日本百名山の巻機山登山記録

日本百名山の巻機山
白
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[巻機山登山レポ]
井戸尾根から登る巻機山・牛ヶ岳・割引岳の縦走登山

2016年6月18日(土)天候:くもりのち晴れ
清水 ~ 巻機山 ~ 牛ヶ岳 ~ 割引岳 ~ 清水
  • 巻機山(まきはたやま)日本百名山
  • 新潟県南魚沼市と群馬県利根郡みなかみ町の境にあり、三国山脈の一角を担う標高1,967mの山。狭義には本峰のみを指すが、本来巻機山は本峰、前巻機山、牛ヶ岳、割引岳と4つのピークの総称である。山頂には池塘も存在し高山植物が豊富な山として知られている。
  • 牛ヶ岳
  • 巻機山の一角を担う標高1,961mの山。
  • 割引岳(わりめきだけ)
  • 巻機山の一角を担う標高1,931mの山。

巻機山のコース

巻機山のコース地図 巻機山のコース地図。
巻機山の登山口は、南の清水、北の五十沢キャンプ場の2つ。
清水を起点とする南から北に登るコースを表巻機山、五十沢キャンプ場を起点として北から南に登るコースは裏巻機山と呼ばれている。ちなみに、日本百名山を選定した深田久弥氏が登ったのは井戸尾根コースらしい。
  • 表巻機山のコース
  • ピストン
  • 井戸尾根コース
  • 清水から前巻機山を経て本峰に到達するコース。他登山道と比較して安全なため、登山者の大半はこのコースのピストンで登っている。
  • その他難路コース
  • 天狗尾根コース
  • 清水から割引沢沿いに登り、途中天狗尾根に上がり割引岳に到達するコース。
    沢沿いを登るため、山と高原地図では破線表示されている難コース。また下山利用は禁止されている。
  • その他難路コース
  • ヌクビ沢コース
  • 清水からヌクビ沢沿いに登り、割引岳と巻機山の中間地点の尾根に到達するコース。
    天狗尾根同様に沢沿いを登るため、山と高原地図では破線表示されている難コース。また下山利用は禁止されている。

  • 裏巻機山のコース
  • その他難路コース
  • 旧道
  • 北の五十沢キャンプ場あたりから旧道を登り、牛ヶ岳へ到達するコース。
    片道8時間以上もかかる上、増水時には渡渉困難な場所があるなど、熟練者向けのコースとされている。利用者は殆どいない。
  • その他難路コース
  • 新道
  • 北の五十沢キャンプ場あたりから新道を登り、割引岳へ到達するコース。
    片道8時間以上もかかる上、増水時には渡渉困難な場所があるなど、熟練者向けのコースとされている。旧道同様に利用者は殆どいない。
地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

巻機山の登山計画

梅雨の合間の晴れ間に急遽計画したのが今回の登山。公共交通機関を使って前入りして次の日には帰ってこられる山ということで白羽の矢をたてたのが巻機山。巻機山は今年の山行計画にも入れておらず急遽決めたため、白紙の状態から急いで事前リサーチをしてコース選定など行った。

公共交通機関で行く場合、巻機山登山口のある清水へは、北越急行ほくほく線の六日町駅からバスで向かう。1日3本バスが運行されており、朝一は6時50分発だが、東京からの始発電車では間に合わない。六日町駅にホテルがあるので前入りしてそこに泊まるか、深夜バスを利用するかの二者択一。自分の場合は、新潟交通の深夜バスを利用し、午前3時頃に六日町のインターチェンジで下車。近くのまんが喫茶で仮眠をとり、早朝バスの時間に合わせて六日町駅まで30分ほど歩いた。

コースは普通に登れば井戸尾根コースのピストン。しかし、ピストンはあまり好きではないため、候補に上がるのが天狗尾根、ヌクビ沢コース。どちらも下山利用は禁止されているため、登りで利用して井戸尾根コースで下山を考えた。しかし、増水しているであろう梅雨の合間に、沢沿いのコースを経験もないのに単独で入るにはあまりにも無謀だったため今回は見送った。防水用品を買う暇もなかったため、万が一沢に落ちれば、GPS、カメラ、携帯などが浸水して20万ほどの損害になることが想定されたのも、見送った理由の1つ。

なお、裏巻機山コースは公共交通機関がない上、天狗尾根、ヌクビ沢コース以上に危険で、1日で登るには時間が足りないので最初から除外していた。

巻機山コースレポート

清水バス停 ~ 桜坂駐車場

【7:23】清水バス停に到着。
1人ぐらい登山者がいると思ったが、登山者どころかバスの利用者は自分だけだった。

清水に到着して早々に準備を整え、登山口のある桜坂駐車場まで林道を歩く。道は一本道でわかりやすいので、登山口まで道に迷うことはないだろう。
【7:47】桜坂駐車場に到着。
駐車場は第三駐車場も含めてほぼ満車。この車の数から推測すると、自分は後発組のようだ。

桜坂駐車場 ~ 巻機山五合目

出発してすぐに天狗尾根・ヌクビ沢コースと井戸尾根コースとの分岐に到着。前後を歩く登山者の様子を伺ってみたが、天狗尾根・ヌクビ沢コースに進む登山者はいなかった。

巻機山五合目 ~ 巻機山七合目

五合目以降の登山道も変わりなく、直登でも急登でもなく適度な傾斜の樹林帯。ただし、昼に近づくにつれ温度も上がり、完全に夏登山の気候。汗が止まらないし。
【9:43】巻機山七合目に到着。
七合目付近から前巻機山を捉えることができるようになる。小腹が空いてきたため、七合目以降の登りに備え行動食を食べながら少し休憩。

巻機山七合目 ~ 前巻機山(九合目)

これまでと異なり、七合目から九合目となる前巻機山までは急登となる。しかし、七合目以降は後方を振り向くと景色が広がっているため、ただ単にしんどいだけの道という訳ではない。

【10:16】巻機山八合目に到着。
八合目から前巻機山の手前まで、登山道が広がっていてわかりづらい。道に迷うという意味ではなく、登山道外に植生保護のネットが設置されているが、気付いたら植生保護区域を歩いていた。悪意なく、植生保護区域を踏み荒らしてしまう人もいると思うので、もう少し登山道をわかりやすくして欲しい。

それと、八合目以降登山道が霧に覆われ始める。左手にある霧が山頂方向に進んでいたことは気付いていたが、予想より霧の動きが早かった。時既に遅しかもしれないが、一先ず先を急ぐことにした。

【10:31】前巻機山(九合目)に到着。
別名ニセ巻機山。ご丁寧にニセ巻機山と書かれた杭も設置されている。

前巻機山に着いた時はあたり一面真っ白。ココまで頑張って登ってきたが、この霧で一気に戦意喪失。まあ、ココまできて引き返す訳にもいかないので、一先ず山頂を目指す。

前巻機山(九合目) ~ 御機屋 ~ 巻機山本峰の山頂

前巻機山からは少し下り、下った先に避難小屋がある。避難小屋までの道中、霧が出始めたせいか、早い時間帯にも関わらず下山してくる登山者も多い。

【10:41】巻機山避難小屋に到着。
この避難小屋のある場所が九合五勺。避難小屋周辺には多くの子供。子供は緑色のジャージを着ていたので、何かの団体行事?

避難小屋まで到着すると、先ほどまで発生していた霧が晴れてくる。本来はココで水の補給をする予定だったが、いつまた霧が発生するとも限らないので、水の補給はせずにそのまま、次の目的地である御機屋(おはたや)を目指す。

避難小屋から御機屋まで標準コースタイム40分の距離だが、1分1秒でも早く到着するため、急いで登ったので結構しんどかった。

山頂手前に、初の池塘(高山の湿原や泥炭地にある池沼)がある。この池塘には目で見えるだけでも数十匹の巨大な蛙が生息している。人馴れしているのか、近くでカメラを構えても逃げる素振りを見せない。

【11:14】巻機山本峰の山頂に到着。
山頂というよりも道の途中といった感じ。ベンチなどはなく、風で吹き飛んでしまいそうな小さな木の看板が、ケルンに刺さっているだけ。展望は南側を中心に扇型に開けている。

後で知ったが1,967mの最高地点はココより少し北にあるらしいが、植生保護区域のため立ち入り禁止。GPSで確認すると確かにココは標高1,962m。前巻機山の別名ニセ巻機山に始まり、御機屋のニセピークの山頂表記、そして本当の最高点である筈のココも実は最高点ではないとか、巻機山はニセが多い・・。

巻機山本峰の山頂 ~ 牛ヶ岳

【11:18】牛ヶ岳へ向けて出発。
出発して少しすると、日本三百名山朝日岳への縦走路分岐がある。このコースは米子頭山(こめごかしらやま)、柄沢山(からさわやま)、檜倉山(ひぐらやま)、大烏帽子山(おおえぼしやま)と4つの山を越え、朝日岳に至る超ロングコース。ネットでココを歩いた人のレポートを読んでみたが超ハードそうだった。当然ながら山と高原地図ではコースとして掲載されていない。

【11:31】牛ヶ岳に到着。
牛ヶ岳山頂には木の杭が1本立っているだけで、山名は書かれていない。最高点はスペースが狭いため、その先にある小スペースが山頂代わりとなっている。この小スペースも広さは畳16畳ぐらいで広くはない。また平らな部分が少ないので、食事を食べるのには苦労しないが、調理はしにくい。

食事の準備中に、近くのソロ登山者が熱湯を足にこぼしてしまい、太腿に大きな水ぶくれができ、痛々しくて気の毒だった。ズボンをめくり上げ、急いで下山していったが、あのヤケドだと完治に1ヶ月ぐらいかかりそう・・。

牛ヶ岳からの展望は360度の大パノラマ。巻機山本峰よりも展望は良い。山頂スペースは狭いが、常時5~6人が滞在しているぐらいで、登山者はパラパラやってくるが、すぐに引き返していくので、手狭感はなかった。

牛ヶ岳に到着した時には、若干霧も残っていたが、時間が立つにつれ消失。八合目付近を登っていた時はもうダメかと思ったが、本当に良かった。逆に、霧が出て早々に下山していった人たちは大損。

当初、スケジュールを組んだ時点では時間を捻出できず、割引岳には寄らない予定だった。しかし、時間の余裕もあり、割引岳にかかっていた霧も晴れたので、割引岳に寄ることにした。

なお、牛ヶ岳で一緒だったソロ登山者の方と会話を交わしたことがきっかけで、下山まで行動を共にすることに。これも縁です。

牛ヶ岳 ~ 御機屋 ~ 割引岳 ~ 御機屋

【12:50】牛ヶ岳を出発。
一先ず、巻機山本峰最高点を通過して御機屋まで戻る。御機屋まで戻ると、ザックが多数デポされている。登山者は数人程度と、登ってきた時よりも人は少ない。

この避難小屋だが、地元のボランティア団体「巻友会」により管理されており、超がつくほどきれい。小屋内にはバイオトレイも設置されている。また、片道3分ほどの場所に水場もあり、テントを設営できるスペースもあるなどロケーションは最高。このときもテントが8つほど幕営されていた。

避難小屋近くにある水場の水量は豊富。梅雨の合間だからかもしれないが、枯れそうなイメージはなかった。また、雪解け水を含んでいるせいか、癖がなくめちゃくちゃおいしい水だったので、ペットボトル2L満タンにして、残った水は持ち帰った。

【14:57】巻機山避難小屋を出発。
九合目の前巻機山から七合目まで、登りの時は濃霧だっため気付かなかったが、素晴らしい景色が広がっている。

【16:54】桜坂駐車場に到着。
満車だった車も殆どなくなっていた。テント泊の登山者もいるので差し引きすると、日帰り登山者は殆ど山中に残っていないだろう。予定なら、桜坂駐車場から清水バス停まで歩く筈だったが、牛ヶ岳から一緒だった方に、バス停まで送って頂いた。有り難いことです。

そして、17時30分頃に清水バス停で待っていると、一台の車が停車し「駅まで送りましょうか?」と、下山中に見かけたご夫婦が声をかけてくれた。18時40分のバスまで1時間以上時間が余っていため、本当に有り難かった。

巻機山コースタイム

予定 実際 場所
07:20~07:30 07:23 清水バス停
08:10 07:47 桜橋駐車場
- 08:15 四合目
09:20 08:35 五合目
10:20 09:08 六合目
- 09:43 七合目
- 10:16 八合目
11:30 10:31 前巻機山(九合目)
11:40 10:41 巻機山避難小屋
12:20 11:00 御機屋
12:30 11:14 巻機山本峰の山頂
13:10~14:00 11:31~12:50 牛ヶ岳
14:40 13:24 御機屋
- 13:45~14:05 割引岳
- 14:19 御機屋
15:00 14:36~14:57 巻機山避難小屋
15:10 15:04 前巻機山
16:05 15:51 六合目
16:45 16:17 五合目
17:35 16:54 桜橋駐車場
18:05 - 清水バス停
18:40 - バス乗車

巻機山の難易度

難易度

16/30

総合難易度
必要体力 体力難易度3
コース距離 コース距離難易度4
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度1

登山難易度 登山難易度6
小屋・水場 小屋・水場難易度2
アクセス アクセス難易度3

総合難易度 総合難易度5
※ 29,469歩(清水バス停~桜橋駐車場までの歩数)
※ アクセスは東京基点
評価基準の詳細はこちら。

桜橋駐車場から七合目までは、景観のない樹林帯の単調な道が続く。七合目以降はやや急登となるため、体力的にはキツい区間である反面、景色は開けるため登っていて楽しい区間でもある。御機屋まで辿り着けば、牛ヶ岳、割引岳まで行くとしても後は楽。多少ぬかるんでいる箇所があったものの、登山道は踏み固められた地面に加え、よく整備されており登りやすい。○合目の杭も登っていて目安となるため、有り難い。

巻機山本峰から牛ヶ岳まで標準コースタイム40分という時間がネックになっているのか、巻機山本峰までで引き返している登山者も多いようだが、最低でも牛ヶ岳までは行くことをオススメする。巻機山本峰からなら、牛ヶ岳・割引岳いずれも体力的には厳しくない筈なので、あとは気力の問題。最悪、御機屋にザックをデポしていけば良い。
牛ヶ岳をおすすめするのは、巻機山に比べて景観が良いのも1つの理由だが、特に牛ヶ岳へ向かう道中の平原、木道、池塘、雪渓など、景色や雰囲気が素晴らしい。割引岳も景色が良いので、余裕があれば寄ることをオススメする。

鎖場はなく、道迷いしそうな場所もないため、安心して登ることができる。ただし七合目以降は、障害物がないため、天候が荒れるとその影響をモロに受けるだろう。その点を考慮して危険度1にしておいた。避難小屋近くの水場とトイレは、九合五勺という山頂近くにあり、恵まれた最高の立地。

持っているハンドブックには上級者向けの山に分類されていたが、井戸尾根コースから登れば、難易度は中レベル。
ご質問・感想などコメント歓迎します。
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