甲武信ヶ岳

甲武信ヶ岳登山

甲武信ヶ岳

Kobushigatake

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[甲武信ヶ岳登山レポ]
奥秩父の原生林を歩く甲武信ヶ岳登山! 奥秩父縦走登山その4

2014年9月15日(月)天候:晴れのち曇り
国師ヶ岳 ~ 甲武信ヶ岳 ~ 三宝山 ~ 武信白岩山 ~ 大山 ~ 十文字峠 ~ 梓山 まで
  • 甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)日本百名山新花の百名山山梨百名山
  • 奥秩父主脈の中核に位置する、標高2,475mの山。山容が握りこぶしに似ていることから、本来は拳岳と書く。それが、甲斐、武蔵、信濃の境界にあるため、甲武信ヶ岳となった。
  • 三宝山(さんぽうざん)
  • 甲武信ヶ岳の北、埼玉県秩父市と長野県南佐久郡川上村の境にある標高2,483mの山。埼玉県の最高峰。
  • 武信白岩山(ぶしんしらいわやま)
  • 甲武信ヶ岳から北に伸びる尾根沿いにある標高2,280mの山。山頂は岩峰になっており展望は良いが、落石の危険があるため、登頂禁止となっている。
  • 大山(おおやま)
  • 甲武信ヶ岳から北に伸びる尾根沿いにある標高2225mの山。

甲武信ヶ岳のコース

甲武信ヶ岳の登山口は、北側「毛木平」、西側「大弛峠」、南側「近丸新道登山口」「徳ちゃん新道登山口」「雁坂峠登山口」がある。
  • 大弛峠コース登り利用
  • 大弛峠から、国師ヶ岳を経由して登るコース。走行距離が長いため利用者は少ないが、金峰山から縦走する場合、このコースは必然となる。
  • 十文字峠コース下り利用
  • 毛木平から入り、十文字峠、大山、武信白岩山、三宝山を経由するコース。
  • 千曲川源流遊歩道コース
  • 毛木平から入り、千曲川源流遊歩道に沿って登るコース。標高差も少なく、最も登りやすいコースとして利用者も多い。
  • 西沢渓谷コース
  • 西沢渓谷から登り始める。途中の道は「近丸新道」「徳ちゃん新道」に分かれるが、2コースは平行しており、2時間ほどで合流する。
    その後は木賊山、甲武信小屋などを経て山頂に至る。西沢渓谷は関東からのアクセスも良いため、利用者が多い。
  • 雁坂峠コース
  • 西沢渓谷あたりから登り始めるコースだが、「雁坂峠登山口」から入り、雁坂峠や破風山を経由するため、東側を大廻りするルートとなる。
    なお本コース上にある雁坂峠は日本三大峠のひとつに数えられている。
多いパターンは「北(南)側から登って南(北)側に下る。」「北(南)側から登って北(南)側に下る」パータン。
北、南ともにコースが2分しているので、ピストンを含めるとルートバリエーションは16パータン。大弛峠からの縦走でない限り、このルートパターンのいずれかを利用している。
※コース名に厳密な名称はありません。
山と高原地図
甲武信ヶ岳のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「金峰山・甲武信」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

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甲武信ヶ岳コースレポート

国師ヶ岳 ~ 東梓

【6:50】国師ヶ岳から本日の主目的である甲武信ヶ岳へ向け出発。
大弛峠から国師ヶ岳までは、短い区間に見どころスポット満載だったが、国師ヶ岳から甲武信ヶ岳までは区間が長い割に見どころスポットは少ない。コースの大半が、展望のきかない樹林帯。

ひとまず第一目的地は東梓。何があるのか知らないが、一応地図に「東梓」と記されている。標準コースタイムは2時間。国師ヶ岳の標高2,592mに対して 東梓は2,271m。普通に考えると下り中心の筈。しかし、2時間という長いコースタイムが気にかかる。鬼のようなアップダウンの連続だけは勘弁..。
国師のタルから少し上り道が続く。この区間は、多少の記録(写真)はあるものの、記憶が殆どないので、特筆すべきポイントはなかったと思う。
【8:24】東梓に到着。
この区間のコースタイムは2時間に対して1時間半。アップダウンは激しくないので体力的な消耗は少ないが、コース距離は長かった。東梓は少しだけ開けた場所で、展望・眺望もきかず。にしても地名標識小さ過ぎ!下手したら見落としスルーしてしまうレベル。小休憩後に、次の目的地である両門ノ頭に向け出発。

東梓 ~ 両門ノ頭

東梓~両門ノ頭の標準コースタイムは40分のため、すぐに到着するかと思いきや、なかなか辿りつかない。途中に中規模のピークを2つほど超える。なかなか着かないので、「ひょっとしてさっきのピークが両門ノ頭じゃねぇ?」など話していると、前から歩いてきた登山者が「もう少し先ですよ」と教えてくれた。
雲が多くなってきたので、次の目的地である富士見へと急ぐ。

両門ノ頭 ~ 富士見 ~ 水師

両門ノ頭~富士見までの標準コースタイムは30分。地図には"平凡な尾根道"と書かれており、「平凡=平坦」と解釈していたが、それなりにアップダウンもあり少し心を折られた。

【9:40】富士見に到着。
富士見という名前なのに、富士山はおろか景色が開けておらず、コースが直角に曲がるという事だけが特徴の地点。休憩をとらずにそのまま次の目的地である水師を目指す。

富士見から水師までの区間は、これまで以上に苔と菌類(キノコ)の森が広がる。テンションも上がり、腐海(ふかい)を散策するナウシカ気分を味わえる。この区間は展望・眺望とは違ったミクロ的視点で山を楽しめる。
水師の目前に、長い急登が待ち構えていた。これまでは、先の見える小さなピーク越えの連続だったが、今回はピークが見えない。とはいえ、写真撮影しつつの歩行で体力も回復していたので、一気に駆け登った。
【10:21】水師に到着。
東梓同様に、小さな開けた場所で展望・眺望はゼロ。にしても、標準コースタイム1時間30分に対して、50分で到着。途中で写真撮影のためかなり足を止めていたにも関わらず、このタイム。先の両門ノ頭はかなり飛ばしてコースタイムぴったりだったので、標準コースタイムが大雑把すぎるように感じた。まあ、おかげで水師以降、一気に時間の余裕ができたけど。

水師 ~ 甲武信ヶ岳

水師からほどなく歩くと、露岩地帯に出る。ココから甲武信ヶ岳の山頂が見え、いよいよあと少しという実感が湧く。
【10:33】千曲川源流遊歩道との合流地点に到着。ココまできたら、甲武信ヶ岳は目と鼻の先。
【10:51】甲武信ヶ岳の山頂に到着。
山頂への最後はキツイ上りを覚悟していたが、意外とすんなり登頂。元々標高の高い場所を歩いてきたからこんなもんか..。
山頂は西側を起点に180度の展望。しかし南側から霧が目に見える早さで迫ってきており、滑り込みギリギリセーフ。山頂到着10分後には、北側の一部を除き霧で覆われてしまった。1時間早く着いたので、食後も少し粘ってみたが、残念ながら霧は晴れず。

山頂スペースは広くないが、登山者も10人ぐらい。金峰山と比較すると極端に人が少なく、玄人っぽい人たちばかり。なもんで、はしゃいだりする人もおらず、山頂は静粛な雰囲気に包まれている。そして曇ってきて風も強いため、めっちゃ寒い..。

大弛峠から一緒に登ってきた方とは、ココでお別れ。彼は西沢渓谷に抜けるそうで、予定より早く着いたことで1本早いバスに乗るため、一足早く甲武信小屋方面へ下っていった。

甲武信ヶ岳 ~ 三宝山

【10:51】甲武信ヶ岳の山頂を出発。
この先もコース距離は長く不確実性が高いので、余裕をもって出発。コース上にある山を3つ越える必要があるため、まだまだ先は長い。次の目的地は三宝山。地図で確認すると目と鼻の先だが、肉眼で見ると距離がある。

三宝山へは尾根伝いにそのまま行ければ良いが、そうは問屋が卸さない。下って上るV字ルート。ただ、昼飯を食べて体力も回復し、荷物も軽くなっているので、苦もなく三宝山に到着。山頂直前に三宝岩への分岐がある。山頂は展望がきかないため、三宝岩は寄っておきたいスポット。
予想どおり、霧で景色は一部しか拝めなかった。ちなみに、一見わかりにくいが三宝岩の上に登ることもできる。
【12:28】三宝山の山頂に到着。
山頂は樹林に覆われ展望・眺望ゼロ。ただ、緑の天然芝で周りも木々に覆われ風もないので、昼食は食べやすそう。休憩はとらずにそのまま先を急ぐ。

三宝山 ~ 武信白岩山

【12:52】尻岩に到着。
尻岩は下りきった鞍部にある岩。ココまで長い下りが続いたので、やはり登り返しが待ち構えていた。

尻岩から先の上り道は、時間短縮のため駆け抜けるように登った。ある程度登りきった場所にいくつかの大岩が鎮座。地図を確認すると「武信白岩山の山頂は登山禁止」と書かれており、てっきりこの山が武信白岩山で、「この大岩より上に登れるのか?」と疑問に思ったがそのまま深く考えずに先に進む。

その後はやや危険な尾根伝いとなり、鎖場や痩せた道などもあるため、少し気をつけて歩く必要あり。
【13:23】武信白岩山。
木の標識の文字が完全に消えているため、このときはこの岩場が武信白岩山だと気付かなかった。山頂への登り口に大きく「×」と書かれていたが、無性に登りたい衝動に駆られる。でも登ったところで周りはガスだらけだし、疲れもあり少しでも早く下山したいし..ということで悩んだが、結局登らなかった。

武信白岩山 ~ 大山

次の目的地である大山を目指す。引き続き、岩場、痩せた道、岩壁など危ない箇所が続くので気をつけながら歩く。
大山への上り道。この2日間で最後の上りだろうし、それほど距離もないだろうとココも7~8分ほどで一気に駆け登る。
【13:51】大山に到着。
大山山頂の見晴らし良いが、人はいない。甲武信ヶ岳以降は、駆け抜けるように歩いてきたので、大山で中休憩。

大山 ~ 十文字峠

【14:00】大山を出発。
大山の北斜面には3カ所鎖場があり。大山以降はひたすら続く下り道。とにかく我武者羅に下り続けること30分ほどで十文字峠に到着。

【14:25】十文字峠に到着。
十文字小屋でスポーツ飲料を飲む予定だったが、スポーツ飲料が売っていない。仕方なくサイダーを購入。普段、炭酸飲料を飲まないので炭酸で腹がパンパンになってしまい、買わなきゃ良かったと後悔。

十文字小屋近くに水場があり「水場まで5分」と書かれていたが、意外と距離がある。また多少下りで帰りは上りとなるため、切羽詰まっていないなら、十文字峠の少し先にあるコース上の水場まで我慢したほうが良い。水場に行ったり、トイレを済ませたりしていたため、結局十文字峠に30分ほど滞在。

十文字峠 ~ 毛木平

【14:55】十文字峠を出発。
十文字峠から毛木平まで長ーい下り道が待っている。
林道に出たら、毛木平駐車場まであと少し。
【16:07】毛木平の毛木平駐車場に到着。
駐車場には車が数台止まっていた。自分はバスなので先を急ぐため必死こいて歩いたが、途中で追い越した方々は、ここに車を止め登っていると思われる。

毛木平 ~ 梓山(あずさやま)のバス停

毛木平から、戦場ヶ原の高原野菜畑をバス停まで歩く道はとにかく長い。道がまっすぐで前方の見晴らしが良いので「これ歩くのか..」って心が折られそうになる。バスの時間まで余裕があったのは幸い。道中、高原野菜を積んだ軽トラックが何台も走り抜けていく。荷台にでも乗せてくれたら嬉しいんだけど。
【17:04】梓山のバス停に到着。
バス停は道の反対車線にあるので要注意。一度見逃して通り過ぎてしまった。予定していた19時10分のバスより1本早い、17時40分のバスに間に合った。バスが来るまで休憩しながら時間を潰す。

【18:05】信濃川上駅に到着。
ちなみに、梓山から信濃川上駅行きのバスですが、最後まで貸し切りでした。

お疲れ様でした。

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甲武信ヶ岳コースタイム

予定 実際 場所
05:00 05:00 大弛小屋出発
- 05:18~05:35 夢の庭園
05:45 06:04 北奥千丈岳
- 06:15~06:35 朝食
07:00~07:30 06:41~06:50 国師ヶ岳
09:30 08:24 東梓
- 09:05 両門ノ頭
10:30 09:40 富士見
- 10:21 水師
12:00~13:00 10:51~12:00 甲武信ヶ岳
13:30 12:28 三宝山
15:00 13:23 武信白岩山
- 13:51 大山
16:20 14:25~14:55 十文字峠
17:50 16:07 毛木平
19:00 17:04 梓山バス停

甲武信ヶ岳の難易度

難易度2

17/30

総合難易度
必要体力 体力難易度3
コース距離 コース距離難易度5
所要時間 所要時間難易度5
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度7
小屋・水場 小屋・水場難易度2
アクセス アクセス難易度1

総合難易度 総合難易度6

登山DATE

  • 歩行距離:21.8km
  • 登山歩数:49,165歩
  • 高度上昇:0,834m
  • 高度下降:1,907m
  • 最高高度:2,601m
  • 最低高度:1,314m

  • 標高の差:-1,287m
  • 活動時間:09:39
  • 休憩時間:02:25

  • 合計時間:12:04
必要体力・距離
今回は金峰山からの縦走ルートであったためコース距離は長かったが、反面、急登など極端に体力の消耗が激しい箇所はなかった。長い距離を歩くための体力さえあれば問題はない。ちなみに、1日で49,165歩も歩いたのは、丹沢縦走の2日目に次ぐ多さ。
危険度・水場

大弛峠から甲武信ヶ岳までの危険箇所は皆無。武信白岩山や大山あたりで痩せた道や鎖場はあるが、少し注意が必要な程度で、大した危険度ではない。道迷いなどの心配もない。あえて危険度を言うなら、このコースは登山者が少ないので、万が一何かあったときに、助けて貰いにくいこと。

大弛峠から十文字峠まで水場や山小屋はない。山頂を西沢渓谷に少し下れば甲武信小屋と水場はあるが、梓山方面へ抜ける場合、往復30分弱かけて甲武信小屋まで行くのは現実的ではない。持参する水の量や水分補給量は、計画的に行う必要がある。
総括
瑞牆山、金峰山、甲武信ヶ岳の百名山3座に、三宝山、国師ヶ岳、北奥千丈岳など、これだけの山を縦走できるコースは貴重だし、天候にも恵まれ、良い山歩きができた。
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