御前山

御前山登山

御前山

Gozenyama

白

[御前山登山レポ]
大ブナ尾根から登る、カタクリが咲く御前山登山

2016年4月16日(土)天候:晴れ時々くもり
奥多摩湖 ~ 惣岳山 ~ 御前山 ~ 蛸口山 ~ 鋸岳 ~ 奥多摩駅
  • 御前山(ごぜんやま)花の百名山奥多摩三山
  • 東京都西多摩郡の奥多摩山域にある、標高1,405mの山。三頭山、大岳山と共に奥多摩三山に数えられる奥多摩を代表する山。早春に薄紫から桃色の花を咲かせるカタクリの自生地としても有名で、花の百名山にも選定されている。
  • 鋸山(のこぎりやま)
  • 東京都西多摩郡にある、標高1,109mの山。北の奥多摩駅近くから、南の神戸(かのど)まで鋸山林道が伸びている。鋸山林道は鋸山の西側稜線と、御前山の東側稜線の間に位置する大ダワを通過し、ヒルクライム競技のコースとしても有名。

御前山のコース

御前山のコース地図 御前山のコース地図。
登山口は、北「境橋」、南東「小沢」、南「藤原(藤倉バス停)」、南西「月夜見山」、北西「奥多摩湖」の5つ。
なお、鋸山から縦走してくる場合、鋸尾根の入口である愛宕山(神社)が登山口となる。
  • 大ブナ尾根登り利用人気コース!
  • 奥多摩湖の小河内ダムからサス沢山、惣岳山を経由して御前山を目指すコース。
    奥多摩でも屈指の急登であるため、健脚向けのコースとされているが、登山者も多く人気のコースでもある。
  • 鋸山縦走下り利用
  • 北東の鋸山から縦走し、蛸口(さいぐち)山、クロノ尾山を経由して登るコース。
  • 境橋コース人気コース!
  • 北の境橋から御前山の東にある御前山避難小屋を経由して登るコース。大ブナ尾根同様に登山者は多い。
    なお、御前山の西、惣岳山近くの体験の森から出てくるコースも存在する。
  • 月夜見山コース
  • 西南の月夜見山から、小河内峠を経由して登るコース。
  • 陣馬尾根
  • 南の藤原から陣馬尾根沿いに、小河内峠を経由して登るコース。
  • 湯久保尾根
  • 南東の小沢から湯久保尾根沿いに、仏岩ノ頭や湯久保山を経由して登るコース。
※コース名に厳密な名称はありません。
山と高原地図
御前山のコースが紹介されているのは、山と高原地図の「奥多摩」です。地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!
地図を持たない登山は危険ですので、必ず地図を持って登りましょう!

御前山の登山計画

プラン
今回は、本格的登山シーズンに向けた筋トレ&基礎体力作りが目的。三頭山のヌカザス尾根、水根からの六ッ石山と、奥多摩屈指の急登コースを巡るチャレンジ登山の第3段でもある。
コース
3つ目に選んだのは御前山の大ブナ尾根。奥多摩一の急登、鷹ノ巣山の稲村岩尾根に負けず劣らずの急登であるとの噂。なお、今回も筋トレが目的のため、ストック無しで挑むことにした。

御前山コースレポート

奥多摩湖 ~ 御前山登山口

【8:43】奥多摩湖バス停に到着。
始発の電車でくる予定が、寝坊して1本遅れてしまったので、45分遅れで到着。三頭山登山の時もそうだったが、奥多摩湖バス停で下車する登山者は多い。奥多摩湖周辺の散策組もいるようだが、登山者の大半は御前山。

登山口は小河内ダム隣の広場にあるため、まずは奥多摩湖沿いを歩き小河内ダムを渡る。

御前山登山口 ~ サス沢山

【9:00】御前山登山口に到着。
さて、ココから登山スタート。第一の中間目的地はサス沢山。登り始めてすぐに頂上広場への分岐があり、近そうなので寄ってみたが、展望はいまいち。
頂上広場への分岐以降、すぐに急登がスタート。最初から容赦のないキツイ急登。とは言っても序盤で体力もあるため、最初の名も無きピークを越えるまでは、まだまだ余裕。ちなみに、この時期に御前山のカタクリが花を咲かせるため、奥多摩屈指の急登コースにも関わらず、登っている登山者にはシニアや女性登山者も多い。
そして序盤戦最大の難所がサス沢山への上り。露岩のない広がった急登の尾根道で、地面は緩い土で登りにくい。こういうタイプの急登って苦手。今日はストックもないので、脚力のみで登りきらなければならないツラさ。息はゼエゼエ、汗もダクダクで、なんとか登り切る。

【9:42】サス沢山に到着。
最後の急登は15分ほどで登り切っているが、ツラかったので感覚的にはもっと長かった印象。さすがに疲れたのでサス沢山で中休憩。

サス沢山からは、西側奥多摩湖の見晴らしが良い。惣岳山も含め御前山は展望がいまいちな山なので、サス沢山からの風景は唯一の展望スポット。来週登る(通る)ことになる、山桜で有名な倉戸山が見える。

サス沢山 ~ 惣岳山

【9:47】サス沢山を出発。
次なる目的地は、御前山直前にある惣岳山(そうがくやま)。サス沢山からは緩やかな道となり、このまま御前山までたどり着ければ良いが、そうは問屋が卸さなかった。

なお、途中で同じ奥多摩湖から登ってくるコースとの合流地点があった筈だが、道標などはなく、後ろ斜め後方から合流しているので、気付かず通り越していた。もともとわかりにくい地点だとは思うが、山と高原地図の標準コースタイムが、この合流地点で区切られているため、道標ぐらいは立てておいて欲しかった。
30分ほど進むと惣岳山まで2段構えの急登が待ち構えている。1つ目の急登の先が惣岳山だと思い登ってしまったため、途中で心を折られてしまった。2つ目の急登手前には多数のバイケイソウ。(コバイケイソウかも)美味しそうに見えるが有毒植物のため、鹿も食べない。6~8月にかけて白い花を咲かせる。惣岳山の直前の、部分的に組まれた木の階段は、疲労でなかなか脚が上がらずかなりツラかった。

【10:35】惣岳山に到着。
惣岳山は、月夜見山から登ってくる場合の合流地点でもある。惣岳山からの展望はきかない。さすがにあの2段構えの急登を登り切った後なので、休憩している登山者が多い。自分も疲れたので10分ほど中休憩。

後で知ることになるが、大ブナ尾根から登るこの本コースの難所は惣岳山まで。惣岳山から御前山までに難所はないので、惣岳山まで着いたらあとは楽勝。

山と高原地図では、惣岳山の山頂近くに水場マークがあるものの、水場らしき場所は見当たらなかった。マークが山頂から少しズレているようにも見えるので、惣岳山の少し先で合流している境橋から登ってくるコース上かもしれない。

惣岳山 ~ 御前山

【10:43】惣岳山を出発。
惣岳山から御前山までの標準コースタイムは20分。一旦下ってから登り返して山頂に至る。
【10:57】御前山の山頂に到着。
事前情報でわかってはいたが、展望はきかず。展望が期待できないにも関わらず、登山者が多いのはカタクリ効果だろう。やたらシニア登山者が多いし。到着直後は人も少なく、ベンチで食事をとることができたが、その後は食事場所を探すのが難しいほどダダ混みしていった。

御前山 ~ 御前山避難小屋

【12:05】御前山を出発。
まずは、御前山山頂近くにある、御前山避難小屋を目指す。

御前山避難小屋は3つのコースの分岐となる地点。分岐は3つで、[1]南東の小沢へ抜ける湯久保尾根[2]北東の鋸山に抜ける尾根[3]御前山避難小屋経由で北の境橋へ抜ける道。地図では一地点から3つに分岐しているが、厳密には[3]と[1][2]へ向かう分岐があり、その後に[1][2]への分岐となる。(御前山から下ってきた場合)

【12:18】御前山避難小屋に到着。
奥多摩にある避難小屋はきれいな小屋が多く、御前山避難小屋もやはりきれい。トイレもある。水場もあるが、水量は少なく少し泥で濁っているので、緊急時以外に飲むのは厳しい。[御前山避難小屋内

トイレを済ませた後、コンパスと地図で方角を確認してから出発。にも関わらず、北の境橋方面に進んでしまう。10分ほどで気付き引き返したので、なんとか事なきを得たが危なかった。コンパスと地図を使ったにも関わらず間違ってしまった原因は、避難小屋出発直後の道が、一瞬だが鋸山のある北東方面に向いていたこと。小さなカーブは地図で確認することができないので、分岐以降で道がカーブしている場合は要注意。今後に活かせる失敗事例として良い経験にはなったかな。

なお、境橋方面に進んだ登山道脇が、バイケイソウやハシリドコロなど、植物の群生地となっていた。どちらも有毒植物のため鹿の食害から免れている。ハシリドコロは、食べた人が幻覚により気が狂ったように走り回ることが名前の由来らしい。コエ~。

御前山避難小屋 ~ 鞘口山

【12:52】分岐地点に到着。
この分岐は、[1]南東の小沢へ抜ける湯久保尾根[2]北東の鋸山に抜ける尾根 への分岐。[2]へ進む。

次なる中間目的地はクロノ尾山。なんかRPGのゲームに出てきそうな山名。御前山避難小屋以降、下り道が続いた後、緩やかなアップダウン。尾根道だが眺望はきかず、特段見どころもないため、淡々を歩を進める。

【13:22】クロノ尾山を通過。
山というより通過地点となる小ピークで、展望もきかないため、縦走路の休憩スポットといった感じ。山頂スペースは狭いがベンチはある。団体のシニアが休憩していたので、自分は休憩せずに通過。ちなみにこちらの団体はトイレ休憩だったようで、登山道外の茂みから人がわさわさ出てきて、びっくりこいた。

クロノ尾山以降も同じく尾根道で、引き続き眺望はきかず特徴もない道。なお、御前山ではあまり見かけなかったカタクリの花だが、この鋸山への縦走路の方がよく見かけた。
【13:35】鞘口山に到着。
クロノ尾山同様に狭い山頂スペースにベンチがあるだけで展望はきかない。なお、後に出会ったシニア登山者から教えてもらったが、この鞘口山から北の奥多摩病院の裏手に抜ける、山と高原地図には載っていないコースが存在する。この時は知らなかったので、スルーしてしまったが、写真撮影している後方に道があったはず。積極的に登山道として整備されていないので、知らないと気づかない程度の道。

鞘口山 ~ 大ダワ

鞘口山以降も、特段道に変化なし。鞘口山からすぐの場所で30人のほどのシニアの団体と遭遇。このシニアの団体に鞘口山から奥多摩病院に抜けられることを教えてもらった。鋸岳の隣にある天地山から鞘口山経由で奥多摩病院に抜けるらしい。どちらも山と高原地図にないコースだし、なかなかアグレッシブなシニアの団体。
【14:03】何やら前方に道路が見えてきたと思ったら大ダワに到着。
地図をよく見ると、大ダワを鋸山林道が通っている。トイレに車の駐車スペースもあるので、大ダワまで車でくれば簡単に鋸山を登頂できる。道路を横断し、反対側にある登山道から鋸尾根に登る。

大ダワ ~ 鋸山

この鋸山林道から鋸尾根に出る道だが、短い区間ながらもかなり急登。特に鋸尾根に出る直前は、急勾配に加え、鉄のハシゴも設置されているなど、ちょっと危険な場所だった。
山頂には多数の登山者。と思ったら団体シニアだった。(写真は団体がいなくなった後に撮影)この団体シニアは御前山でも見かけているので、結構ハイスペースで歩いてきていると思う。鋸山の山頂も展望がきかないため、少しだけ休憩してすぐに下山開始。

鋸山 ~ 鋸山登山口

さて鋸尾根は、2014年1月3日に大岳山縦走登山で通った勝手知ったる道。御前山への分岐地点(鋸尾根との合流地点)に戻ってから少し登り返しがあり、緩いアップダウンはあるが、その後は下り一辺倒。改めて感じたが、道は踏み固められていて歩きやすい。この登山道は、御前山からの縦走者と、大岳山からの縦走者が合流して歩いているので、これまで以上に登山者も多い。
鋸尾根の鎖場は、巻道を使って進む。下りで鎖場なんて通りたくないし。
【15:45】鋸山登山口に到着。

鋸山登山口 ~ 愛宕山登山口

鋸山登山口からは、愛宕山への登り返し。愛宕山の山頂には愛宕神社が鎮座している。愛宕神社通過後すぐに愛宕神社の長ーい階段だと思っていたが、記憶がカットされていたようで、愛宕神社から登山道を結構下る。
【16:05】愛宕山登山口に到着。
そのまま歩いて奥多摩駅に向かい、今回の登山も無事終了。お疲れ様でした。

御前山コースタイム

予定 実際 場所
08:00 08:43 奥多摩湖バス停
09:45 10:00 分岐
10:35 10:35 惣岳山
10:55~12:00 10:56~12:05 御前山
- 12:18 御前山避難小屋
12:45 13:35 蛸口山
13:05 14:03 大ダワ
13:20 14:17~14:25 鋸山
- 15:45 鋸山登山口
- 15:49 愛宕神社
15:00 16:10 奥多摩駅

御前山の難易度

難易度

09/30

総合難易度
必要体力 体力難易度3
コース距離 コース距離難易度4
所要時間 所要時間難易度3
危険度 危険度難易度4

登山難易度 登山難易度7
小屋・水場 小屋・水場難易度2
アクセス アクセス難易度2

総合難易度 総合難易度6

登山DATE

  • 歩行距離:14.69km
  • 登山歩数:23,260歩
  • 高度上昇:1,174m
  • 高度下降:1,364m
  • 出発高度:0,530m
  • 最高高度:1,405m

  • 標高の差:0,875m
  • 活動時間:06:10
  • 休憩時間:01:17

  • 合計時間:07:27
必要体力

噂に聞いていたとおり、健脚向けの急登コース。スタート直後から急登が続き、惣岳山まで殆ど上り一辺倒。難所は、登山口からサス沢山まで続く急登と、惣岳山直前に待ち構える2段構えの急登。

今回特にしんどかった原因は、周りの登山者に触発され、無意味にハイペースになってしまったこと。自分は、短い区間で登っては休憩を繰り返しながら登るスタイルなので、一定スピードで休憩をとらず淡々と登る登山者が前後につくとペースを乱されてしまう。後半は、前方を歩くカップルの登山者をペースメーカーとして登ったので、そういう意味でしんどいながらも後半の方が登りやすかった。反面、惣岳山まで辿り着けば、後の鋸山までの縦走も含め楽なので、難所は奥多摩湖から惣岳山まで。
危険度
急登なので足を滑らせたり、何かの拍子に後ろに倒れるなどすると危険だが、鎖場などはないので、まあ普通に登っていれば問題ないレベル。一回だけ道を間違ったが、登山道から外れるような道迷いの可能性は殆どない。
総括
眺望・展望が殆どきかない山なので、登るならやはりカタクリなどの花が咲いている時期が良い。奥多摩なので冬でも登れるが、冬に登るとツライだけで魅力が殆どない山になるだろう。
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