鳳凰山の山小屋「鳳凰小屋」の評判と感想
鳳凰小屋データ
鳳凰小屋基本データ | |
---|---|
場所 | 地蔵岳まで1時間20分、観音岳まで1時間40分、薬師岳まで2時間10分。 |
営業期間 | 春期営業:4月末~6月末(要予約) 夏季営業:7月~10月末 冬季営業:11月~年末年始(要予約) |
料金 | 1泊2食8,000円、素泊り寝具付き5,000円、素泊4,000円 |
収容人数 | 定員約110名 |
予約 | 夏季以外は要予約。夏季は予約なしでも可。 |
水場 | あり |
テント場 | あり |
消灯/食事時間 | 消灯20:00/夕食17:00~18:00、朝食5:00 |
その他 | バイオトイレ。コタツあり。 |
ホームページ | http://houougoya.jp/ |
※データは宿泊時の情報です。最新情報は山小屋のホームページなどでご確認ください。
その他鳳凰小屋の情報
自分が泊まった日は2014年11月1日(土)、2014年夏季営業の最終日。あいにく天気は雨だったため、結構キャンセルが出たようで、最終的に宿泊者は20名ほど。
従業員は管理人さんと男性スタッフの2名。男性スタッフはアルバイトなので、年度によっては女性だったりするようだ。管理人さんはホームページに写真付きで紹介されている。
夕食はカレーが定番のようだ。なお、カレーはおかわり自由で、味もそこそこ美味しい。朝食は弁当にしたため不明。弁当は、混ぜご飯 + 漬物 + 玉子焼き + 海苔。質素だけど、山小屋の弁当はだいたいこんな感じだし。
トイレはバイオトイレのようだが、記憶にないので可もなく不可もなくだったと思う。
建屋は本館と別館があり、収容人数は、本館約50名 + 別館60名の合計110名。自分が宿泊した日は空いており本館のみを使用していたため、別館の詳細は不明。本館は2階が宿泊スペースになっており、1階に食堂と談話室がある。談話室は6畳ほどで広くはないが、炭で温める掘りゴタツが設置されている。自炊は別に自炊小屋があるようだが、自分のときは本館入ってすぐ左にあるベンチを案内された。(昼食は小屋で食べたため)
鳳凰小屋の評判
人気の山だけあって、多くのブログなどに情報や感想が掲載されているが、一見すると悪い評判が目立つ。しかし、よくよく調べると本人の体験談ではなく、「悪い評判を聞いた」という伝聞が多い。また、悪い評判が書かれているのは2chやYahoo!知恵袋など、匿名性で信頼性の低いサイトの情報が目立ち、その情報元も古い。
その悪い評判の内容に触れておく。鳳凰山を東から登るには御座石(ございし)温泉から燕頭山(つばくろやま)・旭岳経由と、青木鉱泉からドンドコ沢沿いの2パターン。そしてそれぞれの登山口には宿があり、コースは鳳凰小屋のある場所が合流地点(下りは分岐地点)となっている。(地図参照)当然ながら登山者が多いと登山口近くにある宿では、温泉入浴や食事などの利用で、より多くのお金が落ちる。
ポイントとなるのが、御座石温泉と鳳凰小屋の管理人は同族(兄弟)経営であること。そして、登りはともかく下山の場合、御座石温泉と青木鉱泉どちらに下山するかで、場所的に重要な鍵を握るのが鳳凰小屋。そこで鳳凰小屋の管理人が下山者に対して、御座石温泉への下山を露骨に勧められるというのが悪い評判の内容。ちなみに両コースとも、難易度や距離に大きな違いはない。
まあ、親族が運営しているならしごく自然な対応とも思えるが、問題は御座石温泉の評判がすこぶる悪かったこと。御座石温泉の悪評の詳細は割愛するが、青木鉱泉をライバル視しており嫌がらせをしているとか、管理人が金の亡者であるとか。(御座石温泉の悪評はコチラのサイトにまとめられている)つまり、御座石温泉の悪評にとばっちりを受けて鳳凰小屋の評判も悪くなってしまったようだ。
しかし、御座石温泉の悪評はともかく、鳳凰小屋の管理人が御座石温泉への下山を露骨に勧めることに関して、近年書かれたブログなどに、そのような書き込みは見当たらない。むしろ、「評判が悪いと聞いていたが、とても良かった」という意見が多い。
■ 良い評判
■ 悪い評判
■ その他参考になるブログ
鳳凰小屋の感想
■ 接客対応は◎
自分が利用した日は天気が大荒れだったため、ズブ濡れで小屋に駆け込んだが、管理人さんから「よく頑張ったね」と声をかけられ、談話室のコタツで暖まるように案内される。こういう声掛けしてくれる山小屋、意外と少ないと思う。13時頃にチェックインしたため、暇を持て余し色々観察していたが、管理人さんはやってくる登山者に対して、分け隔てなく気さくに話しかけていた。消灯後も、一部の登山者が談話室に残り、男性スタッフと管理人さんを交えて会話を交わす場面も。アットホームな感じの対応で、ざっくばらんに何でも聞きやすい雰囲気があり、この点に関してはこれまで宿泊した山小屋の中で1、2を争う良さだった。
■ 水場あり
近くに水量の多い沢があるため、水には困らない。同じく鳳凰山で山頂近くの山小屋、薬師岳小屋は自然の水場がないので、その点からも大きなメリットとなっている。
■ トイレが遠い?
自分の感想ではないが、一部の書き込みでトイレが別棟にあり夜トイレに行くのが不便だったとの情報。山小屋では別棟にトイレがあるのは珍しいことではないので、自分は全く気にならなかった。
■ 乾燥室がない
ズブ濡れになった雨具やタオルなどは、指定された別棟の倉庫のような場所に掛けていたが、ほとんど乾かなかった。晴れていれば問題ないが、雨の日はちょっと不便かも。
■ 夕食のカレーは美味しい
夕食はカレー + 汁物 + 漬物。カレーはおかわり可。ご飯がパサパサで美味しくなかったといった情報もあったが、自分は具がゴロゴロしたカレーで美味しかったと思う。
■ 談話室にはコタツ
談話室のコタツは、体が暖まるだけではなく、登山者同士の交流も生まれやすくて良い。ただし、談話室自体は狭く、コタツに入れる人数も限られているので、宿泊者が多いときはあまり利用できないかも。ちなみに、掘りごたつの底に炭を入れるが、掘りコタツが深いためか、炭で火傷するような事はない。
■ 鳳凰小屋感想まとめ
鳳凰小屋の評価 | |||||
---|---|---|---|---|---|
立地 | 建物 | 料金 | |||
接客 | 食事 | 水場 | |||
|
|||||
総合 |
自分は事前に鳳凰小屋の評判を調べず予約したので、後に悪い評判があることを知って驚かされた。しかし、文中にも書いたが、現在はむしろ好意的な感想が多いので、宿泊を検討している人は気にせず利用して問題ない。まあ、自分が登った11月1日は、御座石温泉・青木鉱泉のバスが今シーズンの運行を終了していたので、そもそもそっち方面に行く予定はなかったけど。
山小屋の建物自体は新しくはないが、ボロいという感じでもない。トイレの記憶は全くないが、2010年10月に新設されたバイオトイレなので、そこそこきれいだったかと。
この日は雨で宿泊者が20数人と、程よい人数だったこともあり、登山者同士の会話が盛り上がり、山小屋経験の中でもベスト5に入るほど楽しかった。鳳凰小屋からの最新の天気情報で、観音岳からのご来光も拝めたし、良い思い出になりました。
以上、鳳凰小屋の感想でした。
コメント