高妻山

高妻山登山

高妻山

Takatsumayama

白

[高妻山登山レポ]
戸隠連峰最高峰の高妻山を縦走!戸隠連峰縦走登山その2

2015年11月4日(水)天候:晴れ
一不動 ~ 五地蔵山 ~ 高妻山 ~ 五地蔵山 ~ 戸隠牧場 ~ 戸隠神社奥社入口
  • 戸隠連峰(とがくしれんぽう)
  • 信越国境近く、戸隠地方にそびえる山脈の総称。一夜山から八方睨までを西岳、八方睨から一不動までを表山、一不動から高妻山を含む北端の乙妻山までを裏山と呼ぶ。
  • 高妻山(たかつまやま)日本百名山
  • 戸隠連峰の最高峰で、新潟県妙高市と長野県長野市に跨る標高2,353mの山。別名「戸隠富士」。一不動から高妻山までアップダウンが多く体力的にキツイため、上級者向けの山とされている。一不動避難小屋のある一不動から高妻山を含む乙妻山の山頂まで十三の石祠(せきし)が祀られている。なお、この高妻山の十三の石祠と、飯縄山南登山道の十三体の神仏とは名前がリンクしており、関係性が窺える。
  • 乙妻山(おとつまやま)
  • 高妻山の北に位置する、標高2,044mの山。乙妻山に登頂する道は、南の高妻山をから伸びる1本道のみ。その後、登山道は行き止まりとなっている。乙妻山の山頂には最後の石祠となる十三虚空蔵(こくうぞう)が祀られている。

高妻山のコース

高妻山の登山口は、戸隠牧場内に2カ所あるのみ。コースは、古くから使われている表参道と、2001年10月に新たに開拓された弥勒尾根の2つのみ。その他、戸隠山から縦走してくる事も可能。
  • 表参道登り利用
  • 古くから使われている一不動を経由し、戸隠連峰の稜線を歩き、山頂を目指すコース。
    一不動から高妻山の山頂まで十阿弥陀と呼ばれる石祠が祀られている。
  • 弥勒尾根下り利用
  • 読み方は「みろくおね」。2001年10月に新たに開拓されたコース。
    戸隠牧場から一不動を経由せず五地蔵山を経て高妻山へ至る。コースは五地蔵山まで直登である。

山と高原地図
高妻山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「妙高・戸隠・雨飾」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

高妻山の登山計画

プラン
今シーズンの集大成として、上信越の戸隠山・高妻山の縦走登山を計画。前入りして、前日に飯縄山に登り、翌日に戸隠山・高妻山を一日で縦走する。11月で陽は短く、高妻山まで縦走するとコース距離は長くなるため、朝早いうちから出発することに。宿泊先は戸隠神社奥社に近い樅の木山荘。
その他
なお、ヤマレコなどを参考に、戸隠山・高妻山の縦走を計画したが、樅の木山荘の奥さんから、11月は登る人も少ない上に、この2つの山を同時に縦走する登山者は殆どいないと言われ、事前に綿密な下調べをしているとは言え、ちょっと不安になってしまった。

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高妻山コースレポート

一不動 ~ 五地蔵山

【8:51】一不動。
戸隠山も含め、本日初となる登山者と遭遇。嬉しさのあまり話しかけようかと思ったが、挨拶の返答から話しかけるなオーラを感じたので、会話は交わさなかった。暫くすると、自分より先に高妻山へ向け出発していった。

一不動には戸隠連峰で唯一となる避難小屋がある。一不動避難小屋内のブロック塀は黒ずんでいたが、板の間は綺麗だったので、使える部類に入る避難小屋。小屋の中に、焚き火をした後があった。なお、この避難小屋だが、環境面への配慮から緊急時以外は使用不可となっている。一不動に石祠は見当たらないが、ひょっとしてこの避難小屋自体が石祠?そんな訳ないか..。
ポイント高妻山の石祠
一不動から高妻山の山頂まで、十阿弥陀と呼ばれる石祠が祀られている。
【8:58】一不動を出発。
次なる中間目的地は五地蔵山。一不動から先の小ピークを登り切ったあたりに二番目となる石祠、二釈迦の祠がある。二釈迦以降、東側の景色が開ける。この景色が開けたあたりで、シニアソロ登山者を見かけたが、この登山者は高妻山の山頂まで登ってこなかった。たまに、山頂を目指さないシニア登山者がいるので、そのタイプだと思う。まあ、この稜線だけでも十分景色は良いし。
【9:14】三文殊を通過。
三文殊には石祠はなく、標識のみ。ネットで調べると標識右横に石祠があったようだが、失くなっていた。次の四普賢は、五地蔵山の上り手前にあったようだが、見落としてしまう。

【9:42】五地蔵山の山頂に到着。
ちょっと開けた場所になっているが、展望はきかない。よく見ると空に月が出ているので、石祠と一緒に撮影。五地蔵山まで上りが続いたので、ココで中休憩。さすがに五地蔵山あたりまで来ると、戸隠山から縦走してきている疲れが出てきた。

休憩を切り上げ暫く進むと、また五地蔵山の山名標識。どちらが厳密なピークか不明だが、2番目の山名標識の場所は、東側の崖沿いにある小スペースで、展望台のようになっていた。ココからは、飯縄山、戸隠スキー場、戸隠牧場、黒姫山、遠くに妙高山などを見ることができる。

五地蔵山 ~ 九勢至

【9:54】六弥勒(ろくみろく)に到着。
ココは、弥勒尾根との合流地点。地図で弥勒尾根は、五地蔵山の山頂を通過しているが、五地蔵山の山頂は通過しない。ただし距離は近いので、五地蔵山の山頂にこだわるなら、寄り道するのもあり。

六弥勒で本日3組目となる男女ペアの登山者と遭遇。弥勒尾根から登ってきたらしく、かなりの直登だったらしい。結局、高妻山で遭遇したのは、3組の登山者のみ。11月の平日だし、百名山とは言え、もともと人気がある山ではないようなので、こんなものかな。まあ、3組とは言え、他登山者がいてくれて良かった。人が多いのも嫌だが、誰もいないのも寂しすぎるし。

これまで北に向かって歩いていたが、六弥勒以降は目の前の高妻山を目指し、北西に向かって歩くことになる。六弥勒から小さなアップダウンがあり、次のピークに七薬師。このアップダウンは小さいため、大したことはない。
【10:01】七薬師を通過。
次なる目的地は八観音。この七薬師から八観音までのアップダウンはやや大きい。この道は下山でも歩くため、高妻山の体力的難易度を上げている区間とも言える。
【10:22】八観音を通過。
次なる目的地は九勢至(きゅうせいし)。八観音から九勢至までにアップダウンは殆どなく、容易に辿り着ける。なお、九勢至手前で中休憩をとり、最後の上りに備え、魚肉ソーセージで腹ごしらえ。
【10:42】九勢至に到着。

九勢至 ~ 高妻山山頂

九勢至以降は、本格的な高妻山へのアプローチとなる。最後の上りは見て分かるとおり、かなりの急登。体力的にも相当厳しい上、雪が積もり登山道が凍結している場所もあり、体力だけでなく積雪の中を登る技術も必要。幸い、展望は最高なので、休憩がてら展望を楽しみながら登る。
なお、高妻山の上空は飛行機のコースになっているのか、頻繁に飛行機を見かけた。
当初緩やかな道も、ある地点から急登となり、積雪が増え凍結箇所も出てくる。アイゼンを持っているので装着すれば良かったが、タイミングを逸してしまい、急登の登山道で装着するのはかえって危ないので、そのまま登り切ることに。そのため、1度滑って顔面を強打してしまったけど、滑ってそのまま下まで滑り落ちないで良かった。急登なので足を滑らすと、下まで滑り落ちる可能性があり、スゲー危険。積雪がなければ危険性は殆どない道なんだけど、11月の登山はコレが怖い。
急登を登り切ると、平坦な道に出る。そこを北に少し進んだところに最後の石祠となる十阿弥陀があり、その先に高妻山の山頂がある。

【11:38】高妻山の山頂に到着。
戸隠山から約7時間の道のり。疲れた~。高妻山の山頂は3組のみ。コースが限られているので、後にも先にもこの3組だけだろう。途中で見かけたシニア登山者は、山頂に姿を見せなかったし。

一先ず、記念撮影を済ませ、白味噌ラーメンで昼食をとる。ちなみに遭難者でも出たのか、登頂直後に山頂周辺をヘリが飛び回っていた。
前回登った南アルプスの天気も良かったが、今回の高妻山も、文字通り雲ひとつない晴天。展望は360度開けているので、まさに大快晴の大パノラマ。11月の標高2,353mの山頂にも関わらず、風は殆ど吹いておらず、寒いどころかむしろポカポカ暖かい。まさに奇跡的な天候の良さ。有給取って登った甲斐があった。
ちなみに、高妻山から更に奥にある乙妻山までの標準コースタイムは往復2時間。乙妻山以降に登山道はないため、高妻山まで戻ってこなければならない。さすがに戸隠連峰を縦走しているので、そんな体力は残っておらず自分はパス。 男女ペアの登山者は、乙妻山まで行くと一度は出発したが、雪で登山道が埋もれていたらしく、断念していた。タダでさえ殆ど人が歩かない登山道だし、一旦積もった雪も溶けにくいのだろう。

高妻山山頂 ~ 六弥勒

【13:00】高妻山の山頂を出発。
一先ず、九勢至までは下り一辺倒。十阿弥陀から積雪があるため、さすがにこの積雪の急登を、アイゼンなしで下るのは危険なので、九勢至までアイゼンを装着。安全に歩けたのは良いが、雪が溶けヘドロになっている場所もあるため、アイゼンがドロまみれとなりザックへの収納に苦慮した。
九勢至から六弥勒までは、アップダウンが連続しているため、当然ながら下りでも上りがある。この下山での上りこそ、高妻山が体力的にキツイと言われる所以。しかし、休憩して体力が回復したことや、下山で心理的余裕ができたせいもあると思うが、下山のアップダウンは、それほど苦に感じなかった。まあ、アップダウンと言っても、八観音と七薬師の間で少し大きめのアップダウンがある程度だし、または普段から縦走しているので、耐性ができているおかげかも。
【14:30】六弥勒に到着。
ココからは弥勒尾根沿いに戸隠牧場に下山する。

六弥勒 ~ 戸隠牧場

戸隠牧場までの標準コースタイムは約2時間。(上りは2時間40分)最初の30分ほどは、藪笹を伐採して切り開いた道。正面にそびえる黒姫山に向かって真っ直ぐ道が伸びている。景色の変化は高低差のみで、あまり代わり映えしない。
戸隠牧場まで20分を切ったあたりで、猿の群れと遭遇。最初は熊かと思って焦った。人馴れしているのか、人を恐れたり、攻撃してくる素振りは見せない。
【16:07】弥勒尾根登山口に到着。
登山口から戸隠牧場内を歩いて、バス停「戸隠キャンプ場」を目指す。本来ならば下山後に戸隠牧場のソフトクリームを食べたいところだが、戸隠牧場は10月末で今シーズンの営業を終えている。

【16:35】バス停「戸隠キャンプ場」に到着。
次のバスは17時3分。あと30分ココで待っても良かったが、どうしてもソフトクリームが食べたくなってきたので、戸隠神社奥社入口にある茶屋を目指すことにした。戸隠キャンプ場から、さかさ川歩道を歩けば、標準時間30分で戸隠神社奥社入口まで到着できる。まあ、時間は多少短縮できるだろうと、足速に戸隠神社奥社に向かう。

【16:53】戸隠神社奥社入口に到着。
しかし、ちょうど茶屋は店じまいしており、結局ソフトクリームを食べることはできなかった。最後は、まったくの歩き損で無駄に疲れた..。

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高妻山のコースタイム

予定 実際 場所
04:10 04:15 樅の木山荘出発
05:00 - 戸隠神社奥社入口
05:40 05:02 戸隠神社奥社登山口
- 06:05 百間長屋
07:50 06:41 蟻の塔渡
- 06:59 八方睨
- 07:04~07:23 戸隠山山頂
08:40 08:10 九頭龍山
09:40 08:51 一不動
10:30 09:42 五地蔵山
- 10:22 八観音
- 10:42 九勢至
12:20~13:00 11:38~13:00 高妻山山頂
- 13:50 九勢至
14:20 14:30 六弥勒
16:10 16:07 弥勒尾根登山口
16:35 16:35 戸隠キャンプ場
- 16:53 戸隠神社奥社入口

高妻山の難易度

難易度

19/30

総合難易度
必要体力 体力難易度4
コース距離 コース距離難易度3
所要時間 所要時間難易度4
危険度 危険度難易度2

登山難易度 登山難易度7
小屋・水場 小屋・水場難易度4
アクセス アクセス難易度2

総合難易度 総合難易度6

登山DATE

  • 歩行距離:17.9km
  • 登山歩数:33,077歩
  • 高度上昇:1,456m
  • 高度下降:1,485m
  • 出発高度:1,215m
  • 最高高度:2,353m

  • 標高の差:1,138m
  • 活動時間:10:57
  • 休憩時間:01:41

  • 合計時間:12:38
必要体力・距離
高妻山の登山道はアップダウンが激しく体力的難易度が高いとの前情報だったが、実際は八観音と九勢至の間に少し大きめのアップダウンがあるだけで、後はそれほど激しいものではなかった。むしろ、九勢至から山頂直前の十阿弥陀手前まで続く急登の方が厄介。特に積雪があったため、滑り落ちないよう気をつけて登ったので、精神的にも体力的にキツかった。あとは、五地蔵山への登りも結構キツかった。
ただし、部分的に見ると際立った難所は限られているが、小刻みなアップダウンが頻繁にある上、戸隠山から縦走してきているので、ボディーブローのように体力を徐々に消耗し、全体的に考えるとやはりしんどかった。
危険度・水場

同じ戸隠連峰の戸隠山に比べて危険箇所はほとんどないが、水場や山小屋の環境には恵まれていない。高妻山レベルの山なら有人・無人問わず山小屋があってもおかしくないが、避難小屋が1つのみ。その避難小屋も緊急時以外は使用不可。そのため、体力的難易度が高いにも関わらず、日帰り前提という縛りが難易度を上げている。

水場は一不動から戸隠牧場に下った場所にあるだけ。弥勒尾根や戸隠山から縦走してくる場合、下山するまで水の調達はできない。
総括

なんとか予定タイムスケジュール通りに行動もできたし、ギリギリ想定の範囲内だったかな。弥勒尾根コースができたことで、一不動から五地蔵山を往復する必要がなくなったため、昔よりかは登りやすくなっていると思う。

高妻山は戸隠連峰の最高峰で、ポコッと頭一つ分高く、特に展望が良いので、見晴らしの良い晴れた日に登りたい山。今回は、文句のつけようのない快晴だったので、天候にはかなり恵まれた。
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