六ツ石山

六ツ石山登山

六ツ石山

Mutsuishiyama

白

[六ツ石山登山レポ]
水根から登る、奥多摩三大急登の六ツ石山登山

2016年4月10日(日)天候:くもり
水根 ~ 六ツ石山 ~ 三ノ木戸山 ~ 奥多摩駅
  • 六ツ石山(むついしやま)
  • 東京都西多摩郡奥多摩町にある、標高1,478mの山。雲取山から奥多摩駅付近までのびる長大な尾根「石尾根」上にある。奥多摩湖の水根から登るコースは奥多摩三大急登の1つに数えられている。
  • 石尾根(いしおね)
  • 奥多摩山域でも屈指の長大な稜線。雲取山から奥多摩駅付近にのびる尾根のこと。奥多摩山域では、比較的標高が高いので景色が良く、また広い尾根なので人気がある。植生は落葉広葉樹林が主で、新緑や花、紅葉などがこの尾根の魅力。

六ツ石山のコース

登山口は主に「石尾根縦走路登山口」「水根登山口」の2つ。六ツ石山単独で登る登山者もいるが、多くは、雲取山や鷹ノ巣山とセットで登る登山者が多い。
  • 水根コース登り利用
  • 奥多摩湖近くの水根から直登に六ツ石山を目指すコース。 最も一般的なコースだが、傾斜が急な直登コースのため、「奥多摩三大急登」の一つに挙げられている。
  • 石尾根コース下り利用
  • 奥多摩駅から石尾根沿いに登るコース。水根からのコースに比べ傾斜は緩やかだが、その反面コース距離は長い。
山と高原地図
六ツ石山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「奥多摩」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

六ツ石山の登山計画

プラン
今回の登山は前回の三頭山登山に続く、本格的登山シーズンに向けた筋トレ&基礎体力作り。前回の三頭山ヌカザス尾根が奥多摩でも屈指の急登コースであったため、筋トレ&基礎体力づくりを兼ねて、奥多摩の急登全て登ってしまおうと計画。
コース
まずは「奥多摩三大急登」に挙げられる事が多い、水根~六ツ石山のコースを選択してみた。なお、今回も筋トレが目的のため、ストック無しで挑むことにした。

六ツ石山コースレポート

水根 ~ 六ツ石山登山口

【7:45】水根バス停下車。
水根バス停で降車したのは、自分一人。降車後トイレに行きたくなったので、奥多摩湖バス停近くにある、トイレに寄ることにした。水根バス停から奥多摩湖バス停までは、歩道橋のショートカットを使えば5分弱で到着できるが、こんなことなら最初から奥多摩湖バス停で降りとけば良かった..。

登山口までは林道歩きとなる。登山口まで迷う心配もしていたが、要所にきちんと道標が設置されていたので、迷う可能性は殆どない。

【8:12】水根バス停から15分ほどで、六ツ石山登山口に到着。

六ツ石山登山口 ~ トオノクボ

産土神社

登山口からは民家脇の私道のような道を登っていく。第一目的地は中間地点となる「トオノクボ」で標準コースタイムは1時間40分。

登り始めてすぐの場所に、鳥居とプレハブの中に入った小さな社のある産土(うぶすな)神社がある。登山中に神社を見かけると、どうもお参りしたくなるので、今回もお参りをしていると、登山者の鈴の音が聞こえ始める。トイレに寄ったりお参りしたりとグズグズしていたので、次のバスでやってきた登山者が追いついてきたようだ。

奥多摩の屈指の急登コースだけあって、登り始めからすぐに急登。最初は九十九折の道で、それなりに傾斜もあるので序盤からバテバテ。しばらくすると、真っすぐ伸びる直登かつ急登の登山道となり、これがトオノクボまで続く。また、景色は殆ど代わり映えしないため、一心不乱にひたすら急登を登る苦行の登山。

ただし、前回登った三頭山のヌカザス尾根は、滑りやすいヘドロや砂利道、足が沈み込むほどの広葉樹の落葉など登りにくさは最強級だったが、六つ石山は踏み固められた道に杉落葉と、ヌカザス尾根に比べると登りやすい。

【8:59】坂を登り切った場所、丸太のある休憩スペースに到着。
ココで、後方を歩いている登山者を前に通すことにした。後ろの登山者は、結構ペースも速く、鈴の音で追い立てられるようで、落ち着かなかったので。

名も無きピークを過ぎると、しばらくは緩やかな道。しかし、それもほんの僅かの間で、すぐに杉林の長~い急登が待ち構えている。この急登区間が、本コース最大の難所といってよいだろう。登り始めはよかったが、登っても登っても先が見えず、体力的にもキツく、汗もダラダラ。トオノクボまであと少しの筈だが、キツさから感覚的には長いのなんのって。
急登を登り始めて20分ほどで、枯れ木が目立ち始め、暫くすると道が尾根から外れ右に曲がり始める。道が尾根から外れ始めたことで、トオノクボが近いことを直感。体力を振り絞って登る。
【9:44】トオノクボに到着。
遠くから道標が見えたのでトオノクボだと思い、必死こいてたどり着いてみると、道標だけで休憩スペースもなく、ポイントのようになっていない。おかしいと思い、登山用GPSで確認してみると、トオノクボのほんの少し手前を指している。「え~」って思ったけど、GPSではあと少しなので、休憩せずにそのまま進むことに。後で知ったが、やっぱりこの道標の地点がトオノクボで正しい。

トオノクボ ~ 六ツ石山

トオノクボ以降は、これまで登ってきた杉林の急登とはまた違ったタイプで、草原のような幅広い道。スキー場のコースを夏に登るとこんな感じだと思う。ココはいわゆる山火事被害を食い止めるための防火帯。そういえば、石尾根縦走路から登った時にも、六ツ石山の手前に防火帯があったし。

さて、この防火帯だが、地味にしんどい..。ココを登るにはストックが欲しいところ。とは言っても、この急登も小ピークを2つほど超えると、緩やかとなるので、序盤の杉林の急登よりかはマシ。

2つめの小ピークにたどり着いた時点で、いくらなんでもトオノクボに着いていないとおかしいのでGPSを確認すると、とっくに通り過ぎていた。このとき、やはりさっきの道標の場所がトオノクボだったことに気付く。もともとピークになっているような場所でもないし、地図ソフトの地点がズレていたのだろう。
ココで張り詰めていたものがプチンと切れ、道端の落葉の上で大の字に寝転がって休憩。

さて、防火帯の登山道も、トオノクボ直後こそ急登でキツかったが、中盤から六ッ石山の山頂まで、緩やかな道が続く。山頂直前に少し登りがあるが、大した登りでもなく、そのまま六ッ石山の山頂に到着。

【10:23】六ッ石山の山頂に到着。
山頂には誰もおらず、途中で追い抜いていった登山者もいない。あの登山者は、鷹ノ巣山への縦走だったのかな?

六ツ石山の山頂は展望が良さそうでそれほど良くない。西側が少し開けており鷹ノ巣山が見えたのと、南東の木々の間から御前山が見えるぐらい。山頂スペースは広いので、六ッ石山の人気と照らし合わせると、山頂が人で溢れかえることはないだろう。
昼食を作っていると、ポツポツと人がやってくる。石尾根縦走路のある六ツ石山分岐からやってくる登山者は、雲取山か鷹ノ巣山から石尾根を下ってきたついでに六ツ石山に寄っているようだ。また、自分が登った水根からも20~30分に1組程度、ポツポツと登ってくる。1組だけ親子だったが、あとは全員ソロ男性。

六ツ石山 ~ 将門馬場 ~ 六ッ石山分岐

【11:56】スケジュールに余裕があるので、山頂でゆっくりして出発。
本来であれば、そのまま石尾根縦走路から、奥多摩駅に向かうのだが、2年前の雲取山登山の際に確認漏れしたポイントを回収していく計画を立てていた。具体的には、六ツ石山と鷹ノ巣山の間にある「将門馬場」と、石尾根の途中にある「三ノ木戸山」。三ノ木戸山は帰り道の途中で寄れるので問題ないが、将門馬場は鷹ノ巣山方面へ向かい、途中で引き返してくることになる。
将門馬場までは殆ど平坦な道で、少し登りもあるが、大したことはない。将門馬場は登山道から外れた場所にあるため、少し場所はわかりにくい。鷹ノ巣山の尾根筋から下ってくる場合、右に曲がる場所を直進すれば良いだけなのでわかりやすいが、六ツ石山から鷹ノ巣山に向かう場合は、直進する道を右に曲がらなければならず、その分岐地点に目印がないため、見つけるのは難しい。

【12:26】将門馬場に到着。
「将門馬場」と書かれた木の板があるだけで、将門ゆかりの何かが有るわけでもないので、場所がわからなければスルーしても良いレベル。ちなみに将門馬場への道は、山と高原地図には載っていないが、コースとして存在している。踏み跡も明瞭で、ピンクリボンも付いているし、道さえわかっていればそのまま鷹ノ巣山の尾根筋へと抜けることもできる。

六ツ石山方面から歩いてきた場合、将門馬場への分岐はわかりにくいが、手前に九十九折の上り坂があったので「六ッ石山分岐以降で九十九折の上り坂を登り切った箇所の少し先」と覚えておけば見つけやすい。
【12:51】六ツ石山分岐に戻ってくる。
将門馬場への往復で、1時間を費やした。少しだけ休憩してから出発。

六ツ石山分岐 ~ 三ノ木戸山

六ッ石山分岐から、奥多摩駅まで殆ど下り道。石尾根縦走路で特徴のある場所は、防火帯の急登と、登山道が窪み木の根が露出した塹壕のような場所。まず、立ちはだかるのは防火帯の道。2年前の雲取山登山の際は、この防火帯の道に泣かされた記憶がある。とはいっても今回は下りなので気楽。今回歩いて改めて感じたが、この道は2度と登りでは歩きたくない。
三ノ木戸山への道は、山と高原地図でもコースとして紹介されている。しかし、分岐地点の道標には、三ノ木戸山について何も書かれていないので、普通に歩いていたらスルーしてしまう。三ノ木戸山には触れられていないが、分岐地点に道標はあるので、登るならその道標が目印。三ノ木戸山への道は、道幅が広がり落葉が積もっているので、コースといえるレベルかは微妙。
【13:23】三ノ木戸山に到着。
三ノ木戸山の山頂は、山頂を実感できるようなピークもなく展望もきかず、山頂標識もない。山頂標識に関して、木に打ち付けられた小さな標識をWebで見ていたが、見つけられず。結構探したので、ひょっとしたら今は何らかの原因でなくなっているのかも..。

三ノ木戸山 ~ 石尾根縦走路登山口

コースに従うなら一旦先ほどの分岐まで戻ることになるが、面倒なのでコース外を横断し、ショートカットで石尾根縦走路に戻る。登山道外といっても三ノ木戸山の山頂周辺が地権者の作業場みたいになっているし。

さて、三ノ木戸山からしばらく進むと登山道が窪んだ木の根地帯に突入。ココも2年前の登りでは苦労した場所。下りなので問題はないが、地面の大半がヘドロで滑る滑る。後ろからきた登山者は窪みの上を歩いていたが、登山道の侵食を助長させてしまう恐れがあるため、自分は無難に登山道を歩く。かなり気をつけて歩いたが、それでも3回ほど滑り、手やズボンがヘドロまみれになってしまった。
木の根地帯を抜ければ後は、集落跡地を通り奥多摩駅に抜けるだけ。
樹林帯に突入。三ノ木戸集落への分岐地点を通過すると、戦後まであった集落の跡地を抜ける。今回は余裕があったので、この集落跡地をよくよく観察してみたところ、山間の平らな場所を利用し、家屋が建っていたと思われる場所を発見。既に建物の残骸などもないため、平らな場所をつくるために組まれた石垣が唯一の名残。
【1:26】石尾根縦走路登山口に到着。
以前にはなかった「クマ注意」の注意書き。どおりで、鈴を携帯している登山者が多いと思った。

石尾根縦走路登山口 ~ 奥多摩駅

平成26年5月20日の夕方、羽黒三田神社あたりに熊が出没したらしい。前回は平成26年4月26日に石尾根から登っているので、その約1カ月後。
【14:58】奥多摩駅に到着。

六ツ石山コースタイム

予定 実際 場所
08:15 07:45 水根
- 08:12 六ツ石山登山口
10:00 09:44 トホノクボ
11:00~12:00 10:23~11:56 六ッ石山
12:30 12:26 将門馬場
13:00 12:51 六ッ石山分岐
14:10 13:11 三ノ木戸林道分岐
- 13:24 三ノ木戸山
- 14:26 石尾根縦走路登山口
16:20 14:58 奥多摩駅

六ツ石山の難易度

難易度

08/30

総合難易度
必要体力 体力難易度3
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度2
危険度 危険度難易度0

登山難易度 登山難易度4
小屋・水場 小屋・水場難易度0
アクセス アクセス難易度0

総合難易度 総合難易度3

登山DATE

  • 歩行距離:15.91km
  • 登山歩数:24,263歩
  • 高度上昇:1,143m
  • 高度下降:1,345m
  • 出発高度:0,519m
  • 最高高度:1,478m

  • 標高の差:0,959m
  • 活動時間:05:40
  • 休憩時間:01:33

  • 合計時間:07:13
必要体力・危険度

奥多摩でも屈指の急登だけあって、今回もかなりキツかった。特に、トオノクボ手前あたりに待ち構える長い杉林の急坂はかなり応えるので、小刻みに休憩しつつ、ゼイゼイ息をしながら登り切った感じ。トオノクボ以降の防火帯の登りも地味にキツかったが、小ピークを2つほど超えた後は、緩やかな道。つまり難所はトオノクボまでなので、トオノクボに辿り着くまでが踏ん張りどころ。

ただし、標準コースタイムでも2時間40分と長くない上、アップダウンもなく、鎖場など技術的要素を求められる箇所や、滑落するような危険箇所もないので、時間をかけてゆっくり登れば、過度に恐れる必要はない。70代のソロシニアや、小学生の男子も登っていたし。
登山者の動向
登っているときに遭遇した登山者は、途中で抜かれた男性ソロ登山者1名のみ。その他は終始1人で、山頂に到着してからパラパラと水根から登ってくる登山者を見かけたが、この日の水根コースの利用者は正味5~6人ってところ。石尾根縦走路から下山のついでにやってくる登山者の方が多かった。4月に入った日曜日なのでもう少し多いと予想していたが、まあ、六ツ石山を単独で登る人は少ないってことかな..。
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