日本百名山の八甲田山登山記録

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[八甲田山登山レポ]
紅葉シーズンに登る、八甲田の毛無岱と大岳登山

2016年9月30日(金) 天候:晴れ
酸ヶ湯温泉 ~ 毛無岱 ~ 大岳 ~ 仙人岱 ~ 酸ヶ湯温泉
  • 八甲田山
  • 八甲田山は青森市の南側にそびえる火山群の総称。八甲田山と名のついた単独の山は存在しない。仙人岱、毛無岱、田茂萢(たもやち)など、多くの湿地があることが特徴の一つ。最高峰は八甲田大岳の1,585mで、登山目的の場合、八甲田大岳を目指す登山者が多い。八甲田山域は、北八甲田と南八甲田があり、登山道が積極的に整備され、登山者が多く訪れるのは北八甲田の山域で、北八甲田のみで新花の百名山にも選定されている。 麓から田茂萢岳まで、八甲田ロープウェイが運行している。

    八甲田山と聞けば、明治35年の八甲田雪中行軍遭難事件を連想する人も多いと思うが、この遭難は青森市街から八甲田山域の北にある田代新湯に向かう途中で起こった遭難事件であり、八甲田の登山領域で起こった事件ではない。
    日本百名山日本新百名山新花の百名山

八甲田山のコース

登山口は酸ヶ湯温泉、城ヶ倉温泉、八甲田ロープウェイ山麓駅、谷地温泉のいずれか。北の八甲田温泉、北東の田代牧場から登るコースもあるが、コース距離も長く、山と高原地図では破線表示される難コースであり、利用者も殆どいないため、割愛している。

なお、下記コースは八甲田大岳を目指す場合のコースとして紹介している。また、標準コースタイムは山と高原地図を参考にしている。
  • 八甲田山のコース
  • 下り
  • 酸ヶ湯・仙人岱コース
  • 酸ヶ湯から仙人岱を経由し反時計周りに登る最もメジャーなコース。標準コースタイムは2時間15分。
    毛無岱コースよりも八甲田大岳まで短い時間で到達できるため、このコースを上りで利用し、毛無岱コースから下山するのが定番パターン。
  • 登り
  • 酸ヶ湯・毛無岱コース
  • 酸ヶ湯から時計周りに登るコース。標準コースタイムは3時間10分。酸ヶ湯・仙人岱コースの下山で利用されることが多い。
  • その他コース
  • 田茂萢岳コース
  • 山麓駅から田茂萢岳の山頂公園駅までロープウェイで移動し、赤倉岳や井戸岳を経由して八甲田大岳を目指すコース。標準コースタイム2時間20分。
    ロープウェイを利用するので楽なコースかと思いきや、アップダウンもあり、コースタイムも酸ヶ湯・仙人岱コースよりも少し長い。
  • その他コース
  • 城ヶ倉・毛無岱コース
  • 城ヶ倉を起点に時計回りに回るコース。標準コースタイム3時間50分。
    起点が城ヶ倉という事以外は、酸ヶ湯・毛無岱コースと殆ど同じルートとなるが、コースタイムは30分長い。
    バス停もあり、城ヶ倉温泉での日帰り入浴も可能なので、時間に余裕があるなら、下山で利用すると良い。
  • その他難路コース
  • 小岳・高田大岳コース
  • 南東の谷地温泉から高田大岳・小岳を経由して登るコース。標準コースタイム5時間35分。コースタイムが長く、道自体も難路。
    高田大岳とセットで登りたい場合、利用される。
アイコンの説明はこちら。
※コース名に厳密な名称はありません。
地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

八甲田山の登山計画

9/29から3日間の青森登山遠征。9/29は岩木山、9/30は八甲田山、10/1は市内観光の予備日に設定し、同日の夜に深夜バスで東京に戻る計画。

9/30から10/1の朝まで青森駅近くのホテルに連泊するので、大きな荷物は全て部屋に置き、日帰り装備で八甲田山へ出発。ルートは、酸ヶ湯・仙人岱コースを予定。八甲田山に登った後は、酸ヶ湯温泉に入り、青森駅に戻ってくる予定。

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八甲田山コースレポート

青森駅 ~ 酸ヶ湯温泉

青森駅前の酸ヶ湯温泉行きのバス停は、平日にも関わらず行列。天気が良いせいもあると思うが、平日でコレだけ多いのには驚いた。バスもローカル線とは大違いの、ゴージャスで大きなバス。

【07:50】青森駅を出発。
途中、予定時間を押しているにも関わらず、八甲田山域にある酸ヶ湯温泉直営の萱野茶屋(かやのちゃや)で休憩。「休憩なんかいらないから、とっととバスを走らせてくれよ!」と思ったが、おそらくJRバスと酸ヶ湯温泉間で、休憩をとる契約になっているのだろう。萱野茶屋では三杯茶という「1杯飲むと3年長生きし、2杯飲むと6年、3杯飲むと死ぬまで生きる」という名物茶の試飲と販売を行っている。茶屋のおばちゃんのお茶の売り込みが、なかなか激しかった。 もちろん、荷物になるので買いませんでしたが・・。

酸ヶ湯温泉周辺地図

【09:28】10分遅れで酸ヶ湯温泉に到着。
トイレを済ませ、すぐさま出発。しかしこの時、酸ヶ湯温泉隣にある登山口が目に飛び込んできたため、何の疑いもなく、その登山口に向かってしまう。実はこの登山口「酸ヶ湯・毛無岱コース」の登山口。本来予定していた「酸ヶ湯・仙人岱コース」の登山口は、酸ヶ湯温泉を背にして左手にあるトイレ横の階段を登り、左手に進んだ場所にある。酸ヶ湯インフォメーションセンターを正面に見て左手、道路の向かい側で鳥居が目印。

思い込みとは恐いもので、登山口が間違っているとは露ほども疑わず、そのまま進んでしまう。
【09:37】酸ヶ湯温泉を出発。
出発直後、購入したばかりカメラの写真撮影ができなくなってしまったため、急遽サポートセンターに電話するなどしていたため、約20分のタイムロス。操作ミスで変なスイッチが入ってしまっただけだったので良かったが、かなり焦った・・。

酸ヶ湯温泉 ~ 毛無岱 ~ 大岳鞍部避難小屋

トラブルは解消されたものの、なんやかんやで10時という、かなり遅めの登山スタート。
さて、出発直後からグングン高度を上げる登山道。地面がヘドロ化している場所は多いものの、道自体は階段などが組まれていて登りやすい。少し登った先で後ろを振り向くと酸ヶ湯温泉の駐車場が下に小さく見えた。序盤から高度がグングン上がっている感じ。

毛無岱に出ると草紅葉が広がる素晴らしい風景。このときロープウェイ山頂公園駅の建物が見えるが、方角がどうもおかしい。毛無岱に出たあとでも自分が反対周りしていることに気付かない鈍感さ。

この毛無岱は高層湿原で、道は比較的平坦なため、暫くは歩きやすい道が続く。毛無岱に関わらず、八甲田山域のあらゆるところに水は流れているが、火山独特の硫化水素が含まれているため、正式な水場以外の水は飲まない方が良い。
毛無岱からは、右手にそびえる大岳を眺めながら進む。途中振り返ると、岩木山も見えるので要所で振り返りながら歩くのがポイント。途中に休憩できる場所も二ヵ所ある。

【11:13】八甲田ロープウェイ分岐地点に到着。
この時もまだ反対周りしていることに気付いていないため、この分岐地点を疑問に感じる。しかし、山と高原地図に載っていない道もあるので、この時もスルー。そして、ココから本格的に八甲田大岳への上り。分岐から大岳鞍部避難小屋までは、展望のない樹林帯の道を登る。

実際は北から南に向かって登っているが、自分は南から北に向かって登っているつもり。南から登っているとすれば、これは八甲田大岳への最後の上り。階段が組まれており登りやすいこともあり、一気に登ろうと飛ばしたことで、後半はちょっとバテた。

【11:41】大岳鞍部避難小屋に到着。
南側から登っているなら、避難小屋があるのはおかしい。案内板やら避難小屋の位置などから、地図とにらめっこし、ようやく自分が反対周りしていることに気付く。我ながら気付くの遅すぎ!メジャーな山で案内板も多く、登山者もたくさんいたから安心しきって、危機管理のアンテナが完全に鈍っていた。まあ、反対周りだったとしても、帰れなくなる訳ではないので、良いんだけど・・。

写真撮影を忘れてしまったが、この大岳鞍部避難小屋はきれいで、平時でも使えるレベルの避難小屋。ただし、近くに水場はない。

この大岳鞍部避難小屋は八甲田ロープウェイから登る「田茂萢岳(たもやちだけ)コース」との合流地点のため、ココから先は人も倍増。少し休憩していたが、赤倉岳・井戸岳方面から歩いてくる学生の団体が見える。この団体が山頂に到着すると、山頂が混雑するのは明らかなので、休憩を切り上げ出発。

【11:46】大岳鞍部避難小屋を出発。
大岳鞍部避難小屋から八甲田大岳山頂までは30分。時間も短いので一気に駆け登る。引き続き道は整備されており登りやすい。
【12:03】八甲田大岳山頂に到着。

八甲田大岳山頂

北八甲田火山

山頂スペースはそこそこ広く、100名ぐらいまでなら滞留可能。360度展望が開けており、陸奥湾、岩木山、遠くに岩手山、鳥海山などを望むことができる。快晴とはいかないものの、視界は良好。薄曇りの日にたまにある、空が神秘的な色に染まっている。

すぐ隣にある三角形をした山が、高田大岳。高田大岳へは谷地温泉から登ることができる。山と高原地図では破線表示されているが、地元の登山者曰く、最近は登山道も整備され登りやすくなったとのこと。ちなみに、この谷地温泉は日本三秘湯の1つに数えられる温泉。

大岳山頂の北東に噴火口跡がポッカリ口を空けている。昔は噴火口には底の見えない穴が空いていると思っていたが、月のクレーターみたいな感じ。
平日のため登山者の殆どはシニア。昼時なので、シニアの団体などで一時的に混むこともあったが、山頂が人で埋まるようなことはなく、平和な感じ。

時間に余裕があるため、山頂で昼寝する予定だったが、10月初旬ともなると山頂は薄ら寒くて、昼寝するには寒すぎた。

1時間ほどした後に、学生団体が山頂に到着。まあ、学生なので仕方ない面もあるが、噴火口に向かって石を投げるなど、やんちゃな輩もちらほら。騒々しくなってきたため、ボチボチ下山開始。

八甲田大岳 ~ 仙人岱

【13:36】八甲田大岳山頂を出発。
逆回りしたため、八甲田大岳から酸ヶ湯温泉までのコースタイムは1時間45分。まずは、途中にある水場、八甲田清水を目指す。
鏡沼

山頂から少し進んだ場所に、青森県で最も標高の高い両生類の産卵場である鏡沼がある。

また、八甲田大岳からの下山道では、東北地方の高山において樹氷を形成する代表樹種「オオシラビソ(アオモリトドマツ)」の群林が見える。八甲田清水の水場まで、目に見えて標高はどんどん下がっていく。

仙人岱

【14:04】八甲田清水に到着。
ココは人口的に作られた水場のようだが、水場が機能していない。正常時はパイプから水が出ているようだが、濁った水が溜まっているだけだった。近くに川は流れているが、硫化水素が混じっている可能性があるため敬遠。

このあたりは仙人岱と呼ばれる湿原だったが、現在は登山者に踏み荒らされ、その殆どが消失している。

八甲田清水の少し先に、仙人岱避難小屋への分岐がある。寄るつもりはなかったが、分岐から小屋の屋根が見えていたので、寄ってみた。避難小屋の状態は中の下で、一応使えるレベル。きれいではないがトイレもあり。八甲田清水が機能していれば近くに水場もあるので良いと思うが、酸ヶ湯温泉から近いので、同じ大岳鞍部避難小屋と比較すると、建物的にも立地的にも使う人は少なそう。
仙人岱

八甲田清水から先、地獄湯の沢という沢沿いを下る。このあたりは、硫黄系特有の臭気がプンプン漂っている。2010年6月20日、酸ヶ湯温泉南にある地獄沼近くの山中で山菜採りにきていた女子高生が有毒ガスで倒れ、その後死亡した事故があるので、このあたりは登山道外を不用意に動き回らないほうが良い。

地獄湯の沢から酸ヶ湯温泉建屋が見える。目で見ると近そうだが、所要時間はココから50分ほど必要。
【15:07】酸ヶ湯・仙人岱コースの登山口に到着。
酸ヶ湯・仙人岱コースの登山口には鳥居が立っているので、これが目印になる。登山口を背にして右側に道が続いており、ココから酸ヶ湯温泉前の駐車場に出られると思い進んだが、この道は酸ヶ湯温泉建屋の裏に出てしまい、正面に回れないので注意。

【15:18】酸ヶ湯温泉に到着。
時間に余裕があるため、せっかくなので酸ヶ湯温泉入ってから青森駅に戻ることにした。

酸ヶ湯温泉には玉の湯と千人風呂、2つの浴槽がある。玉の湯は普通の温泉。千人風呂はシャンプー使用不可の男女混浴風呂。それぞれ別で、共通券を購入すれば両方入ることができる。酸ヶ湯温泉のウリはこの千人風呂らしく、また男女混浴の温泉に入ったことがなかったので、共通券を購入。

千人風呂の男女混浴と言っても、風呂場の中央2/3まで敷居が設置されており、女性を見る機会はない。敷居のない場所に女性が出てくれば見られるが、出てくる人はほぼいない。後に地元の人から聞いた話では、千人風呂には基本おばちゃんしか入っていないらしい。まあ、ネタ的に一度入ってみるのも良いが、次回からは玉の湯で十分。ちなみに玉の湯は、大衆浴場にしてはかなり狭かった。

関連レポート

八甲田山コースタイム

予定 実際 場所
09:20 09:28~09:37 酸ヶ湯温泉
- 11:13 ロープウェイ分岐分岐
- 11:41 大岳鞍部避難小屋
11:35~13:05 12:03~13:36 八甲田大岳山頂
- 14:04 八甲田清水
- 15:07 酸ヶ湯・仙人岱コース登山口
15:25 15:18 酸ヶ湯温泉

八甲田山の難易度

難易度

08/30

総合難易度
必要体力 体力難易度1
コース距離 コース距離難易度2
所要時間 所要時間難易度2
危険度 危険度難易度0

登山難易度 登山難易度3
小屋・水場 小屋・水場難易度1
アクセス アクセス難易度2

総合難易度 総合難易度3
※ 19,297歩(酸ヶ湯温泉~酸ヶ湯温泉までの歩数)
※ アクセスは東京基点
評価基準の詳細はこちら。

八甲田山を冬季以外に登るなら、ハイキングの延長線上で気軽に登れる山。難易度が低い割に見どころも多いので、シニア層から絶大な人気を得ている印象を受けた。周辺に名湯が多いのも人気の一要因だろう。 反面、定番コース以外から登ろうとすると、破線表示も多くコース距離も長いので、難易度は上がると思うが、県外から来た人が、それらコースから登るケースは殆どないだろう。

特に景色が素晴らしいかったのは毛無岱。高所の湿原は、独特の雰囲気でハイキングにはもってこい。今回は紅葉シーズンだったが、春から夏にかけては高山植物が美しいらしいので、シーズンを通して楽しめるだろう。

滑落を注意するような場所もなく、登山道はよく整備されているので、道迷いの心配もない。人が多いというのも危険度を下げている要因。ただし、地獄湯の沢付近は硫黄臭が強いので、あの臭いが苦手な人は気分が悪くならないよう要注意。また、唯一の水場である八甲田清水が機能していなかったため、水場はない前提の量を持参したほうが良い。

登山をしない観光客でも、最低限の装備さえあれば楽しむことができる山。
ご質問・感想などコメント歓迎します。
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