴瓶岳を経て登るコース。
  • その他コース
  • ガリバー村・広谷
  • 北東のガリバー村から広谷を経て登るコース。
アイコンの説明はこちら。
※コース名に厳密な名称はありません。
地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

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武奈ヶ岳コースレポート

イン谷口 ~ 金糞峠

【5:00】登山口に到着。
はりきって夜明け前に出発したため、登山口一番乗り。イン谷に到着したときは真っ暗で、車は一台もないため、駐車場所がいまいちわからず少し戸惑った。

【5:37】出発準備を整え、イン谷口の分岐に到着。
イン谷口から大山口までの道は、最初こそ舗装道路を歩くが、すぐに浮き石がゴロゴロし始める。

【5:55】大山口に到着。
ココが北比良峠と金糞峠(かなくそとうげ)の分岐地点。右に進むと北比良峠、八雲ヶ原経由のコースとなる。

登山口となる大山口から金糞峠までの道は、山と高原地図で破線(難路)表示されている。実線で描かれているダケ道・北比良峠コースを歩いても良いが、武奈ヶ岳までの標準コースタイムは金糞峠を経由した方が短い。

青ガレまで沢沿いを歩くため、この区間は水に困らない。中途半端な大きさの浮き石が多く、歩いていてあまり気持ち良くない道。途中、コース外に2分ほど外れた場所にかくれ滝という滝があるので、余裕があれば見ておいて損はない。ただし、ちょっと道がわかりづらいかも。

大山口から30分ほどで、本格的なガレ場の登山道に変わっていく。

【6:34】青ガレに到着。
青ガレ手前で沢を渡渉し、青ガレ以降は沢から離れる。青ガレは斜面に大きな石が積み重なった場所。パッと見るとコースに見えず、沢沿いに進んでしまいそうになるが、コース外のため要注意。青ガレは、かつて斜面が大きく崩れた状態のまま大岩が堆積している。殆どの岩は安定しており、登っていて落石を発生させてしまうこともない。

青ガレから少し進むと沢筋のガレ道となる。このガレ道から金糞峠までは、ちょっと体力が必要な区間。ココも先ほどの青ガレ同様に落石が発生したり、滑落するような地形ではないため、一歩一歩確実に登っていけば危険はない。

話題は変わるが、この武奈ヶ岳全般の話で、休憩のため立ち止まって1分もするとハエが寄ってきてかなり鬱陶しい。また、何故かコヤツらは肌を露出している腕にとまってくるし・・。
近江八景 比良暮雪(魚栄板)。 近江八景 比良暮雪(魚栄板)。

【7:06】金糞峠に到着。
殆どの人が気になるであろう超インパクトのあるこの峠名。金屎(かなくそ)と呼ばれる金属を精錬するときに出る滓(かす)の様な石が堆積していたことが由来らしい。

この金糞峠からの景色だが、近江八景の1つ「比良幕雪(ひらのぼせつ)」として有名で、江戸時代末期の浮世絵師「歌川広重」が、金糞峠からの風景を描き、後世に残している。

しかし、実際のところ金糞峠から琵琶湖方面を見ても草木が邪魔して何も見えない。途中のガレ場を登っていた時に、振り返って撮影した写真が1枚あり、この写真が浮世絵の構図と近い。
登山において金糞峠は、様々なコースのハブとなる地点。さすがに疲れたので、金糞峠で中休憩。ココから中峠を経由せずに、ショートカットする最短ルートで武奈ヶ岳山頂を目指す。

金糞峠 ~ コヤマノ岳

【7:14】金糞峠を出発。
次なる中間目的地はコヤマノ岳。少し下ると再び沢が流れる、窪地のような場所に到着。このあたりも分岐が多く道が入り組んでいるので、地図を見ながら慎重に進む。中峠方面への道ははっきりしているが、ショートカットできる道への分岐がわかりづらく一度通り越してしまう。よく見ると分岐に小さな案内板は設置されているが、文字は読み取れない。

分岐に入るとすぐに尾根へ登る急登。尾根に登りきってしまえば、その後は尾根伝いに歩くため楽。この付近はシャクナゲが多く自生していたので、5月頃に歩けばシャクナゲの花がきれいだろう。この尾根伝いの道だが、登山道に蜘蛛の巣が多くて困る。しかも、蜘蛛の糸1本とかではなく、きちんと放射状になった本格的な蜘蛛の巣だし。

再び合流地点があり、その地点を通過した後は、緩やかにアップダウンが続く。
【8:18】コヤマノ岳に到着。
特にピーク感もなく、展望はない。少し休憩してすぐに出発。

コヤマノ岳 ~ 武奈ヶ岳山頂

【8:42】武奈ヶ岳山頂に到着。
360度の展望どころか360度真っ白。天気予報は晴れなので、そのうち晴れるだろうと、ひとまず食事をしながら待機。

途中の登山道では誰にも出会わなかったので、本日の山頂一番乗りかと思いきや、先着1名。その後も、パラパラとやってくる登山者。見たところ殆どの登山者は御殿山コースから登ってきているようだ。

20分ほどすると霧が晴れてくる。霧が晴れる前に下山していった登山者2名。霧が晴れるのを何故もう少し待たないのか謎・・。9時過ぎで、まだまだ時間はあるのに早々に下山していくのはもったいなさすぎ。

武奈ヶ岳山頂は、360度の展望がある。武奈ヶ岳山頂から見える代表的な風景は、琵琶湖に蓬莱山に伊吹山。遠くにうっすら御嶽山も見えたが、超広角レンズのカメラで撮影するのは難しかった。残念ながら伊吹山は見えず。

朝が早かったので山頂で昼寝していたが、寝ているとハエが寄ってきて、顔の周りでブンブン羽音をたてるので安眠できず。武奈ヶ岳はこのハエが本当に鬱陶しい。

武奈ヶ岳山頂 ~ 八雲ヶ原

【10:35】武奈ヶ岳山頂を出発。
時間に余裕があったので、結局2時間弱ほど山頂に滞在していた。次なる目的地は釈迦岳だが、まずは八雲ヶ原を目指す。
【11:09】八雲ヶ原に到着。
八雲ヶ原には複数の登山道の合流地点になっている上、平原のため登山道がわかりづらい。なんとなく進むべき方向はわかるので道に迷うことはないと思うが。
八雲ヶ原のヤクモ池周辺地図 八雲ヶ原、ヤクモ池周辺の地図。

【11:15】八雲ヶ原ヤクモ池に到着。
2016年度版の山と高原地図を持参していたが、この地図のヤクモ池が正確に記されていないので要注意。ヤクモ池の南に小さな池があり、この小さな池を指してヤクモ池と記されている。

厳密にはこの小さな池もヤクモ池に含まれるのかもしれないが、北から南に向かって歩いてきた場合、まず目につくのは北側のヤクモ池。この齟齬が、ちょっとした混乱を招く。しかも、ヤクモ池にある案内板は錆びていて文字を読み取ることができないのが、混乱を助長させる。地図に池を書き込むとわかりやすいので、書き込んだ画像をアップしておいた。

池を書き込んだ地図を見るとわかりやすいが、ヤクモ池と八雲ヒュッテ跡は同じ地点にある。
八雲ヶ原

八雲ヶ原からスキー場跡地を歩き、比良ロッジ跡を経由して釈迦岳に向かう。

To be continued...

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武奈ヶ岳コースタイム

予定 実際 場所
04:30 05:00 イン谷駐車場
04:40 05:37 イン谷口
05:05 05:55 大山口
05:55 06:34 青ガレ
06:35~06:45 07:06~07:14 金糞峠
07:35 08:30 コヤマノ分岐
07:55~09:25 08:42~10:35 武奈ヶ岳山頂
09:40 - コヤマノ分岐
10:20 11:15 八雲ヒュッテ跡

武奈ヶ岳の難易度

難易度

10/30

総合難易度
必要体力 体力難易度2
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度0

登山難易度 登山難易度4
小屋・水場 小屋・水場難易度2
アクセス アクセス難易度0

総合難易度 総合難易度
※ 27,632歩(イン谷からイン谷までの歩数)
※ アクセスは京都基点
評価基準の詳細はこちら。

東側から登るなら、上り・下りどちらでも良いので、景勝地として有名な高層湿原の八雲ヶ原は経由した方が良い。近江八景の金糞峠も有名だが、魅力や見どころの多さなどから、八雲ヶ原の方がおすすめ。

意外だったのは、武奈ヶ岳を目指さず八雲ヶ原や北比良峠・金糞峠を周回するハイキング目的のハイカーも多かったこと。確かにハイキングが目的なら、無理に武奈ヶ岳に登らなくても十分楽しめる魅力はある。ロープウェイやリフト、スキー場などの跡地もあるため、跡地や遺構巡りが好きな人も、登山とセットにすればより楽しむことができる。

琵琶湖側となる東から登るとなると、それなりに距離はあるので時間も必要。今回の登山で体力的に最も厳しかったのは、大山口から金糞峠までの区間。青ガレ以前の道も、浮石が多く歩きにくいため、登山に慣れていない人は避けた方が無難。逆に金糞峠まで辿り着けば、あとは気楽に登ることができる。

コースは多岐にわたり、エスケープルートもたくさんあるので安全ではあるが、案内板のない分岐や、分岐とわからない分岐もあるので、道を間違えやすいので注意は必要。道中にトイレはないが、水場は豊富にあるので、水には困らない。ただ、場所によっては、水が泡立っていて飲料水として敬遠する場面もあったので、最低限の水は持参したほうが良い。

武奈ヶ岳にはハエが多いので、気になる人は虫よけスプレーを持参したほうが良い。虫は苦手ではないが、休憩しているとき、あれだけ寄ってこられると、さすがにうんざりさせられる。

アクセス面において、観光地として賑わっていた1900年代後半に比べて不便になったようだが、車なら不便には感じない。曜日や期間によるが、各登山口にバスも出ているため、アクセスは悪い方ではないと思う。むしろ昔が良すぎただけ。

比良山地全般に言えることだが、他の山では実現できない最大の特徴がある。それは、朝は登山で昼から琵琶湖で水泳という、やろうと思えば海と山の2大レジャーを同日に楽しめること!例えば、イン谷から近江舞子水泳場までなら、車で10分もあれば移動できる。今回海パンを忘れたので実現しなかったが、これはアルプスなどでは絶対できない最大のメリット。次回は海パン忘れずに、友達誘って実現させたい。
ご質問・感想などコメント歓迎します。
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